リナの星間貿易異聞録 第二期   作:ayasaki

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スチームにてオータムセール開催。
Vic3が半額になってるので考え中です。


七変化

 さてパラオでの観光を終えた私とフェルは、早速日本へ向かう。

 今回受け取るスウィッツの殆どは予約している人達への販売予定である。

 ネズム王国への納品も今回で達成できるが、もう本当にそこは地球側の努力のおかげです。

 商機を逃してなるものかと、地球全体で生産体制整えてくれてたからねえ。

 マルデアでもどんどん広がってくれてはいるものの、やはりゲームのイメージは若者中心の文化だ。

 実際、ファミコム・スーファムの時代だと、親・祖父母世代からはかなり偏見の意識があったものだ。

 ゲームばかりしてると馬鹿になる。

 外で遊ばないでこもりっきりになる

 人と接しないから社会性が無くなるとか。

 まあ、一番当てはまるのは視力かなあ。

 あれで急速に眼鏡が必要になる子供が増えたっていうし。

 ちなみに漫画も相当偏見扱いだったね。

 中身を見もしないで、教育に悪いと断言する親も結構いたし。

 でも否定できない漫画も事実あったし、子供を育てる親からすれば、自分の常識では考えられないものへの理解は難しいよね。

 ここらへんは微妙に理解できるようになってきた私である。

 そして日本に到着すれば、こちらもいつも通り歓迎されてから、nikkendoへ向かう。

 さすがに恒例になってきたから、空港での出迎えは最初の頃ほどじゃないかな。

 二か月に一度は来てるペースだから、日本からすれば慣れちゃってる感じだね。

 さてと当初の目的であるスウィッツを受け取ろう。

 他の増産ソフトも受け取れば、マルデアでの供給不足は一旦収まるから、そうすれば今回の大作販売後は夏のイベント準備に集中できるようになる。

 イベント開催は嬉しいけど……理解はしてるけど……はあああ。

 まあとにかくnikkendoの会議室に到着したので、いつもの担当さんに挨拶だ。

「お待たせいたしました。

 今回もよろしくお願いします」

「よろしく~」

「リナさんフェルさんお久しぶりです。

 ええ、今回もよろしくお願いします」

 そんなお決まりの挨拶をすれば、早速私は今回受領する商品のリストを確認した。

 そして先ほど心の中で溜息をついてしまった理由であるものが、目に飛び込む。

「衣装ってこんなにいっぱいあるんですねえ」

「私も着ぐるみに関しては、社内のゲームキャラで理解しておりましたが、ここまで活発だとは知りませんでした」

 そう、それはゲームキャラ達が着ている服を、現実で再現したコスプレ用衣装である。

 最近の日本だといつの間にやら、10/31のハロウィンが仮装を楽しむ日になってるよね。

 うがってみれば、企業の商戦的な策略と見てしまうが、お祭り大好きな国民性のある日本にとっては関係ない。

 楽しく騒げて、普段では出来ないことが皆で遊べるって思えば、いいイベントになる。

 東京ビッグサイトでのお祭りは最早世界中のオタクも集まるほど。

 ギネス記録にもなってるというし、コスプレ目当ての参加者もいっぱいいるそうだしね。

 それに仮装というのは昔からお祭りの一環だ。

 日本でも昔から猿回しとか大道芸とか落語とかでも、奇抜な衣装で大衆の目を惹きつける。

 そして、そこから見事な芸を披露して大衆を楽しませているものだ。

 それがある意味ゲームでも応用されていて、同時にゲームキャラになりきって楽しませてもらっているようなものなのだ。

 ただ……自分がそれになりきれないと、恥ずかしすぎて黒歴史確定です。

 いや、例えば観光名所で着物や和服とかは記念でいいだろう。

 でも、日常でそんなの着れる神経を持ち合わせてる人はそうそういない。

 仕事として意識を切り替えたとしても、そんな簡単に受け入れれるだろうか?

 いくら似合う人であろうとも、羞恥心というものがある以上、心の壁を取っ払わねば難しいものである。

「実際に衣装を自前で製作されている方々にお聞きしましたが、本当に様々でした。

 一から衣装を製作してる人、市販の服を改造される方、キャラに合わせて体型を合わせる方。

 拘る方だと数十万の出費もポンと出す方など。

 ……まあ中には大らかに言葉を取り繕う必要のある方もいましたが」

「多分……本人的には理解してる方もいらっしゃいますよ……」

 キャラは大好きでも、自分の体形とかけ離れていたらイメージと違いすぎるから、自分で納得できないこともあるに決まってるからね。

「服は分かるけど、着方は?」

 興味深そうにフェルが衣装を持ち上げる。

「着ることに関してはマルデアと変わらないでしょう。

 ですが、こういう衣装は魅せる必要がありますので、意識した着こなしはこちらのデータに纏めております」

「わちしでも着れるのある?」

「幾つかご用意はしておりまして、縮小ボックスには既に入れておりますね。

 ただ、地球だと既にお二人を真似て仮装した方はいましたなあ」

「ふふん、わちしは人気者なのだ」

 ちょ!?

 ゲームキャラならもう違う自分だと理解してるからいいけど、現実で仮装してる自分は見たいような見たくないような。

「それと服のサイズは一般的なサイズで取り揃えておりますが、やはり日常生活で着るものではありませんから、どうしても量産品にはなりません。

 現在のマルデアでの受け入れ方から想定するならば、売り上げというより宣伝や盛り上げに使う形になるのではないでしょうか?」

「はい。

 私も今のところはそのように考えています。

 こうやってゲームキャラの成りきりを楽しむことも出来るよって、マルデアの人達に知ってもらえたらいいかなって思いついたので」

「いえいえ、実は結構期待してるんですよ。

 マルデアの方達が楽しんで貰えれば、CGでしか再現できなかった演出を魔法で再現してもらえることに。

 あの末の日にヴェガのサイオパワーを演出してくださった映像は、地球でも盛り上がりましたからね」

「あれは私も見てて興奮しました。

 ぶっつけ本番の完成度じゃなかったですから絶対に家で練習してたでしょう」

「可能なら他のゲームキャラでもやってみてほしいですし、広報・宣伝部署からCM採用したいと冗談交じりに言ってましたな」

「スマブルでもマルオが腕に炎をまとうシーンありましたねえ」

「見栄えなら稲妻もよいかと。

 ただ風の場合、色が無いと判別が難しそうですな」

「そこは使用者が服や髪の乱れ具合で、表現する感じになるかもしれませんね」

「大地が震えるとかもありますが、こっちだと魔力を大量放出になるでしょうか?」

 いつの間にか衣装より演出の方法で、思いついたことを話しだしてしまう。

「それなら魔法でファンネルを再現しても楽しんでもらえそうですかね?

 他にも数十本の剣を空中に浮かべて、一斉射出とか牢獄みたいに操作してみたり」

「そんな演出を生で見れるなら、私は女房を質屋に入れてでも見に行きますよ」

「ほえ?」

 あ、担当さんが少し興奮してる。

「っと、失礼。

 少しはしゃいでしまいました」

 元ネタは理解できるけどね。

「いえいえ、話すのが楽しいお陰ですから、私も嬉しいです」

「そう仰っていただけるなら幸いです。

 では、今後ともよろしくお願いします」

 そうして今回の日本での受領を終えた私は、そのままアメリカに移動する。

 さあ今回の新作ソフトである、あの洋ゲーを受け取りに行こうか!




ジャケットとかを着て、腕通さずにたなびかせる。
そして両手はポケットに入れておく。
……その後、ジャケットが風で吹き飛ばされるのはお約束である。
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