前世狼のおんがえし   作:daylight

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初投稿です。
少し不慣れな所がありますがご了承下さい
良ければ最後までお読みください


前世のお話1

この巣穴には4匹の狼がいた

父狼に母狼、そして子供狼2匹である

時は満月が雲に隠れながらも時折顔を出す夜

「お前達はこの巣穴で、待っていろ。人里は危ない。」

父親狼が子供狼達に向けて言い放つ

 「嫌だ!私もお父さんやお母さんと一緒に行きたい!」

1匹の子供狼は駄々をこね

 「仕方ないでしょ、私だって行きたいけど、まだ危ないって言われるし、何より私は……」

もう1匹の子供狼は駄々をこねる子供狼を止めようとする。しかし、その右前足はどこかで怪我をしたのだろうか白の体毛のから赤い血がかすかに出血している

 「心配しなくても大丈夫よ、あの畑に狙いをつけてからまだ一度も失敗したことが無いのだから。今回も沢山食べ物を持って帰るわ!」

母狼が子供狼達に安心させるように優しい言葉をかけた

 「太陽が昇る頃にはこの巣穴に帰るから、もう寝ていろ、ここなら見つかる心配もないからな。」

「それじゃあ、行ってくるわね、レフ、リオ」

親狼達はそう言い残し暗い森の中へ消えていった

「気をつけてね!」

「行ってらっしゃい!」

2匹の子供狼は親狼に向けて暗い森の中へ叫んだ

まさかこれが最後に生きている親の姿とはまだ2匹の子供狼は知らないままに

そしてそのまま2匹の子供狼は暗い巣穴の中で眠りについた

 

そして暗い夜が明け太陽が昇る

鳥の囀りで起きる右前足を怪我した子供狼

 「うーん......痛っ!」

昇って来た太陽を巣穴から見つめ、眩しい素振りをしながらも背伸びをする。しかし怪我をしていたことを忘れていたのか、すぐに怪我をしている右前足を見る

そして巣穴から出てあたりを見回す

 「あれ......父さん達は?」

痛がりながらも不思議に思う右前足を怪我した子供狼

既に太陽は昇り始めていて空も明るくなっている。

既に帰ってきていてもおかしくないはずの親狼がまだ戻っていない

そこに昨晩駄々をこねた子供狼が起きる

 「うん......あ、おはよう!レフ姉ちゃん!」

その子供狼はそう言うと巣穴から出て木々の隙間から出る太陽にあたる

太陽の光が当たってる体毛がオレンジ色に変わる特殊な子供狼が右前足を怪我した子供狼......もといレフに挨拶をする

 「おはようリオ。相変わらず元気だね。」

レフはオレンジ色に染まる子供狼…もといリオに挨拶を返す

 「うーん!ここの巣穴は起きたらすぐにお日様にあたれるから気持ちいいね!

あれ?お父さんとお母さんは?まだ帰って来てないの?遅いなー......」

体を伸ばしながら不思議がるリオ

 「確かに遅いね......」

あの畑からこの巣穴までなら太陽が昇る頃には戻れる距離なのに既に太陽は昇りきっている

何かあったらお父さんよりお母さんの方が早く戻って来て状況を言ってくれるが、そのお母さんも戻って来ない

レフにある不安がよぎる

その不安の原因はこの巣穴に引っ越す理由となった右前足の怪我と関係ある

 

この巣穴に引っ越す前、私たち家族は人が住む場所に近い森に住んでいた

父親からこの森は人間が行き来する森だからむやみに出歩くなと忠告されていた

しかしこの森を通る人間は少なく日中でも普通に出ても問題なかった

 「いよいよ明日から私も父さんと母さんと一緒に食料調達だよリオ!」

レフは嬉しそうにリオに語る

狼たちはある程度の大きさになると親狼たちから狩りの訓練を行う

まずはその基本となる食料調達の仕方から教わる

 「良いなー......私も行きたい!」

リオは前足をばたつかせながら羨ましいそうに言う

私とリオの年の差は二つ、あと二年すれば二匹で一緒に探索に行くことができる

 「あと二年待ったら一緒に行こうね......」

そう言うレフだが少し戸惑った表情をする

狩りの訓練は一年で終わりそれ以降は独り立ちしないといけない

なので一緒に狩りが出来ぬまま一年が過ぎる事になる

 「うん!分かった!約束だよ!レフ姉ちゃん!そして、私に狩りの仕方も教えてね!」

リオはまだその決まりを知らないまま叶わない約束をレフに言う

 「......わかった、約束守るね」

いずれは裏切ってしまうこの約束、だがこの太陽のように眩しいリオの笑顔を曇らせたくなかった

 「少し私、川の水を飲みに行くね」

先の事を考えてしまい悲しんでしまうリオの顔を思い浮かべてしまい言うと同時にリオの前から逃げるように川の方へ向かった

 

ごく...ごく...

「何て言えばいいのかな......一緒に狩りできないのに」

レフはリオにどう謝れば良いのか考えていた

叶わない約束を守る方法を見つけるまで

そうこうしているうちに太陽は沈みかけていた

するとレフの目の前にどこから飛んで来たのだろうか一匹の蝶々がレフの周りを一週し、まだ行ったことのない所へ飛んでいった

 「思い出すな......」

小さい頃、いや今のリオよりも小さい頃私はリオ並みに無邪気でいた頃を思い出す。

あの時も蝶々を追いかけてたな......それから......

あれ?その先の事を思い出せない

蝶々を見て不思議に思った

確かに私はあの頃蝶々を見るたび追いかけては何かを得たような気もする

 「もしかしたら......」

今の問題を解決できるかもしれないと思い先を行く蝶々の後を追った

追うのに夢中になり蝶々がいなくなると同時に我に戻った

 「あれ?......ここはどこなんだろう......」

気がつけば人が管理しているであろう農場に入っていた

するとどこからか轟音がした

その刹那私の右前足に矢が刺さりとてつもない痛みが走り赤い血が音を立てながら流れて行った

 「か......家畜荒らしめ!ここから出ていけ!」

震えた声でいかにも激高のこの農場の主が弓を構えて私をにらみつける

 「これでとどめだ!」

農場主が再度弓を引き私を撃つ

私は弓から放たれた矢を避け必死に逃げた

蝶々を追いかけるのに夢中になってしまった為逃げ道を模索しながらレフは森の中へ消えていった

そして逃げ道を模索している最中に先程水を飲んだ川にたどり着き、刺さった矢を口で抜きそこから未だに流れる血を止めるため右前足を川に入れる

 「痛っ......」

まだ冷たい川の水が赤く染まる

 「まだ、止まらない......」

痛みは引く所か冷たい川の水に浸けた事で更に痛みが走る

結局何も解決出来ないまま足を怪我するレフ

気づけば辺りは日が沈みかけていた

 「早く巣穴に帰らないと......」

未だ止まらない血を気にしながら巣穴へと帰る

人間にすみかをバラして

無事レフは巣穴に帰ることは出来た

しかし血痕が地面に残ってしまい、次の日の夜、人間が討伐しようと血痕がある付近に狩猟隊が集っていた

それを見た親狼達は私の右前足から血が出血しなくなるまで人が住む所へ食物を採りに行かず、狩猟隊が居なくなるのを待って今まで居た巣穴から引っ越しをした

 「何でこんな真夜中に家族全員で移動しないと行けないの?」

リオが不思議そうに父、母狼に尋ねる

 「あの巣穴が人間にバレたからだよリオ。人間は勘が鋭いから、一度私たちの姿を見たら私たちを滅ぼそうと滅ぼすまで狙って来るのが人間なんだ。......と、言っても今のリオには分からないか」

父狼はリオに少し難しい話をして申し訳なさそうな顔をしてリオに語る

 「うん、分かんない!」

案の定リオは全く理解していなかった

 「......ごめんなさい」

私のせいで今まで居た巣穴から引っ越ししざる終えなくなったという申し訳ないなさから思わず心の声が漏れる

 「別にレフのせいじゃないのよ。今回はたまたま運が悪かっただけなのよ。でも......レフ、右前足のケガだけで済んであなたは死んでない......それだけでも本当に良かった.......」

母狼は私を慰めると同時に涙を流した

 「本当だぞレフ。お前が死んだら皆悲しみに暮れていたからな。お前を殺した人間に復讐しようと思ってたからな。わはは!」

父狼が冗談交じりな口調で言うが本当にしそうな勢いだったので怖い

 「でも、勝手に人の住む所付近まで降りるのは私たちだけで、レフとリオはよほどの事がない限りは人の住む所に降りたらいけない。分かった?」

母狼がレフとリオに忠告する

 「「分かった」」

レフとリオはそれぞれ父、母狼の言う約束を守ろうと決意した

 

まだ、戻ってこない......

日が傾き始めそろそろ暗くなりかけても親狼達の気配が何一つない

 「お腹へったよ~、レフ姉ちゃん......お父さん達まだ戻らないの?」

リオも流石に我慢の限界を迎えたか、自分の尻尾を見続けながら辺りを回る

ドサ

しかし回りすぎた結果、横になり倒れ込む

ぐぅ〜......

 「あはは......鳴っちゃった......」

リオは私の方を向き苦笑いをする

それもそのはずレフとリオはまだ起きてから何も食べていない。特にリオに至ってはよく食べるため半日ご飯を食べなかっただけでも相当きついはずだ

ここは姉として何とかしたい、だがどうすればいい?

このまま待って親狼を待って居てもこのままだったらいずれはお腹を空かして動けなくなりそのまま餓死してしまう。だが私とレフは親狼たちにこの巣穴に待って居ろと言われている。親の約束も破りたくない。

レフは葛藤していた

どうするべきなのか......

 「うーん......」

レフは悩んだ、探しに行くか待つかと

するとリオが

 「父さんと母さんを探しに行こ!もしかしたら見つかるかもしれないよ!」

リオは私の前に立ちにかっと笑う

この時私は思わず

 「分かった......行こう」

後先の事を考えずにリオの言うことを承諾し巣穴から私達は離れた

 

 「クンクン......あ!あそこから匂いがする!」

リオは匂いのする所へ駆ける

リオは私より鼻が良いので父さんや母さんの僅かな匂いもわかるらしい

 「あれ?お花だった!ごめん!」

......本当に大丈夫なのかな

少し不安になる

再度リオは匂いを辿りはじめた

しかし、私は何もできていない

リオに頼り切っている

もしリオに何かがあったとき、今度こそ守ってやらなくては......

 

私達がいた巣穴からだいぶ山を下った所でリオは足を止めた

 「間違いない!この先で父さんと母さんの匂いがいっぱいする!......でもおかしいな?人間?の匂いと血の匂い、焦げくさい匂いもする」

リオは機嫌を悪そうにしながら私に教える

 「確かに血の匂いもするし焦げくさい匂いもするね......」

私でも嫌な匂いと瞬時で分かった

それと同時に血の匂いという言葉を思い出した事であの頃の事を思い出す

 「行ってみ...」

 「リオ、あなたは草むらの方に隠れてて」

リオが言いかけている最中に発言を遮ったためリオはきょとんとしている

 「なんで?どうして?行ってみないと分からないよ?」

確かに行ってみないと分からない

だが私は最悪の事が頭によぎり、まだ幼いリオに見せたくは無かった

 「どうしてもないよ、でも、ここから先は私が最初に見る。そして私が来ても良いよって合図を出したら来ていいよ、でも逃げてって合図を出したら来た道を全力で戻ってね」

リオがどうしても行きたがろうとしていたので私が先に見ることでリオを草むらで待機させようとする

 「来ても良いよって合図は......」

レフはリオの耳に近づき小声で合図を伝える

 「そして逃げてって合図は......」

逃げての合図も伝える

 「......分かった、その合図待ってるからね!」

リオは、レフの言うことを聴き草むらの中へ隠れる

草むらの中へ隠れたリオを見て、私は父さんと母さんの匂いがする所へ一人で行く

 

着いた場所は綺麗に整列された畑

その畑には以前親達が採取した野菜もある

 「あ、ああ......」

そして次に目がいったのは畑の隅に無惨な形で置かれていた血だらけの父と母の胴体

レフはとても絶望した最悪の最悪の結果だったからだ

もしあのときリオもついてきていたら私以上にきっと悲しむだろう

父母共に失ったレフはその時心は父と母を殺した人間に対しての怨みでいっぱいになった

しかし変だ胴体しかない頭はどこに?

そして父母共に両前足に二つの穴、心臓に一つの穴がある

 「何の穴なんだろう......」

レフは不思議そうにそうつぶやくと次の瞬間

パァン!

何かを撃ったような音が響き同時に私の右前足を何かが貫通しそこから激しい痛みと出血が始まった

 「...ッ!」

レフは右前足を貫通された方向を見る。すると暗い夜の物陰からひとりの人間がそこには立っていた

 「やっぱり仲間がいたか、昨夜始末した死骸を置いておいて正解だった」

その人間は手に何かを持ってこちらを睨んでいる

多分その手に持っている物にやられたのだろう

レフは睨んでいる人間に対して睨み返す

 

そのころ草むらに隠れていたリオはその音に反応していた

 「今の音何だろう?それにあの音の方向、レフ姉ちゃんが一人で行った方向だ、どうしたのかな......」

リオは途端に心配になった

 「でも、合図は無いし......でも、この音気になる......」

リオは一瞬迷ったが音の鳴る方、そして親の匂いがする方、姉が行った方向へ歩みを進めた

そしてリオは姉のいる所へ着き、そこで見た光景は綺麗に整備された畑の隅に一人の人間とその人間が見つめる先に姉、そして息絶えた親

リオはその場で立ち尽くしていた

初めて見た血だらけの光景

優しかった親の無惨な死骸

その何もかもが初めてでどうすればいいのか分からずただその場に立っていた

それに気づいたレフは

 「リオ逃げて!今すぐ!」

人間にはただの狼の遠吠えにしか聞こえてない

だが、狼同士ならこの遠吠えは合図に変わる

その遠吠えを聴き我に戻ったリオ

 「わ、分かった!」

それと同時に人間ももう一匹の存在に気づく

 「さらに仲間が来たか、一発で仕留めてやる!」

その人間はリオに向かい弾丸を1発打つ

しかしリオの回避が早くその弾丸は地面の土を貫いた

 「チッ、逃げ足の早い害獣め、だがこれでもう来ないだろ。......さて、今度こそ仕留めるか」

逃げた妹を諦め、再度私の方を睨み持っている物を構える

多分逃げた先でリオは私のことを待っているのだろう。

だがもう、私はリオの所には帰ることはできない

このままこの人間に殺されるからだ

そうなったらこの先リオにはどうなるのだろうか

せめて一匹でも幸せになって欲しい

そして、私は殺されると分かってはいる

けどせめてこの人間に親を殺したその怨みをこれから一匹で生きていかなければならないリオの苦しみをこの人間に......

レフはまだ負傷していない後ろ足を使い人間に飛びついた

人間はびっくりして体勢を崩す

そのスキにレフはその人間を爪で引っ掻き、右腕部分も噛み付いた

しかしすぐに引き剥がし私に向かって3発打ち

それぞれ左前、後、右後足を貫いた

 「急に飛びついて来やがって......許さん!」

人間は苛立ちを隠せずに怒りに溢れていた

もう、私は動けない血も出しすぎて視界もだんだん狭まっている

 「残りの一発、これは貴族の俺に傷を負わせた名誉ある一発だ......」

そう言った瞬間私の意識は無くなった

その弾は頭を貫いた




レフに引っ掻かれ、噛まれた人間は傷口を手当てし
レフの首をナイフで切断
そして親の首と一緒に王宮へ戻った
一方リオの方はレフの帰りをずっと待っていた
帰って来ない事を知らずに
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