「ね、触ってみる?」
シィナが官能的な声を出し、レイを翻弄している……同時に、自らの乳房を強調するかの如く近付くのだ。
「少しお話しして、お互いにスッキリ出来たと思うんだ。レイの過去の人、忘れられたら良いと思った。」
「……うん……」
レイはシィナにリードされていく。彼女の言葉に乗るように、自らの手を乳房に当て、彼なりの触り方で彼女に刺激を与えていく。
その行動自体がレイに刺激を与える。彼女の優しい吐息、言葉遣い、視線は今のレイを魅了する。
互いに下着姿。そして、隣の部屋では2人の少女が愛し合っている環境で、いつしかレイもその興奮に呑まれつつあったのだ。
「良いね……大きくなってるよ。反応してる。」
レイの反応を見て微笑するシィナ。こうした行動も、慣れているというのだろうか。
「は……ぁ……」
下着越しに反応する象徴はシィナを求めているかのよう。彼女の誘惑に、レイは飲み込まれて行く。
「フフ……」
今度はシィナがレイの秘部に手をやる。その官能的な動きはレイの動きを止め、彼は少女のような嬌声を上げるのだ。
「んあぅ……!あっ……!」
先は彼女の行為を否定したレイだが、今は違う。シィナ・ソンブルという名の少女が引き起こす誘惑は1人の美しい少年を飲み込む。彼女の本当の目的は分からないが、レイはシィナによって翻弄されるばかりなのだ。
「私を受け入れてくれるから、レイはそんな声を出すんだよね……特別な人にしか聞かせないその声を、私は聞けてる……嬉しいよ、私、幸せだからぁ……!」
「んぁッ!」
シィナが激しくレイを動かす。こうした演技は興奮している人間を更にその気にさせて行く。人は仮に演技であったとしても人間に求められる事を欲しているのだ。
彼女の甘い声は、更にレイを情欲に掻き立てて行く……
「ああっ……!こんなッ……!」
激しく動く、シィナの手。それは彼を快楽に追いやる美しい動き。
「良いよレイッ!我慢しないでッ!!思い切り出して良いからぁッ!!!」
シィナはレイの秘部に触れ、彼の象徴を何度も愛でる。得体の知れない快楽に、レイの交感神経は次第に翻弄されていく。
アドバンスドタイプと呼ばれる人種であるレイとは言え、彼もまた、普通の人間と同じなのだ。秘部に感じているオルガズムも、今シィナとしている行為も、恐らく人間であればコミュニケーションの一環で行われる性的な触れ合い。そして、触れ合いがエスカレートしていく先は――
「ふあぁッ!」
レイは果てた。象徴から出る白濁液はレイの欲望を解放したのだ。
僅か4日前に知り合った少女によって、レイはリードされ、性的行動、そして絶頂に至ったのである。
「はぁ、はぁ……!」
息を荒げる、レイ。顔だけを見れば、陵辱された少女のような姿そのものに見えるのだ。
「凄く、良かったんだね……」
「……う……ん」
果てた後は言葉が上手く出ない。その様子を彼女はまるで、笑っているかのよう。
「……ね、ここまで来たらいっそ……ね?愛し合おうよ。もう、私達は先に行っても良い関係なんだから……!」
シィナは更にレイを求める。レイの耳をそっと舐め、彼を我が物にせんと触れて行くのだ。
「んあッ……!だめぇ……!」
果てた直後のレイをシィナが弄ぶ。彼を揶揄い、翻弄する。
「嫌、止めたくない……最後までシたいよ……!」
「そんな事……ふあっ!」
若い男女が一つのベッドにいて、それを理性で止める事が出来ればそれは良いのだろうが、そうは行かないものだ。人を超えた力を持つ人間であるレイとは言え、彼は“人”である事に変わりない。故に、性行動の誘惑には抗えない。逆らう事は出来ないのである。
金髪の少年と銀髪の少女が、交わっている。一見すれば少女同士の慰め合いに見える光景だが、彼等の秘部は直に当たっており、そのままで性行動を行っている。レイの象徴を包むゴムの膜越しに、シィナは彼を優しく包み、受け入れる。
体位を変える事もあった。正常位、騎乗位、そして後背位。人の本能による行動は無我夢中にさせるばかりなのだ。
「レイ……!良いの……良いのぉ!」
「シィナ……さん……!!はぁ、ふぅ……んんッ……!」
「可愛いよ!可愛くて逞しいよぉ!あァゥゥッ!」
「ダメ……もう……!イ……くぅ……!あぁッ!!」
彼女の誘惑に翻弄され、レイは腰を振り続け、やがては果てる。シィナ・ソンブルが放つ色香はレイを快楽に追いやり、秘めていた“彼自身”を開放させたのである。
彼等は行為を終えた。隣にシィナがいる状況で、レイはただ、激しく呼気と吸気を交互に繰り返す。掛けられている一枚のシーツのみがレイの身に纏っている状況。それは、シィナも同様なのだ。
「シちゃったね、私達。」
彼女は窓側を見るレイの背中柔いタッチでに触れる。
「……レイ、素敵だったよ。とても可愛くて綺麗だった……」
朱色の眼はレイの後ろ姿を見る。彼女はレイの背中に触れながら、金色の髪がベッドに触れているのを、シィナはそっと触れ、優しく指を這う。
「凄かった……としか、言えない……」
レイの率直な感想が出た。
「そんなに、感じてくれたんだ。嬉しいな。レイの綺麗な声を聞けて、私は本当に幸せだよ。」
シィナの柔く白い指が、更にレイの身体に絡む。彼女は、本当にレイの事を想っているという事がこの一連の仕草で分かるのだ。
「ね、レイ。」
脱力気味のレイに対し、シィナが耳元で囁く。
「付き合おうよ。私達。」
「付き合う……?」
身体を重ねた関係というのはある意味大義名分になりやすい。シィナからのリードではあるが、彼等は紛れもなく、身体を重ね、交わってしまった。互いに身体も、心も許している状態。そうとなれば、交際に至るのは容易な話だ。
「付き合ってしまえばもう、レイの事に気を遣うことも減ると思う。もっと互いに知っていって、理解し合いたい。私、凄く幸せ。レイの魅力を感じる事が出来るのなら、とても。」
「……ごめん、分からないよ……」
シィナがレイの後ろ姿を見る中で、レイは暗い窓を見ながら呟いた。
「分からないって、どういう事?」
「シィナさんの事、よく分からないのに付き合えるのかなって……。」
行為を終えた後とはいえ、レイは混乱している状態だった。つまり、これは、彼女からの一方的なアプローチと言えたのである。
「肉体を交えた仲なのに、付き合えないんだ」
シィナの指がレイに触れるのを止めた。
「整理が出来てないだけだよ……色々と……」
確かにシィナとは交わった。それは事実。しかし彼は妙な感覚に陥っている。彼女との交際に至るのかと言えば、それは別問題なのだ。
「……じゃあ、私達はこれからセックスフレンドとして付き合おうよ。」
「え……!?」
突然の彼女の提案に、レイは驚愕する。何故そのような発想になるのか、理解が出来ない。
「レイが私との付き合いを躊躇うのなら、肉体を交える関係から入っても良いと思う。そこから互いを知っていけるのなら、私はそれでも歓迎だよ。」
「けど、そんなのって……?」
レイは真面目な人間だ。故にそうした人間関係を知らないでいた。
まさか、四日前に知り合った美少女と性交渉を目的とした友人関係になっていくなど誰が予想出来ようか。確かに今日の出来事はレイにとって衝撃と呼べるものではあるが、更にその先の関係まで続いて行くとは思いもしなかったのである。
「人間の本能は時に解放しなきゃいけないと思うんだ。抑え込んでしまうから、その感情が暴走してしまう。だから1人でそれを抱え込んだらやがては病気になったり、合意なしのセックスをしたり、何の判断も出来ない未成年に手を出してしまって犯罪者になってしまうんだ。」
それは、彼女なりの哲学なのだろうか。
「だから人が生きて行くにはパートナーが必要なんだよ。だけど、レイがまだ困惑しているのなら、レイの中で整理出来るまで、私はキミとの関係を続けたいと思うから。フフ……」
シィナ・ソンブル。ミステリアスな雰囲気を醸している美少女。彼女は性に奔放な少女でもあった。レイが今まで生きていて見た事のない人間。彼は更に、翻弄されて行くのかも知れない。
少しばかり過激な内容になってしまったかも知れないです。一応R15ですが……てかR18との線引きが分かってない……