転生先はFSSだと思ってた   作:Delphinus

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呪術高専 5 京都 直哉が死んだ!この人でなし!

 交流戦会場が襲撃されると言うとんでもないアクシデントの後、呪術高専交流戦は一旦中止となった。2戦目の内容は、何か野球へと入れ替わっていた。

 

(どうなってるのさ、これぇ……)

 

 僕はスポーツが出来ない。野球もサッカーもバスケも無理。陸上もマラソンも駄目。全部ダウト。そんな僕でも、バッターボックスに立たされるのは止められなかった。

 

 ドクターキエリ:出身は広島県広島市

 嫌いな物はアメリカと戦争と核兵器、身体動かす事全部。好きな物はロボットと宇宙開発と呪術の模様

 

「来い! バントで三振振った僕の華麗なバッティングを見せてやるぅ!」

 

 バントで構える、何でかって? バントじゃ無いと当たらないんだよぉ! さあ来い! ストライク、ストライク、ストライク、バッターアウト、チェンジ! 

 

 無事バントで三振振ったのだった。バントでも当たらない! 

 

「もー何やってんのよぉ! 、あんたのせいで大敗したじゃ無い!」

 

 ドクターキエリは試合の足を兎に角引っ張りまくった。真希先輩が必死に稼いだ得点を片っ端から無駄にして、攻めではバントで三振振りまくった挙句、守備では守っているポジションばかり狙われて京都高専側の得点源として散々に貢献した。

 

「五月蝿い! 僕なんかスポーツの試合に突っ込んでんじゃねーよ! 、そんなの負けるに決まってんだろーがぁぁ!」

 

「ええ、そこで逆ギレする!?」

 

 その結果東京高専は野球勝負に敗北。交流戦は痛み分けという形で終了した。

 

「はぁぁ、スポーツとか言うどうでも良い事で時間潰しちゃいましたし、早く研究に戻らないといけません」

 

「それどうでも良く無いんだけどォ!?」

 

 釘崎さんは凄い顔芸しながらそう言った。美人なんだから顔芸は程々にした方が……。

 

 

 

 

「ねぇ、真希さん、前にお願いした事、今日で良いですか?」

 

「ああ、分かった。折角京都に来たんだからな、真依にも声をかけるぞ」

 

 交流戦がひと段落した後、真希さんにお願いして禪院家本邸に連れてきて貰った。僕とエーオース、それに真希さんと、それに

 

「あっキエリじゃない! 、さっきは有難ね! 貴方のお陰で試合は快勝出来たわ!」

 

「それ皮肉ですか……真依さん」

 

「それだけじゃ無いわ! 私本当に感謝してるのよ! 貴方のお陰で強くなれたし! 禪院家は壊滅出来たし! 直哉は死んだし! 今が人生で一番ハッピーなのよ! 本当に有難う!」

 

「は、はぁ……それはどうも。……所で直哉って本当に誰なんですか?」

 

「知らなくて良いさ、あんな奴……て言いたいが、どうせ直ぐに分かるか。一言で言ってクズさ、どうしようもない下等な人間だ」

 

「は? クズ? 下等な人間? ……そ、それだけじゃ全然分かんないんですが」

 

「ま、あんな最低なゴミの事なんて忘れて良いわよ。目的は禪院家の所蔵文献でしょう? 早く行きましょう」

 

 そして京都の道を歩く。美しい道は観光にも良さそう。良い景色、歩くと気分が良い。暫く姉妹に連れられて、そして、

 

「な、何これ……屋敷が、壊滅して、る?」

 

 禪院家は、なんか壊滅していた。いや、本当何があったの? 何でこんなに壊れてるの? ていうかこれ、所蔵文献まで壊されてない? 心配なんだけど。壊滅した屋敷の上に、申し訳程度に仕切りテープが貼られている。無残な光景。

 

「これは、凄いですねマスター」

 

「恥ずかしい所を見せたな。家はこの通りだ。前までは立派な屋敷だったんだが、殴り込みの時に壊してしまった」

 

「これでも忌庫や文庫は生きてるわ。貴重品には手を出してないもの。さ、こっちよ」

 

「は、はい……」

 

 まだ辛うじて生きてる屋敷の門をくぐる。2人の後に、続こうとして、

 

「はぁ、この様子だと、壊される前は綺麗な屋敷だったんだろうなぁ。正直見てみたか『おお、お前がドクターキエリか。話は聞いてるぞ。良く来たな』ヴェァァ?!!」

 

 何かいきなりとんでもない速さのお爺さんが話しかけて来た。余りにも速くて対応とか無理だった。な、何があったの? これ……。

 

「呪術総監部の規定を破って、世界中に呪術の情報をぶちまけやがった大馬鹿野郎。しかも呪術師を遥かに超えるとんでもないロボットをポンポン作りやがると来た。まあ海外には呪術総監部もクソも無いからなぁ、俺はそんな事ぐらい気に止めんぞ」

 

「は、はぁ、有難うございます」

 

(こちらが、話に聞いた禪院直毘人さん、でしょうか?)

 

 禪院直毘人さんについての話は聞かされた。禪院家26代目当主で……禪院家って26代も続いてるの? 改めて凄いなぁ……。あー兎に角、今は当主を引退して隠居生活を楽しんでいらっしゃるらしい。厳つくて威厳がある見た目、怖いけど格好良い感じですよ。

 

「爺さん、直哉は」

 

「居るぞ、何時もの場所だ。会うのか?」

 

「いや、会わないならそれに越した事はない。行くぞキエリ」

 

「そうねー、あんな奴、顔も見たく無いし」

 

「ふ、嫌われたもんだなぁ、直哉の奴。まあ当たり前か。行くのは文庫だろう、好きに見ていけ」

 

「あ、有難うございます……」

 

 お爺さんに一礼してから、門を越えて移動する。

 

(それにしても、こうもあんまりに貶されまくってると流石に気になりますよ。直哉って一体どういう奴なんです?)

 

 何で直哉さんってこんなに一々憎まれてるの? 一体何やったらこうなるんでしょうか。直哉さんの扱いが酷過ぎて逆に気になって来る。事情が本当にさっぱり分かんないですし。

 

 

 

 

「うげっ、何このイケメン、気持ち悪い」

 

「はぁ何や、このチビ」

 

 壊れた屋敷を通る中で、結構沢山の人を見かけた。広い敷地の中に申し訳程度に誂えられた小屋が幾つも立っていて、それらが生活機能を代行しているようだった。

 そして、小屋の一つを通り過ぎた時、何か無駄に凄いイケメンにあった。うわー気に入らない、イケメンとか不愉快。

 

「ちっ、直哉か」

 

「真希、それに真依やないの。どないしたん?」

 

「知るか、行くぞ」

 

「そういう事、お前はもう存在する価値無いんだから。速いこと死んでくれない?」

 

「何やて」

 

「さ、流石に酷過ぎません真依さん、それ……」

 

「別にそんな事無いわ。貴方は事情知らないからそんなに甘い事が言えるの。さあ行くわよ」

 

「は、はい……」

 

 直哉さんの事は放っておくよう催促される。拒否する理由は無いし、そのまま歩いて……でも、僕はぽつりと言った。

 

「それにしても、これが例の直哉さんですか……なんか顔がウザいなぁ」

 

「ああん!?」

 

 目にも留まらぬ速さだった。気が付いた時には既に胸倉掴まれていた、あ、あああ、呼吸できなっ、苦し、あああ! 

 

「ツァラトゥス『そこまでにしとけ』ぼゔぇぁっ」

 

 形振り構わずツァラトゥストラを呼び出そうとして、なんか止められる。更にはいつの間にか、直哉さんが物凄い勢いで消し飛んでボロ雑巾になっていた。……何で? 

 

「こんな所でロボットを呼ぶな。ただでさえ壊れた屋敷がもっと酷い事になる」

 

「す、すみませんでし、たぁっぃ、ぜぇ、はぁっ真希さん……」

 

「それと」

 

 真希さんがボロ雑巾状態の直哉の方に向く。そして宣言する。

 

「ゴミが、コイツに手を出すな。やるなら私が相手になる」

 

「は、はぁぁっ、ぐえぇ……」

 

 直哉さんはズタボロで何も答えられなかった。それにしても、さっき……。

 

「さっきの直哉さんの移動……何かカクついて無かった? あの周期は……ねぇ、エーオース」

 

「分析は完了しています。24fpsと同値です。1秒間を24分割した形でしか動けない代わりに、見かけ上は驚異的な加速が可能になる術式かと」

 

「あー成る程、自分の移動をアニメーション化するんだ。でも、それってもしかして自分の頭で一々アニメーションを作るの? それ大変じゃない? それこそAIとかでサポートした方が……」

 

「よく気付くわねぇ、キエリ博士は。その通りよ。自分の動きをアニメーションにする事で高速移動できる。それが投射呪法。それにしても、その分析力呪術師向きじゃない?」

 

「そうですか? それは良かったですけど……」

 

 真依さんにちょっとだけ褒められた。その後、ボロ雑巾になった直哉さんを放ったまま書庫に向かう事になった。

 

 

 

 

「はぁぁ、禪院家の書庫は凄かったなぁ」

 

「そ、そうなんですか……真依さんの家に」

 

 禪院家を出て、一旦京都高専に戻った。禪院家の文庫から秘密文献を読ませて貰った上に何冊か重要な本を図書館感覚で借りさせてまで貰った。成果は無限大で最高に楽しい。でも、もうそろそろ東京への帰りの時間が近づいてるし、もう一つの用事も早めにこなしたい所なんだけど。

 そう思って京都高専の校舎を歩いていると、水色の髪の方に会って話をする事になった。

 

「あっえっと、貴方はドクターキエリですよね! さ、サインお願いします! あと一緒に写真撮って下さい!」

 

「えっサインですか? それに写真……、ああ、貴女は三輪霞さんですね。構いませんよ」

 

「やったー! そ、それに、私の事覚えていて下さったんですか!?!」

 

 さっき交流戦で見た三輪霞さん。可愛いけどキャーキャーちょっと五月蝿い。僕の名前と三輪霞の名前を入れたサインを渡して、写真も撮った。自撮なんて撮る習慣無いし、まあちょっと新鮮。

 

「自撮りかぁ、撮るの始めてだなぁ」

 

「えっそうなんですか!? 、面白いですよ自撮り!」

 

「んーそう何ですかねぇ、じゃあそういう事にしときましょう」

 

 僕とエーオース、そして三輪さんの三人で撮影。僕と三輪さんは髪色が水色で似てるから、写真は綺麗に噛み合った。そして、写真を撮り終わった後僕はふと思いつく。

 

(ああ、折角ですから、三輪さんにも情報を聞いてみましょう)

 

「ねぇ三輪さん。メカ丸の本体って、何処にいるかご存知ですか?」

 

「えっ?」

 

 

 

 

「こ、こっちにメカ丸が? こんな建物の地下に……」

 

「私の分析が正しければ、この辺りで間違い有りません」

 

「という訳です。エーオースの判断は常に正確ですよ」

 

 三輪さんはメカ丸について何も知らなかったけど、グレートメカ丸の呪力範囲から逆算して、呪力の発信源を分析、メカ丸の位置と思わしき場所を同定した。場所は京都市中だ。

 今からメカ丸の所に向かいます。そう言ったら三輪さんも行きたいと言って付いてきた。拒否する理由は無いし、クラスメートを利用すれば、もしかしたらメカ丸の懐柔も容易かもしれない。そう言う打算もありという訳。

 

 建物の地下に入り込む。奇妙な場所だけど、今の僕には中々のホラー耐性が有るのですよ。怖がらないと言うよりは、ホラーの正体を看破して怖く無くするタイプの能力だ。これもファティマ・マイトの恩恵という訳ですね。ま、怖さそのものへの耐性はさっぱり有りませんけど。

 

「な、何ですかここ、不気味、こわっ」

 

「あはは、ここはまだ普通の建物ですから。もっと降りますよ?」

 

「材質は通常の建造物と同じ、罠もありません。だから大丈夫です」

 

「そ、そう言う問題じゃなくてぇっひゃ、ひゃぁぁっ」

 

 怖がる三輪さんを宥めすかしながら何とか進む。そして、その最奥地に

 

「さ、初めまして、与幸吉さん? 僕はドクターキエリ、木衿冬嗣と言います。こちらはファティマのエーオース」

 

「初めまして、エーオースと申します。与幸吉様」

 

「こ、ここが、分かったのか……三輪、それに、俺の名前を、知っているのか? ドクターキエリ? そして、ファティマ……?」

 

「えっ嘘、メカ丸、こんなに痛ましい……姿、だったの?」

 

 初めて見たメカ丸さんの姿は、全身がぐるぐるの包帯巻きになった病人のそれだった。おや、これは思ってたより重症みたいですねぇ。

 

 

 

 

「俺の天与呪縛は、望んで得た物じゃない。無くして健康になれるなら、是非ともそうしたい」

 

「そ、そう思ってたんだ……ごめんね、メカま……幸吉。私、幸吉の事今まで全然分かってなかった」

 

「いや、良いんだ。俺だって隠して来たから」

 

(それにしても、これ程の天与呪縛を無くす? 勿体無いなぁ)

 

 グレートメカ丸、本名与幸吉は驚異的な呪力範囲を誇っている。それこそ国一つが彼の射程内という恐るべき代物。これ程強大な天与呪縛だと言うのに、彼はそれを無くしてでも健康になりたいと、そう言って見せた。でも、それでは流石に勿体無くない? 

 

(天与呪縛を維持したまま、健康な身体を手に入れる方法……良し、行けますね。家入先生にもお願いしましょう)

 

「さて、宜しいですか? 与幸吉さん。貴方を健康にする方法があります。僕はファティマ・マイト『ファティマ・マイトは最高の医師でもあるんだろう?』わ、分かるんですか?」

 

「分かるさ。それで、どうすれば良い」

 

 与幸吉さんは想像より遥かに多くの知識量を持っている。ファティマ・マイトが医師でも有る事すら知っているらしい。ま、それが分かるなら話が早い。

 

「当然ながら、手術です。オペレーションの内容は思い付きました。ただ、非常に大規模な手術ですし、反転術式を使う必要性があります。後で家入先生にも連絡します。後遺症は絶対に出しません。それで構いませんか?」

 

「頼む。俺は、皆んなと京都高専に通いたいんだ。傀儡のなんかじゃ無くて、生身で」

 

「メカ丸……幸吉、そ、そんな事思ってたの。ごめんね、全然分かってあげられなくて。キエリ博士、私からもお願い。幸吉の事、何とかしてあげて下さい」

 

「ふふ、心配は要りません。チャチャチャっと仕上げちゃいます。さ、手術には同意したと見なしますよ。これから東京高専の家入先生にも連絡してカルテを作ります。三輪さん? 申し訳有りませんが、ここから先は関係者以外立ち入り禁止です」

 

「分かった。私は帰るわ……幸吉、私、高専で待ってるから」

 

「ああ、必ず俺も行く。待っててくれ」

 

 三輪さんをエーオースに送らせて外に帰らせる。三輪さんの影が見えなくなった後、さて、漸くあの話も出来ますね。

 

「ねぇ、与幸吉さん。呪霊と会ったでしょう」

 

「んなっ、……分かったか」

 

「ふふ、鎌掛けです」

 

「な、なに……、そ、そうか。まあ良いさ、そうだ。俺は内通者になった。この身体を治してもらう為にな。だが、それももう無駄になった」

 

「分かりました。では、呪霊との関係は絶って貰います。それが手術の条件です」

 

「こっちもそのつもりだ。元々、好き好んで呪霊だの呪詛師だのとつるんじゃいない。それに、俺を治せるかもしれなかった真人はもう祓われた。呪霊如きに与する意味はもう無くなったんだ」

 

「ふふ、分かりました。では、対価として貴方と呪霊、それに呪詛師との関係は秘匿しましょう。そんな事実は存在しなかった、良いですね?」

 

「ああ、分かった。頼む……ホント、何から何まで世話になってばっかりだな。済まない、ドクターキエリ」

 

「気にしなくて良いですよ。さて、先ずは家入先生への連絡からです」

 

 

 

 

「それにしても、与幸吉、本当にとんでもない奴ね。こんな状態、天与呪縛なんでしょう。正直私でも遠慮したいんだけど」

 

「大丈夫ですよ。今オペレーションの情報を送ります。後、今回の手術にはとっておきの秘密兵器が有るんです」

 

「これは、また大規模な施術ね……大変な手術になりそうだわ。ま、やりましょうか。所で、秘密兵器って何よ」

 

「是非ともお願いします。後、秘密兵器はこれです。これの情報はとっておきですから、当面の間秘密ですよ?」

 

 家入先生に連絡して相談しながら、与幸吉の身体情報を一通り検査してカルテを作る。勿論、秘密兵器の情報も送った。手術部位がそれこそ全身に及ぶ非常に大規模な手術だし、使える物は全部使いたい。反転術式もそう。

 

「はぁ、それでも、ま、まあ良いわ。与幸吉は切実に治療を必要としているもの。困難でも、やって見せるわよ」

 

「分かりました、先生。それは頼もしい限りです」

 

 連絡を切った後、私はまたタバコを1本吸う羽目になった。吸わずに居られるか! あんな物見せられて。木衿冬嗣、本当にとんでもない物を繰り出して来た。

 

「バイオリレーションシステム? 和訳で、生命力再配給システム、かしら。本当に何て物を作ったのよ。あの馬鹿は」

 

 

 

 

「五条先生、済みません、暫く京都から帰れなくなって」

 

「あはは、知ってる知ってる、そんな事心配しないでいーよ。メカ丸の事でしょ? 気楽に行きなって」

 

「はい、分かりました」

 

 僕は暫く京都に滞在して、与幸吉の手術を準備する事になった。大規模な手術だから準備すらも大変。必要な物が沢山ある。

 

「えー! キエリ東京に帰らねえのかよ!」

 

「嘘ぉ、ホントに!? 冗談でしょ!?」

 

「そ、そうなのか……大丈夫か? キエリ」

 

 虎杖と釘崎さん、伏黒は僕が京都から帰らない事を知って驚いた。僕は答える。

 

「アハハ、心配は要りませんって。予定では1週間くらいで帰りますから。ですから別に気にしないで良いんですよ」

 

「そ、そうか……頑張ってな」

 

 そう言いながら、残念がる虎杖達とおしゃべりした。それから、

 

「キエリー! 暫く京都に滞在するんでしょ! やったぁ! 折角だしデートしましょう京都デート! 良いデートスポット知ってるのよ!」

 

「ま、真依さん? そ、そんな性格だったんで、う、うえぇっぁぁ」

 

 なんかいきなりやって来た真依さん、知らない内に滅茶苦茶明るくなってる。矢鱈抱き着かれて困る。ど、どうしてこうなったんでしょう? 僕の知ってる真依さんはもっと冷静だった筈なのに……。

 

「ふっ、キエリは少し京都に残るのか、好都合だ。今度こそ鍛錬くらいするぞ」

 

「鍛えるのは嫌だぁぁぁ──ー」

 

 しかも東堂まで居るゥゥ!! 東堂は! 東堂でぇ! 東堂だったぁぁ!!! やっぱり東堂は嫌だぁぁぁ! 

 

「は、はぁぁっぁ、京都に残ると言っても、手術の準備ですから、自由時間はあんまり……」

 

「それでも、どうせちょっとくらいは時間有るんでしょ? だからデート行くわよ」

 

「は、はいぃ……」

 

 真依さん、何か異常なまでに押しが強くなってる。本当にどうしてこうなったの? いつの間に? 

 

「ふっ、つまり訓練の時間も取れるという事だ。短期間でも出来るトレーニングはあるぞ」

 

「そんなの無くて良いですゥゥ!」

 

 でも、このままだと東堂のトレーニングにも打ち込まれそう。助けて? 誰かお願い助けて? 

 

「トレーニングくらいやっときなさいよキエリ。東堂は確かにウザいけど、トレーニングは正確よ。少しでも生存率上がるんだから」

 

「真依さんまでそう言うんですかぁぁぁ!??」

 

 真依さんにまで退路を塞がれる。これは、もしかして、もう逃げ場無い? 

 

「え、エーオース?」

 

「ふふ、トレーニング頑張って下さいね?」

 

「……止めようね、トレーニングなんか、止めようね」

 

 ああ、もう、今度こそ本当に逃げられないかもしれません。




禪院直毘人:隠居生活楽しー
禪院直哉:偽もっ
主人公:アホだが天才。天才だがアホ。頭脳は天才だが精神的には脆く、呪術師には向いてない。五条先生が封印されて死滅回遊が始まると、デスゲームとか無理って言って心折れてアメリカに帰る。その後アメリカ軍に全面協力して死滅回遊を形振り構わず消し炭にしに来る。
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