美竹家の長男(弟)   作:みっちゃんちゃん

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お待たせしました。


2話

「えっ?俺とチュチュの出会い、ですか?」

 

「あぁ、椿とチュチュの出会いってどんな感じだったんだ?」

 

合わせも終わり、皆で休憩している時、ますきさんから急に問いかけられた。

「いきなりどうしたんです?ますきさん」

 

「いやーつい気になってな?」

 

「確かに。私も気になるな、椿くんとチュチュの出会いの話」「私も気になります〜!」

 

ますきさんと話しているとレイヤさんとパレオも話に加わってきた。

 

「出会いって言ったって、他の皆さんと大して変わらないと思うんですけど......」

 

 

 

 

 

 

 

 

少し前の事......具体的に言うのならば、RASに加入する事になった2日前のこと。

 

その日は学校が休校になり、蘭姉さんも幼馴染4人と共に遊びに行った為暇を持て余していた。一日中部屋で楽器を弾こうかとも考えたが、父さんに「偶には休みの日も外に出て来なさい」と言われたので私服に着替え、最低限の荷物が入っているバッグと手入れが終わったギターを背負い、路上ライブでもするかと考えながら駅の方面へ足を運ばせた。

 

尚、俺の近くの駅は路上ライブなどの行為は、最近のバンドブームのお陰か許可を取らずとも周りの迷惑にならなければ問題はない。(尚駅によっては許可を取る必要やそもそもが禁止されている所も多いので気をつけよう)

 

機材を設置していると少し違和感を覚えた。

少ないのだ、駅に居る人の人数が。しかしよくよく考えるとそれは当然だ。

今日はうちの学校の都合でたまたま休校なだけであり、他の学校の生徒や社会人等は普通に登校していたり、出社していたりしているのだから。

 

(もしかして、路上ライブしようとする時間間違えたか?って言っても今更機材を片付けるのもめんどくさいなぁ〜)

 

一度設置した機材を片付け、移動して夕方くらいまで時間を潰そうかとも考えたが面倒臭さが勝り、演奏を始めた。

 

「Hi! ねぇ、ちょっといいかしらそこのあなた!ちょっと?ねぇ。ねぇ!ちょっと!聞いてるの!?」

 

「!?」

 

暫く演奏していたら、小学生いや中学生くらい......だろうか。そのくらいの年の女の子が俺の身体を揺らし、俺の集中を解いたことで、その子が声を掛けていたことに気づいた。

 

「すまない、少し考え事をしてた。どうした、迷子か?お母さんはどこにいるか分かるか?」

 

「話してそうそう失礼ね!迷子なんかじゃ無いわよ!?第一私は学歴的に言ったら高校2年生よ!?」

 

そう言われても説得力のない見た目をしているので、にわかには信じ難い。

 

「何よその顔!嘘だとおもってる?!ってそんな事はどうでもいいの!」

 

どうでも良くはないだろと思っていると少女は、一枚の名刺をこちらに差し出して来た。

 

「Look! ワタクシプロデューサーのチュチュと申します。貴方の名前を聞いても?」

 

「俺の名前?俺は美竹椿だ。それで、プロデューサーの君が俺に結局何の用なんだ?」

 

「ツバキミタケ、貴方を私のバンドにスカウトしたいの」

 

「スカウト?悪い、バンドを組む気は無いんだ。すまないが別の人をあたってくれ」

 

「えっ」

 

「それじゃあな」

 

そう言ってこの場を去ろうと荷物を背負う。話してる間に片付けは済んでいたので、そのまま帰路に着

 

「待って!」

 

こうとしたら服の裾を掴まれ立ち止まる。なんだと思い顔を見ると必死さを隠しきれていない表情をしていた。すると少女......チュチュはUSBメモリを差し出してきた。

 

「聞けば分かる!貴方の演奏技術は間違いなく私の曲とバンドで更に引き出す事が出来る!だから......」

 

......チュチュは泣き顔になっていた。流石にこうなると此方も分が悪い。USBメモリを受け取り、バッグに入れていたノートPCを取り出してUSBメモリを差し込む。

メモリに入っていたのは1つの曲のデータだった。俺はバッグからイヤホンを取り出してPCに挿し込んで、曲を再生する。

 

「これは......!」

 

再生した音楽は俺の想像を遥かに超えるものだった。

今まで聞いてきたどの曲にも当てはまらない、まさに新時代の曲と言っても過言では無い!

 

「君1人で......この曲を作り上げたのか?」

 

「えぇ......曲名はR・I・O・T」

 

R・I・O・T。確か暴動や騒動の意味の単語だったな。まさにこの曲に相応しい名だと思った。

 

正直なところ誰かと組んで演奏するなんてこと、考えもしなかった。けど、この曲を聴いて考えが変わった。このレベルの曲を弾ける仲間と共に演奏する事で自分の演奏技術を更に上げる事が出来る...!

 

「チュチュ決めたよ」

 

「?」

 

「俺は君のバンドに加入しよう。言ってしまえば俺は君の曲に惚れてしまったんだ」

 

「......って事は!?」

 

「あぁ。これから宜しく頼む、チュチュ」

 

「えぇこれから頼りにさせてもらうわ!()()()

 

「ローズ?俺の事か?」

 

「Yes!貴方の新しい名前よ!今日から貴方は私だけのギタリストよ!」

 

 

 

 

 

「っとまぁ、こんな感じですよ。別に対した事じゃ無いでしょう?それにしても過去の話も長いと中々疲れますね」

 

「あぁ、悪かったな。長話させちゃって」

 

「まぁ暇は潰せたんでちょうどよかったですよ。あっ飲み物無くなってた。すみません、少し先外しますね」

 

そういい部屋を出て冷蔵庫へ向かう。チュチュ曰く中身は好きに使って良いらしいのでお言葉に甘え、飲み物代をケチらせて貰ってる。

 

「あら?ローズじゃない。ここにいるって事は飲み物が尽きたのね」

 

「ああその通りだよチュチュ。少し昔の話をしてたら喉が渇いたもんでな」

 

「昔の話?まぁいいわ...そろそろ休憩の時間も終わるから準備しておきなさいよ」

 

「分かった、他の皆んなにも伝えとくよ。あっチュチュ!」

 

「??何よ」

 

「改まっていうのは恥ずかしいけどさ、俺をRASに誘ってくれてありがとな。感謝してる。お陰で最高の仲間と、皆で演奏する良さを知る事が出来たしな」

 

多分チュチュが俺を誘ってくれなかったら、俺はただ1人楽器を弾いているだけだった。けど、チュチュにスカウトされて他のメンバーと共に演奏する楽しさを知れた。そんなような事をチュチュに向かい話した。

 

「ふんっ!とうっぜんでしょ!貴方は私と出会うべくして出会ったのだから!これかも存分にその腕をRASで振るいなさい!」

 

これからも宜しくな、小さな革命家さん。

 

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