十常侍の一人、宗典を倒した如清。しかし、如清はある疑問を持っていた。
なぜこの男はスタンドを持ち、しかもこんな賊どもの首領のような真似をしたのか、そして、どこでスタンドの存在を知ったのか・・・それが不思議でならなかった。
如清はそこらへんの木をスタンド能力で作った縄で手足を縛り、身動きできない状態にした。そして、途中見つけた水溜りに宗典をぶち込んだ。
「ガブッ!?」
当然、水をかぶったら気絶しているような場合じゃない。宗典は一瞬で目を覚ます。しかし、体は縄でぐるぐる巻きにされているので、どうあがいても動けないでいた。
如清は宗典の顔を足で踏み、顔を水の中に無理やり沈める。
「ガボッ!ガホゲホッ!!」
息が苦しくなってきたらしく、宗典は顔を上げようと必死に体をジタバタとさせる。
そろそろ再び気を失うと思った如清は宗典の顔を踏んでいた足の力を弱める。
「ブワッ!ハァハァ!」
「おい、お前確か十常侍の宗典だよな・・・なぜスタンドを持っていて、それを知っている・・・そして何故お前この戦に参加しているのだ?」
「ハッ、質問が多いねぇ・・・質問は一つ一つ頼むぜジョジョ」
バシャァァアン!!
再び宗典の顔を踏んでいる足に力を入れて水たまりに沈める如清。
「俺が質問しているのだ・・・答えてもらうぜ」
再び力を緩めて宗典の頭が出してやる。
「わ、わかった・・・!お前の言うとおり、俺は十常侍の宗典だ・・・!幽波紋は元々持ってなかったんだ!ある者が洛陽にやって来た!そいつが持っていたは、【矢】だったんだ!」
「・・・矢?」
「そう!それを刺された人間は幽波紋が開眼した!俺もその一人だ!」
「なぜその旅人はその矢をもってたんだ?」
「知らねえ!矢を最初に撃たれた時、その男を殺した!危害を加えてきたと思ったからだ!恐らく、男は俺たち十常侍に不満を持った民だ!矢の能力を知らなかったのだろう」
「お前以外に、十常侍で矢を受けた奴はいんのか?」
「数人だ・・・誰が実行したのか分からんが・・・数年前だしな。お前が幽波紋を使っていたのも数年前から知っている」
「それじゃあもう一つだ。この戦に参加した理由は・・・?」
「そ、それは言えねえ・・・」
如清は刀に手を伸ばし、手に持つとそれを鞘から抜いて宗典の目の前に刀を地面に刺した。
「ヒィッ!!?」
「今、お前の命は俺が握ってる。貴様等のような命が散ったところで、民たちは別に騒ぎ立てねえだろうしな。俺は余計な殺生は嫌いだが、お前らのような私利私欲のために人を食いものにしている奴らはもっと嫌いだ」
「わ、わかった!言う、言いますから命だけはァァァ!」
ザクッ!
次に言葉を出そうとした宗典。しかし、次の瞬間上から何かが宗典の頭に落ちてきた。
それは無数の刃が付いた円盤だった。円盤は如清の足からギリギリ当たらず、宗典の頭にめり込んだのだ。
「な、何っ!?」
如清はすぐに後ろに下がって刀を構える。上から円盤が落ちてきた、いや放った者を見るため上を見る。
そこにいたのは、またしてもローブで顔を隠した男だった。後ろにはさっきの無数の刃がついた円盤を持ったスタンドらしき人影が見える。おそらくこの男も十常侍のスタンド使いだろう。
「貴様ッ!何者だ!」
「・・・フン、役たたずが・・・まあいい。計画はうまくいった」
それだけ言い残し、男は去った。
「オイッ!貴様ァ!!」
叫んでも返事は帰ってこない。完全に何処かへ逃げていったらしい。
如清はさっきの男が言った一言が気になった。
「『計画』とは一体・・・」
森を出る頃には戦は終わっていた。賊は数人降って全滅。袁成も如清もその者たちをすぐに逃がしてやった。
「良かったのですか?放ってやって」
「あれだけ痛めつけたんだ。二度とやるまい」
兵士たちが戦後処理をしている間に、如清は華琳により手当されていた。
「全く、いきなりいなくなると思ったら血まみれで森の中から出てくるのだから、びっくりしましたよ・・・」
「・・・面目ねえ」
上半身に包帯を巻き、手にも包帯を巻く。
「それにしても、どのようにすればこのような怪我を負われるのですか?」
と隣にいた秋蘭が聞いてきた。
だからと言って「スタンドの攻撃だ」と言えるはずがなく、どう答えればいいのかわからなかった。
「あれだ・・・その~・・・敵の罠にはまってしまって、その時にな」
「どのような罠にハマれば手に穴があくような怪我を負うのでしょうか・・・?」
「それに、兄上は部隊の将なのですから、無闇に隊から離れるのはどうかと思われます」
「はい・・・」
反省をするように苦笑しながら下を向いてしまう如清。
「(そうだな・・・いくらスタンド使いがいたからといってその場を離れるのはマズかったな・・・反省しなくては)しかし、俺がいなくても華琳が指揮をとってくれたみたいだな。秋蘭から聞いたぞ。初陣にしては中々のものだ」
華琳の頭に手を置きワシャワシャと少し乱暴にしながら撫でる。華琳は顔を赤くしながら如清の手の包帯をしっかりと結ぶとそっぽを向いてしまう。
「で、出来ました」
「おう。ありがとうな」
戦後処理を手伝っていると日も暮れてしまい、如清たちは袁成に汝南へ招待された。流石に部下たちも疲れ果てており、断るのも失礼かと思い如清は遠慮なく申しを受けることにした。
汝南に帰るなり袁成は宴会を開くと言い出し、早速酒盛りが始まる。
「それでは、討伐遠征成功と我らが友ジョジョたちに乾杯!」
「「「応ッ!!」」」
兵士たちは大きな声で手に持っている杯を口に運ぶ。如清たちもグイッと酒を一気に飲む。
その後はもう祭りのように豪勢な料理と共に酒を飲んでいく。如清は袁成と酒を飲みながら話をしており、華琳は春蘭と秋蘭と共に如清の隣で酒を飲んでいる。
「ッハハハ。これで当分はここ一帯はおとなしくなるであろうな」
「そうですね。(しかし、今回の戦いで気がかりなことでいっぱいだ・・・あの男の言っていた『計画』というのも気になる・・・)」
「それにしても、そなたは中々の男よのう。どうじゃ?うちの娘の夫になるというのは・・・」
「「「ブッ!!」」」
その話を聞いていた如清の隣にいる少女たちは盛大に口から酒を吹き出す。
如清はそんなこと気にせずに話を続ける。
「麗羽とですか?」
如清の口にした真名の人物は袁成の娘の袁紹である。よく華琳とは口喧嘩をしている中で、いつも如清が割って入って仲裁している。
「おや?もう真名を預ける間柄だったかな?」
「いえいえ、何度かあった程度ですよ。袁成さん。何度か陳留に滞在する時がありましたよね?その時にうちの華琳と会う機会があったんです。歳も近いし友達になるかな?と思ったら口喧嘩ばかりで・・・」
「おお、その時であったか。いやはや、歳をとると時などあっという間ですな。で夫の件ですが・・・」
「ああ、その件でしたら今はまだ身を固めるには早すぎるので・・・それに、俺よりよっぽど良い男がいますよ?」
如清の言葉に三人はホッと胸を撫で下ろす。しかし、当の本人はそんなことに気づいてもいない。
「そうか・・・残念じゃが、気が変わったらいつでも言ってくれよ」
「はい。貰い手がいなかったら考えます」
手に持った杯を口につけて酒をグイッと飲み干す如清。
そんな如清の服の裾を引っ張る華琳。
「どうしたんだ、具合でも悪いか?」
「い、いや・・・その・・・」
歯切れの悪い言葉でもじもじとスカードの裾をにぎりモジモジしている華琳。しかし、そんな乙女の気持ちなんぞ微塵とわからない如清は華琳が何を言いたいのかわからない。
「なんだ?厠か?」
「違いますッ!!」
大声を上げた華琳にびっくりしてしまう如清。しかも、周りからは「空気読めよ・・・」「女の子に今のは無いわ・・・」という冷たい目で見られる始末。華琳の横にいる秋蘭からもそんな目を向けられてしまう。
「わ、悪かった・・・すまん」
さっきまでのドンチャン騒ぎが一瞬で静まり返り、みんな如清を見ている。
「すみません。少し頭冷やしてきます・・・」
如清はその場の空気に耐えれなくなったのか、退席することにした。
外に出てみると、酒で火照った身体にちょうどいい風が吹いていた。
そして、頭を抱えてしまう始末。
華琳の気持ちはよぉ~くわかっていた。兄と慕ってくれながら、好意を抱いてくれていることもだ。そう、さっきの華琳の思い、それは嫉妬によるものだ。それは少し考えれば分かるものの、如清は今になってそれに気づく。
「俺はまだまだダメみたいだな・・・ハァ・・・」
今更後悔するように頭を抱えてしまう。
それは華琳も同じだった。宴会の席では華琳は後悔していた。自分がもっと早くに言っていれば、「私を置いていかないで」と言っていればそれで済んだのに。
「ハァ・・・」
ため息しかでない華琳は、酒の力を借りるように盃に入っている酒を飲み干した。
華琳と如清が初めて出会ったのは数年前のことだ。最初華琳は如清のことをなんとも思っていなかった。如清は華琳によく話しかけて来たこともあり、鬱陶しいと思っていたこともあった。如清が来てから一年経とうとしていた時、華琳と麗羽は競争という名目で山で山菜を取ろうと父や母と共に山菜採りに行った。もちろん如清も一緒にだ。しかし、華琳と麗羽は山菜採りに夢中になり過ぎたのか、奥の奥に進んでしまい、みんなとはぐれてしまったのだ。まだその頃の華琳は5歳で、当然迷ってしまった。華琳の心には孤独と不安しかなかった。このままみつからなかったらどうしようという考えだけが華琳の頭の中でグルグルと回っていた。しかし、数時間経った時、そこに一つの声が聞こえた。それは如清だった。如清は大声で華琳の名前を叫び続けていた。衣服は泥だらけでだ。その時、華琳は思ったのだ、「血の繋がりなんて関係ない。あの人は家族のためにあんなに必死になってくれるんだ」と、華琳は泣きながら如清の元に向かって、思いっきり如清にしがみついた。それから、華琳は如清のことを兄上と呼ぶようになった。
華琳の母が死んだ時一緒に泣いてくれたのはほかでもない如清。もう彼女の心の中には如清無しでは駄目だと思っている。
しばらくして、如清は席に戻って、華琳の頭を撫でる。
「その・・・済まなかったな・・・どこにも行かないからさ、俺は、お前を支え続けてやるからさ・・・」
その言葉で十分だった。華琳は人目なんぞ気にせず、如清の胸に飛び込んだ。
如清はそんな華琳の頭を撫でてやりそのままでいた。周りもみんなも暖かな目で見ていてくれていた。
しかし、そんな中に一人の兵士が入ってくる。曹軍の者だった。兵士はよほど慌てているらしく、息を切らしながら二人の名前を呼ぶ。
「か、華琳様と如清様は!?」
「・・・?」
これはただ事ではないのではと思い華琳はすぐに如清から顔を離し、二人は立ち上がる。
「どうしたんだ?」
慌てた様子で兵士はすぐに如清たちの元に行く。そして、跪いてあることを二人に報告した。
「曹嵩様が・・・!何者かの手により・・・!暗殺されましたッッ!!!」
「「ッ!!?」」
二人は驚きのあまり言葉が出なかった。曹嵩が死んだという言葉を聞き、二人の時間はまるで止まったかのように立ち尽くしていた。そして、一足早く如清はその兵士の胸ぐらを掴む。
「誰が・・・誰がそんなことをしたんだッ!犯人は!?」
「は、犯人はわかりません!ですが、目撃情報があります!顔を隠した男がいたとの情報が・・・!」
「顔を隠した・・・?」
如清はその男を知っている。森であったあの無数の刃の円盤を投げるスタンド使い。
如清は兵士を放した。フラフラとした感じで如清は頭を抑え、崩れ落ちるように膝をついて目から涙を流す。華琳も泣き崩れてしまうが、秋蘭たちが肩を支える。
「嘘だ・・・嘘だと言ってくれぇぇ!!」
如清の悲痛の叫びに返事も帰ってこず、虚しく溶けるように消えていった。
次の日、如清たちは陳留に戻り、曹嵩の仏を目にした。二人は曹嵩の死を実感して、部屋で泣き続けた・・・。
183年
曹嵩 死亡
そして、一年後の184年。世は荒れ始めた。町を荒らし回る黄色の鉢巻を巻いた賊。町には火が上がり、民の悲鳴が木霊する。男はもちろん、女子供も容赦なく殺されていく。
「うわあああ!!」
「助けてくれぇ!!」
賊に追いかけられている二人の女の子と男の子が手を取って逃げているが、女の子が何かに足を引っ掛けてしまい、転んでしまう。
「あっ!」
「兄ちゃん!!」
後ろから追いかけてきた賊の剣が二人に振り下ろされそうになる。二人は死を覚悟するように目を閉じる。しかし、痛みはおろか、何も感じなかった。ドサドサと何かが倒れる音がする。
目を開けるとそこには一人の男が立っていた。その男は、片手に血塗れの刀を、もう片手にも血塗れの脇差を逆手で持ち、白い鎧に血で赤く染まった男が立っていたのだ。
男は後ろにいる二人を笑顔で見ると、すぐ共にいた兵士に命令を出す。
「この子達を安全なところに!」
「ハイッ!」
「君たち、この人について行きなさい」
男はそれだけを言い残し、きびつを返して歩いていく。
「春蘭たちはどうなってる!?」
「既に北の敵を制圧したと報告が」
「流石に早いな。俺たちも急ぐぞ!!」
「「「応ッ!!!」」」
そこに、さっきの子供が男に声をかける。
「あの!」
その声に男は止まり、子供たちを見る。
「ありがとうございました!お名前をお聞きしたいのですが・・・」
「俺の名前か?」
再びきびつを返して男は子供に体を向けると、笑顔で答える。
「俺の名は如水。字は光子。真名は如清。ジョジョと呼んでくれ」
それだけを言い残し、如清は燃えゆく町の中に消えていった。
これは始まりに過ぎない。ここから、如清の大きな戦いが始まろうとしていた。この乱をきっかけに。
なんだか物語の雲行きが怪しくなってきたな・・・大丈夫かこれ?華琳の性格変えすぎだなこりゃ・・・なぜこうなった・・・?
敵の「スタンド」を「幽波紋」に変更いたしました。
矢に関してですが、確かこんな矢がありましたよね?レクイエム化じゃなくてスタンドを強制的に開眼させるものが、
これから進路のことなどで投稿が遅れるかもしれませんので、気長にお待ちいただければ幸いです。今日のようにグダグダで訳のわからない文になるかもしれませんが、どうかよろしくお願いします。
次回は夏侯姉妹との関係がかけたらいいなぁ~・・・セリフなんか少ない気がするし・・・。
勉強ですか?順調です。
さらに、感想で数々のご助言をしてくれる方々ありがとうございます。まだ治らない癖などがありますが、それだけ深く見てくれようとしてくれて本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします。o(^▽^)o