1時間の英語と2時間目の数1を終えいよいよ咲夜にとって初めてのヒーロー基礎学 演習の時間がやってきた。担当するのは相澤とオールマイト……は事件解決に赴いているので今日はいない。
授業を始める前に相澤は、
「今日のヒーロー基礎学は初めての十六夜もいることだし実力を測るという意味で実技テストとする。場所はグラウンド・β。十六夜以外は1ヶ月弱の成果を見せてもらおうか、気張れよ」
と言うと生徒達は
「「「「はい!」」」」
大きな声で返事をするのだった。
更衣室にて……
「え、咲夜ちゃんコスチュームそれなの!?」
麗日が驚くのも無理はない。何せ今咲夜が着ているのは今朝教室に入ってきた時のメイド服だったからだ。
「そんなに驚くことかしら?これは私にとっては動きやすいし、戦闘スタイルにはピッタリだし、本業だし、そして何より誇りなのよ」
「いや、戦闘スタイルにピッタリな服がメイド服て……。ていうか本業!?咲夜ちゃんメイドさんなんだ!素敵!」
「戦闘スタイルは追追わかると思うわ。メイドとして主人に仕えるこれが私の誇り、私の原点。さ、急ぎましょう遅れるわよ」
「あ、待ってよ〜」
グラウンド・β
「それじゃ始めるぞ。内容は1体1のシンプルな模擬戦、先に相手を拘束したほうが勝ちだ。相手はくじで選ぶからさっさと引け」
そしてくじの結果咲夜の対戦相手は……
「お、転校生が相手か〜よろしくね!咲夜ちゃん!」
角の生えた強酸性紫少女 芦戸三奈だった。
「それじゃあ、芦戸三奈 対 十六夜咲夜、始め!」
「へっへーん、手加減しないよ〜」
芦戸は悪そうに笑うと、
「そう、では私は一瞬で終わらせてしまうから3分の猶予を与えるわ」
咲夜はそう笑いかけた。
「む、私が胸を貸すんだっよ!」
と、芦戸は走り出しすぐに距離を詰めると
「喰らえー!」
と可愛らしい声で繰り出す鋭い蹴りを咲夜は軽くいなす。芦戸はそれだけでは終わらず蹴りから拳に切り替えたりたまに酸を用いることで咲夜を追い詰めていった。だが咲夜は涼しい顔で避け続け、たまに服につけた懐中時計を眺め、
「そろそろ3分ね」
と言い出し太もものホルスターからナイフを取り出した。
「!!」
「これから2分私は攻撃するわ、そして2分が経過したらあなたを一瞬で捕える」
「な、ナイフは反則じゃない?」
「安心しなさい、昨日刃を潰したのを用意したから。幸い時間はたっぷりあってね。でも、当たると痛いわよ」
二人の間に緊迫した空気が流れる。見つめ合う二人。
「「っ!!」」
咲夜は一瞬で距離を詰めると芦戸は
「うわっ!ちょ!!」
咄嗟に出した粘度MAXの壁で事なきを得たが咲夜はすぐ壁からナイフを抜くと距離を詰め当てに来る。だが芦戸は、
「当たったらちょっと痛いよっ」
酸を出しナイフを溶かそうと試みるもあまり手応えがない。
「うえぇ!?何で!?」
「このナイフは銀製、酸には多少強いわ」
「嘘でしょ〜!?」
咲夜は懐中時計を見ると、
「そろそろ2分。チェックメイトね」
芦戸は警戒を高めるだが
カチッ
そんな音が響いたかと思うと
「ん?あれっ!?あれっ!?」
芦戸の体にはロープが巻かれていた。その事に芦戸も観戦していたほかのクラスメイトも混乱する。
「なんだ!?いつロープなんて巻いてたんだ!?」
「口では説明が難しい個性ってそういうこと?」
「まただ、またあのカチッって音だ。なんの音だ?まだ2回だがあの音が鳴ると不思議なことが起こる。一体どういう個性なんだ?とっても気になるな〜。考察が捗る……」
「デクくん!?」
なんて騒いでるが結果は……
「勝者、十六夜咲夜、芦戸のロープ解いてやれ」
「はい、先生」
咲夜がロープを解くと芦戸は
「……すっご〜い!何あれ何あれ!どうやったの?」
他の生徒も駆け寄ってきて
「確かにどうなってんだあれ?」
電気ウェイ少年の上鳴電気が疑問を口にする。すると咲夜はあっさりと、
「あれは私の個性で時間を止めたのよ」
そんなことを言うので一同は、
「「「「ええぇーーー!!!」」」」
月まで届きそうなくらい大きな声がグラウンド・βに響くのだった。