ざわめく会場。仕方ないだろう、なぜなら先程スタートと同時にゴールに着いたとかいう意味のわからないことが起こったのだから。
ざわざわ……
「えっもうゴールしたヤツいるの!?」
「何が起きたんだ!?」
そんな会場を見て満足そうに微笑む日傘をさした少女がいた。誰であろう、お嬢様である。
「ふふ、美鈴、パチェ見た?咲夜のしたり顔」
話しかける相手は門番と親友の動かない大図書館 パチュリー・ノーレッジである。
「そうですね。咲夜さんにしては珍しい顔でしたね」
「……やっぱりレミィに来てもらって正解だったわね。あの子が本気を出すなんて貴方絡みのことぐらいしかないじゃない」
「そう?そうかな〜?だとしたら嬉しいわね」
なんてニコニコ顔で訊ねられるから、
「うっざいくらいいい顔ね」
パチュリーは呆れながら返すのだった。
「でも、良かったんですか?フラン様連れてこなくて?」
「……あの子は最近仕事をサボりすぎたからね。ちょっとしたバツよバツ」
「機嫌取りは私の仕事なんで勘弁してくれませんかね……」
「まぁいいじゃない。今日は咲夜が楽しそうで」
ドローンカメラに向かって真顔でピースを決める咲夜を見ながらレミリアはそう言うのであった。
『……あっ、やべ。今日の実況は我らがプレゼントマイクと解説のミイラマンでお送りさせてもらうぜ〜!』
あまりの出来事に放心してたビックボイスなヒーロー プレゼントマイクが実況を始めると、
『ちゃんとやらねーと帰るぞ山田マイク』
隣の実況にイライラしてた相澤が言う。
『帰んなって!それとなんだその呼び方は!マイクって呼べ!』
『お互い様だバカ。……実況しねーのか?』
『また忘れてたぜ!つーかイレイザー!なんだよあのリスナー!すぐゴールしちゃったじゃん!瞬間移動の個性か!?』
『十六夜の個性は『時間操作』本人曰く戻す以外はだいたい出来るんだとよ』
『なんだよそれー!チートかよ!』
そんなマイクの声を聞きながら咲夜は会場の端の方にある芝生に座っていた。
(……暇ね)
(みんなの様子は見れるけど暇なことに変わりは無いし、どうしましょ)
そして考えついた先が、
「念の為に用意してきて良かったわ」
なんとそこで優雅にテーブルと椅子まで用意して紅茶を飲み始めたのだった。
『……!さて今1着の十六夜は何してるのかな〜……ってあれ!?ティータイムに入ってやがる!』
『暇すぎたんだろうな……だがその態度はいただけないな。十六夜ーすぐに片付けろー除籍にすっぞー』
『ちょー軽い感じで除籍にすんな!』
『まぁいいだろ。それよりマイク、そろそろ最終局面だぞ』
『ってマジか!今はえーっと……地雷ゾーンか。泣く子もちびる地雷ゾーン!さてどうやって攻略するのかってあれ?後ろで大爆発が起きたぞ!大丈夫か!?』
『そんなことで足止めくらうようには育ててねーよ。それに……ほら』
『ん?爆風に乗ってなんか追い上げてきてる奴がいる!誰が予想しただろう!着地し緑電を纏って高速でゴール下その男は!緑谷出久だー!』
ワー!すげー!かっこいいー!
と盛り上がる中咲夜は、
「私1着なのに私より盛り上がってない?」
なんてボヤくのだった。
話が進んでません。