発見した祠で二つほど解けなかった。
ヒントっぽいのは分かるんだが、氷がよく分からない。
そして世界が広すぎるー!
新年度になってから、新入社員とか研修とか声優見学。
あと販売計画会議に社員向け税金講習と日々の業務をこなしていく。
その間に時は流れ、遂に地球から輸出品の連絡が来る。
「これでようやく売り切れと品薄が解消されるっすねえ」
「お知らせではまだ言わないわよ。
こういう時はやっぱり具体的な日程じゃないとね」
「うむ、あと気になるのは今回の販売でネズム王国は大々的な発表となる。
ただなあ、ガレリーナ社としても発表しておくべきなんだろう」
「事前に契約していた事とは言え、そのことを知らないお客さんから見ればネズム王国を優先していると思われるかもしれませんからな」
メソラさん・サニアさん・ガレナさん・エヴァンスさんが順々に話していく。
「あの増産依頼で地球側も計画の前倒しと生産工場を更に拡大してくれています。
今回も予定していた数より増やしてくれています」
「でも本当に今回は売上が読めないですけど、大丈夫でしょうか?」
「自分がお客さんの立場だったら嬉しい事は嬉しいんですが、物凄く悩む内容です」
フィオさん、エイレンスさんが不安そうに呟く。
そうなんだよねえ。
今回は新しい試みでもあるが、今後の販売計画や経営戦略として考えれば必要と判断したことでもある。
「まあな。正直なところ今回は顧客の要望に応える形でもあったが、同時に新規が入りやすいとも思えるんだよ。
それに人によって好みは違うからな。
だが同時にこういう販売形式もあると認知してもらえるとも思うんだよ」
「地球だと実際に実施している販売形式でもありますけど、基本的には顧客満足度を高める方法でもありますから」
でもまあ、基本的に今回の販売予定は偶に行うくらいだろうね。
そんなこんなでガレリーナ社員で話し込んでしまうのであった。
翌日。
今回も地球へ訪問だ。
いつも通りワープ場所に私・ガレナさん・フェルだ。
フェルは何でか体操しながら、ぶつぶつ言っている。
「あのパターンで敵倒したと同時に、次の敵のターンに備える。
攻撃されてもギリギリ体力は残るから、そこで回復させて……」
スマブルやってたせいで、クリア諦めてたファイオーの二部やりだしたからなあ。
最近少しずつ計算するようになってて、なんかフェルが成長してるのが目に見えて分かるんだよね。
でも、なんかそれはそれで寂しい。
まあ普段だと相変わらず馬鹿っぽいところいっぱいなんだけど、ふとしたところでやっぱり少しずつ変わっていってるんだって思えてきたから。
でも、そういうものでもあるんだろう。
とりあえず少ししんみりしそうになったが気持ちを切り替えて、最終確認。
「いつもの魔石・縮小ボックス・木の実」
「……品目は少ないが、量は増えたものだなあ。
そろそろ他にも持っていくものを考えるべきなのかもしれんが、中々いい候補が思いつかん」
私の言葉にガレナさんが何となく呟いてくれる。
「増やすですかあ。
考えたりはするんですけど、どんな物を持っていけばいいかなんですよ」
前に現地の人に魔法服あげたりしたこともあったけど、輸出品として考えたら魅力的とは思えなかったりする。
普通に考えても魔法で防寒や猛暑対策しなくても、ちょっと工夫すれば十分なのだ。
寒いなら厚着するか部屋暖かくすればいいし、暑いなら脱いだり冷やしたりすればいいだけだから、そういう魔法服だと欲しがられるとは思えない。
反対に私の防御力が高い服は価値ありそうだけど、別に戦うんじゃないんだからこの星間貿易の品目には必要無いものだ。
あくまでも地球の為になる品物であることが大事だから。
「ふ~む、聞く限りなら地球の環境を改善させるものが良いんだろうな。
もしくは災害に役立つ物か?
食材も面白いかもしれんが、それはうちの会社の趣旨とは違う気がする」
「魔石や縮小ボックスを持っていってるのにあれですけど、これ以上オーパーツすぎるものも駄目かなあと思う時もあります」
この前の地震災害の時の事を思い出す。
魔石も縮小ボックスも国や国連が保持しているからこそ、秩序は成り立っているという言葉。
そして持ってきている私が使うからこそ、地球の人達は納得しているんだろう。
そう考えると、公的機関が主に使うならいいが、下手に一般市民が気軽に触れるようにしてしまえば混乱を招いてしまうかもしれないのだろう。
前まではそこまで深く考えてなかったけどなあ。
「まあリナの考えは至極真っ当だが、考えすぎるとかえっておかしくなるぞ。
基本はどこまでいっても変わらんさ。
喜んでもらえるものを。
それが基本さ」
ガレナさんが少し微笑みながら答えてくれる。
その表情はとても素敵で、少し見惚れてしまう。
う~ん、最近ガレナさんがどんどん人間的にカッコよく見えてしまう。
「取り敢えずお前が行っている間に、ドラマCDの試作も出来る予定だ。
あの見学の時に熱心だった女性声優も、伸びしろは見込めそうだから試作次第で採用したいと考えている。
それ次第ではアニメやゲームの吹き替えも可能だしな」
「ええ、それにテレビアニメと違う形のビデオアニメもいけるかなと」
そう、テレビアニメだとどうしても長編になるが、ビデオだと話数は自由に出来ていた。
いつかは今配信しているポツモンもマルデア吹き替えにしたいとは思うけど、そうなると長期契約必須である。
なので、ビデオのほうで上手く出来ればゲーム原作じゃないのも持ってこれるかもしれないという期待もある。
まあ、今考えてるのはテイルスのOVAがいいかなあと。
でも、まだ決めた訳じゃないんだけどね。
だけど、地球だとテイルスで人気だったやつをリメイクしたそうだから考え中だ。
「本当にやれることが広がっていくし、やらなければならないと思う事も沢山になって来たな」
そう言う割に楽しそうな表情をしているガレナさん。
なので私も思わず言ってしまう。
「最近のガレナさんはそう言いながらも、楽しんでるように見えますよ」
「うん。実際楽しいんだよ。
自分で考えて実行したことで色々な事象を目の当たりにする。
同時に社員達から自分では考えられなかった意見とかを聞くのが面白くてな」
「そうなんですか?」
「ああ。自分が思った以上に私は新しい刺激に飢えていたようでな。
目に見える景色としての視野がどんどん広がっていくのを自分でも実感しているんだよ」
なるほど~。確かに私も知らなかったことを知ることで変わってきている所もあるし。
「だがリナもそうじゃないか?
お前とて前世ではありえなかった体験を出来ている。
地球人としての記憶やマルデアで育んできた思い出だってある。
そのおかげで私はこんな風に考える事が出来ているんだからな」
う~む。
自分的にはやりたい事やってるだけな気持ちだけど、面と向かってそう言われると照れる。
もしくはかゆくなる。
「まだいかんのか~?」
私とガレナさんが話し込んでる間に、フェルも考えてたことが解決したようだ。
そして急かすように、私の頭に乗っかってくる。
そんなに重くないけど、この子最近引っ付いてくるんだよね。
「ああ、すまんな。
それじゃあリナ。今回も無事に帰ってくるんだぞ」
「はい、今回はアメリカを最後にする予定です」
「まだ先だがアメリカ産の大作で出す予定のものがあると言っていたな。
あれはやり込み好きにはたまらんだろうなあ」
「好きな人だと延々とやれますからねー」
「スカッとするから悪くない。ただ結構大変」
うちの新入社員で早速ハマってる人もいるが、やっぱり洋ゲーは時間泥棒具合が洒落にならないなあと思う。
「さてと、それでは行ってきます」
「ああ、こっちも設定した。気をつけてな」
「ゲームと美味しいもの~♪」
では今回も楽しんでいこう。
いざ、中国の九塞溝へ!
お話的に考えたらリナは分け隔てなく世界中を回るんだろうなあ。
ただ現実的にはロシア・中国・中東・韓国・北朝鮮を題材にすべきか悩みました。