「ご覧ください。
あちらが干潮時にロングビーチになる場所です」
「ふわあああ。
このままでも凄く奇麗な場所なんですねー」
案内された観光地で私とフェルは早速感銘を受けている。
あの後、私たちはいつものように親善大使として、政府との交流を終わらせた。
そして現在はパラオの誇る観光地を案内してもらっているのだが、世界的に有名な観光地というのは伊達じゃない。
どこに行っても透き通るような海の透明度。
自然豊かな島の風景。
色とりどりの様々な海の生き物たち。
そんな景色を次々と紹介されていくので、私のデバイス録画は常に点灯している。
う~ん、これならこのままマルデアに生配信したいくらいだなあ。
でも、今回はサニアさんと連携してないから難しいね。
以前の配信はあくまでも予定してたからだから、私が訪問中のサニアさんはゲームのヒント動画を作成してるだろう。
今回持っていくゲームは操作自体はそんなに難しくは無いんだけど、凝りだすとやり込み要素満載だからなあ。
同時にドワフ国向きとも考えている。
サムシティ・DOOOOOMもそうだけど、ドワフ国の場合は自分の想像力をふんだんに使えたり、思いっきり暴れられるようなゲームが好きな傾向がある。
なので、どちらかというとハードコアゲーマー向けのほうがお気に召しやすそうなのだ。
多分ユグドラシルの迷宮も売りだしたら、楽しんでくれるんじゃないかな?
あれも一番最新のだと5人PTに対して職業が19もあるから、遊ぶ人次第でパーティーメンバーは全然違うだろう。
1.2.3のリマスターが出たから、次は完全新作になるのかなあ?
あそこのメーカーは何だかんだで出すゲームの難易度も高いけど、自由度も高いから基本的にはコアゲーマーから好かれてる。
ライト層向けなら仮面があるけど、現代のニーズをきっちり理解してて尚且つ面白い。
そこから考えると製作スタッフは優秀な人材が揃ってるだろうことが理解できるよ。
ただ、仮面は3から完全に別物としか言いようがない路線変更を行った。
そのお陰でメーカーの代表作とも言えるほどの出世を遂げたわけなのだが、やはりマルデアで売り出すなら3からのほうがいいのだろうな。
そうなると1と2をやりたくなるプレイヤーも出てくるだろうが、3以降をプレイしたゲーマーにどこまで受けるかなあと思う。
でも、その前にやっぱり女神転承を届けたいところだし。
是非とも輸入したい作品ではあるのだけど、ある意味今回の大作が一種の足掛かりになるのかもしれないかなあ?
そうして少し考えている間にも観光は続く。
ロックアイランド・ミルキーウェイとかに寄りながら、干潮時にまたロングビーチに戻るという感じだ。
カヤックとかにも乗れるそうだけど、パラオは実体験するのがメインとなる観光場所が多いみたい。
となると警護されながらの観光は、パラオの魅力を半減させてしまってるのかもしれないね。
まあ、そうは言えども海の景色もいいものであることに間違いないのである。
ちなみにお土産として、ミルキーウェイの泥を大量に渡されています。
ミネラル分が凄い豊富らしい。
なので美白パックとして、これを全身に塗ることで美容効果があるとのこと。
美容……美容かあ。
若い時から気にしておくことが大事とはよく聞くけど、そこまでピンと来ないんだよねえ。
寧ろ体を動かすことのほうが効果あるような気がするし。
新陳代謝を促すほうがいいと思うんだけど、美容はそれも込みと考えるべきなのだろうか。
「大使。もう少しで干潮になりますので戻りましょうか」
「了解です」
そうして、ロングビーチに戻るのだが、先ほどとはまた違った景色を見ることとなる。
「お~」
「これは素足で歩きたくなるねー」
それはまさしく海岸線。
海と砂と空が織りなす自然の景色。
先ほどまでは全てが海だった場所が砂浜となる。
干潮時だけという時間限定だからこそ、その景色は特に美しく感じれるのだろう。
いいなあ。
特にいいのは、砂浜に押し寄せる波。
こんな単純なことでさえ、凄く奇麗に見えてしまうからこそ、自然は素敵なんだと実感できる。
うん、もう一度来るときはお忍びにしよう。
これは少人数で来て、自由に楽しむのが一番いいだろうね。
ただな~、最初の頃は私一人だったから目立たなくするのに、髪色を変化させたり阻害魔法を使えばどうとでもなった。
何が何でも隠れようとも考えてなかったし。
ある意味、訪問してから警護されるまでの時間を満喫していたともいえる。
でも今はフェルも一緒だ。
予定が狂うほどの遅刻をするなら話は別だけど、フェルにお忍びが出来る器用さは無いかなあ。
寧ろ地球に来たら常に褒められるし楽しいから、目立ちたい傾向があるしね。
もうちょっと成長したら、そこら辺の適応出来るようになるだろうけど、今はまだ難しいと思う。
そうして考えこんでいる間に干潮時間は終わりを告げてしまう。
「大使。お疲れさまでした。
パラオの観光は楽しんでいただけましたでしょうか?」
案内の人が笑顔を向けてくれながら、私に問いかけてくる。
「はい、とても奇麗な場所でした。
また来たいと思いますが、その時は体験を中心としたことがしたいですね」
「なるほど。
承知いたしました。
ですが体験となると、申し訳ありませんがどの体験をしたいか事前にお教えいただきたく存じます。
警護の仕方や人員配置も考える必要がありますので、万全を期す為にもお手数おかけいたしますがよろしくお願いいたします」
なるほど。確かに見るだけなら周囲を確認だからいいけど、警護対象が動き回るような事をすると想定するべきことが増えてしまうか。
別に自分の不注意で怪我しても私自身は気にしない。
けど、警護するほうからすれば想定していなかったのかと、責任をきちんと果たさなかったということに繋がってしまうだろう。
実際、警護してる人達が常に連携してくれているからこそ、私の地球訪問は恙無く進んでいるんだしね。
しかし、海……。
海を題材にしたゲームって何があったっけなあ?
ホラー系統だとバイナリーショックスとかだったかな?
お舟も海といえば海だけど違うな。
オンラインで艦隊決戦するのもあるが、純粋に海を感じれるのが思いつかない。
山ならオープンワールドで満喫できるけどねえ。
そんなことを考えながら、私はパラオでの観光を終えるのであった。