PVも出てたけど凄くいい感じ。
映像見るだけでも製作側が凄く気合入ってるようなので期待大。
神谷さん演じてくれるよね?
体力とか年齢による声の質とか考えた時に、声優交代をする理由は分かるけど感情的にはキン肉マンの声は神谷さんじゃないといやだ~。
本屋さんへの営業終了後、私はサニアさんと待ち合わせしてからコリフォン菓子店に移動する。
訪問する理由は夏のイベントに向けての企画なのだ。
末の日イベントはゲーマー達に凄く好評で、末の日以外でもイベントを開催してほしいという要望は結構ある。
そういう要望は喜ばしいのだけど、ガレリーナ社の人員的に中々余裕が無いというのもあった。
しかし、最近は社員も増えてきているし、知名度も広がってきたことで大きめの会場を借りることも可能になってきている。
そして、イベントを利用することで新しい企画をお客さんにその場で試してもらうことも考えたのだ。
勿論楽しんでもらえるようにするためでもあるが、同時にそれが上手くいけば、更にマルデアにおける販売力を高めることが出来ると思っている。
「リナ、お待たせ」
少し考えている間に、サニアさんが私を見つけてくれた。
「いえいえ、こちらもさっき到着したところです」
待ち合わせでお決まりの台詞を交わしながら、早速お店に向かう。
「キャシーも久しぶりに貴方と会うの楽しみにしてるのよね」
「そうなんですか?
そういえばあれからメープルシロップのお菓子ってどうなったんでしょう?」
葉っぱの形をしたクッキーを気に入ってくれた後、キャシーさんは自前で開発してたし。
「そこそこの売り上げだけど定番商品になってるわよ。
食べやすい甘さだから、子供より大人のほうが好んでるみたいだけどね。
お店でも好評みたいよ」
なるほど。上品な甘さって確かに大人のほうが気に入るかな。
「ただ、今回はまた別の話だけど、結構ノリ気だったりするわよ」
「それなら有難いですね」
さて、そうやって話してる間にコリフォン菓子店に到着だ。
「キャシー久しぶり」
サニアさんが軽く手を振りながらにこやかに挨拶する。
お店の中にはお客さんがいたようだが、サニアさんを見て少し気になったような顔をしている。
もしかしたらゲーマーなのかもしれないね。
「久しぶりねーサニア。
リナさんは……少し背が伸びたかしら?」
一応伸びてるけど、元々そんなに身長高くないんだけどね。
「あはは。あんまり伸びてはいませんよ。
予定してた時間より少し早かったですけど、お時間よろしいでしょうか?」
「この作業だけ終わらせたら大丈夫よ」
キャシーさんはそう言って、商品であるお菓子を並べていく。
お店の中は甘い匂いがするので、食べたいなーって思ってしまう。
「フルーツ山盛りのフルーツタルト……。
チョコレートクリームのショコラケーキ……レアチーズケーキ」
「ふふ、あとで買ってね♪」
思わずつぶやいてしまった私の言葉に、キャシーさんは笑いながら答えてくれた。
「食い気は分かるけど、後にしなさいよリナ」
サニアさんに少しあきれられてしまう。
お父さんが作ってくれる和菓子も好きだけど、別口のお菓子はお菓子で美味しいんです。
塩豆大福・どら焼き・桜餅・黒蜜きなこわらび餅・三色団子・みたらし団子・水羊羹・キンツバ。
洋菓子ならシュークリーム・プリン・ケーキ・アップルパイ・スイートポテト。
ユウジの時より、リナになってからのほうが甘味への欲求が多くなってるからなあ。
食事が美味しいと幸せな気分になるんだ。
フェルも家で甘味を出すと喜んで食べるし。
まあ、それはともかく、キャシーさんに依頼内容を伝える。
「ゲームキャラをイメージしたお菓子を作ってほしい……か」
「頼めないかしら? キャシー」
それはちょっとしたコラボと言える企画でもある。
地球では特に子供に人気のあるゲームやアニメだとよくある定番商品であり、様々な形で広がっている。
既にカレーライスとかカツ丼とかのレシピはマルデアで活用されているが、それはあくまでも地球からだ。
でも、今回のはそういう意味でなく、マルデアで生みだして楽しんでもらいたいという考えから、こういう企画をしてキャシーさんに依頼をするという流れだ。
実際、マルデアでもそういう商品はあるから、受け入れやすいと思うし。
「ん~ちなみに期間は?」
「夏のイベントでお披露目考えてるんだけど」
「それだと本格的なのは難しいわね。
デザインもそうだけど一番は味が大事なんだから」
確かに。
イメージとかデザインも大事だけど、美味しくなかったら次に繋がる購買欲に結びつかないよね。
「見た目だけなら考えたことはあるわよ?
でもそこに素材や味がキャラのイメージと合わなかったりとかね」
「年末なら?」
「正式な依頼としてなら本格的に考えれる時間があるわね」
うーん、中々難しそうかなあ。
でも出来れば夏イベントにお願いしたいので、地球のも見てもらおう。
「ちなみに地球でだとこんな感じなんですが」
そういって、私はデバイスからポツモン・カービアのメニューを見せる。
「へえ、地球ではこんなって!?
なにこの可愛いの!?」
キャシーさんがデバイスの画像に釘付けになる。
「スポンジに食材を混ぜるのはよくある手法。
形を整えるのは当然だけど、組み合わせで見栄えはきちんと仕立ててる。
同時に食器にもデザインを加えてる。
そのおかげでゲームの世界観に一気に引き寄せてる。
このセンスはいいわね。地球の食材だから味は分からないけど、確実に購買欲には繋がるわ」
そのままキャシーさんはブツブツ言ってアイデアを練りだす。
実際、私もこの画像見た時は似たような感想抱いたね。
可愛いし美味しそうだし、見ただけで手間暇かけた一品。
ちょっとお高いけど、それでも欲しいと思わせるほどだもん。
子供の時に、お子様ランチを初めて見た感想とある意味近いかもしれないよ。
反対にシンプルなのだと、ぷやまんや焼き印入れただけのクッキーやどら焼きとかもある。
「キャシー、キャシー。
取り敢えず戻ってきて?」
まだ画像に釘付けのままのキャシーさんに、サニアさんが戻って来いと言う。
「あ、ごめんなさい。
つい夢中になっちゃったわ」
「気持ちは分かるわ。
ま、うちとしては最終的にはそういう感じのを作ってほしいってことなのよ」
「そうねえ。
……作るのは楽しそうだから協力するけど、開発期間は現段階では何とも言えないわね」
マルデアのお菓子作りの知識は全然無いから何とも言えないかなあ。
「ちなみに依頼になるんなら、契約の金額とかは?」
「こんな感じで考えてるわよ」
そんなこんなで結果として、無事開発依頼は受けてもらえるが期間に関しては、また後日話し合うことになるのであった。
余談として、私とサニアさんは商談後にケーキを大量に購入。
帰社後に皆に差し入れとして渡すのであった。
いや、だって商談中はずっと甘い匂いで、別腹を刺激されてたもん。
そして思うこと。
やっぱり餡子とカスタードクリームは王道だよね。
ずんだ餅も初めて食べた時は凄く美味しくて、一時期はまってました。
会社帰りの駅改札口で出張販売してる和菓子屋さんって、味の質にはかなり当たりはずれありますよね。