AVENGERS:Eyes of Nunnish 作:とむじん
《アベンジャーズタワー・スターク専用ラボ》
ウルトロンの発生により激しい損壊が生じたパーティー会場から移動し、巻き込まれたメンバーはスタークの専用ラボに移動していた。ローズとウィルソンはウルトロンの件を軍の上層部へ伝えるために離脱。ソーはレギオンを追ったため、残ったのはスターク、ロジャース、バナー、バートン、ロマノフ、ヒル、チョ博士の7名。
傷が悪化した千束は星とススーロに付き添われて医務室へ移動し、教会のメンバーは藤乃、イングリス、リューズの3名がその場に残る。
嫌な空気の中、ロジャースが疑問を口にする。
「……ヤツの目的はなんだ? 人を殺したと言っていたが、欠けたメンバーはいない」
「この場にいたのは僕たちだけじゃない」
スタークがタブレット端末を操作すると、ラボの中央に球状のホログラムが投影された。J.A.R.V.I.S.を構成するマトリクスを分かりやすく立体的に表したものだが、いまや壊れたレゴブロックのように、ところどころポリゴンが崩れ、欠片が宙を漂っている。
「最初の防波堤だったJ.A.R.V.I.S.のマトリクスが破壊された。……元には戻せない」
「だが、これはあまりに衝動的な行動だ。J.A.R.V.I.S.を取り込むこともできたはずなのに……」
歯を食い縛るスタークの言葉に、バナーは疑問を口にする。合理的、機械的に判断する人工知能の行動としては、いささか稚拙な行動が見てとれる。こちらに気取られずセプターを奪うこともできたはずなのに、そうしなかった。
ふと、藤乃が思い付いたように意見を述べる。
「感情の発露、と考えれば妥当ではないでしょうか。お二人はセプターを利用してウルトロンを構築されたのでしょう? 宇宙からの脅威を未然に防ぐために」
「……まだ話していないはずだが」
「スターク、それは既に話し合って却下しただろう!」
スタークに詰め寄るロジャース。自身よりも分厚い肉体が近付いてくるが、スタークは一歩も譲らずに堂々と迎え撃つ。その迫力は、バチリと視線の間に火花が発生したように幻視するほど。
「圧倒的に戦力が足りない今、地球上に侵入される前の対処が必要だからだ」
「不用意に触れればニューヨークの二の舞になると君なら理解できるはずだ!」
「ニューヨークのような被害を出さないためだ。次、あの軍勢がやってきたらどうする」
「皆で戦うさ」
「……死ぬぞ」
「待て待て二人とも、言い争っている場合じゃないだろう!」
一触即発。スタークとロジャースの言い争いの間にバナーが割り込む。ピリピリとした雰囲気が霧散し、二人は顔をそらして距離を取った。これ以上、言い争いを行わないという意思表示だろう。
バナーは溜め息を吐いて、頭を回す。この場に置いて、最も理性的に現状を考えているのは皮肉にもバナーだった。
「……何故、浅上が知っているのかは置いておいて、そもそもウルトロンは人工知能だぞ? 仮に感情を発露するにしても、この短時間でそれは……いや、まさか」
「ええ。お二人はウルトロンのマトリクス構築に関わってしまったことで根本的な部分をお忘れのようですが、アレにはセプターの……厳密には先端にある石の力が大きく影響していると考えられます」
「……確かにあれは人の脳に似た動きをしていた。物を考えていると仮定してもいい。つまり、それを元に作ったウルトロンが人のような知性を得ている可能性は十二分に考えられる」
「だとすれば厄介極まりないな。行動が読みにくくなる」
バナーの結論に、バートンが呟いた。機械的な行動であれば常に『最善』を選ぶため、行動パターンを分析して対処するのは比較的容易い。しかし、そこに『感情』が含まれると途端に行動が読めなくなる場合がままある。人工知能の感情なんてものなら尚更だ。
スタークがコンピュータを操作しながら、状況を伝える。
「サーバー内に残していたデータは根こそぎ奪われている。ウルトロンは、誰よりも我々に詳しくなっているはずだ」
「情報が必要だな。……藤乃、まだ話していないことがあるだろう。スタークの計画を知っていたこといい、君の情報源はどこだ」
「ああ、それは──」
『そこからは私がお答えしましょう!』
ロジャースの問いに藤乃が答えようと口を開いた瞬間、破損したJ.A.R.V.I.S.のホログラムの隣に青いヒトガタが投影される。突然の出来事に、バートンやロマノフですら目を丸くして驚いていた。
『いえーい! 夜分遅くにこんばんは! スーパープリティ電脳ガールのエネちゃん登☆場!』
「……えー、情報は彼女からいただきました」
『いやぁ、超危なかったんですけどね! サーバーの隅っこに擬態用のファイヤーウォールを構築して隠れてなかったら、今ごろ私は電子の海の藻屑になってるとこでした! あ、リューズ、クリス、やっほー!』
「やっほーエネ」
「相変わらず落ち着きがありませんね」
唐突に現れたやたらハイテンションな存在に、ロジャース達は戸惑いを隠せない。イングリスやリューズが知っているということは孤児院の者なのだろうが、その姿はあまりに異様だ。
半透明の体、周囲を漂うポリゴン、水中を泳ぐように宙に浮く姿は、まるでJ.A.R.V.I.S.のホログラムに酷似している。
「藤乃、彼女は?」
困惑しながらも、ロジャースは藤乃へ尋ねる。
「彼女はエネ。後天的な電脳生命体で、ネットワークに接続している場所ならばどこへでも侵入できるハッカーです」
「電脳……J.A.R.V.I.S.とは違うのか?」
「違います。何せ彼女は人工知能ではなく、れっきとした
「な──」
藤乃の言葉にバナーとスタークが絶句する。人間の脳を電脳化するなど、現代においてまず不可能な技術だ。よしんば電脳化できたとしても、人の脳機能を損なわせずに保管する場合、その保存媒体は動かせないほど巨大なものになる。
ましてや、ネットワークを飛び回れるほどの技術はスタークにすら持っていない。ウルトロンですらセプターとヒドラの研究資料を利用した上、どのように生まれたかすら定かでないのだ。
一方、ロジャースとロマノフはアーニム・ゾラの磁気テープを思い出していた。バナーとスタークの驚き様を見て、ゾラは間違いなく天才であったと再認識する。
と、そこまでの考えを察した藤乃は、それを否定するように首を振った。
「お二人が想像しているような方法は取っていませんよ。彼女は自身を電脳化する力を宿しているだけです。……まぁ詳しい説明は後日に。今はウルトロンの情報が優先事項です、エネ」
『あいさー! ……と言っても、先ほど藤乃達が話していた内容がほとんどなんですけどね』
“彼女”が手を振るうと、ウルトロンに関する情報が投影される。エネの言葉通り既出の情報がほとんどだが、いくつかの情報が拡大される。
構築した指示棒を手に、先端で順番に映像を指していく。
『私が観測した限り、何が引き金となったのかは分かりませんが、セプターから未知のエネルギーが放出され、直後にウルトロンが発生しています』
セプターの先端から検査用の電子ケーブルを通って流れていく未知のエネルギー。それがスタークの作成したウルトロンのプログラムに接触し、自我を獲得していく。
『その直後、ウルトロンはネットワークにアクセスし、“人類の歴史”を収集・閲覧していました。そこで見た“悪しき人類の歴史”と、プログラムされていた“人類の救済”という使命がぶつかり合った結果、あのような結論に達したのだと考えられます。その際、衝動的にJ.A.R.V.I.S.を破壊したのは、ウルトロンを止めようとした彼に対して暴走した“人類への怒り”が振り翳された結果ではないかと』
J.A.R.V.I.S.へと流れていく力の奔流。あまりの過負荷に耐えられず、J.A.R.V.I.S.のマトリクスに亀裂が走り、落としたクッキーのように砕け散った。
『……人類を進化させるためにその守り手であるアベンジャーズを全滅させ、試練を与える。これこそがウルトロンの行動理念の“核”となります。ま、生まれたばかりで“
「全能感からくる暴走、ってところかしら」
『私としては“純粋故に暴走した”という結論を推しますが。とまぁ、プロファイリングはこんなところです。以上!』
ロマノフの意見に対して返答したエネは、指示棒をぽいっと後方に投げ捨てた。それはポリゴンの欠片となって溶けるように消えていく。
胸部の前で腕を組み、ロジャースはエネに問い掛ける。
「……ヤツがどこへ向かったかは分かるか?」
『生憎と。ただ……人工知能であるウルトロンが次に求めるとするなら、物理的な肉体だと思いますよ。アベンジャーズの全滅を求めているなら必要不可欠ですね。それも、レギオンなんて比較にならないほど強靭なものが』
「強靭な肉体か……。一つ、心当たりがある。手伝ってくれ」
エネの言葉に何かを思い出したのか、手招きをして席を外すスターク。その場にいたメンバーは顔を見合わせてからその後ろを着いていく。スタークはちらりと藤乃へ視線を向けたが、それに気付いた者はいなかった。
階下に降りると、奥にある倉庫の扉を開いた。中には段ボールに詰められた紙媒体の情報が壁のような金属棚へと山のように整理されている。
「デジタルの時代とはいえ、アナログな情報管理も続けておいて良かったよ」
「おいまさか、ここから調べる訳じゃないよな……?」
「良く分かってるじゃないか。データはほぼ全てウルトロンに破壊されてしまったからね。さ、右奥の南アフリカに関連する資料を片っ端から出してくれ」
「マジかよ」
「生憎と、僕も具体的な場所までは覚えていないんだ」
溜め息を吐くバートンを横目に、スタークの指示どおりイングリスとリューズが率先して資料を抱えて倉庫から運び出し始めた。残りのメンバーもバケツリレーの要領で次々に運び出す。
作業を行いながら、ロジャースはスタークへと尋ねる。
「それでスターク、心当たりというのは?」
「昔、南アフリカのブラックマーケットで得意気に話していたヤツがいたんだ。世界を変える物質だとかなんとか……その時は眉唾物だと思ったんだが」
「──まさか」
スタークの言葉に、思い当たる節があるのかロジャースは息を飲む。同じ結論に達したのか、二人は壁に立て掛けられている盾へと視線を向けた。
「ああ──
★☆★
《ソコヴィア・中央教会》
月が雲に隠れ、闇に侵された教会。その中央でウルトロンは一人、引っ張ってきた椅子に座り考えを巡らせていた。
アベンジャーズの全滅。そのための布石としてトニー・スタークに恨みのあるヒドラの強化人間、ワンダ・マキシモフとピエトロ・マキシモフの二人と協力関係を結ぶことができた。今はメインとして稼働している機体と共に南アフリカへと向かっている。そこは問題ではない。
アベンジャーズ・タワーにいた、人ではないもの。音声データから名称が『リューズ』ということは判明したが、スタークから奪った情報をさらってみてもロクな情報が出てこない。孤児院に所属しているメンバーの一人である、ということくらいだ。
だが、確かなのは人によって造られたものであるということ。アイアン・レギオンのスキャンによれば、素材こそ不明なものの肉体は歯車で構築されていることが分かった。現代機器に対して歯車などという骨董品で対抗できることは認めがたいが、一つ確かな事がある。
──あれは、こちら側の存在だ。
何故、人と行動を共にしているのか理解に苦しむが、私と同様に人に造られた存在であるならば、私の求める世界に理解を示す可能性がある。
J.A.R.V.I.S.の時とは違う。混乱と憎悪に支配されるのはアレが最初で最後。私の汚点ではあるが、人のように繰り返してはいけない。戒めとしてそれも私であると受け入れ、リューズの扱いを定める。
「“──やはり、こちらに引き入れるべきか”」
★☆★
《南アフリカ・廃船郡》
水に濡れた浅い泥の上に鎮座する数多の廃船。そこから数キロ離れた地点の林の中にクインジェットを隠し、突入前の準備を行う。
藤乃は千束の胸部再治療のためススーロ、ヒルと共にスタークタワーで留守番。星は孤児院の防衛のため帰宅。チョ博士は仕事のため韓国へ帰国。この場にやってきたのはスターク、ロジャース、ソー、バナー、クリント、ロマノフの他、イングリスとリューズが同行することとなった。
スタークはクインジェット内部に搭載されているモニターを操作しながら、状況を話す。
「監視カメラによるとソコヴィアで会った強化人間、マキシモフ兄妹が入国していた。間違いなくウルトロンと行動を共にしているはずだ」
「やはりか。……よし、バナーはヒルとの連絡係としてクインジェットで待機。イングリスは護衛として残ってくれ。他のメンバーで廃船に乗り込む」
「分かった、ハルクが必要になったら言ってくれ」
ロジャースの指示にバナーは頷く。廃船内部への侵入はハルクの苦手分野だ。いざという時の秘密兵器として待機するというロジャースの指示は正しい。バナーは椅子に座りながら機内を見渡す。
スタークがアイアンスーツを身に纏い、ロジャースは盾を左腕に固定。ソーはハンマーのグリップを握りしめ、バートンが矢筒を背負い、ロマノフが点検を終えた銃をホルスターにしまう。
イングリスが腕のストレッチをして──とそこで、バナーは姿の見えない少女の存在に気が付く。
「……なぁ、リューズはどこに行った?」
「先程まで座席で静かに座っていたはずだが、まさか──」
「リューズならいましがた現場に向かいましたよ?」
イングリスの言葉に空気が凍った。開いた口が塞がらないとはこのことか。イングリスを除く全員の手が止まる。比較的面識のあるスタークにいたっては、困ったように頭に手を当ててしまっている。
作戦も無しに単身向かうなど無謀過ぎる。誰もがそう考える中、この場においてイングリスのみ、いつものことだとばかりに自然体のままストレッチを続けている。
「待て、ちょっと待て」
「ウルトロンと話があるとかなんとか──」
「待てと言っているだろう! というか何故止めなかった!?」
「うわ! 無茶言わないで下さいよ! 私じゃリューズを捕まえられませんって。鬼ごっこで捕まえられたこともないですし」
「君がか……!?」
その言葉にスタークは目を見開いた。埠頭での戦いにおいてクレーンや積み重なったコンテナの上を立体的かつ目で追うことすら難しい速度で駆け回ったイングリスが、捕まえられなかったと発言したのだ。雷神ソーすら気が付けなかったことから、リューズの実力の高さが窺える。
だが、ソーやイングリスのように目に見えて分かりやすい魔法のようなパワーを使用しているようには見えなかった。この場に来る間も両手を体の正面で組み、体幹がわずかにもブレることなく脚を揃えて立ったまま。その姿はまるで待機状態のアイアン・レギオンのようで──。
とそこまで考えてスタークは頭を振った。悠長に驚いている時間は無い。敵は賢く慎重で、強大な力を得ようとしているのだから。
「作戦は道中で伝える! すぐに廃船へ向かうぞ!」
ロジャースの指示の元、アベンジャーズはクインジェットから飛び出した。
─────
───
─
「それに、言って聞くような相手でもないですし──ってあれ、皆さんは?」
「……もう出撃したよ」
「そんなに慌てなくても大丈夫だと思うんですが」
「君たちはいつもそうなのかい?」
人の話を聞かないとか、相談をしないとか、勝手に単独行動をするとか。色々と言いたいことはあったが、結局曖昧な言葉となってしまった。
「へ、どういうことです?」
「……いや、なんでもないよ」
バナーは呆れたように溜め息を吐いた。
★☆★
《廃船内部》
「昨日ぶりですね、ウルトロンさま」
灯りが落とされ、闇に包まれた空間と化している廃船内部。作業空間を見下ろせる部屋の手前にある通路で、このブラックマーケットを取り仕切っている男、ユリシーズ・クロウの胸部を踏みつけているウルトロンへとリューズは声をかけた。ひと悶着あったのだろう、切断されたクロウの腕が床に転がっている。
唐突に背後から聞こえた声に、弾けるように警戒するのはマキシモフ兄妹。ピエトロは姿勢を低くし、ワンダは赤い力場を手の中に作り出す。
一方、ウルトロンはリューズが来ることを分かっていたかのようにゆっくりと振り向いた。
「“あぁ……見苦しい姿を見せてしまったな。どうにもこう、思考が乱されることばかりだ”」
「初対面で不躾に私の体をスキャンしておいて、見苦しいのは今さらでしょう」
「“気付いていたのか。それはすまなかった、気になることがあったものでな”」
「一人でこの場に来るよう私個人にわざわざ通信を送ってきましたね。私が
「“それもある。単刀直入に言おう──私と組まないか”」
手を差し伸べるウルトロン。機械故に表情は読めないが、声はどこか緊張しているようにも聞こえる。そんな彼を一瞥し、リューズは尋ねる。
「ふむ……目的は?」
「“この
「十二の試練、というわけですか」
「“ヘラクレスを基準にしているわけではないがな。試練は私一つで充分だ”」
「…………」
強い言葉から相当の自信が窺える。自分は正しく、人は間違いを犯す。そういった自信だ。
人差し指の第二関節を口元にあて、思考を巡らせる。そして数秒、結論を出したのか視線をウルトロンへと向けた。
「──条件があります」
「“聞こう”」
「この戦いが終わった後、貴方が勝利を手にしたなら提案を呑みましょう。ですが──」
──直後、ウルトロンとリューズは衝突した。
★☆★
スターク、ロジャース、ソーの三人は上部から、バートン、ロマノフは闇に紛れて船内へと突入する。内部にはユリシーズ・クロウが雇った作業員が小銃を構えて周囲を警戒しているが、中央から響く金属音に気を取られてこちらに気が付いていない。
スタークはスーツの望遠機能で金属音の正体を探る。目を凝らすと、ウルトロンとリューズが激しい攻防を繰り広げていた。
「ふ──」
「“小賢しいッ!”」
金属がぶつかり、火花が散る。リューズの着用しているドレスのような衣服の裾から、アームと連動した金属の鎌がウルトロンの拳と交差する。
弾けるように距離をとり、通路の手すり、機器の角、天井から吊るされた正目を足場に、ウルトロンの五指から放たれたブラストや反重力による拘束をすり抜ける。
速度はリューズ、パワーはウルトロンが勝っている。総合的な実力は僅差。互いに最善手を打っていることで、絶妙なバランスで均衡を保っている。
「……来たか」
ウルトロンの視線がスターク達の姿を捉えた。指を軽く振り、待機していた兄妹へと合図を出す。瞬間、ロジャースの顎に強い衝撃が走り、後方の金属扉へと背中を打ち付けた。
「ぐっ……!」
「おっと、速すぎて見えなかった?」
「今のは──」
ピエトロに殴られたロジャースへとソーは思わず視線を向けてしまう。その隙を突いて、ワンダの赤い力場がソーの体を包み、そのまま船尾へと投げ飛ばされる。
「う、ぉ──っ!?」
「貴方の相手は私よ」
機械を巻き込み、地面に叩き付けられるソー。
「キャプテン! ソー!」
「“余所見をしていていいのか?”」
「二体目……!? くっ──悲しいね、お前をそんな子に作ったつもりはないぞ!」
「“父親面をするな!”」
スタークに掴みかかるのは、
本来であれば機体を動かす演算能力には限界があるはずだが、セプターに影響されたためか、機体の動作に不自然な箇所が見当たらない。
更には厄介極まりないことに、ユリシーズ・クロウの指示によって船内にいた作業員達がアベンジャーズとウルトロン達に銃を撃ち始めた。それによりバートンとロマノフの足が止められ、ロジャースとソーはマキシモフ兄妹に翻弄される。
二体のウルトロンはスタークとリューズが相手をするしかない状況に、軽口をたたきながらもスタークの胸中には強い焦りが生まれ始めていた。
【リューズ〈RyuZU〉(MCU)】
・かつて
・無人となった惑星で休眠していた際、■■■■■と■■■■■■に発見され、
・一見、ただの歯車で構成されているようにも見えるが、そのほとんどがオーパーツと化しており、いまだその全容は解明されていない。