タダクニの日常   作:龍気

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この作品のヒロインが判明します。


第4話『タダクニと他校』

「さて・・・西高に着いたのは良いが・・・如何しようか」

 

 

障害(ヒデノリとヨシタケ)を乗り越え(実は乗り越えてない)タダクニは西高へとやって来た。

 

しかし部活や学校間での用事以外で他校に入ると言うのは、何かと勇気がいるのだった。

 

幸いにも西高は共学校なのでまだ入りやすい、これが逆の東女子高なら男のタダクニが入ろうとしただけで警備員のお縄に着くだろう。

 

 

「それに・・・この場合職員室か?それとも受付に持って行けば良いのか?」

 

 

校門前で生徒手帳をどこへ持って行くか考えていると、帰ろうとしている西高の生徒達が自分を見ているのに気付いた。

 

 

「ねえ・・・あの男子、北高の生徒じゃない?」

 

「何しに来たのかな?」

 

「おいおい今時他校に殴り込みか?」

 

「やっぱ男だけだと求める刺激がそっちに行くのかねえ?」

 

 

西高の生徒達の自分を見る目と声は、普段存在感に欠けるタダクニにとってキツイものだった。

 

 

(くっ・・・このままでも十分目立ってしまう!できたらあの子と会いたいけど、この空気は辛い・・・もう一気に受付まで行って渡すか)

 

 

意を決して校門をくぐり、受付まで向かうタダクニ。

 

その際も西高の生徒達の視線が突き刺さり、恥ずかしいやら何やら・・・まるで見せ物の様に視線を集めたタダクニは、

しばし生き地獄みたいなものを味わい、受付室に辿り着いた。

 

 

「あの・・・すみません」

 

「ん?何だね君は?ここの生徒じゃないね?」

 

「あっ、俺北高の生徒で・・・その、ここの生徒の生徒手帳を拾ったから届けに・・・」

 

「ふむ・・・確かにうちの生徒手帳だ、いやありがとう。じゃあ面倒だけどここに名前と連絡先書いてくれるかな?」

 

「はい」

 

 

受付の人に生徒手帳を渡し、受付票に名前を書いて帰ろうとした・・・その時。

 

 

「あれ?アナタ今朝の・・・」

 

「えっ?」

 

 

背後から声を掛けられ、振り向くと今朝ぶつかった女子が立っていた。

 

 

「あぁ・・・君は・・・」

 

「如何してここに?何か用ですか?」

 

「いや・・・その・・・」

 

 

まさか会いたいと思っていた人と、本当に再会してしまったタダクニは、しどろもどろしてしまいなかなか言い出せなかった。

 

 

「あぁ・・・羽原さん、丁度良かった」

 

(羽原さん?彼女の名前か・・・あれ?羽原って何処かで聞いた様な・・・)

 

 

会いたかった女子、羽原の名をどこかで聞いた事があるタダクニは、しばし記憶の掘り出し作業に入った。

 

 

「彼ね君の生徒手帳を拾ってワザワザ届けに来てくれたんだよ」

 

「えっ?・・・あっ本当だ生徒手帳が無い!」

 

「いや~~~呼び出す手間が省けた・・・はい、もう落とさないでね」

 

「すいません・・・あっその、ありがとうございます」

 

 

受付の人から生徒手帳を渡された女子、羽原はタダクニに礼を言う。

 

 

「えっ?いや・・・そもそも俺がぶつかったから落とした様なものだし・・・」

 

「いえ・・・それなら前をちゃんと見てなかった私も同じですよ。えっと・・・」

 

「あっ、俺タダクニって言います。高木忠邦、北高の2年です」

 

「タダクニ君か、私は羽原優衣・・・同じ2年生だよ」

 

(羽原優衣さんか・・・良い名前だな・・・でも、やっぱりどこかで聞いた事があるような気がする・・・)

 

 

念願の再会と彼女の名前を聞けたタダクニは今や今年一番、幸せの絶頂であった・・・。

 

しかし、時を同じく・・・西高校門付近では・・・。

 

 

「おい・・・タダクニの奴・・・校内に入って出てこないぞ」

 

「アイツ西高に何しに来たんだ?」

 

 

タダクニを尾行していたヒデノリとヨシタケが待ち伏せていた・・・と言うより、他校に入る勇気が無く立ち往生していた。

 

 

「最初は殴り込みかと思ったけど・・・タダクニってあれで結構喧嘩強いんだよな」

 

「そうなの!?」

 

「お前とは中学からだけど、俺とタダクニは小学校からの付き合いでさ、アイツその時からツッコミポジションで、

当時騒ぎを止めるのは主にタダクニの役目だったんだ、当然今みたいにおふざけで止まる訳もなく、

最終的に何時も喧嘩・・・時には1対数人って事もあったけど全勝だったな」

 

「マジで!?」

 

(あぁ・・・でもさすがにアイツには負けたんだよな・・・その後リベンジして引き分けたけど、

タダクニ自身、試合は引き分けで、俺自身の勝負は負けだって言ってたっけ)

 

 

初めて知ったタダクニの小学生時代の戦歴に驚愕するヒデノリとそれを懐かしむヨシタケ。

 

 

「普段のタダクニからはそんな過去があるとは想像できん」

 

「いや・・・そん時からタダクニはあんな感じだったな・・・喧嘩も相手から吹っかけて来るか、

いじめられてる奴を助ける為だしな(まあその為ラバーシューターが誕生したんだよな・・・その所為であの決戦に駆り出されたっけ・・・)」

 

「そういや・・・アイツって何気に運動神経、学年内でも良いよな?」

 

「ん?あぁ・・・小学生の時もそうだったな。妹も強いし・・・アイツの血筋どうなってんだ?」

 

 

あの妹にしてこの兄有り・・・タダクニの血筋に若干の恐怖を感じ、2人は背中に冷たい物を感じた。

 

 

「しかし・・・出てこないなタダクニの奴」

 

「もう待てねえ・・・俺達も突入するか?」

 

「あぁ・・・今なら帰ろうとする生徒も少なくなったしチャンスだ!」

 

「乗り込めーーー!!」

 

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」

 

 

しびれを切らして西高へと突入するヒデノリとヨシタケ。

 

もう少しで校門をくぐる・・・という時に、ヒデノリにとって思いもよらない門番が立っていた。

 

 

「おおおおおおおおおおぉぉぉぉぉっ・・・ぃぃぃいいいいやあああああああああああああああああああああああああ!!」

 

「えっ!?ちょっ!?ヒデノリ急に如何した?」

 

 

1人の・・・たった1人の女子の姿を見た途端ヒデノリは表情を歪め、急にUターンして全速力でその場を離脱した。

 

 

「おい!ヒデノリ待てよ!!俺を他校に1人にするな!!」

 

 

1人校門をくぐってしまったヨシタケは、自分だけに集中する視線に耐えきれず、急に逃げ出したヒデノリを追いかけて西高を出た。

 

 

「・・・・・・・・・ん?」

 

 

その様子を少し遅れて気付いた・・・黒いロングヘアーの文学少女が頭に?を浮かべ見ていたと言う・・・。

 




と言うことでヒロインはアークデーモンこと羽原さんでした。
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