リナの星間貿易異聞録 第二期   作:ayasaki

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本編進まないのに、こっちが出来てしまった。
お馬さんの名前をそのまま書いてるけど、こっちは確か大丈夫だったはず。


閑話 再現したら多分ゲームにならない

『この子が産まれた時に、星が流れていったのです』

 名馬確定演出がゲーム上で流れたことで、ゲンが呟く。

「史実馬やから当然と分かってはいても、こういう演出は盛り上がるわー」

 ゲンからの今日のお土産は焼き鳥。

 パリパリしていながらも、しっとりする塩味の皮をもぎゅもぎゅ。

「まー架空馬でなってくれるともっと楽しいんだけどなあ」

「それは分かるわ。しっかしお前よりフェルクル達がこのゲームにハマってるとはなあ」

 最初の戦国ゲーム繋がりのせいか、何故かフェルクル達はこのメーカーのゲームをよくやってるんだよね。

「何だかんだであそこのメーカーは自由度高いゲームをよく作るから楽しいみたい」

「確かに。特にウィナーズポストは短期・中期・長期で目標つくって遊べれるからな」

 短期で考えれば、強い馬でG1を勝ちまくるとか史実馬で更なる飛躍を目指す。

 中期はお気に入りの馬の子孫で勝つ。

 そして長期は血族で世界を変えることとなる。

「今の日本やとどうしてもサンデーサイレンス系譜ばっかになるから面白くないと思う部分もあるけど、意図的に外そうとすると、殆どの史実馬がいなくなるから寂しくもなる」

「オグリキャップ・スーパークリーク・メジロマックイーン・トウカイテイオー・サイレンススズカの架空子孫で無双するのも面白いけど、完全無名の系統からのし上がるのも楽しいかな」

「それも面白いけど、現実の競馬で言うならステイゴールド一族の逸話が面白すぎるぞ」

「そうなの? ユウジ時代は子供だったから正直なところオグリキャップの盛り上がりもそこまでピンと来てないからねえ」

 オグリキャップは1987年からデビューしたけど、子供に競馬なんて分からないよ。

「まあな。どうしても競馬は賭け事になってまうから、普通の学生には縁無いし」

「馬は可愛いし、人参あげたくなるよ」

「オルフェーブルは騎手に噛みつくけどな」

 ……あの大きな口で?

「あと騎手をラチにぶつけるわ振り落とすわ、レース途中でやる気なくすわで見てる分には面白すぎる」

「え~と、いっちゃあれだけどそれやばすぎでは?」

「その代わりにクラシック三冠して、凱旋門賞二着とかで結果だけ見たら最強クラスなんやこれが」

「……暴君?」

「実際、金色の暴君と呼ばれてるで」

「なにその中二病みたいな異名」

「日本ってなんだかんだでそういう中二病な異名付けるの好きやん」

「確かに!」

 昔の野球だったら異名だけで見たら、怪獣大決戦みたいになるし。

「とりあえずステイゴールド一族の話に戻すけど、改めて色んな実話聞くとこいつら馬か?

 と言いたくなるし、馬券買った人たちの阿鼻叫喚の地獄絵図聞いたら、最早それを肴にして楽しめるほどや」

「自分がまきこまれていなくて、傍から見る分には人の不幸は蜜の味になってしまうときもあるねえ」

「ま、あくまでも時間がたてば笑い話になること前提でな」

 そりゃあねえ。完全に不幸話なら笑って話せるわけないからね。

「だからこそ現実は何が起こるか分らんからこそ、フィクションでもやらへんような事が起こった時に感動も出来るんやが。

 ……ゲームでそれされたらブチギレるけどな」

「……エンブラムでもう勝利確定だろと思った時に敵側のボスが必殺決めてくれた時は、思わずコントローラーたたきつけたくなったことがあったねえ」

「衝動的にやりそうなったわな。

 でも、現実やと有り得るねんなあこれが。

 というよりその有り得ない現実を突き付けてくれたんがお前なんやが」

「人類史上初めての星間交流。

 そして地球からの初輸出品はゲーム。

 そのゲームを求める生命体の正体とは!?」

「真実はただ一つ。

 その正体は前世が日本人男性であるゲーマーであった。

 ……文面にしたら酷くないか?」

「真実は時に残酷なものでもあるのだよ」

「知らないことが幸せなこともあるという典型なんやろうなあ……」

 相変わらずグダグダ会話となる私とゲン。

 だけどこういう風に何も考えないで、緩んだ気分で話すのも楽しいよね。

「ま、とりあえずウィナーズポストの話に戻すと、どうしてもゲームになってまうからそういうハチャメチャぶりを再現するのは難しいよな。

 レース始まる直前で脱走なんかしたら、システム的に考えたら失格になるやろ。

 レース中に騎手落とすなんてシステムも入れられんやろうし」

「ゲームとは分かってても、その破天荒ぶりこその愛されているキャラクター性を発揮したらアウトでしょ」

「史実馬限定イベントとして使えば気分的に嬉しくても、……騎手振り落とす・斜行・第四コーナーからの大暴走とかの失格イベントは一回見たらもうええな。

 ついでにブロンズ・シルバーコレクターやりまくったら突っ込み入れるしかないやろ!」

「史実としてなら受け入れれるけど、架空馬の突発イベントで入ったら叫ぶね」

 いや、そりゃあお馬さんだって生き物なんだから、あっても不思議じゃない。

 しかし、ゲームのシステムとして受け入れてもらえなかったら、クソげー認定されてもおかしくない。

「でも50戦してるし入着も多いから、50戦7勝という成績でG1も香港での1勝しかしてないのに賞金獲得数はG1を複数回勝った馬より多いのよ」

「なにその面白内容」

「ついでにラストランでもあった香港で並みいるG1勝利馬を押しのけてG1初勝利だから、お前本当は今まで本気で走ってなかったやろ? って疑われたし」

「本当になんなのそのお馬さん」

「そして引退後の種牡馬生活での真面目さぶり。

 産駒もきっちりその気性難と唯我独尊と優秀さを受け継いだお陰で、競馬に興味なかったとしても見てて楽しい一族や」

 調教師・騎手・職員が見えないところで凄い苦労してるのが想像できますが?

 大丈夫? 後ろ足で蹴られて全治数か月とかになってる人いない?

「せやからゲームで育成すると、どうしても違うって思ってまうのよな」

「そりゃそうでしょう。寧ろそれをどう再現すればいいのさ」

「そこは今どき流行りのAI技術?

 でもコンピュータで再現されてもなあと思ってもしまうな」

「現実で生きている動物と人間のドラマだからこそ、色んなドラマになるとも言えるかな?」

「せやな。やっぱりどこかで人間くささがあってこそ面白い。

 ゲームのバグだって結局は人間らしさ。

 修正は要求するけどな」

「修正しないとゲームにならないでしょうが」

「そのバグ利用して面白おかしく楽しめたら、寧ろ修正するなというプレイヤーもいるじゃろ?」

 人は常に身勝手になるものです。

「大逃げが成功するのも、人間心理やお馬さんの状態もある。

 結局はゲームのマルチプレイが面白いのは、同じ人間相手やからでもあるしな」

「そこは本当に難しいねえ。

 コンピュータ相手だからこその面白さと人間相手にするからこその面白さ。

 ゲーム制作する人たちにとっては、永遠の課題でもあるのだろうなあ」

 そうして、いつも通りに私とゲンはだべりながらのんびりとウィナーズポストを遊ぶのであった。




馬券は買いませんがお馬さん可愛いよ。

さすがゴールドシップの父。
https://youtu.be/7UFyNLW-UW8

それとちょっとアンケート。
二次ですが世界設定はやっぱり考えますが、マルデアの総人口どれくらいと思います? ちなみに基本的には総人口全てがゲーム出来るとします。
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