ただ壊すことしか考えなかったから、手順考えたら今壊したらあかんやろってのも平気でぶっ壊してた思い出があります。
「司会者さん撮影していいですかー?」
「はい、どうぞ」
箒を構えて、意図的に笑顔を向ける。
そうすると、数人が撮影してくれるが、変じゃないよね?
こうやって撮影されることで、幾人かのお客さんも興味が沸いてきてくれて、装飾品とか上着とかを手に取ってくれる。
親子連れは特に顕著で、子供が試着するたびに撮影してたりする。
ただまあ、さすがに皆が皆触ってくれているわけでないし、遠慮がちだったり恥ずかしそうにしながらだったりする。
実際、私だって仕事だからこそ、結構恥ずかしい気持ちを抑えてやってる部分もある。
多分、演技とかが分かる人から見ればバレバレなんだろうけどね。
あと肌の露出もあんまりないから、何とかなってるのだ。
……流石に某会場で行われるコスプレ撮影会のような露出満載な衣装でやれと言われたら、魔力全開で逃亡を図るよ!
そりゃあ男目線で考えたらエロエロ思考になるのは明白だし、元男として理解も出来る。
しかし、自分がそういう性的な被写体になるなんて考えれないかなあ。
まあ、取り敢えずいつもの考え事は置いておく。
そして魔法があるからこそ、こういうパフォーマンスもする。
「よっと!」
この子がアニメでやってた箒にまたがりながら姿が逆向きというやつだ。
他にも見栄え重視な魔法を使ってみたりして、お客さんを喜ばせていく。
ある意味、魔法自体がCG代わりになるが使い手の想像次第で迫力が全然変わってくる。
そこがクリエーターの腕の見せ所ってとこかな?
まあ私はクリエーターじゃないけどね。
「ツーショットもいいですか?」
おっと、学生さんぐらいの年齢の男性が、少し踏み込んで言ってきた。
表情を見ると少し照れてるようだが、周囲を見ればちょっとテンション上がってる同年代の子達がいる。
多分、仲間内で盛り上がったんだろうなあ。
「大丈夫ですよー。
ただ常識範囲内でお願いしますね?」
ユウジの学生時代くらいの気分を思い出すなら、テンション上がった時ってお馬鹿な事もやってしまうから、念のため注意しておく。
こういう不特定多数が集まるところだと、ナンパしようとする男性もいるらしいしね。
自分ではそんな勇気出ないけど、ある意味そういうのする人は失敗しまくってもめげないからこそいつか成功にたどり着く。
そしてその成功例があるから、さらに自信がつくんだろうねえ。
……その成功までにどれだけ失敗したんだろうと思いつつ。
ま、それはともかくちょっと恥ずかしそうにしながらも、嬉しそうに私の横に男性が並ぶ。
「にー」
撮影しようとする人たちに改めて笑顔を作る。
無邪気とかいたずらっぽい表情とか、からかおうとするような気持ちとかを思って撮られていく。
男性も何だかんだで少し緊張が取れたようで、おどけるようにポーズを決めたりしていく。
「おーい、これ使ってみろよ?」
仲間の子の一人がいつの間にやら、コスプレの小道具として置いてあった弓を持ってくる。
勿論見た目はきっちり矢じり付きだけど、中身はスポンジなので危険はない。
他の撮影していたお客さんも、何故それを持ってきたかすぐに理解したようで笑っている。
他は茶色の三角帽子持ってこようとしてたみたいだが。
ただ、そろそろ他のお客さんの相手に移りたいのと、司会者としての仕事もしなくてはならないから切り上げないといけない。
「申し訳ありませんが、他のお客様への対応もありますので、次で終わらせてもらいますね」
そうして、最後の一枚を終わらせて次に向かう。
ちなみに休憩所コーナーでは持参してきたスウィッツで遊んでいる人達もいる。
お客さんの中にはゆっくり時間をかけてコーナーを堪能するんじゃなくて、あっさり済ます人だっているからねえ。
ただ、こういうイベントだからこそ、お客さん同士で知り合うことも出来る。
そこでマルチプレイをしてるお客さんの会話を聞いてみると、
「マルチ楽しー。普段がソロなんで稼ぎが凄い捗りますよー」
「はい。敵を一か所に纏めたり一時停止できるスキルはソロでも便利だし、マルチプレイではもっと光ります」
「うーん、やっぱりディアボロスをマルチで出来る場所欲しいところです」
「あれ? 首都のバー知りません? そこはゲーマーの集会場所になってますよ」
「知ってはいるんですけど、普段は首都に行かないものですし、お金そんなにかけれないので」
「ゲームしてますと毎日行きたくなります。
実際私は一時期通いすぎて、懐事情がやばい事になって制限してます」
「では、タイミングが合えばまた一緒にやりませんか?
よければ連絡先お伝えいたしますが」
「いいですねえ。休みの日とか合わせましょう」
こんな感じでゲーム仲間を作る人たちも結構いたりするのだ。
こういったところも携帯できる利点なんだろう。
据え置きは据え置きの良さがあるけど、自宅だけだと輪が広がりにくいところもあるからなあ。
80年代だとピクトグラムのキャラ動かす携帯ゲーム機もあったし、90年代だとゲームボイだったし。
無論据え置きで遊んでた時は、家で友達を遊ぶ時に騒ぎすぎて、親に怒られたりもしたのだが、それも今ではいい思い出になっている。
ツインB・マルオカーツ・ボムバーマン・モム鉄・ファムスタ・くれお君などなど。
ある意味二人プレイ以上は大概友情破壊ゲーと言われたりして、実際喧嘩したこともあったし。
でもまあ何だかんだで一日も経てば怒りもおさまるし、結局また二人プレイしたくなって仲直りするもんでもあったからなー。
ちなみに私とゲンもきっちりファミコム・スーファム時代に喧嘩している。
マルオではビルの解体屋になったり、お互いにぶつかって炎に焼かれたり敵に曳かれたり。
プロレスコンビで必殺玉を取り合ったりツインBで鈴もやったねえ。
そしてモム鉄では目の前で通行止めアイテム使用して、貧乏神押し付けて阿鼻叫喚にさせたりなど。
あれは相手の手持ちをきっちり理解しておかないと、即座に自爆するから注意が必要だ。
実際やられたこともあったなー。
一番叫んだのは、一人がやった瞬間に他のメンバーも悪乗りしてくれた時だけどね!
カーツだとわざと順位落として、後ろから甲羅ぶつける準備を整える。
または回避できないタイミングでバナナ落としたりとか。
キャラが小さくなったら嬉々として轢きに行ったしね。
まあ結局は被害者にも加害者側。どっちにもなってマウント取り合ったりしたものだ。
時々やられっぱなしになったりもするけど、上達してやり返しもしたときは胸がすく思いだった。
あとボムバーマンだと狙いすぎて自爆してしまって、反対に煽られたりもしたなあ。
そんな風にゲームだからこそできる遊び方やコンピュータ相手では出来ないプレイが最高だったのだ。
現実で殴ったり蹴ったりすれば本当の喧嘩になってしまうけど、ゲームでは何に遠慮することもなく思いっきりぶつかり合うことが出来たのだから。
そう考えたら大変ではあるけど、こうやってゲーマー同士の結びつけることができるイベントをもっと増やしたいなーと私は思うのだった。
久しぶりに銭湯行ったら「みかん水」が売ってなかった。