「キリエさんとアイラさんから報告がありました。ベル・クラネル君達は無事に
「……そっか。よかった」
ルシアが伝言を伝えると、スズネリアは本拠の居間でホッとしながらソファーに腰を下ろした。
そんな彼をルシアは見下ろす。
「それと、ベル・クラネル君から質問を預かりました」
「質問?」
「はい。"スズはいつ戻ってくるんですか?"と」
「……!なんて答えたんだ?」
「二度と戻ってきませんと答えました。すると、"そんな……!もうスズには会えないんですか!?"と―――」
「さっきからなんだよ、その迫真の演技……」
ルシアは基本真顔なのに、ベルの台詞を口にする時だけ大袈裟な身振り手振りを加えた。
スズネリアが友を馬鹿にされた気がして若干イラッとしながら彼女を睨む。
……ルシアは、スズネリアを元気づけようとベルの真似をしてみたが、
「とにかく、そういうやり取りがありました。まあ、会う分には問題ありませんとは言っておきましたが」
「……いや、もう会わねえよ。ベルは俺を忘れた方がいい。俺なんかを気にしてたら、あいつの冒険は止まっちまう……気がする」
「……」
必要以上に落ち込み、下降気味の思考になっているスズネリア。
俯く彼に、そんなことは無いとは言えなかった。
寧ろ、一理ある。
ベル・クラネルは急成長し、その留まるどころを知らないだろう。
これだけ短期間で激動の日々を過ごしているとなると、これから起きる事柄一つ一つに集中しないと、彼の身が危険だ。
ルシアとしても、ベル・クラネル本人に同じことを忠告するかもしれない。
「……まあ、悲観することはありません。君の口から事情を話せばわかってくれるかもしれませんし」
「気休めはいいって。俺はガキなんだろ?だったらお前の言う通り、ここでお前らに守られながら静かに暮らすよ」
スズネリアはもはや無気力になっていた。
そんな彼を前にして、ルシアは……―――
「……!」
ルシアは、突如、顔を上げて外を見る。
スズネリアは下を向いたまま。
千里眼が告げている。
叛逆の狼を、救わんと誓う者たちの号令を。
「……スズネリアくん。彼らがここに来ます」
「あ?……っ!まさか……!」
スズネリアが立ち上がる。
ルシアは、静かに頷いた。
そして、彼は下唇を噛み、俯く。
「あのバカ……!」
「どうやら強行手段を選んだようですね。そうまでして、【ヘスティア・ファミリア】は君を取り戻したいと」
「何考えてんだ。散々もうどうにもならないって伝えたんだろ」
「まあ、それで納得するかは向こうの自由ですからね」
ルシアは、冷静に告げる。
だが、こうなってしまっては彼女が取る選択肢は一つだ。
「我々としては君を渡す訳にはいきません。君の為に、君が破滅しないように君を守る責任があります」
「な、何するつもりだよ」
「単純です。この城に、キャメロットに攻めてくるというのならば、的です。然るべき措置を取ります」
「……っ!まさか……!」
スズネリアが瞠目する。
ルシアは、開眼した。
本気だ……!
「我ら円卓騎士一同、侵入者を排除します。皆さん、剣を取りなさい。城の最深部、王の間。王の子息への接触を許してはいけません。彼らが天守に届く前に、その道を阻みなさい。―――関門を、通すな」
ルシアは宣言する。
竜の
騎士たちが、金属を鳴らす。
―――これより、【ヘスティア・ファミリア】と【グウィネヴィア・ファミリア】の