マジックとかもタネがわかっていても、やっぱり凄いという言葉しか出てきませんわ。
訪問二日目である。
昨日は私が九塞溝を観光したことが早速ニュースになっている。
そしてフェルが我慢できずに水面に行って、私が迎えに行った場面が特に取り上げられていた。
なんか幻想的な世界観になっているということだそうで、確かに考えてみたら見た目まんな妖精なフェルだから、そう見られてもおかしくないなあ。
まあ、それはともかく今日は中国の首脳陣に挨拶だ。
その後は縮小ボックスを渡して、雑技団を楽しむ。
それで中国でのお仕事は終わりで、日本に移動だ。
ほんとはチベットでエベレストの中間に行ってみることも考えたけどね。
とにもかくにも顔を洗って朝ご飯。
ちなみに標高差はあんまり気にならなかった。
気にしすぎかなとは思えども、こうやって一つ一つ不安材料を消していくことが大事だろうからね。
そして、用意された朝ご飯は小籠包である。
これは豚まんとかとは違うんだよね。
「中に熱いスープがありますので、まずはレンゲにのせてください。
そこから皮を少し破いてスープをレンゲの中に出すことで、安全にいただけます。
たれ・薬味などはお好みで試していただき、味の変化をお楽しみください」
朝ご飯を用意してくれた料理人さんが説明してくれる。
名前は聞いたことあるけど、食べたことなかった食べ物。
とりあえず薬味としてショウガをのせて、言われたとおりにレンゲにのせて食べてみる。
「あふあふ」
一応気を付けてたので、火傷はしないけど結構な熱さなので、熱気を口の中から出していく。
ちなみにフェルはさすがに熱すぎるから、少し冷ましてから食べるみたいだ。
そして皮・餡・スープ・薬味を味わいながら、私は飲み込む。
「うまああああ」
色んな味が重なり合いながらも、スープがあることで食べやすく、好みでつける薬味がいい。
そうやって何個も味変させて私は食べていく。
こういう朝ご飯もいいよね。
でも、予定もあるから朝ご飯を食べ終わったら準備して出発だ。
用意されたプライベートジェット機に乗り込み、動画で小籠包の味や今日の予定を軽く話す。
実際、世界中で様々な曲芸はある。
サーカスもその一種だし、日本だと大道芸ともいう。
もし何も知らずに、そんな技を口頭で伝えられたら、多分大概の人はこういうだろう。
『そんなん人間にできるわけねえだろ』
でも、現実で生で見せつけられるからこそ、驚くしかないのだろうし見たくなるのだ。
体操競技もそうだけど、素人目から見たらスロー再生されても何してるか理解できないのと一緒だろうなあ。
宙返りと捻りを同時に行って、飛び跳ねて開脚しながら着地とかわけわかんないよ。
正直、普段の練習内容自体も凄く気になる。
公演ができるようになるまでに、どれだけの練習と体づくりをしてきたのか想像もできないからだ。
とはいっても、私の予定もあるから公演後はすぐに日本へ出立ですが。
そんなこんなで首脳陣さんたちの待つ場所へ到着すると、物凄い数の人が旗を振ってくれていた。
『中国へようこそ』
『熱烈歓迎』
そんな横幕が目につき、派手にアピールしてくれている。
そして、その後はお決まりの会談から縮小ボックスを渡して、早速公演に案内される。
正直、交易規模も大きくなってきてるから、訪問時に渡す量を増やしたほうがいいかなあと考える時もある。
でも、そうすると既に訪問して渡した国に、不公平感を感じさせるかもしれない。
なので、どこの国に訪問しようと同じ数量にしておくほうが安全だろう。
国連に売っている縮小ボックスについては、国連で取り組みを作って各国に広がってるそうだし。
魔石の試用についても、またスカールさんと話すときに教えてもらえる。
医療分野と災害対策かあ。
初訪問時の男の子は順調に怪我無く選手を続けられているそうだし、カナダのお巡りさんにとっては家族を両手で抱きしめられることが何よりも喜ばしいとのこと。
でも、地球で安定して再現できるかを確立するのは当分先であろう。
私もそれを理論的に具体的に教えてくれと言われたら、……魔法だしなあ。
優れた科学はもはや魔法であるという言葉には、納得できる理論ではある。
それでも願いの力というあやふやで個人の力量次第というのは、中々取り扱いがしにくいものであることも間違いない。
だとしても良い方向に使えば、必ずや地球の役に立ってくれるはずなんだから。
「それでは大使。
我が国の誇る技をとくとご覧ください」
っと、少し考えてた間に、演目が始まっていく。
そこから見せられる技の数々は、本当に目を惹かれる。
日本でも代表的な皿回しから始まり、ジャグリングにフラフープにデッキブラシ回し。
簡単そうに見えるんだけど、自分でやったら即座に落とすね。
他にも軟体技や一輪車、何個も重ねた椅子でバランスを取る妙技などなど。
見てるこっちがハラハラするのだが、演技する人は常に笑顔のまま。
マルデアでもこういうのはあるけど、魔法込みで行う技もあるので、やはり魅せ方が違う。
フェルも魔法使ってないのは知ってるから、驚き・疑問・想像の範疇外という思いが次々に出てきながらも楽しんでくれている。
座席のひじ掛けを使って自分を腕力だけで浮かせようとして、腕がプルプル震えてるね。
ただ、これほどの技を披露できるようになるのも、幼少の頃から過酷どころではない練習を積み重ねてきたからこそ出来るのだ。
だけど、その過酷さは時に度を超すことも多いらしい。
でも、公演を楽しんでいるものとしては、それを完全に非難することはできない。
精神論を擁護する気はないが、公演内容の完成度が下がれば所詮注目されることは減ってしまう。
華やかにする為に努力を積み重ね、そんな苦労を見せることなく、観客に夢を見せる。
それがあるからこそ、そんな意見が生まれてくるのだから。
色んな意見はあるだろう。
だけど、その過程があるからこそ私たちはその華やかさを見ることができるということも覚えておいておかねばならない。
ゲームだって同じだ。
無から有を生み出すために、まず発想をする。
そこからどんなゲームにしたいか考えて想像し、どんな遊び方にするか?
遊び方から最適なプログラムを作り上げ、実際にプログラムを起動させて確認していく。
それを何度も何度も繰り返して完成させるんだ。
現場で頑張る人達の苦労のおかげで、私たちゲーマーは魅せられ続けている。
楽しかった・面白かった・難しかった・簡単だったという気持ちは、遊ぶ人次第で全然違うだろう。
だけど、その対価としてのお金は制作者たちに喜んで提供できるに違いない。
昔と違い、現代のゲーム制作にかかる開発費・製作期間はどんどん肥大化しているのは知っている。
だから製作してくれている人達に感謝する。
これからも色んな形で新しいゲームを作り上げ、新しい技術を生みだしていくのだろう。
今見させてもらっている演技と同様だろう。
人だからこそ出来るものというのを、開発者の人達はゲームで生んでくれるに違いないから。
そうして、ちょっと違うことを考えている間に公演は終わりを告げていく。
私もフェルも全力で拍手して、出演者の人達に楽しかったと伝えることで、中国での親善を終えて日本に向かって出立するのであった。
中国訪問書いてる間、私は殷周時代を描いたあの仙人大戦漫画のOP曲を何度も歌っておりましたw