ヨシタケ姉に「めーちゃん」と呼ばれていたのでそれにちなんでます。
「ただいま・・・」
羽原と別れた後、上がり切っていたテンションは家に着く前に何とかクールダウンし、何時も通りの感じで家に入った。
(妹は帰って来てるようだな・・・父さんと母さんは今日も遅くなるって言ってたな)
両親は共働きで、タダクニが中学に上がった位に仕事が忙しくなり、家を空ける事が多くなった。
ヒデノリやヨシタケ、他の友達がよくタダクニの家に集まるのもそこにあった。
(今日は何作ろうかな・・・)
母親がいない時の食事は主にタダクニが作っていた。
1つ下とは言え、まだ当時小学生だった妹の世話をする中で、兄としてタダクニが食事を作ると言い始めた。
初めは家庭科の授業で習った料理を、次に母親に作り方を教えてもらい、基礎が出来上がった頃には自分で味付けする様になり、
次第にタダクニは料理が得意となっていき、今では家族で一番料理が上手くなった。
「その前にちょっと休むか・・・」
ハイテンションで帰った反動か、疲れが出てきたタダクニは自分の部屋に行った。
「ふう・・・羽原さんか・・・」
部屋に着いてすぐ横になったタダクニは、今日一目惚れした女子、羽原の事を思い出していた。
(大人しくて優しい雰囲気の・・・胸はちょっと小さいかもしれないけど、またそこが良い)
好きな女子のスタイルを気にする辺り、タダクニも健全な男子である。
(でも何よりも・・・あの笑顔が凄く魅力的で可愛かったな・・・)
羽原の笑顔を思い浮かべるだけで心臓が高鳴る、しかし身も心も癒される感じがした。
『タダクニ君は妹さんと仲良くしたい?』
「・・・妹・・・愛衣と仲良くか・・・」
羽原に言われた事を思い出し、タダクニは妹の・・・高木愛衣の事を考え出した。
(愛衣と仲が悪くなったのは、アイツが中学になって少ししてからだったな・・・)
『あのさ・・・あまり構わないでくれる?』
(あの一言から距離が離れ始めたんだよな・・・昔はよく一緒に遊んだのにな・・・)
『お兄ちゃん!おままごとしよ!』
『海!お兄ちゃん海だよ!』
『お兄ちゃん、お花の冠あげる、愛衣と一緒』
(まあ・・・親離れならぬ兄離れか・・・それだけ愛衣も成長したって事だよな・・・あの時の言葉、
少し寂しさもあったけど・・・同時に少し嬉しかったんだよな・・・愛衣が成長したって事が嬉しくて・・・)
だが何時からか、自分は妹に嫌われるような事ばかりしてしまい、1月に1回会話をするかしないか、
妹からは特に何も無い・・・そんな兄妹関係となっていた。
(卒業したら家を出て1人暮らしをする・・・そうしたかった、愛衣にも迷惑をかける事も無くなる。
それが良いと思って俺からも特に何もしなかった・・・でも、それと謝らないのは違うよな)
『じゃあ先ずは謝ろうよ』
「・・・そうだね・・・羽原さん、気付かせてくれてありがとう」
タダクニは立ち上がって愛衣の部屋に向かった。