「死ねえええええええっ!!」
ドグオッ!!
「「ぐぼほおおおおおおおおおおおおっ!!」」
開始早々物騒なタダクニの妹こと愛衣の台詞と、愛衣によって蹴り飛ばされたヒデノリとヨシタケの断末魔の叫び(死んではいない)で始まった今回のお話。
何故この様な事になったか超簡単に説明すると。
昨日何故西高に行ったかタダクニを問質す2人→タダクニ黙秘する→教えろよと攻め寄る2人→抵抗するタダクニ→その際何故か気絶したタダクニ→如何するか悩む2人→以前の女装が面白かったので愛衣の衣服拝借→タダクニお着替え→完成→愛衣帰宅→見つかる→今ここ・・・である。
「「すんませんでしたああああああああああああああっ!!」」
慌ててタダクニの家から退散するヒデノリとヨシタケ。
「まったく!あのバカ共ときたら!!それに・・・」
怒りと呆れが入り混じった感情のまま、女装姿で気絶している実の兄を見下ろす愛衣。
「前もそんな事されたのに、今でもあんなバカ共と縁を切らないアンタの気がしれないわ・・・それともあいつ等以外の友達いないの?」
笑って許せるほど懐が広いのか、それとも彼等以外友達がいないのか・・・愛衣はタダクニの心境や交友関係に疑問を持つ。
「・・・しかし・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「何で男のくせに女物の服が似合うのよアンタは?」
眠る様に気絶している女装したタダクニの姿をまじまじと見つめる愛衣。
以前はまだ途中の段階で乱入し、2人に乗せられて自ら愛衣の下着を身に付けようとするタダクニを見て、怒りに任せて先程の様に蹴り飛ばした。
だが今回状況から見て気絶しているところをあの2人が無理やり着せたと分かり、それと昨日の謝罪があってか、
タダクニに対して怒りは湧いてこなかった。
(他の男の子の体なんて見た事ないから分からないけど、毛が薄いわね・・・それに肌も白いし理想的(女性的に)な肉付きと細さ、
私の服も無理に着ている感じじゃないし・・・コイツ本当に男か!?)
だが別の意味で怒りが込み上げてくる愛衣であった。
(それに・・・)
「うぅ・・・ん・・・」
(何でそんなに色っぽい顔しているのよ!?)
女物の服を着ているからか?もしくは素が良いからか?あるいはそのどちらも兼ね備えているか・・・見慣れたタダクニの顔が女の子の顔に見えてしまう。
(男のくせに・・・あのバカ共の言うとおり、男性ホルモン仕事しないで女性ホルモンが重労働してんじゃないわよね!?)
「ん・・・すぅ・・・・・」
「・・・髪留めとか付けたらもっとよくなりそう・・・スカートもミニにして・・・後お化粧とかも・・・って!
私まで何言ってんだ!?これじゃあ私まであのバカ共と同じみたいじゃないか!!」
見つめている内にタダクニに似合う服装を、脳内でコーディネートする愛衣。
それではまるで先程蹴とばしたヒデノリとヨシタケと同じではないかと思わず叫んでしまう。
「うぅ・・・何だ?愛衣?」
「はっ!?」
声に反応してか、突如目を覚ますタダクニに慌てる愛衣。
別に彼女に非は無いので慌てる必要はないのだが、先程まで女装したタダクニを脳内でコーディネートしていた故に、
変な後ろめたさや罪悪感的な何か、そしてそれがヒデノリとヨシタケと同じであると察してしまった自分に自己嫌悪で少々焦ってしまった。
「どうしt・・・って何だこれ?」
目が覚めたばかりのタダクニは、自分がまた女装させられていた事に気付き驚いた。
「アンタまたあのバカ2人に私の服着せられたのよ」
「はっ!そう言えばヒデノリとヨシタケは?」
「私が蹴飛ばして慌てて帰って行った」
「まったくもう・・・あっ・・・」
「何よ?」
「・・・ゴメンな愛衣・・・昨日謝ったのに、次の日にこれじゃあ・・・」
「・・・別に怒ってないわよ」
愛衣の意外な言葉に驚くタダクニ。
「えっ?でも・・・」
「兄貴気絶してたんだもの・・・しょうがないわよ」
「いや・・・でもだな・・・」
「もし私が怒りを覚えるとしたら・・・」
ムニ・・・
「へっ!?」
突如愛衣がタダクニの腰まわりを直に触り出す。
「兄貴のこの体よ!!」
「おおおおい!愛衣!?何処触ってんだ!?」
「うわっ!?何よこの肌すべすべじゃないの!?一体如何やったらこんな体になるのよ教えなさいよ!」
「あっ・・・やめひゃはは!くすぐったいからやめ・・はははっ!!」
「止めてほしかったら、何をしてるか教えなさい!もしくは今日の晩御飯私の好きなおかずにしなさいよ!」
「分かった!分かった!はははっ!お前の好きなハンバーグ作ってやるからやめ・・・だはははっ!」
「・・・よろしい・・・素直に聞いてくれたご褒美に・・・もっとくすぐってやろう!」
「ってそれご褒美でも何でもない!只の拷問!!」
「彼女も居ないどころか、女の子と接する事が出来ない男子校に通う可哀想な兄貴に、美少女の私が触ってあげてるんだから十分ご褒美でしょ?」
「自分で美少女言うな!」
「あ~~~そんな事言うんだ・・・もっとくすぐってやる!」
「はははははははっ!ごめん!ごめん!謝るから赦して!」
「だ~~~めっ!!」
「だはははははははははははははははははっ!!」
普段の2人・・・いや、昨日以前の2人からしたら仲睦ましき過ぎる光景であるが、これが本来の2人の・・・この姉妹の姿なのかもしれない。
「姉妹って何だ!?俺は男だ!!」
すみません・・・しかし今の君の姿を見たらそうとしか見えません。
「ちっくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!だははははははははははははははははっ!!」
「何訳分からない独り言を言ってんのよ?笑い過ぎて脳が逝っちゃった?」
「そう思うんならやめろよ!」
「いや!面白いからもう少しやる!」
「ちょっまっ・・・・あははははははははははははははっ!!本当に勘弁・・・ひゃはははははははははっ!!」
本当・・・仲良くなったね・・・。
この2人・・・一気に飛躍しすぎじゃね?