任務ページが20ページ以上溜まっていた。
この任務を少しずつ達成して減らしていくのが楽しかったんだよなあ。
カシャ、カシャ。
デバイスで撮影していった画像をサニアさんが編集。
そこに解説を入れたり、ゲームでも使われていた表現方法も入れておく。
兎・蛙・猿などの動物たちによる分かりやすい四コマであり、一つの物語ごとに表現方法を活用。
寧ろキャラが人間じゃないからこそ、読みやすくもあるし楽しんで読めるだろう。
元々は作者さんの家族が漫画の読み方が分からないということが切っ掛けで生まれた作品。
しかし、実際に販売されたそれは想定上に人気を博した。
私も楽しんで読めたし、これなら漫画を知らないマルデア人でも受け入れられやすいと考えたからこそ、ガレリーナ社のサイトに掲載する為に頑張っている。
「形は整ってきたから、今週中には掲載できるかしら?」
「出来上がったら一度皆に熟読してもらう予定だが、既に皆からの意見を纏めたからなあ」
そういうことである。
今は漫画を普通に読んでる社員もいるけど、やはりゲームから入ってるから細かい表現方法は知らなかった。
なので、実際に皆に読んでもらって疑問に思ったことや、こうしたらもっと分かりやすくなるとかの意見を出してもらって、そこからマルデア向けに修正して作成している。
「僕は凄く楽しんで読めましたよ。
自分でもドラクアをプレイしていた時に、キャラクター達はこんな事考えてただろうなあと思ってたことが描かれていたのが面白かったですから」
エイレンスさんが出来上がったファイルの誤字脱字チェックをしながら言う。
「文章でしか表示されなかった道具が、絵で表現されますから補完できるのもいいです」
他にも作業を手伝ってくれている社員の一人が答えてくれる。
そうしてマルデアにおける四コマ漫画を発売するための準備が整えば営業だ。
そして漫画なのだから当然販売先の中心は本屋だ。
キャラクターグッズ店でも販売予定だけどね。
「それじゃあ営業行ってきます!」
「いってらっしゃーい」
誰かが必ず返事はしてくれるから、なんか気持ちいいんだよね。
ということで移動するわけだが、ついでに最近のゲームスレのコメントを覗く。
『誰かFinalのメカと宝箱からの竜倒したやつはいないのか?』
『一瞬で倒された』
『レベル上げても瞬殺』
『ドラクア6で主戦力に種上げたのに……』
『小刀で戦う女の子が可愛いよー! ちょっとぶかぶかしてる服好き』
『だが服の機能性としてはどうなんだろう?』
『着心地は悪くなさそうだけど、激しく動いたら脱げそう』
『脱げるの!?』
『着てみたいけど、似たような服は無いからなあ』
『それでいうならマルオの等身大着ぐるみいいよね』
『ポツモンならデザイン分かりやすいから作れないかな?』
『実際に作ってた人いたから見たことあるよ……独特だったけどね』
『既に作ってる人いたのか』
うーむ、ゲームの話題から現実の自分達で楽しんでみたい声があるな。
これってコスプレしたいってことだけど、結構難しいんだよねえ。
あくまでも二次元だからこそいいのであって、現実で真似してみるとイメージと違いすぎるのだ。
キャラへの成りきりを楽しめるけど、やっぱり現実と二次元との落差があるから難しいところだ。
でもマルデアだと魔法を利用すれば演出もいけるから、そういう場所を用意すれば楽しんでもらえるかもしれない?
……ガレリーナ社がイベントの一環として、地球から衣装を持ってくればいけるかな。
試しに持ってきてもいいかもしれないね。
さて、そんなこんなでお世話になってる本屋さんに到着。
店長さんへの営業だが、本ということもあり結構興味津々だったりするのだ。
「こんにちはマルデリタさん。
遂に本として見れるということですごく楽しみなんです」
喜びを隠しきれない店長さん。
「こちらもようやく販売できることが嬉しい限りです。
もっと早く売りたかったですが、受け入れてもらえるか心配でしたから」
「ええ。
ゲームありきの本とは聞きましたからな」
挨拶を兼ねた会話をしながら、私は早速ドラクア四コマ漫画を店長に渡す。
「拝見します。
私もコレクションはまだ途中ですが、楽しんでいますので」
そう言いながら中身を確認する店長。
「ふむ、様々な絵描きさんが参加していると。
これはやはりクリアしてる人たちなんでしょうか?」
「はい。
クリアした作者さん達がプレイ中に思いついたことや、こんな事あったら面白いと考えた内容。
それを起承転結という形を四つの絵で簡潔に伝えているんです。
中にはちょっと違う描き方にもするときはありますが、四コマ漫画では基本的な表現方法になります」
四コマはコマの大きさが同じだし、上から下を順々に見ればいいから分かりやすい。
正直、1ページの中に大小で色々な絵をコマ割りする漫画はすぐに受け付けれないと思う。
慣れてくれば分かるけど、偶に読むコマの順番が分からなくなることはあるからね。
「ふむふむ。これなら気軽に読めるし何より絵だからこそ視覚的に情報が整理しやすい。
文章だとどうしても想像しないといけませんが、これだと誰もが見やすくもある。
ただ、絵の好みや内容次第では好みが分かれそうな部分も考えられます」
店長はゆっくりとページをめくっていき、作者ごとの絵柄や特徴を見極めていく。
「しかし、これはこれで面白い。
好きな作者さんの単行本であれば、その考え方や絵が好きだから浸れる面もあります。
ですが、多数の作者が一堂に会した本であれば、自分では思いつかない発想も見ることが出来る。
マルデアでも同じように考えた作品はありますが、これはこれで気軽に読むことが出来るのがいいですね」
うん、いい感触になってる。
これなら好意的に扱ってくれそうだ。
「ただ、気になったのですがドラクア以外は無いんでしょうか?
これなら他のゲームも出来そうですから、販売で好評になれば確実に他のゲームの要望もあがってくることは間違いないでしょうね」
「いえいえ、他にもポツモンやカービアもありますし、地球でも人気のゲームだと積極的に出版はしています。
ただ、まずはマルデアで分かりやすく楽しんでもらえているドラクアから始めていく計画なんです」
新しいものは最初が肝心だから、ドラクアなら鉄板中の鉄板だしね。
「ふふ、では私としてもやる気が出てきます。
新しい物語を見れるのは私も嬉しいですし、それが面白ければ尚喜ばしいですからな」
こうして、マルデアの本屋で地球の四コマ漫画が芽吹くことになるのであった。
また鳥獣戯画の四コマも見せたところ、こちらも注文されることとなり、地球に追加発注をお願いするのであった。
そして四コマ漫画の営業を終わらせた私であるが、さてと今度はコリフォン菓子店に行きますか。
最近pixivで見つけましたが、反逆コメンテーターエンドウさんが面白い。
そしてAI画像生成のガイドブックを図書館で借りたんですが……読みたいと思ってもすぐしんどくなってしまいます。