リナの星間貿易異聞録 第二期   作:ayasaki

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ダウンロード・インストールで一時間近く待たされた。
Cities: Skylines II。
初起動した瞬間にPCが唸りを上げるため、グラフィック関連軒並み「低」設定に変更することで唸りが止まった。
と、取り敢えずチュートリアルやりながらPCに極端な負荷がかからない程度に調整していこう。
……他PCゲーでここまで唸りを上げたことなかったので、かなりびびりました。


Hello,Ocean

 ……さてと、地球に移動した私である。

 そして現実逃避しながら気持ちを切り替える為に、

「う~~~~~み~~~~」

「み~~~~」

 360度全てが水平線になっている海に向かって叫ぶのであった。

 フェルも真似して叫んでくれてるけど、多分状況はあんまりピンと来てないだろうなあ。

「んで、ここどこ?」

「引かぬ媚びぬ顧みぬ」

「リナ!?」

 うん、もう少しだけ現実逃避させて。

 いつも通り地球のスマホはアンテナが立ってないので、ジャマイカの時を思い出すよ。

 まあなんとかするんだけどね。

「取り敢えずいつも通り上空に移動しようか。

 そうしたら、何か見えるかもしれないしね」

「うむ。蒼天へと参ろうぞ」

 あ、フェルが必死に私に合わせる為にボケてくれた。

 ごめん、そのボケ方だとどう拾えばいいか分からないんだ。

 某少年が涙ながらに答えるように、笑えばいいよといえばいいのだろうか。

 そんな訳で私とフェルは上空に向かって飛ぶ。

 時間的には早朝だし明るいから、遠くもよく見えるだろう。

「ん~出来れば船が見つかれば一番いいんだけどなあ」

「魔法ぶっぱする?」

「何故に!?」

「索敵範囲に引っかかればよいのだ」

 現実逃避してから完全に漫才を繰り広げている私とフェルである。

 いや、やろうと思えば、かみはみ波みたいなのを魔法で放出することでレーダーとか肉眼で異常発見させるってとなんだけどね。

 もしくは海を割る?

 ……現実でモーゼを再現って世界三大宗教のお方々がどんな気分になるのだろうなあ。

 いかん、さっきから完全に変な方向でギャグになっている。

 と、とにかく真面目に探索方向に切り替えよう。

「取り敢えず周囲を見渡してみようか。

 フェルも何か見つけたら教えてね」

「了解」

 軽く飛び回りながら、周囲を探していく。

「ん? リナ。

 海面になんか飛んでる」

 フェルが何か見つけたようで、私の服を引っ張る。

 そうしてフェルが見つけた海面に目を向けると、

「あ、イルカだね」

 そこには海面を回転しながら飛び跳ねているイルカの群れがいたのだ。

「イルカ?」

 フェルは私が言った言葉で、生物名が分かったようだけど興味を惹かれたようだ。

「近づいて見てみる?」

 フェルはそんな私の言葉に、にっこりと笑って頷いた。

 それにより私はイルカの群れに近づくべく、高度を下げていってイルカたちの進行方向に合わせて平行飛行する。

 そして目の前で再度イルカ達が飛び跳ねれば、

「おーー!」

 その迫力と太陽の光で反射する水飛沫にフェルが興奮する。

「キュイー」

 イルカも私たちに気づいたようで、鳴き声から群れ全体に教えているような感じだ。

 そして入れ替わり立ち代わりで飛び跳ねるイルカ達を見ていると、

「な~な~リナ。

 潜ったイルカ達の動きが見たい」

 そんな誰もが思う内容を、楽しそうにフェルが私にせがんでくる。

 ふむ。

 少し魔法の構成を変えればいいかな。

 よし。

「了解。じゃあフェルも補助してね」

「おう」

 肯定の返事が来た瞬間、私は飛行魔法の構成を変える。

 その瞬間、海面にダイブ。

 そして、次の瞬間には私とフェルの視界は海の中。

 自分の周囲に呼吸できる空間と水中ゴーグルのように、海中を見渡せるように魔法を展開したのだ。

「ふおおおおおお!?」

 まさしく、それは一度は海の景色を見たいと思う人が想像する世界。

 まだ海面から数メートルほどの場所だから、光が差し込んでいるおかげでイルカ達の動きが正確に見えるのだ。

 ああ、今私は普通では絶対に叶わないような浪漫を堪能しているのだ。

 慌ててスマホとデバイスを立ち上げて録画をさせておく。

 そうして泳いでいるイルカ達に合わせて移動していき、そんなイルカ達の風景をフェルは楽しんでいる。

 しかし、そうやって体感的には数分ほどの時間を時速数十キロで泳ぐイルカ達の中に、私たちに興味を覚えたイルカが近づいてくる。

「キュイキュイ」

 言葉は分からないけど、何となく挨拶してくれてるように思える。

 イルカはとても知能が高いからこそ、水族館でもイルカショーがあるほどだ。

 そう考えると野生のイルカなら、まだ人類が知らない習性もあるかもしれない。

「よろしくな~」

 ん? フェルが挨拶する。

「フェル、言葉分かるの?」

「分からん!

 でも悪い感じはしないから返した」

 なるほど。

 確かに動物達って人間の感情を何となく察知するっていうしね。

 犬も猫も馬も牛も、普段から接してる人の些細な感情を本能的に察知するそうだからなあ。

 だったら私もそうしよう。

「やっほー」

 うん、なんか間抜けな挨拶みたいに思えるけど、おはようとかこんにちはとかのほうが変な気もしたしなあ。

「キュー!」

 挨拶したけど、そうしたら近づいてきたイルカは下に潜っていった。

「あれ? 印象悪くなっちゃったかな」

「ん~なんか喜んでたと思う」

 ふむ、それなら問題ないかな。

 さて、結構潜ってたしイルカ達も堪能したから、探索を再開したほうがいいだろう。

「フェル、そろそろ上空戻るよ」

「あ」

 ほえ?

 って何か股の間に軽い衝撃が走った瞬間、私の体は急激に海面に上がっていく。

「おおおおお!?」

 魔法を形成してるから水抵抗は無いけど、一体全体どうなってるの!?

「キュー!」

 足元から先ほどのイルカの声が聞こえた瞬間、私とフェルは海面から飛び出される。

「うひょわあ!?」

 そう、その原因はイルカが私を背びれ部分に乗せたからこそだった。

 海面から2メートルほどの高さに飛び出され、そのままイルカの背びれに乗っかっている私とフェル。

 そして眼前には盛大な水飛沫によってもたらされた、太陽の反射による景色。

 ああ、これは最高だ。

 空が・太陽が・海が・水飛沫が世界を彩ってくれている。

 そして、

「えええええ!? リナ!?」

 私を呼ぶ声が聞こえた方向に顔を向ければ、そこにはダイビングの準備をしている観光客がいたのだ。

 だから、私は思わず、

「Hello,Ocean!」

 と叫んで、今回の地球訪問における最初の出会いにするのであった。




子供の頃、魔法で海に潜る想像をしたなあ。
短いけど、今回はここまで。
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