原初の竜でも友達が欲しい   作:伊つき

163 / 164
ルシア・マリーンLv.9相当

 

「……来ましたか」

 

キャメロットの城門の上で、足をかけ、膝に肘を乗せるルシア。

顔を突き出すと、その先にはLv.8の威圧を放ちこちらに歩み寄る【剛心】アルキュオラ。

城門に括り付けられた2人のアマゾネスを見る。

 

「アルガナ、ヴァーチェ……!」

「待ってましたよ。アルキュオラさん」

「2人を解放するべ!」

「やだなぁ。せっかく来たんですから、まずはもてなしを受けてくださいよ」

「……!」

 

ルシアがそう言うと、アルキュオラの前に現れたのはザルドとアルフィア。

2人を見て、アルキュオラが驚く。

 

「なんでおめェらが……こんなことに協力するほど堕ちたなんて言わせないべ!」

「……すまない。負けた。あの世で俺達をなじってくれ」

「我々の悪名を広めるといい。あぁ、メーテリアが悲しむ。甘んじて受け入れよう。今日が最大の恥だ」

「おめェら……」

 

アルキュオラの表情が同情に変わる。

同時に、キッ……!と睨み上げる。

 

「こんなやり方で強くなって、そんでダンジョン攻略して仲間を救って本当にそれでいいだか!?」

「はい?いいからやってるんですけど。早く死んでくださいよ」

 

ルシアは吐き捨てる。

すると。

 

「うおおおおおおお!!」

「……っ!!」

 

ザルドが鬼の形相で迫りきた。

彼は必死だ。

かつての仲間に剣を振り下ろさなければいけない。

それはもう悲壮が凄い。

アルキュオラはこの地獄に吠える。

 

「うわああああああ!!」

 

かつての仲間と切り結ぶアルキュオラ。

戦いの最中もルシアを糾弾し続ける。

 

「おめェはもっと良い奴だったはずだべ!なのにこんな……!」

「……」

「ここまで落ちぶれるなんて勿体ないねえべ!以前のおめェなら皆に認められただ!」

「……」

「例え生まれがモンスターでもだ!なのに、曖昧な予言1つでこんなの勿体ねえべ!!」

「っぁ~~……。かったりぃな……」

 

中々アルキュオラを追い詰められないザルドとアルフィア。

実力が互角なのもあるが、アルキュオラは持久力が売りの冒険者。

互角では戦いが長引きすぎる。

このまま待っていても2人が彼女を倒す間に何度日が沈み、昇るか。

そんなの待ってられない。

その間、ずっとその無限の体力から繰り出される戦闘中に喋れる余裕を浴び続けるのも億劫だ。

ルシアは首を鳴らし、特大のため息を漏らし、2人の不甲斐なさに舌打ちする。

 

「めんどくせぇ……」

 

ルシアは飛び降り、片膝をついて着地する。

そして、地を蹴り駆けることで上体を同時に起こす。

向かうは一直線。

モルガーンIIを呼び、彼女の手に収まり、飛びかかる。

 

「竜人形態モード斬撃竜!オラァ!!」

「ぐあっ……!?」

 

アルキュオラは斬られて後退した。

ここからはルシアも混じり、3人で攻めていく。

一方的で劣勢なアルキュオラ。

意識を取り戻し、朦朧とした中、その景色をアルガナは見る。

 

「……っ!ア、アルキュオラ……!」

 

尊敬する強いアマゾネスが一方的にやられている。

そんな光景を彼女は見たくなかった。

その戦いは日没まで続き、やがて。

 

「拉致があかねえ。粘りやがって」

「……それがオラの武器だかんな」

 

まだまだ元気なアルキュオラ。

いい加減痺れを切らしてきた。

ルシアはモルガーンIIを放り捨てる。

 

「だったらその身体が木っ端微塵になりゃ、耐えるなんてこともできねえだろうが……!!」

「……っ!」

 

ルシアが吐き捨てて、その身体を肥大化させる。

彼女は巨大なドラゴンとなり、その口を膨らませる。

 

「【サラマンドレア・ブレス】!!」

「……っ!!」

 

ルシアの砲撃にアルキュオラは防御体制を取り、受けた。

彼女は遥か向こうへと飛ばされ、彼女の身体ごと着弾すると、国ひとつは吹き飛ぶ威力の爆炎が大きなドームを作る。

 

「なっ……あっ……!?」

『……!?』

 

アルガナが絶句する。

ザルドとアルフィアも言葉を失った。

その高すぎる威力と、やり過ぎの攻撃に。

雲が上がると、ルシアはドラゴンのまま見下ろす。

 

『グルル……』

 

さすがに死んだはずだと思いながら、千里眼を使う。

すると。

黒煙の中から人影が見えた。

ルシアは驚愕する。

 

『はぁ!?まだ生きて……!化け物が!!』

 

ルシアはもう一度ブレスを放った。

それでやっと、彼女の肉体が消し飛んだの確認する。

地に降り立たルシアは竜化を解いて、着地したと同時に崩れ落ちる。

そして、両手をつき、荒く呼吸した。

 

「はぁ……!はぁ……!さすがにフルパワーのブレス2発は……!」

 

しんどい。

さすがに死んだろ。

その2つの言葉を唾液とともに飲み込む。

これで死んでなかったらさすがにお手上げだ。

だが、確実に死んでる。

千里眼で確認した。

【剛心】。

その名の通り、恐ろしくしぶとい化け物だった。

だが、これでルシアはLv.4の冒険者としてLv.8を下したことになる。

大幅な経験値を得られるはず。

 

「あとは……グウィネヴィア様」

 

ルシアはよろよろと真っ直ぐ歩けないままオラリオに戻った。

そして、グウィネヴィアの首根っこを掴み、ステイタスを更新させる。

ルシア・マリーン。

ひとつ飛ばしてLv.6到達。

これで総合的な強さはLv.9相当に至った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。