リナの星間貿易異聞録 第二期   作:ayasaki

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今回はちょっと難産でした。
あとダンジョンオブエンドレス買ってしまったw
中々面白いけど、洋ゲーはもう少し遊び方を説明してほしい。
日本産の遊び方を説明するところに慣れ切ってしまってるからなあ。
やはり紙の説明書が欲しい。
そしてネットでなく、手元に攻略本が欲しくなります。

あらすじの方にも載せましたが、
原作の方でイラスト寄稿されていた阿井 上夫さんより、
素敵な支援絵貰いましたので掲載します。


【挿絵表示】



ドラマCD試作

 インタビューが終わって数日後、遂にドラマCD試作を制作する日を迎えたガレリーナ社。

 私達いつものガレリーナ社メンバーは制作会社にお邪魔している。

 だけど、私達の見学自体は1時間程で終わる予定だが、現場の試作はその後も続けるらしい。

「は~、本格的な収録場所ってこんな感じなんですねー」

「本格的な施設と比べるべくも無いけど、普段の配信で応用できるところあるかしら?」

「サニアさんが使ってる設備も、一般から見れば結構いいもの揃えてるっす」

「配信も大事な仕事だからな。そこら辺の設備は最初らへんで購入していたんだ」

 フィオさん・サニアさん・メソラさん・ガレナさんが順々に呟いていく。

「社長、僕も見学に参加させてもらってよかったんですか?

 寧ろ他の先輩方のほうが相応しいのでは」

 若干、肩身狭そうに呟くのは新入社員のエイレンスさん。

「構わんさ。寧ろお前には色々経験してもらうつもりだ。

 プログラミングを勉強してもらうのも大事だが、普段見れないものを見るのも仕事さ」

 これも社会経験の一環だということだそうだ。

 学園祭で初めて会った時の印象から、エイレンスさんは出しゃばるようなタイプじゃなさそうだから問題無いだろうとの事。

 そして私も改めて収録場所を見ていく。

 1月の収録体験した施設や地球での施設とは違うが、収録部屋はそこまで大きくない。

 寧ろ録音・音響調整などを行う設備が配置されている部屋の方が大きい。

 私達も邪魔にならない程度に固まって、見学させてもらっているのだ。

 そこで実際に試作する人達と対面だ。

「それでは本日はよろしくお願いいたします」

 そう言ってガレナさんと私達は現場の人達に挨拶をする。

「こちらこそよろしくお願いいたします。

 上から聞いておりますので、質問があればどんどんおっしゃってください。

 また試作でもありますので、今回は私共の方で配役も決めさせてもらっています。

 なので、本格的に制作をする場合はまた変わる予定です」

 だろうなあ。

 実際のところ、いくら地球の商品を参考にしても、言葉や発音も違うからピンと来ない所もあるし。

「声優達も既に準備は出来ておりますので、早速ですが始めてもよろしいですか?」

「よろしくお願いいたします。

 どうやって制作と作業をしているかは聞きますが、収録の邪魔や指図はしませんから」

 そうして収録は始まる。

 演技をする声優さん達が収録部屋でマイクの前に立つ。

 台本も勿論用意されているのだが、大体の人はそこまで台本を読んでいないのか綺麗なままだ。

 そのせいか、少し若い女性の声優さんの台本は付箋や折れ線が付いているのが目立つ。

 また他の人より正直に言えば容姿はよろしくない。

 ただ明らかに熱意があるのが、台本や表情から読み取れるのだ。

 その為、私はその人に注目しながら収録を見学していく。

 まず、今回の台本はテイルズのおまけ話のやつだ。

 最初はギャグ関連の方が受け入れやすいかなあと思ったし、同時に短時間だから判断しやすいかなと思ったのだが、

「せっかくあたしがテイルズオブ盛り上げようとしてるのにー」

「うるせえ、なんで俺が相方やらなきゃいけねえんだよ。

 こういうのはヒロインと主人公で夫婦漫才やらせとけばいいだろうが」

「しょうがないでしょ。

 スタッフの手違いで帰宅したんだから―」

 ……う~~~~ん。

 日本の当時の声優さんと比べてはいけないとは思うのだが、正直あんまり上手くない。

 さっきの女性声優さんは中々いいかなあと感じたが、男性側が棒読みに近い。

 別にやる気が無いとか下手くそって訳じゃないんだけど、キャラを演じてるようには聞こえないのだ。

 私が地球で歌だけとはいえ収録体験したし、ゲームで声優さん達の演技を理解してるからもあるかなあと考える。

 地球だと実力派の声優さんって、幼少のころから劇団で演技の練習や仕事もしてたり音楽関連出身とかで、言ってしまえば完全なプロフェッショナルでもある。

 他にも声優の専門学校卒や俳優だとかで、自分の声というものにきちんとした特徴がある。

 でも、それって特化してるとも言い換えられる。

 そしてキャラ達に命を吹き込むことでもあるから、演じる前に本人がそのキャラに成りきっていけば、まるで本当に声優さんの中にキャラが宿ったような感覚にもなるのだ。

 ただ、現時点では完成形を知ってる私だから思うのであって、マルデアでは初めての試みと考えれば、まずは試作に漕ぎ着けただけでも喜ばしいと思ったほうが良いんだけどねえ。

「むう、声色以前にゲームキャラ達とさえ感じられんな」

 ガレナさんが社員だけに聞こえる程度の声量で、感想を呟くが同感である。

「女性声優さんの方はいいんですが、男性側が」

「お試しなのは分かってますけど、次やる時は参加してほしいと思わないです」

 私の言葉にフィオさんが乗っかっていく。

「あれはゲームやってないし、台本もあんまり読んでないわね。

 仕事としてやってるのに、仕事意識が低いのは使えないわ」

 サニアさんも自分が配信する立場から言うので、結構きつい言い方だが否定できない。

 しかし、それ以前に、

「少し抑揚抑えて。

 そこは感情こめすぎたら、雰囲気が壊れてしまうよ」

 監督役の人は女性側ばかり注文を付けるが、男性側には殆ど注意していないのだ。

 少し気になったので現場の人に聞いてみる事にする。

「すみません、何故あちらには注文しないんですか?」

 男性側を指さしながら問いかけてみると、すぐに返答してくれる。

「ああ、彼はナレーション予定なんですよ。

 ただキャラ達も演じてもらうことで、実際のナレーションに活かしてもらうつもりなんです。

 また今回は試作でもありますが、本格的な制作前に実験するべきことも兼ねて、他の参加者にも色々演じてもらう予定です」

 なるほど、言われれば納得するしかない。

 最初から役割をある程度は部分的に決めるけど、実際に色々やらせてみることで適性も見て最終的な判断をするということなんだ。

 それを横で聞いていたサニアさん達も理解できたようで、先程の言葉は早とちりになってしまったのだと判断したみたいだ。

 まだ配役も正式じゃないからこそ、現場で試行錯誤してくれてるという事なんだなあ。

「では、反対に女性の方に注文を付けていたのは?」

 ガレナさんが追加で疑問を投げかけていく。

「彼女は反対にメインキャラ希望なので、最初からある程度見極めています。

 実は今回の試作で一番食いついてきたのは、あの子なんですよ。

 それとゲームもやりこんでたそうで、うちの会社で最初にスウィッツを話題にしたりね」

「それはありがたいくらいです。

 もしかして、そのおかげでこの依頼を前向きに?」

「ですねえ。

 彼女は努力家で演じる事も好きですし、人当たりもいいんですよ。

 ただ悲しいかな。こういう商売なものですから容姿の面が足を引っ張ってしまって」

 あ~難しいところになるなあ。

 本来、声優というのは声だけだからこそ声優と呼ばれる。

 でも、現実的に考えていくとお客さん達からすれば、好きになった声優さんの素顔は見たいしどんな人柄か知りたくなるのは当然でもあろう。

 そして、その為ならお金を喜んで出してくれるお客さんもいる以上、ビジネスチャンスでもある。

 地球でもアニメ曲・キャラクターイメージソング・ライブが代表的だろう。

 だけど、そうなると声優さん達は最早演じる人でなく、一種のアイドルとなってしまう。

 同時に、元は声優である以上演じるキャラクター達と余りにもイメージが違えば、夢が壊れたと思ってしまうファンもいるであろう。

 そうなると、ある程度の容姿を求められてしまうのも納得いく部分はあるんだよね。

 う~ん、ユウジ時代の80~90年代は声優の実際の姿なんて、あんまり気にしてなかったなあ。

 聞くところによると、90年代後半くらいから声優専門学校とか出来たそうな?

 それまでなんてよっぽどの人気ゲームやアニメじゃない限り、声優さんが顔出ししてることなど聞いたことないし。

 寧ろ実際の姿が知りたくないからこそ、

 

 【中の人などいない!】

 

 と豪語する人だっているんだし。

 まあ、そこまで知りたい場合、アニメ・ゲーム情報雑誌とか買っていくことになるんだろうね。

 そうなると、上手くいけばマルデアでもいつか声優ライブとかあり得るのかもしれない。

 でも、まずはキャラを見事に演じてくれなければ、いくら見栄えが良くても採用したくないなあと考えれば、やはり実力を優先すべきである。

 なんかややこしい事考えそうになるけど、ゲームの完成度と顧客満足度を重視するんだから、彼女は採用したいと思う私だ。

 取り敢えず出来上がったら必ず連絡するので、それまでお待ちくださいという感じになるので、それを心待ちにしながら、私達は見学後いつもの仕事に戻るのであった。




声だけで演じる声優さんは凄いなあと常々思います。
緒方恵美さんも色々な役側演じてるの聞いたら、現実の姿なんて全然想像できません。
反対に若槻さんの声は、もう声優や語り手というより若槻という一種の固有になってます。

続きはまた今度。
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