エゴイストがいく実力至上主義の教室 作:エビデンス海老天むす
結果だけ言うと4対2で潔が3点決めてます。
「以上が、東京予選の視察のデータです。どうですか?潔世一選手。1回戦2回戦と3点。準決勝で4点。決勝戦では3点を挙げました。彼とも直接話した結果、ぜひ参加したいとのことです。」
モニターにて試合の映像を見ているメガネの人物が1人。絵心甚八。ブルーロックの創始者にて謎多き人物。
「……うん。いいね。高い空間認識能力。ダイレクトプレーの正確さ。そして裏への抜け出し。こいつなら2次セレクションまでは余裕だろうね。他とのコンビネーションも期待できるしアドリブもいい。TOP7候補だよ。こいつ、高校は?」
「確か……高度育成高等学校です。」
すると絵心は持っていた資料を捨てた。
「………辞めだ。こいつの話は終わり。次の候補に移るよ。」
「どうしてですか?彼はプロジェクトに必須級の選手だと思うのですが……」
「アンリちゃん。高度育成高等学校について知ってる?」
「国の指定する特別な学校。とだけですけど……」
「間違っては無いんだけどね。あそこは日本であって日本でない。と言う認識が一番あってるんだよ。
俺はブルーロックを作る上で二つの施設を見に行ったがその一つがこの学校だ。ポイントという制度に管理され、校内での授業やテストは当然のこと。クラス間争いを行わせ、その中での戦略ですら全てポイントに支配されている。
さらにクラス内で突出した才能を持つものをリーダーとし、周りがその優秀な駒としてクラス間で争う。現代社会でいう、会社同士の企業戦争を高校生ながら3年間半永久的に行なっている、俺が見ても十分イかれた施設だよ。」
「………なるほど。じゃあ、絵心さんかもう一つ見に行った施設の方は……」
「……あまり口外はしないで欲しいんだけどね…簡単にいうと
「天才を……作る…」
「そう。だがそこでのシステムはあまりにも人道を外れていた。だから俺はブルーロックのプロセスには組み込まなかった。だが俺はその理論を全く別の形、Wild Cardとして組み込むことにしたんだ。」
「……」
「……」
「そういえばその施設、ホワイトルームの成功例が数ヶ月前脱走したらしいな。」
「それがどうかしましたか?」
「ん?いいや、ただの独り言だよ。アンリちゃんも忘れるようにしてね。俺がバラしたって知られたらあのおっかないオッサン、何するかわかんないし。
潔世一の事だけど、こいつは辞めておいた方がいいね。そもそも高度育成高等学校は外部と連絡すら取れないからブルーロックに誘ってもそいつは誘われている事実にも気づかない。」
「……わかりました…」
アンリは明らかにショボンとした顔をする。
「はぁ、そうだな…正直こんな人材を逃すのは惜しいからアポ取っておいてあげるよ。理事長とは話したことあるし…取れるとしたら9月くらいだろうね。」
「2ヶ月先ですか……」
「いや、14ヶ月だね。」
「……その時には人員不足も解消してますか?」
「予算の範囲内でね〜」
「…………他の視察に行ってきます。」
「うん。いってらっしゃーい。」
夢のために我慢を続ける帝襟アンリであった。
高度育成高等学校
1年Dクラス
「平田くん、サッカーのインターハイ予選で優勝したの?すご〜い」
放課後、定期テストが迫っている教室の中で英語のリスニング勉強をしているとそんな会話が聞こえた。
時計を見ると時計はすでに19時を回っていた。
もうそんな時間か。
「僕はそんなすごいことしてないさ。もっと凄いのは潔くんだよ。何たって四試合で13得点を1人で決めてるんだからね。」
「四試合で13得点!?毎回ハットトリックしてるってこと!?潔くんすご〜い」
こちらに話しかけてくるのはいつの間にか平田の彼女になっていた軽井沢さん。
「そんな事ないよ。平田や先輩たちのサポートあってこそだったし……」
「謙遜する事ないさ、潔のプレーは間違いなくチームを引っ張っていたよ!」
そこからは勉強する事はなく、寮の前までみんなで話しながら帰った。
次の日
「そういえば潔、サッカー部では大活躍だったらしいな。」
「マジかよ…すげぇな潔。」
「まぁ、色んな人のサポートあってこそだけどな。」
「一年生でチームのエースか、やるな!」
今度は綾小路や須藤、池や山内などの赤点組でも同じ話題を振られた。
「堀北ちゃんはどう思う?潔って凄くね?四試合で13得点も決めたらしいぜ?」
「………それがどれだけ凄いか分からないけど、大会が終わってすぐ勉強に取り組む態度は良いと思うわ。」
「お前が褒めるなんて珍しいな。」
「正当な評価をしただけよ。あまり無駄口をたたかないで、退学になりたいの?」
全員、その言葉で黙って勉強を始めた。
「あ、すまん。俺先輩に呼ばれてるんだった。ちょっと行ってくる。」
「どこまで行くんだ?」
「生徒会室!」
「待ちなさい!」
堀北が呼び止めたが潔には聞こえず図書室を出て行ってしまった。
「………行ってしまったわ。」
「多分、副会長に用事なんじゃないか?前に勝負したって言ってたし……」
生徒会室
「失礼します。」
「待ってたぞ、世一。少し遅いじゃないか?」
生徒会室に入った扉の近くにあるソファに座っている南雲先輩。
「ごめんなさい。テスト勉強をしていたので。」
「大会が終わってすぐ勉強に励むなんて、模範的ですね。座ってください。お茶を入れてあるので。」
お茶を用意していたのかお盆を持っているのは橘先輩だった。
「よくやったな潔。サッカー部のキャプテンも喜んでいたぞ。」
堀北先輩は橘先輩が淹れたお茶を飲みながら参考書を読んでいた。
「……」
桐山先輩はパソコンの画面に向かっていたので、話しかけては来なかったが、心なしか嬉しそうに見える。
俺は橘先輩に言われた通り、近くのソファに座った。思ったよりもふかふかで少し驚く。
「桐山、契約通り潔にポイントを渡してくれ。」
「はい。」
そういうと俺の端末に200万Pが振り込まれる。
大金……だよな?
「潔。夏休みにはお前の力がさらに試されることになるだろう。期待している。」
「世一、お前は俺が潰すんだから他の奴らに潰されるなよ?」
「うっす!ありがとうございます。」
俺は生徒会室を出て行った。
次回、やっと無人島だぁぁぁ