白き魔法少女と光の戦士
俺が家に着いた時にはもう夜になっていた。
悠「ただいまー」
帰って来た俺をじっちゃんが出迎えてくれる。
空「おう、お帰り。どうした、遅かったじゃないか?」
悠「う、うん。ちょっとあってさ……」
空「まぁ、いいが。今日の夕飯はお前が作る番じゃなかったか?」
悠「そうなんだけど、おかず買うの忘れちゃって今から買い行ってくる」
空「ん。わかった、じゃがもう遅いから儂もついてくいこう。ちょっと待ってろ」
そう言いじっちゃんはリビングの奥に消えた。
そして、俺が何か悩んでいることを感じとっていた。
(悠里のやつ……なんかあったのか?やけによそよそしいな……後で聞いてみるかの)
一人玄関にいた俺にティガが話してくる。
テ『家族にはどう伝えるつもりだ?』
悠「わかんねぇ……でも素直に言っても信じてもらえるわけもないしなぁ……」
テ『確かに。それは君に任せる』
悠「ったく、無責任だな……勝手にやらせて」
テ『闇と戦うのは君の、いや光の戦士の使命だ』
悠「はぁ……」
俺が悶々と悩んでいるとリビングからじっちゃんが準備を済ませやって来た。
空「すまんな、待たせた。さぁ、行こう」
悠「はぁーい」
そうして、俺とじっちゃんは夕飯の買い出しに出掛けた。
空「なぁ、悠里」
買い出しに向かう途中、じっちゃんが話し掛けて来た。
悠「どうしたの?じっちゃん?」
空「お前……なんかあったか?」
悠「え……い、いや別に……」
空「なんだか妙な胸騒ぎがしてな。まぁ、お前が大丈夫ならいいんだ」
じっちゃんの一言に俺は思わず焦ってしまう。
悠「と、とりあえず買い出し行こうよ!」
空「悠里」
悠「な、何?」
空「お前は嘘が下手くそじゃなぁ。ハハハ」
じっちゃんは俺が隠し事をしていることを簡単に見抜いていた。
悠「じっちゃん……」
空「話してくれるな?」
悠「これから俺が言うことを信じて欲しい」
そして、俺はいまさっき自分が体験した出来事をじっちゃんに話した。じっちゃんは信じられないと言った具合で驚いていたがそれでも真面目に話を聞いてくれた。
空「なるほど……普通なら信じられん話じゃ。だが、悠里の様子からそれは本当らしいのう」
悠「うん。そうなんだ……」
そんな話を二人でしていると、俺がなのは達を案内した動物病院の近くに来ていた。
悠「あっ、確かこの辺……」
空「どうしたんじゃ悠里?」
悠「今日、なのは達とこの近くの動物病院に来たんだ。ちょっと寄っても良い?」
空「まぁ、この時間なら開いてるか。少しなら大丈夫じゃ」
じっちゃんの許しをもらって行こうとするとティガがいきなり胸ポケットから出てきた。
悠「うわっ!なんだか急に出てきて?」
テ『悠里!奴の気配だ!』
悠「えっ?」
次の瞬間、あの時現れた空間が出現し轟音と共に病院の入り口が壊れ、そこから奴が現れた。
空「何じゃ!?」
悠「じっちゃん!奴だ!」
空「お前が言った奴か!」
俺とじっちゃんは奴から距離を取る。
テ『悠里!変身だ!』
悠「仕方ない!あいつを倒す!』
そして、俺はスパークレンスを握った。
悠「じっちゃん!見てて、俺の変身っ!」
空「なっ!?」
悠「うおおおお!」
俺の体が光輝き、一瞬にして変身が完了する。
空「な、なんと!話は本当じゃったか!」
悠「行くぞおおお!」
突入しようとすると突如悲鳴が聞こえた。
?「きゃああああ!」
悠「なんだ!?」
空「悠里、あそこじゃ!」
じっちゃんが指差した場所にはなんとなのはがいた。
悠「な、何であんなとこに!?くそっ!」
俺はなのはのとこに駆け出した。
な「こ、来ないで!」
「ガァァァァァ!」
今にも攻撃しそうな奴となのはの間に俺は割って入る。
悠「させるかぁぁぁぁぁ!」
ガキン!間一髪、張ったシールドで奴の攻撃からなのはを守ることが出来た。しかし、なのはは急に出てきた俺に驚きを隠せない。
な「ゆ、悠里さん!?」
悠「なのは、大丈夫か!?」
な「わ、わたしは大丈夫……でも……」
なのはの手の中には俺達が助けたフェレットがいた。
悠「こいつ……確か……」
な「そう……あの時のフェレットなの……この子が助けてって呼んでる気がして……」
「ガァァァァァ!」
悠「話の途中だ!邪魔すんな!」
奴が何度も攻撃してくるのでとりあえず、ぶん殴った。
「ギィィ……」
情けない声を上げ奴は後退する。その間にじっちゃんもこちらに合流した。
空「大丈夫か!なのはちゃん!」
な「は、はい……でもこの子が……」
なのはは手の中にいるフェレットをじっちゃんに見せた。
空「フェレットか。ふむ、大丈夫じゃ」
?『僕は大丈夫』
な「えっ?」
突然なのはが何かに反応した。
空「どうしたんじゃ?」
な「頭に声が……」
?『僕の声が聞こえるなら君には魔力がある!
僕の力だけではアレは止められない……でも君なら!』
な「な、何!?」
そして、なのはの手の中にいたフェレットが急に喋り出した。
?「あの!僕に少しだけ力を貸して……」
な「あの……わたし……ですか?」
?「お礼は必ずします!」
な「今はそうゆう場合じゃないでしょ!?」
悠「お前ら!話は後だ!来るぞ!」
もう目の前まで奴が接近して来ている。
「ゴァァァァァ!!」
奴の激しい攻撃に俺はなんとか耐えていたがシールドが割れ攻撃が俺に直撃する。
悠「うわぁぁぁぁ!!」
空「悠里!?」
?「早く、これを使って!」
フェレットは首に着けていた宝石をなのはに渡す。
な「これをどうすればいいの?」
さらにフェレットは指示する。
?「それを手に……目を閉じて心を澄ませるんだ……」
指示通りなのはは胸に宝石を持つ。
?「管理権限新規使用者設定機能フルオープン!」
フェレットがそう言うとなのは達の足元に魔方陣が展開した。
?「僕の言葉を繰り返して……『風は空に 星は天に』」
な「風は空に……星は…天に……」
?「『不屈の心はこの胸に』」
な「不屈の心はこの胸に!」
?「『この手に魔法を』」
な「こ……この手に魔法を……!」
な・?「レイジングハートセット・アップ!」
レ『スタンバイレディ、セットアップ』
その瞬間、なのはを眩い光が包み込んだ。
悠「な、なんだ!?」
空「どうなっとる!」
俺達はこの光景に驚きを隠せない。そして俺達の前に真っ白の服になのはが現れた。
な「え……えええええっ!?」
空「わしゃ、夢でも見とるのか!?」
悠「じっちゃん!これは本物!落ち着いてくれ!」
「ヴォオオオオ!」
奴は動きがぎこちないないなのはを狙い攻撃を仕掛けてくる。
な「えええええ!?」
なのはは咄嗟の判断で攻撃を回避しなんとそのまま、空に飛んだ。
空「飛びおった!」
悠「と……飛んだ!?いやいや、反則でしょ。いきなり空飛ぶとか……」
テ『なんだ、君も飛びたいのか?』
悠「えっ……いや、まぁ……そりゃねぇ。あんな風に空を飛びたいとは思ったけど……」
なのはの方を見ると奴の攻撃をぎこちない空中制動で 避けている。
テ『イメージするんだ。君の翼を』
悠「は?」
テ『イメージしろと言っている!』
ティガが強い口調で指示してきた。
悠「お、おう……うーん……」
頭の中で考えてみるがいまいちイメージが固まらない。
テ『早くしろ!なのはと言う子が危険だ!』
ティガの言う通り、なのははだんだん奴に追い詰められている。
悠「やっべぇ!ええい、これだぁ!」
イメージを固めると背中に二対のメカチックなウイングが現れた。
空「な、なんじゃ!悠里にもなんかすごいことになっとる!?」
テ『アップデート完了。これなら空中戦闘にも対応出来る』
悠「よし、行くぜ!」
飛ぼうとするとティガが俺を止める。
テ『待つんだ、悠里』
悠「おわっ!?なんだよ?」
テ『奴の攻撃は素早く、重くなっている。今の君では対応しきれないだろう』
悠「そんなことない!」
テ『実際、君は吹き飛ばされただろう?』
悠「それは……」
テ『いいか、私の力を使うんだ。私は三つの姿を持っている。今の君はバランスのとれたマルチタイプだ」
悠「ティガ……お前、そんなこと出来るのか?」
テ『ああ、出来る。そして、奴を倒すにはスピードで勝負だ。速くなりたいとイメージして腕を額の前でクロスさせるんだ』
とりあえず、指示通りに腕をクロスさせた。
悠「速く……速く……速く!」
そして、いきよいよく腕を振り抜いた。すると俺の体が紫色へと変化する。
悠「出来た……よく!」
変化出来た俺はいきよいよく空に飛んだ。
な「ぁぁぁぁぁ!」
なのははシールドを張るがシールドごと押されてしまう。
?「大丈夫!」
な「う、うん。なんとか……」
そこに俺が駆けつけた。
悠「大丈夫か!なのは!」
色の変わった俺になのはは気づく。
な「悠里さん?どうしたの?」
悠「それは後だ!おい、フェレット!どうしたらあいつをなんとか出来る?」
?「アレはジュエルシードと言われる物なんです。アレを封印するには封印魔法か大きな魔力攻撃しかありません……」
悠「へっ!なるほどな!」
?「出来るんですか!?」
悠「要は気合いってことだ!いくぜぇぇぇ!」
俺は一気に奴に接近する。
な「わ、私はどうしたら……」
レ『大丈夫です。あなたの考えるする強い一撃をイメージしてください』
な「う、うん。わかった」
なのははレイジングハートを構えた。
一方、俺も奴に攻撃を仕掛ける。
悠「こんのぉぉぉぉ!」
スピードを乗せたキックで奴を蹴り飛ばす。
「バァァァァ……」
悠「どうだ!」
しかし、すぐに奴は体勢を立て直す。
悠「くそっ……」
するとなのはが俺に叫んできた。
な「悠里さん!避けて!」
悠「うわっ!」
咄嗟の判断で上に飛んだ俺は自分がいた所にビームが飛んで来て、驚いた。
悠「おいおい……マジか……」
ビームを受けた奴は小さい姿になって逃げようとする。
な「……逃げる!」
奴らは市街地方面に逃げようとしていた。だがなのはではスピードが追い付かない。
悠「俺に任せろ!」
そう言いマルチよりも速いスピードで移動し、俺は奴らを捉えた。
テ『悠里!今なら光線が使える。奴らを止めるんだ!」
悠「光線だと?どうやって、撃つんだ!」
テ『居合い抜きのフォームで力を溜めて撃て。君ならやれる!』
悠「わかった!なら!」
ティガの言う通り、居合いのフォームをとり、手を出した。
悠「いっけぇぇぇぇ!」
「バァァァァ……」
光弾が命中し、奴らは光になって消えて宝石になった。
悠「やった……」
そして、なのはもやって来た。
な「これって……」
どうやら宝石の正体をフェレットが説明してくれるみたいだ。
?「これがジュエルシードです。なのは、レイジングハートを近づけて」
なのははジュエルシードにレイジングハートを近づけると、ジュエルシードがレイジングハートに吸い込まれた。
?「これでジュエルシードの封印が出来ました。とりあえず、これで暴れることはないと思います」
悠「はぁぁぁ……やっと終わった……」
そして、俺達の戦いが幕を開けることとなった。