トネリコの冒険 ~ハイ・ラガード冒険譚~   作:頭世界樹の冒険者

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 ゲーム内で、クローラーにhageさせられかけたので初投稿です。
 
 てなわけでへい!!第一話お上がりよぉ!!


 小説って書くの、難しい(´・ω・`)

 一文字書く度に、先駆者兄貴姉貴の凄さがわかりますよ、これ


第一話 冒険者ギルド

 

 

 

【冒険者ギルド】──それは世界樹に挑む冒険者達を語る上で欠かせない、重要なものだ。

 

 

 ハイ・ラガード公国の中央市街に拠点を構えるその組織は公国の全ての冒険者を管理しており、また、新たに公国を訪れた冒険者志望達の受け付けやギルドの人員募集等も行っている。

 

 

 冒険者を志す者達はまずここでギルドを結成し、その後に【大公宮】──公国を治める大公様の住まう建物──へと向かいそこで最初の試練を受け、それを合格して初めて公国の冒険者として認められるのだ。

 

 

 

 

 つまり、この冒険者ギルドでの登録こそが全ての冒険者達にとっての始まりの一歩、と言えるのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 ーハイ・ラガード公国 公国中央市街ー

 

 

 年始めの午後という最も忙しい時間帯を迎えたハイ・ラガード公国中央市街。

 

 辺りは今から迷宮に挑もうと準備に勤しむ冒険者や、そんな冒険者達を呼び込もうと声を張り上げる商店の店主達の喧噪などで満ち溢れている。

 

 大公による迷宮探索の触れが出てから早一年、その間にもたらされた数々の恩恵は何も冒険者達のみにもたらされたものではない。

 

 今まで以上の効果が期待出来る薬草、これまでの常識を覆す程に頑丈な石材、硬く、それでいて柔らかさも兼ね備えた未知の金属……そういった物も樹海からは多く産出されている。

 

 それにより、商人や薬師を中心に人は増々増え続け、今現在、公国の中央市街は他に類を見ない程の発展を見せていた。

 

 そんな賑やかな中央市街に位置する冷たい石造りの建物──冒険者ギルドの前に一人の少女と一匹の獣が立っていた。

 

 少女の名はトネリコ、自らの国を出奔し、その名を迷宮にて轟かせんとしている若き冒険者志望だ。

 

 そしてその横にいるのはアキレア、少女にとって無二の親友であり、時にはその巨大な体躯を駆使して少女の盾となる、護衛としての側面も持つ大虎だ。

 

 二人ともその目には確かな決意と希望を宿しており……所謂、冒険者の目をしていた。

 

 そんな輝くような決意と希望を秘めた二人の内の片割れ、トネリコがその端整な顔に喜色を浮かべながら口を開く。

 

 

「ここがかの有名な冒険者ギルド……!! う~ん!! 楽しみね、アキレア!! 早速中に入ってみましょう!!」

 

「グルァ……!!」

 

 

 普段は暴走するトネリコにとってのブレーキの役割を果たすアキレアではあったが、心なしか嬉しそうな声を出している辺り、彼もまた少なからず冒険者という存在に興味と憧れがあるのだろう。

 

 そんなアキレアの様子にトネリコは花が綻ぶような笑みを浮かべると、建物に入るべく目の前の扉へと手を掛けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 ──ギィィィ……──と、トネリコが重く古ぼけた、時代を感じさせる扉を開く。

 

 そして、そこで二人が目にしたのは圧巻の光景だった。

 

 ギルドの内部自体は全体的に荒削りな石で出来ており、天井や床、壁のみならず、僅かにある装飾や窓も全て石で出来ている。全体的に無骨で厳然とした場所だったのだが、二人を驚かせたのはその光景ではない。

 

 

 

 真に二人を驚嘆させたのはそこにいた数多の人々──即ち、冒険者達の姿であった。

 

 

 

 ある者は他のギルドのメンバーと談笑しながら情報を交換し合い、またある者は自らのギルドに新たなメンバーを募るべく、掲示板に羊皮紙を貼り付けている。

 

 皆一様に忙しそうではあったが、しかし、それ以上に何処か充実感のようなものを顔に浮かべていた。

 

 ここにいるのはその胸に夢や希望を秘め、迷宮へと探索に者達ばかりであり、そんな彼ら彼女らの想いが熱気となってこのギルド全体に満ち満ちている。

 

 

「ん……、見ない顔だが旅の冒険者か? だとするなら、その目的は一つ。世界樹の迷宮の探索だろう」

 

 

 そんな光景に圧倒されていたトネリコ達へと声を掛けたのは、一人の鎧姿の人物だった。

 

 身長はトネリコよりも、そしてこの間の謎のコートの男よりも大きくその全身を黒い鎧で包んでおり、その手には血のように赤い長剣が握られている。

 

 武人ではないトネリコにですら手練れだと理解できる程の威圧感と貫禄、そんな女性に──この時になってようやく女性だと気づいた──トネリコは僅かに緊張感を抱きつつも話し掛けた。

 

 

「ええ、私はトネリコ!! 世界樹の迷宮を目指してアキレアと一緒にこのハイ・ラガード公国に訪れた冒険者志望よ!!」

 

「……グルァァ……」

 

「……そうか、私は'マリオン,だ。この冒険者ギルドを取り仕切る、代表のような者だと思ってくれ」

 

 

 トネリコが自分達の名前と目的を告げると女性は自らをマリオンと名乗り、冒険者ギルドの代表であると告げる。

 

 そして、トネリコとアキレアの顔をそれぞれ見ると、凜とした声で言葉を紡ぎ出した。

 

 

「さて、早速だが冒険者を志す者よ、お前も知っているだろうがこの国で冒険者として活動したければギルドを結成することが必要だ」

 

 

 そこで一度言葉を区切ると、マリオンは兜越しにトネリコの目をしっかりと見据えて話を続ける。

 

 

「迷宮の探索は常に死と隣り合わせであり、その骨を樹海に埋めることになるかもしれない……。その覚悟がお前達にはあるのか?」

 

「ええ、勿論承知の上よ!! 私もアキレアもその覚悟を持ってここまで来たのだから!!」

 

 

 マリオンの覚悟を問う言葉に対してハッキリとそう答えるトネリコ、するとマリオンは一つ得心したように頷くと

 

 

「そうか、よい覚悟だ」 

 

 

 と言い、心做しかその身に纏う圧力が薄まったような気がした。

 

 どうやらトネリコ達は、マリオンに迷宮に挑むに足る者達だと認められたようだ。

 

 そのことにトネリコが安堵していると、ふと、マリオンはその声に僅かに疑問のようなものを浮かばせながら問いを発した。

 

 

「しかし、今のお前達を見るに仲間が余りにも不足しているようだ。まさかとは思うが二人で迷宮探索に赴くつもりなのか?」

 

「ウッ……そ、それは……」

 

 

 トネリコが仲間はまだ集まっていないこと、もし集まらなかったとしてもアキレアがいれば大丈夫だろうと正直、高をくくっていたこと──を包み隠さず白状するとマリオンはその声に何処か怒りを滲ませながら答える。

 

 

「いいかよく聞け、迷宮探索に規定された人数がないとは言え、たった二人で迷宮探索に挑むなど自殺にも等しい愚かな行為だ。ましてやお前達は樹海に踏み入ったことすらない新米冒険者……身の程を弁えてものを言うがいい」

 

 

 そしてマリオンは一つ、溜息をつくと言葉を続ける。

 

 

「どうやら覚悟と決意はあっても、迷宮探索に関わる知識は足りていなかったようだ……このままでは、お前達にギルドの結成を許可するわけにはいかないな」

 

「えぇ!! そ、それは困るわ!! どうすれば許可して貰えるのかしら!?」

 

 

 トネリコが慌てふためきながら問いを投げかけると、マリオンは少しだけ何かを考えるような素振りを見せる。

 

 そして、考えが纏まったのか口を開いた。

 

 

「そうだな……、通常、迷宮探索に最も適した人数は、多過ぎず少な過ぎない……'五人,だとされている。今現在お前達は二人……あと'三人,仲間を集めてくるがいい」

 

「三人……三人ね……、わかったわ!!」

 

 

 そう言って早速仲間を集めようと今にも飛び出しそうなトネリコに対して、マリオンは呆れたように声を掛ける。

 

 

「おい、別に今から仲間集めをするのは勝手だが……外を見てみろ。もう日が暮れている。とりあえず今日の所はここまでにして明日、本格的に集めてはどうだ」

 

 

 そう言うと石窓の外を指差すマリオン、見るとそこにはまるで青黒く塗りつぶしたような、美しい夜空が広がっていた。

 

 何とマリオンと話している内に、すっかり日が暮れてしまっていたのだ。

 

 辺りを見回すとあれ程いた冒険者達の姿はまばらで、もうあと数人残っているかいないかという具合だった。

 

 そのことに驚いた表情を浮かべ、「そうね……今日はここまでに──」と、続けようとして何かに気づいたかのようにハッとした顔をするトネリコ。

 

 見ると何か致命的なやらかしをしたような表情で、その血色のよい顔をみるみる青ざめさせているではないか。

 

 そんな百面相を見て嫌な予感を感じたマリオンは、今日一日で知ったトネリコの人となりから、ある一つの可能性を導き出し「もしや……」と呟くと

 

 

「……一応聞いておくが、お前達、宿は取ってあるんだろうな?」

 

 

 と、問い掛けた。するとトネリコとアキレアは顔を見合わせ

 

 

「……ど、どうしましょうか……」

 

「……グルァ……」

 

 

 トネリコは思わず、と言ったように声を漏らし、アキレアは何となくこうなることを予想していたのか、溜息とも呆れともつかない鳴き声を上げた。

 

 そんな二人の様子を見てマリオンはその凛とした声色に何処か疲れのようなものを滲ませながら声を出す。

 

 

「……とりあえず二人とも【鋼の刺魚亭】という酒場を訪ねるといい、あそこの店主ならば説明次第で泊めてくれるだろう」

 

「ほ……本当に!? ありがとうマリオンさん!! そうと決まればアキレア、急いで向かいましょう!!」

 

 

 そう言って感謝の言葉をマリオンに告げるや否や弾けるようにギルドを飛び出すトネリコ、そしてその後ろから先程までトネリコに、心なしか憐れみの目を向けていたアキレアが続く──前に一つ、マリオンに対して頭を下げる。

 

 その姿はまるで、自らの子の不始末に対して謝罪の意を示す、親のようであった。

 

 

 

 

 そうして姿を消した二人を見送ったマリオンは、とうとう誰もいなくなったギルドにて一人呟く。

 

「久し振りに疲れたな」──と

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

「あん? あー駄目だ駄目だ、ウチは宿屋じゃねぇんだよ。悪いが余所を当たってくれや」

 

「そんな~……」

 

 

 あの後、マリオンの提案通りに鋼の刺魚亭と呼ばれる酒場を訪ねたトネリコ達にそうつっけんどんに返すのは、この酒で店主を務めている三十半ばの男だった。

 

 名を'アントニオ,と言い、普段はその厳つい顔に豪快な笑みを浮かべている気の良い店主──なのだが現在、その顔には隠しきれない、面倒そうな表情が広がっていた。

 

 

「でっ、でも冒険者ギルドのマリオンさんがここなら泊めてくれるかもって!!」

 

「チッ……勝手な真似をしやがって……おいおい、そりゃあ泊めてくれるかも……だろう? 誰も泊めてやるとは言ってねぇんだぜ」

 

 

 そう言うとアントニオは夜空を仰ぎ見るようにしながら頭をガシガシと掻き「あ~…ただまぁ」と続ける。

 

 

「面倒なことに変わりねぇが、流石にこんな寒空に嬢ちゃん一人……あぁ、いや虎も含めて二人放り出すってのも寝覚めが悪ぃしよぉ……」

 

 

 元来、面倒見が良いのだろう。どうしたもんかねぇ……とその太い首を捻るアントニオ、やがて何かを決めたのか一つ手を打つと、不承不承ながらというのが有り有りと分かる顔で声を出した。

 

 

「よぉし!! 分かった!! 本当に……本っ当に面倒極まりないが仕方ねぇ、お前達二人を泊めてやるよ」

 

「本当!? やったわ!! ありがとう酒場の店主さん!!」

 

 

 そう言ってお礼を言うトネリコにアントニオは「酒場の店主じゃねぇ、俺にはアントニオっつう名前があんだよ」と返し、付いてこいと酒場の中に入っていく。

 

 それを見たトネリコとアキレアは顔を見合わせて頷くと、後に続いて店内に入っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅん……あの子達、あの酒場に泊まるんだぁ……」

 

 

 その背中を背後から一人の冒険者が見つめているとも知らずに。

 





 後ろから見ている謎の冒険者…その正体とは!?


 ちなみに隙自語ですが、自分はゲームの名付けによく、花の名前を使うんですよね。

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