「で?何か言い訳はあるかな?」
「目覚ましが鳴らなくて寝坊しました・・・」
真田西高の女子とぶつかった後、全力で学校に向かったタダクニであったが・・・結果遅刻しました。
ガラッ・・・
「はよーーーすっ」
「遅刻しておいて堂々と入ってくるな!!」
「えっ!?あれ?俺遅刻したの?」
「「「「「「「「「「遅刻してんだよ!!」」」」」」」」」」
何故かタダクニより先に学校に向かった筈のミツオが、遅刻している事に気付かずに教室に入って来て全員から総ツッコミを受ける。
その後タダクニと一緒に担任の雷を受け、一時間目は担任の授業だったので、そのまま授業が開始された。
しかし・・・タダクニは今朝ぶつかった女子の事が気になり、上の空だった。
(あの子間にあったかな・・・あそこだったら西高だと、ここより近いから多分間に合うと思うけど・・・)
「じゃあここを・・・」
(何て名前なんだろうな・・・生徒手帳を見ればわかるけど、さすがにそれは人として如何かと・・・)
「それじゃあ今日遅刻した・・・」
(西高行ったら渡してくれるだろうけど・・・出来たらまた会いたいな・・・)
「・た・・く・・・ただ・・・!」
(それにしても可愛かった・・・特に笑顔が!あれは心配ないと見せる為の笑顔だった!心からの笑顔ってどんだけ可愛いだろう?)
思春期で彼女がいない男子高校生にありがちな妄想に浸り切り、タダクニは自然とニヤケテしまう・・・担任とクラスメイトが見ているとも気付かずに。
「ほう・・・私の授業も聞かずにやらしい妄想とは言い御身分じゃないかタダクニ」
「へっ?・・・えっ!?」
「どんな妄想してたんだよタダクニ!!」
「後で聞かせてくれよタダクニ!出来が良かったら今晩のおかずにしてやるよ!」
「なっ!?えっ!?ちっ・・・違う!!俺はそんな「さっさと教科書読め!!」はっはい!!」
クラスメイトにからかわれて、担任に急かされて、羞恥と焦りで教科書を逆さまにもって読もうとするタダクニ。
「逆さまで読めるほど器用なのかお前?」
「あっ!すみません!!」
「「「「「「「「「あははははははははははははははははははっ!!」」」」」」」」」」
何ともまあ・・・ベタな失態をするタダクニ。
「あっ・・・あの・・・」
「何だ?」
「何処を読めばいいんでしょうか?」
「「「「「「「「「「だははははははははははははははははははっ!!」」」」」」」」」」
「良いぞタダクニ!!」
「今日のお前輝いてる!嫌な意味で輝いてるよ!」
つまらない授業の中で、誰かの失敗程面白おかしい物は無い、それを盛り上げようとクラスメイト数人が煽り立てる。
「うるせええええええええええええええええええええええっ!!好きでこんな事してんじゃねえんだ!!」
「喧しい!!タダクニ、昨日のやったところだ!!さっさと読め!!」
「はっはい!・・・あの・・・昨日何処までやりましたっけ?」
「「「「「「「「「「ぶひゃはははははははははははははははははははっ!!」」」」」」」」」」
しかも一回落ちたら中々抜け出せない負のスパイラル・・・担任も呆れて。
「お前は・・・もういい、じゃあもう1人の遅刻者、ミツオ!お前読め!」
「はっ・・・はい・・・」
もう1人の遅刻者であるミツオに振る・・・しかし。
「・・・・・・すみません・・・教科書を忘れました」
「お前もかい!!」
「「「「「「「「「「わはははははははははははははははははははっ!!」」」」」」」」」」
「流石ミツオ君!!空気読んでる!!」
「こんなの誰にでもできる事じゃねえよ!!」
これがミツオクオリティ。
何時も素で皆を笑わせて、既に起きている笑いを更に拡張させる。
しかし、クラスメイト達が笑っている中で、1人タダクニだけが、また今朝の女子の事を思い、再び上の空になっているのだった。
(早く放課後にならないかな・・・あ~~~~もう一度会いたい・・・)
深夜0時に3話を投稿します。