リナの星間貿易異聞録 第二期   作:ayasaki

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世界樹の迷宮3でエキスパート。
中々楽しいなあと思いつつ、やはり小さい画面より大きい画面でやれると満足感が違いますね。


商談

「ええっと、書式はこう修正して。

 読みやすいように段落をもっと活用して」

 面談後、私はガレリーナ社に戻って報告書類を修正している。

 これまでの報告書類はきちんと受理されているが、受理してきた部長からすれば修正させたかったことは結構あったとのこと。

 でも、私への認識は注意したら余計に意固地になるだろうから、自分で気づいてくれるのを期待してたのもあったそうな。

 そして今回の面談で成長を感じたから、注意も出来るようになったとのこと。

 だけど、地球との星間交流はまだまだ試験的とも言えるし、状況次第ではいつでも交流を止めることも視野に入れている。

 確かにゲームは社会現象になっているともいえるが、社会現象というのも数年すれば熱も冷めているので、安易に比重を変えられないらしい。

 冷静に先を見極めなければ、被害を被るのはマルデア全体なのだからと。

「それでも上司や上層部との関係改善が進んだんだから、一歩前進だよね」

 なんとなく胸の前で両手をグッと握ってしまう。

 それにこの後は新しい輸出品の商談もある。

 先方に連絡した時はびっくりされたが話は聞いてくれるので、私とガレナさんで訪問予定だ。

「リナ、もう少ししたら出発するぞ」

 ガレナさんも切りのいいところまで仕事を終えたようで、私に声をかけてくれる。

「はい、こちらも準備は出来てます」

「いってらっしゃい!」

 メソラさんが元気よく言ってくれて、ちょっと気分が盛り上がる。

 商談における細かい数字に関しては、メソラさんが頑張ってくれてたからね。

 利益だけでなくコストや割合とか色々計算もしてくれて、そこからガレナさんが判断しやすいようにしてくれていたから。

「行ってきます!」

 そんなこんなで出発。

 移動時間はそんなにかからないが、やっぱりドキドキする。

「商談が上手くいくといいんですけど」

「まあ大丈夫だろう。

 うちからの契約内容で無茶は言ってないし、無理な要求もしていないからな。

 あるとすれば地球に売るという心理的なひっかかりくらいさ」

「あとは地球に魅力的かどうかですよね?」

 マルデアでの商談が上手くいっても、地球にとって欲しいかどうかもあるだろう。

「そこは問題ないんじゃないか?

 確かに魔石や縮小ボックスほどではないだろうが、新しい技術というのはそれだけで魅力的でもあるんだからな。

 技術更新できる切っ掛けにもなるだろうし、未知の情報を手に入れるというのには投資するだけの価値はあるんだぞ」

「それを上手く活用できなくてもですか?」

「ああ。

 新しい何かを生み出すというのは、それだけ凄い事なんだ」

 そんな会話をしながら、私とガレナさんは商談先に到着する。

 そして受付の人に挨拶と商談予定を告げる。

「初めまして。

 私は本日面談予定のガレリーナ社社長ガレナ・ミリアム。

 隣は副社長リナ・マルデリタです。

 社長のスニーデル殿に取次ぎをお願いできますでしょうか?」

 そう、商談相手はエヴリウォーク社。

 あの魔法靴エヴリウォーク・ネオの製造会社なのだ。

「ミリアム様・マルデリタ様お待ちしておりました。

 社長は応接室におりますので、応接室にご案内いたします」

 そこから案内の人が来て、私とガレナさんは移動。

 そのまま応接室に入ると、スニーデルさんが待ってくれていた。

 定番の挨拶と握手をして、商談に入ることとなる。

「では改めてご用件を確認しますが、わが社の商品であるエヴリウォーク・ネオを地球への輸出品にしたいということでよろしいでしょうか?」

「ええ、これまで地球には魔石・縮小ボックス・フェルクルの木の実を輸出しておりました。

 ですが、そろそろ地球に新しい輸出品を考えていたのです。

 そこで御社の魔法靴なら地球に魅力的と思えたのです」

 スニーデルさんの言葉にガレナさんが返答する。

「魅力的ですか。

 私は地球に関する知識はありませんが、地球でどう魅力的なのでしょう?」

 実際に地球に訪問している私が答える。

「地球には魔法というのはありません。

 その代わりに科学技術を進歩させていますが、さすがに靴一つで壁や天井を容易に歩ける技術は持っていないのです。

 その為、災害時などでは救助するために足場作りに大変な労力を使っているんです」

 疑問に対しては、実際に地球に行っている私が答えた。

「なるほど。マルデアでは魔法がありますから、足場づくりという観点は重視されておりませんね」

「はい。他にも地球では山岳地帯であれば、その足場作りさえ出来ない場所もあります。

 そんな時は命綱というのを使って危険な場所に向かうのですが、そんな時だとこの魔法靴の利便性は大きいと考えたのです」

 もしかしたら他にも有用な使用方法はあるのかもしれないけど、現状の私だと思いつくのは災害時が基本になっている。

 ただ、スニーデルさんの表情を見る限り、否定的ではなさそうだが迷っているのがよくわかる。

「無論、我がガレリーナ社が地球側との交渉は全て責任をもって行います。

 商品に関する注意事項・性能・運用方法については、何かあれば問い合わせることにはなりますが、言いがかりのようなクレームはしないことをお約束いたします。

 ご不安もあるでしょうが、その旨を記載した契約書もご用意いたします」

 不安材料になりえそうな部分はガレリーナ社が責任を持つことをガレナさんが伝える。

 正直なところ、かなり下手に出ていたりする。

 でも、この商談が上手くいけば、マルデアで地球への星間交流に協力してくれる企業が増えるということでもあるのだ。

 そこに零細企業だとか中小企業とかは関係ない。

 まずは歩み寄ってくれる企業が出てきたという事実も大きいということでもあるのだ。

「細かな契約内容については、エヴリウォーク社としては余り問題視してはおりません。

 ですが地球へ商品を持っていくという点が気になっているのです」

「ガレリーナ社は地球と2年以上の星間貿易をしておりますが?」

 実績はあるので、さすがにガレナさんが反論する。

「いえ、単純な問題です。

 あくまでもエヴリウォーク・ネオはマルデアでの使用を念頭に置いているのです。

 それを環境も使用者も想定していない地球でそもそも機能してくれるか?

 また機能したとしても、耐久性・使用基準など様々な点で懸念事項が出てくるのは間違いありません。

 そうなると、いくらガレリーナ社側が責任を持つと言われても、販売する弊社としては売って終わりにはならないのです。

 実際、この靴は販売から2年以上経ちますが、改善を何度も行っています。

 ですが、それとてあくまでもマルデアでの販売です。

 そうなると地球という環境で使った時、問題点が発生した時には改善が出来るかどうかが不安材料になるのです」

 スニーデルさんの言葉に納得する。

「不誠実になりますが、地球での使用結果などのデータを提供していただいても、改善できそうになければ十分な価値を示した商品提供できないという経営判断をしなければならない旨も入れてもらいたいのです」

 つまりは取引停止も視野に入れているということだろう。

 エヴリウォーク社からすれば改善したくても、実際に使用する環境である地球には行けない。

 そうなると現地データだけで改善しないと行けないが、場合によっては机上の空論を何度もやりかねないということでもあるのだ。

 多分、そうなると改善費用や時間にどれだけ費やすかは分からないから、利益次第では赤字になりえると考えてるんだろう。

 でも、それは私も魔石と縮小ボックスを持っていく時に思いついていた。

「はい、それについては理解しております。

 その上で、問題なければ改めて契約内容を更新するということでいかがでしょうか?」

 魔石でも同じことを実践してもらったので、魔法靴も地球にもっていったら、その場で試してもらう予定なのだ。

「なるほど。お二人が技術に関するお話も通じるなら安心できます。

 それなら改めて契約内容を確認させていただきます」

 つまり最初はお試しでもあり、実際のデータ次第で判断してもらうことで、絶対に損はさせないという保証も加えておく。

 尚且つ、その上で納得いく契約にしてもいいという好条件なのだ。

 また生産における現場知識もあるというのは、実際の生産や開発における擦り合わせもしやすいということでもある。

 そうしてガレリーナ社とエヴリウォーク社との商談は、まず単発契約になるが無事纏まるのであった。




4層まではファーマー入れてたけど、さすがにボス戦だと外さないと。
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