プレステ時代は最後のボスラッシュで燃やされたっけなあ。
隠しダンジョンの雑魚敵のラッシュ攻撃で何度全滅したかなあ。
開発がバランス調整ミスったガブリエルを何とかしようとして、結局は諦めた思い出。
それとガンガンで連載してた東の漫画は好きだったけど、打ち切り食らって悲しかったなあ。
……PS5・switchどちらで買うべきか。
「マリアさんジャックさんお久しぶりです」
観光先の九塞溝に到着したところ、出迎えに二人がいて手を振ってくれる。
「移動お疲れ様。
今回も安心して護衛を任せてちょうだい」
マリアさんが少し微笑みながら答えてくれる。
「ああ、こちらも現地の下見は済ませてる。
ただ、すまないが時々警護のすり合わせで抜けるかもしれん」
ジャックさんは申し訳なさそうに言うが、私の護衛としての仕事だから気にしないでほしい。
「いえいえ、お二人が護衛してくれてるから助かってます。
ありがとうございます」
そうして私達は九塞溝をのんびりと歩きながら、観光していくことにする。
とはいえども、警護の人達は他に観光しにきていた人達の相手もしているそうだ。
他の観光客が九塞溝に来ている時に情報を知った事で、私とフェルを生で見たい人達で殺到しないようにもしているとのこと。
そして目的の九塞溝の湖を見るために、少し木道を歩いていく。
こういう道も普段の生活だと歩く事が無いから、ちょっと楽しくなる。
大使としてじゃなく、個人としてなら気侭に横道にそれたりして、わざと手が入ってない場所を歩いたりするのも風情があるよね。
フェルも地球の自然風景を楽しんでいる。
時折、気になった事とかを呟けば案内の人がすぐに答えてくれるので、フェルも色んな事を覚えていく。
疑問に思った事をすぐに教えてくれる案内の人がいると、知識欲旺盛な人だと楽しいんだろう。
他にも鳥の鳴き声とかも聞こえてくれば、タブレットなどを操作して画像を見せてくれたりで至れり尽くせりな対応に感謝するしかない。
そして遂に私達はあの観たかった景色の場所にたどり着いた時、
「わああああ」
「ええのおお」
私はその綺麗さに、フェルはそのありのままの姿に感動する。
まずはその湖に映る色に、
「実際に見てしまうと、科学的な理論でこうなっていると理解はしていても不思議です」
「ん~♪」
「そうねえ。ただ感じるだけでいいわねえ」
「考え付かないような景色が、地球のどこかにはあることが実感させられる」
同じ景色を見てるのに、出てくる感想はどこか違ったりする。
私だと少し捻くれてしまうようなこと。
フェルは言葉よりそのままを感じようと。
マリアさんは感動しながらも感傷に浸るように。
ジャックさんはどこか浪漫を求めるかのように。
そして次はその水面の透明度に、
「潜りたいなあって考えちゃいますね」
「やったらあかんのか?」
「多分、半分以上の人は同じこと思うわね」
「浮くだけでも気持ちよさそうだぞ」
今度は四人とも、ちょっと子供っぽくなるようなことを言ってしまう。
ただ言えるのは、皆この景色を気に入ってしまっているということ。
因みに近くで私達を撮影しているカメラマンさん達は、必死にカメラを動かしながらも言葉は発していない。
私達の邪魔にならないように、こんな普通の人達も似たような会話をするであろう内容を撮影していく。
私もデバイスで録画だけはしているが、これを生でマルデアの人達に配信するのはまだ早いかなあと思ったりしている。
受け入れてもらえそうと思えども、やはりどこかでまだゲームや娯楽関連と関係ないところを見せるのは不安な部分がある。
ゲームのおかげで、地球への先入観が少しだけでも減ってくれた人達でも、何かあればまた同じように悪印象だけになってしまうだろう。
目に見える成果は欲しいけど、同時によい兆しが消えてしまわないだろうかと考えてしまうこともあるんだから。
でも、いつかこの景色を見る為に、地球に訪れてもらえるように頑張っていこう。
そうして、湖や池ごとに違う景色を見せてくれる九塞溝を観光していくのだが、フェルが遂に我慢できなくなってしまう。
「もっと近くで見たい!」
「あ、こら」
行儀よく私達が歩く場所から眺めていたのだが、飛んでいるフェルからすれば上空からも覗いてみたいという欲求があったのだ。
そうして、その言葉のままに遠目からは見えてはいても、詳細には見えなかった場所などに向かって飛んでいく。
声をかける前に飛んで行かれてしまう。
でも、その行動に警護の人達が慌てて動き出すが、どうやらある程度は予想されていたみたい。
私も何も考える必要が無ければ、やりたかったことだしなあ。
でも、面倒をかけてしまうんだし連れ戻しに行こう。
「フェルがすみません」
そして私も飛んでフェルを捕獲しに行く。
「フェル。見たいのは分かるけど、いきなり行ったら困るよ」
「うむ、すまんかった。でもこの場所が近くで見たかったのじゃ」
そうしてフェルが指さす水面には、複雑に絡み合っている木の枝がある。
ただ水中にあるだけなのに、それは綺麗な景色の一部になっている場所。
「あ~、なるほど。そりゃ遠目からじゃ分かんないよね」
「まあ、見たから満足したんで戻るか」
「皆にもちゃんと謝るんだよ?」
「おう」
その後、すぐに私達は戻って皆に謝罪するのであった。
そうして、長海・五彩池・諾日郎瀑布・樹正群海・双竜海などを観光していく。
さすがに全部をじっくり見ていたら、時間が全然足らないので時間配分はお任せするしかなかった。
でも、五彩池はさすがに時間を多めに取ってもらったが、皆その景色に見とれてしまうほどだ。
そしてこの日の観光は終わることにして、準備してもらった場所で宿泊だ。
「ごっはん~ごっはん~♪」
食事の時間が近づいてきたんで、ご機嫌なフェル。
観光してる間に、裸麦餅とか糌粑 とか食べてたんだけどね。
ちなみに用意されるのは火鍋らしい。
九塞溝に来たなら、現地の人が勧めるもので食べないと勿体無いほどだそうだ。
それと、やはり元日本人的には、四川麻婆豆腐が気になるところ。
日本人向けの味付けとは完全に別物だそうだから、味見してみたい。
ただリクエストしたら、やんわりと無理しないほうがいいと教えられる。
うん、まあ料理人からすれば、味を知らない人に食べさせるには劇物みたいなもんだしね。
ということで、味見程度だけ用意してもらうことにした。
そして実物を見た瞬間、
「……食えるんか? リナ」
普段なら私が食べるものに抵抗感が無いフェルでさえ、微妙に離れていく。
真っ赤。見事に真っ赤な上に漂う匂いと刺激が凄い。
食べる前から、味見程度の量にしてもらって良かったと自分で安堵してしまうほどだった。
実物を見たことで少々腰が引けてしまうが、自分で注文して作ってもらったのだから、私は意を決して口に放り込む。
「ふぎゅ!?」
即座に顔全体に衝撃が伝わり、口の中が痛くなる。
すぐに水を飲んで沈静化を図るが、さすがにすぐにはおさまってくれない。
「南無」
フェルがそんな私を見て合掌する。
だからフェル、いつどこでそんなの覚えてきたんだ。
駄目だ、この味の衝撃でまともな思考回路が奪われてしまう。
でも、味見程度なのでもう一口だけの量しか残ってないから、頑張れば食べれる。
結果、私は何とか本場四川麻婆豆腐の味を知ることは出来たけど、次回はもう……いいです。
日本人が美味しく食べれるように作った料理人さん達に感謝を捧げるのであった。
でも火鍋は美味しかった。
その日の夜はいつもより発汗していたことを記す。
成都でパンダ触れ合いも入れようかと思ったけど、お話のバランスおかしくなったので最終的に没になりました。