一緒に遊ぶとゲームを介した言葉の応酬による盤上戦が楽しくてしょうがなくなる。
ボケたり突っ込んだり、ゲーム状況次第で会話のネタがぼんぼん出てくる。
そして後日にプレイ中は思いつかなかったことを思い出して、また対戦やりたくなるときがありました。
茶番劇後に着替えに行ったサニアさん。
そこから服だけでなく髪型もキャラに合わせるため、フィオさんはお手伝いも兼ねていたのだ。
なので、少し時間がかかったようだが閉会時間には丁度いい時間帯になる。
ちなみにスマブル優勝者は13歳の男の子。
使用キャラは五郎右衛門。
煙管による近接・小判投げの遠距離・からくりによる中距離を活かした、万能性を遺憾なく発揮して勝利していた。
ちなみに超必殺技は主人公を模った巨大からくり人形の一撃。
一定以上の%が溜まると、ゼルド姫の必殺同様にぶっ飛ばされるんだよね。
確定した一撃を確実に当てることが出来る人は強いからなあ。
優勝後のコメントでは、
『キャラクターが凄く突飛で面白くて大好きです。
子分のお間抜けなところとか、色んな遊び心があるステージとかが見ていて楽しいんです。
他のゲームキャラも好きですが、一番は五郎右衛門で優勝できてうれしかった』
制作者が聞いたら泣いて喜んでくれそうなコメントだよ。
自分が手掛けた作品を大好きになってくれるんだからね。
うん、動画投稿時はこのシーンはきちんと編集しておこう。
「着替えたわよ」
そんなことを考えているうちに、サニアさんが戻ってきたので姿を見てみれば、
「……ちょっとエロくね?」
「俺、年上好みじゃないけどいいな」
バイトの男の子達が分かりやすい言葉を言う。
私もそんなサニアさんの姿を見て、
「うんうん、ヒロインに何となく見えますよサニアさん」
「キャラと接近できた気はしないわよ!?」
上半身には黄色と赤の服。
下半身にはピンクのタイトスカート。
髪に関してはちょっと魔法を利用して雰囲気を似せた。
そう、サニアさんには閉会式で伝えるゲームキャラの衣装を着てもらったのだ。
「サイズ的にはちょっときついけど、まあ閉会挨拶の時だけだし」
「ちなみにどこがきついです?」
胸やお尻なら多分サニアさんだと自慢気に言いそうだけど。
「リナ。どこと思ったのかしら?」
君子危うきに近寄らず。
ちょっと配慮を欠いてしまった。
「お二人ともリラックスしてますけど、そろそろ閉会挨拶の時間ですよー」
仕事モードに戻ったフィオさんが私とサニアさんに意識の切り替えを促す。
「了解です。サニアさん言いすぎました。すみません」
「リナ。貴方もその内分かるようになるのよ」
分かるようになるのかなと思いながら、私とサニアさんは舞台袖から出ていく。
すると、閉会挨拶を待っていたであろうお客さん達がすぐに私達を認識してくれる。
新情報が出てくる恒例の閉会挨拶と理解されてるなーと思いつつ、まあ私達がそうしてるだけなんだけどね。
とは言えども、慣れてきたとはいえ大勢の目が一気に注がれる状況。
平静になるべく一度深呼吸をしてから、私は口を開ける。
「ご来場の皆様。
本日はガレリーナ社の夏イベントにご参加くださり誠にありがとうございます。
今回のイベントは楽しんでいただけましたでしょうか?」
会場全体に届いた私の声にお客さん達が反応してくれる。
『ポツモン飴が美味しかったー』
『来場特典のイラスト嬉しかった』
『次のゲームを早く教えてくれー』
『サニアさんもコスプレしてるけど、何のキャラ?』
子供の声やゲーマーさん達の声が聞こえてくる。
そんな返答を微笑ましく思いながら、私も返事をする。
「喜んで下さりありがとうございます。
勿論今から新情報をお届けさせていただきますよ。
それでは、改めて皆様は私の後ろにご注目ください」
言った後に、私も少し横にずれていく。
そうすると、舞台に大きな画面が表示されていく。
出てきたのは、刀を携えお供に犬・雉・猿を連れた丸っこい男の子。
『モム太郎の新作!?』
オールスター5で遊んでくれただろう子供が喜色満面の笑顔になるのが見える。
そこから更にお伽噺に出てくるお馴染みのキャラ達も登場していき、サニアさんがコスプレしているキャラが分かってしまう。
しかし、登場していくキャラの中では一部衣装が変わっているキャラもいるのだ。
『なるほど、夜姫ちゃんのコスプレだったんだ』
『でも、RPGじゃない?』
そう、これは始まりのモム太郎伝説より愛されるゲーム作品。
昭和から平成。平成から令和へ。
30年以上も日本国民に愛され続けてきた双六型ゲームなのだ。
「はい、モム太郎のキャラクター達が登場して舞台を盛り上げてくれます。
そして舞台はゲームを作った国である日本。
そこで期限内でお金を稼ぎ、最終的に一番お金を持ってる人が勝つというシンプルなゲームとなります」
さすがにこの説明だけだと、どう面白いのか分からない感じでお客さん達が首を捻る。
しかし、中にはこの説明だけでパーティーゲームであるとピンときた人もいる。
『最大何人プレイ?』
「四人となります。
そこで1位を取るべく、ゲーム内では様々なイベントとプレイヤー同士の駆け引きを繰り広げて遊ぶゲームとなるのです」
私が内容を語るたびに、想像していくお客さん達が増えていく。
もう既にパーティーゲームにおいて、多人数で遊ぶ時の楽しさが大好きな人達はいっぱいいるのだ。
マルオカーツ・ボムバーマン・スマブルを皆で対戦する時の盛り上がりは言うまでもない。
ディアボロスもパーティーゲームとは違うが、一緒に敵をぶっ飛ばしまくる爽快感は他では中々感じることは出来ないであろう。
テトラスやぷやぷやに格ゲーで一対一で対戦する楽しさは、他の人と競い合うことが好きだということ。
ただ、マルデアで発売した対戦・パーティー系統はまだ短期決着型だけだ。
そこに子供も大人も一緒になってじっくりと時間をかけて遊べるモム鉄であればどうだろうか?
「このゲームでは色んな仕掛けが用意されています。
イベントだけでなく、プレイヤーが故意に作り上げるもの。
ゲームを盛り上がるお邪魔キャラ。
お金稼ぎをする中で繰り広げられるプレイヤー同士の知恵勝負。
プレイヤーの実力だけでなく、その時々の運も味方につけることで1位を手に入れるのです。
それを短くて数時間もしくは何日もかけて競い合う。
どうでしょう?
また違った形のパーティーゲームを遊んでみたいと思いませんか?」
そう、これこそが今年のガレリーナ社における戦略の一つだった。
今年発売したゲームを思い出してみよう。
オールスター5。
スマブル。
RPGと格ゲーコレクション。
最近ではディアボロス。
勿論面白いというのは大前提だが、対戦と協力プレイが出来るゲームを入れていたということを。
つまり、ゲームは一人でも面白いけど一緒になって遊ぶのも楽しいということを知ってもらいたかったのだ。
同時に企業的にはまだまだ遊ぶ人が増えてほしいという、ちょっとこすい考えもあるけどね。
ジョイコンって本当に便利だよね。
『つまり、今までの対戦と違って、対戦中もじっくり考えながら対戦できるゲームってこと?』
「はい、その通りです」
『発売予定は?』
「年末を予定しています。
それまでに詳細情報をお伝えしていきながら、皆様が買いたくなるようにしていきますよ」
ちょっとだけ煽るようにしながらも、暗に楽しみにしてねという示唆をする。
ある意味、今回は分かりやすい盛り上げでなく静かな盛り上げだ。
最初は小さな波。
また新しい情報を公開することでじっくりと波を大きくしていく。
本当はサムシティみたいにマルデアを舞台にしたモム鉄もいいとは思ったが、これは中々難しい。
モム鉄は様々な偉人・特産品・物件などを散りばめることで、楽しみながらも色んな雑学が自然と頭に入ってくるのも特徴だ。
サムシティの場合も徹底的な調査をしたとはいえども、基本のシステムは地球データである。
人間模様まで入ると、さすがに違和感だらけになるだろう。
それにモム鉄は基本は双六だから、本当に誰でも遊びやすいゲームシステムにしている。
たとえスウィッツをまだ遊んだことのない人だとしても、ゲームに触れればすぐに理解してもらえるはずだ。
もっともっとマルデアにゲームを広めたい。
そんな想いも込めて、私はこの夏イベント閉会の新情報にモム鉄を選んでいる。
マルデアの皆にもっとゲームを遊んでもらって、同じ時間を共有してくれることを願って。
あと、モム鉄が似合うのはやっぱり年末年始だと思うんだ。
もしくは学生旅行の宿泊先とか。
修学旅行でやったら……先生にゲーム機没収と拳骨に説教のトリプルコンボだよ!
決められたお小遣い以上に持ち込んで、分かりやすく使い込んで怒られた同級生もいたなー。
80.90年代の先生だって別に問答無用で怒るわけじゃない。
少々なら見て見ぬふりもしてくれるが、やっぱり羽目外すやつもいたからね。
そんなこんなで昔の思い出を振り返りながら、私はお客さん達にモム鉄を公開する。
ただ、このような形の新情報だけではお客さん達には物足りないだろう。
その為に、私は次なる新情報を伝える準備に差し掛かるのであった。
キングボンビーを他のプレイヤーに如何に押し付けるか?
最初の一人がお邪魔カードを使用したことで、のたうち回る被害者に他の二人も乗っかってくる阿鼻叫喚。
被害者はその恨みを忘れずに虎視眈々と狙いすまし、盤上をひっくり返して高笑い。
お手々繋いで仲良く遊ぼう。
道徳マイナス100点プレイやらないの?(曇り無き眼でキラキラ)