「このフロアにスズネリアは居ない。彼がいるのは最上階。王の間さ」
スズネリアの居場所をキリエが教えてくれる。
これで無駄な戦闘を避けて階段を駆け上がっていける。
「ここからは私もついていくよ。私もスズネリアと話したいからね」
「ありがとうございます……!」
ベルが頭を下げる。
キリエは微笑んで「当然さ」と胸に手を当てて敬意を示す。
ここからは彼女も加えて行くことになった。
だが、上の階に行くまでにやることがある。
「ベル君。ランクアップだ」
『……!』
ステイタス更新をして、全員が瞠目する。
キリエは「ははは、歴戦の冒険者たちは型なしだね」と苦笑いした。
これでベルはLv.3だ。
しかし。
「ここより上はLv.4以上しかいない。用心したまえ」
「えっ。でも、もう戦わなくていいんじゃ……」
「どうかな。彼女の眼は全て見ている」
「眼?」
キリエに言われてベルが眉をひそめる。
だが、思い出した。
確かヘスティアが言っていた。
このファミリアには千里眼を有するものがいると。
そして、案の定。
「……これは驚いた。君はスルーできると思っていたんだけどね」
階段を上がると、踊り場に立ち塞がる騎士が1人いた。
女の騎士だ。
覆面で口元を隠し、肌も一切露出していない銀髪、銀腕のヒューマン。
名は―――【
Lv.4。
「……多少はファミリアの為に働かないと、怪しまれるじゃない?」
「なるほど」
おそらくルシアの指示で立ち塞がる彼女。
銀髪のアリーゼは、口を隠しているから口の動きを見られる心配もない。
彼女はベル達を見下ろし、剣を抜く。
「悪いけど……じゃなくて。申し訳ありませんが、この先へは行かせるなと言われています」
「……っ」
アリーゼはリューの口調を真似て道を塞ぐ。
やはり戦うしかないのかと、ベル達が構えるも。
そんな彼らの前に伸びる腕。
キリエが前に出る。
「ここは私に任せて先に行きたまえ。彼女の相手は私がする」
「で、でも……」
「いいから行くんだ。スズネリアとは後で話すよ」
「わかりました……!すみません!」
ベル達は駆け上がる。
その通過をアリーゼは見送った。
ベルにチラ見されたが無視。
アリーゼの視線は前に釘付けだ。
「嬉しいね。君のように美しい女性に熱っぽい視線を頂けるなんて」
「さすがねっ!確かに私って超絶美少女だもの。喜ぶのも無理ないわっ!」
「素が出てるよ」
「あっ」
褒められて調子に乗ったアリーゼが口を塞ぐ。
キリエは元々隠してるよ、と指摘するか迷った。
代わりに苦笑いする。
まあ、そんなところも彼女の可愛らしいところではあるが。
「さて、一応戦っておいた方が君の為かな?」
「そうね。お願いします」
今度は混じってる。
演技する気あるのか……?と突っ込むのも馬鹿らしくなってきたキリエ。
あとは黙って剣で語るのみ。
キャメロット。
7階。
このフロアに王の間がある。
しかし、その大きな扉の前には。
「【ガラティーン】!!」
『……っ!?』
広間に出ると、いきなり光属性と火属性が混じった魔法砲撃が飛んでくる。
それを視認してすぐ、ベルが飛び出す。
「【ファイアボルト】!!」
【
それで相殺する。
爆炎が晴れると……エルフの騎士が立っていた。
「この先は王の間。そして、私は王を守る最後の砦。最初の騎士。【
「なるほど。一目で話が通じなさそうなのがわかる。助かるぜ!」
ベルもヴェルフも構える。
彼に対しては最初から対話する気も起きない。
戦闘不可避だ!