原初の竜でも友達が欲しい   作:伊つき

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円卓十番勝負:一番目ガリウス・グラウェイン

 

【グウィネヴィア・ファミリア】本拠(ホーム)、キャメロット。

それは本拠言うには大きすぎる建造物。

まるで城だ。

その玄関口―――というにはあまりに城門すぎる巨大な扉の前に、ベル達はたどり着く。

 

「ご、ごめんくださーい!」

「いや、素直か」

 

思わずヴェルフが突っ込む。

リリルカもずっこけそうになって、命は同じ思考回路だったので冷や汗を流しながら目を逸らす。

 

「ベル。こんなものはな、壁を越えて侵入するんだ!」

「えぇ!?だ、駄目だよ。そんなの」

「賛同したくはないですが、今回はヴェルフ様が正しいかと。こっちがノックして向こうが素直に開けてくれるわけ―――

 

リリが言いかけたその時。

ヴェルフは既に壁に足をかけていたが。

城門の扉はゴゴゴ……!と重厚感のある音を立てて開いた。

彼らは2度見する。

 

「えっ。な、なんで……」

「……どうぞご勝手にってか。舐められてんな、完全に」

「まあ、戦力差的には慢心されても仕方ないとしか……」

「どうしますか?ここまで待ち構えられていたとなると確実に罠ですが」

 

命の言葉に3人がベルを見る。

彼は一瞬俯くが……覚悟を決めた顔を上げる

 

「行こう!」

「だな。最初から不利なんだ。罠があろうがなかろうが大差はないだろう」

「何が待ってるかわかりません。くれぐれも気をつけていきましょう」

「うん。でも、戦いに来たわけじゃない。話し合いで済めば……」

 

ベルを先頭に進む一行。

内門まで長い道を歩き、扉を開くと、高貴な玄関が迎える。

正しく城のような内装、装飾だ。

神宴(パーティ)にでも来たのかと錯覚するほど。

 

「……誰もいませんし、迎えに来ませんね」

「まあ客じゃないからな。とはいえ向こうが扉を開けんだ。1人くらい挨拶して欲しいもんだが」

 

「―――侵入者め!!」

 

『……!?』

 

突如、年配の大声が響き、その声の方を見ると。

ベル達に向かって今にも鬼の形相で剣を振り下ろそうとする老エルフ騎士が突っ込んでくる。

 

「うおっ!?」

「ええいっ!避けるでない!王を狙う不届き者め!その首を斬り落としてくれるわ」

「待ってください!話を聞いてください!」

「黙れぃ!」

「……っ!」

 

聞く耳持たず、老エルフ騎士は剣を横薙ぎに払う。

ベルはそれを体幹を活かして身体を折り畳んで避けて、彼の懐を通過して背中から離れる。

距離を保ち、ナイフに手をかける。

 

「話を聞いてください!僕達はスズネリアに会いに来たんです!会わせてくれませんか!?」

「……ふん。王を護れぬ役立たずの仲間か。程度が知れるわ」

「なっ……」

「奴など騎士の面汚し。奴から王を解放すると豪語してこの有様。生きる価値もないわ!」

「……っ!」

 

ベルの表情が歪む。

気持ちが昂り、ナイフを抜こうとした。

だが、彼より先に斬りかかる者あり。

 

「ベル!先に行け!こいつは俺が貰う!」

「ヴェルフ……!」

 

老エルフ騎士の剣と切り結ぶヴェルフ。

彼もこのエルフの言葉に頭が来ていた。

 

「黙って聞いてりゃ人の仲間を貶しやがって……!テメェらの事情は知らないが、大の大人が派閥の末っ子にかける言葉じゃねえだろ!」

『……!』

 

ヴェルフの言葉に一同が目を見開いて、完全同意で力強く頷く。

そうだ。

彼らの事情など知らない。

今、目の前にある事実は仲間を侮辱されたという屈辱。

これを許すならパーティではない!!

 

「何も知らぬ賊が!このガリウスが斬り伏せてやるわ!」

「おう、やってみろジジイ!」

「ヴェルフ、ごめん!」

 

ここはヴェルフに任せて、階段を駆け上がるベル達。

それを背中で見送り、ヴェルフはガリウスと競り合う。

 

「ぬぅ……!侵入するだけに飽き足らず、進行するとは!許すまじ賊共め!」

「ハッ。だったら俺を倒してみろ」

 

ヴェルフが口角を上げる。

その言葉に怒りが増したガリウスはさらに押し込んだ。

だが、押し切れない。

それはヴェルフも同じ。

弾き返すことができない。

2人の力は拮抗していた。

 

「あんたLv.2か。ちょうどいい。俺もつい先日ランクアップしたところなんだ。試運転に力試しさせてもらおうか!」

 

そう告げて、ヴェルフは騎士と斬り合いを始めた。

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