戦姫絶唱シンフォギア コドクの神が求めるモノ   作:@sora@

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祝!投稿100話達成!


第100話

クリス達と対峙したウェル博士は、ギアを纏う調と切歌を目にしてニヤニヤと笑みを浮かべる。

 

「へへーん、大方旧世代のLiNKERを改良して、試行錯誤のギア運用というわけね?」

 

「くっ…!」

 

「「うぇ~…」」

 

自分の攻撃を無力化されたクリスは悔し気にウェル博士を睨み、調と切歌はまるで嫌なものを見たと言った風に顔を顰める。

 

「優しさでできたLiNKERは、僕が作ったものだけぇ。そんな実験動物紛いのことされながら戦わされてるなんてぇ…不憫すぎて笑いが止まらぁ~ん!!」

 

「不憫の一等賞が何を言うデス!」

 

「先生達が頑張って改良したLiNKERをバカにしないで!!」

 

自分達のことを考えて、S.O.N.G.が総力を挙げて改良したLiNKERを貶す様なセリフを口にするウェル博士に、調と切歌の二人は怒りを感じていた。

 

「フフ~ン、先生『達』ねぇ…その中には当然、僕の事も含まれているんですよねぇ?」

 

「そんな訳ないデス!!」

 

「幾らあなたのLiNKERを参考にしていても、その理屈はおかしい!!」

 

「クククク…」

 

反論する二人のことを、堪えられないといった風に不気味な笑みを浮かべながらウェル博士が眺めていた。

 

「あたしの一発を止めてくれたな?」

 

そんなウェル博士に、クリスが苛立ちを籠めた視線を向ける。

 

(後輩の前でかかされた恥は、百万倍にして返してくれる!)

 

そんな怒りと焦燥感から、今にもウェル博士に襲い掛かろうとするクリス。

 

「待つデスよ!」

 

「ドクターを傷つけるのは…」

 

「何言ってやがる!!?」

 

だが、クリスの様子を見ていた調と切歌が制止の言葉を掛けてきたため、クリスは思わず二人に怒鳴ってしまった。

 

「だってドクターには、LiNKERの…」

 

現在、マリア達の使っているLiNKERは三人の体に配慮されたものではあるが、どうしてもウェル博士が作り出したLiNKERに比べれば劣ってしまう。実際にLiNKERを使用して戦う切歌達は、その違いが誰よりも分かるが故に、ウェル博士を攻撃するという選択肢に躊躇いがあった。

 

「そうとも!僕に何かあったら、LiNKERは永遠に失われてしまうぞぉ!!」

 

「ぽっと出が、話を勝手に進めるな」

 

ウェル博士が騒いでいる内に拒絶反応が落ち着いたキャロルが、周囲に水晶をばら撒いてアルカノイズを召喚した。

 

「二人が戦えなくとも、あたしはぁ!!」

 

クリスがガトリング砲を展開して迫り来るアルカノイズを蜂の巣にしながら、キャロルやウェル博士にも躊躇なく弾丸を放つ。

 

「ひぃぃぃぃ!!?」

 

先程の余裕綽々といった態度が消し飛び、ウェル博士が情けない声を出しながら見た目は少女にしか見えないキャロルの背後に素早く隠れた。キャロルは自身を守るために防壁を展開し、クリスの弾丸を防ぐ。

 

「その男の識別不能。マスター、指示をお願いします」

 

キャロルの背後で震えるウェル博士を見つめながら、レイアが淡々と主の指示を仰いだ。

 

「敵でも味方でもない、英雄だ!!」

 

キャロルに守られて調子を取り戻したウェル博士が、レイアの言葉に強気に言い返した。

 

「だったら英雄様に、さっきよりでかいの纏めてくれてやる!!」

 

そう言って、クリスが歌を奏でてフォニックゲインを高めながら、背部に巨大なミサイルを展開して構えた。それを見たキャロルとレイア、そして味方である切歌と調までもが顔を強張らせる。

 

「このおっちょこちょい!!」

 

「っ!!?」

 

クリス以外の全員が硬直する中で、ウェル博士が瞬時にクリスを怒鳴りつけた。

 

「何のつもりか知らないが、そんなの使えば、施設も!僕も!海の藻屑だぞぉ!!…な~んてね?」

 

そう、室内ということで忘れてしまいそうになるが、この施設があるのは海底なのだ。もし一部でも壁面が損壊すれば、水圧で施設全体が崩壊しかねない。

 

そう主張することで、ウェル博士はクリス達の大規模な攻撃を抑制しつつキャロルにおどけた態度を見せた。そんなウェル博士を無視して、キャロルはレイアへと指示を出す。

 

「レイア、この埒を明けて見せろ」

 

「即時、遂行」

 

レイアが素早い動きでアルカノイズに紛れながら移動するのを見て、クリスがミサイルを格納してガトリング砲でレイアを追いかける。弾丸はアルカノイズを次々と赤い粒子に変えていくが、肝心のレイアを捉えることが出来ない。

 

(後輩なんかに任せてられるか!ここは先輩のあたしがぁぁぁ!!)

 

「ばら撒きでは捉えられない!」

 

「落ち着くデスよ!」

 

逸る気持ちで弾丸を撒き散らすクリスを切歌達が諫めるが、クリスの耳には届かない。赤い粒子と土煙に紛れて動くレイアを射線上に捉えようとクリスがガトリング砲を我武者羅に動かして…その砲門が、調のいる方へと向けられる。

 

ガキン!!

 

危うく弾丸が調に放たれる寸前に、切歌が鎌でガトリング砲を跳ね上げてクリスの砲撃を止める。

 

「諸共に、巻き込むつもりデスか?」

 

「ッ!?」

 

危うく大切な調が巻き込まれる寸前だったためか、静かだが怒気が含まれた切歌の言葉に、クリスが何も言えなくなる。憤りからクリスは歯を食いしばり、切歌から目を逸らすように周囲を見回した。

 

「あいつらは!?どこに消えた!!?」

 

「きっと、ここから…」

 

調の視線の先には、床に大きな穴が空いていた。三人の意識が逸れた隙に、キャロル達はそこを通って逃走したのだろう。

 

「逃がしちまったのか…」

 

「ごめんなさい…ドクターに何かあると、LiNKERの情報が無くなると思って……」

 

「でも、もう惑わされないデス!アタシ達三人が力を合わせれば、今度こそ…」

 

ドン!!

 

意気込みを伝えて近づく切歌を、クリスはその手で突き放した。

 

「後輩の力なんて当てにしない!お手手繋いで仲良しごっこじゃねえんだ。あたし一人でやってみせる!」

 

クリスの言動に二人が悲しそうな顔をするが、クリスは一人で進み始めてしまった。

 

(一人でやり遂げなければ、先輩として後輩に示しがつかねえんだよ!)

 

 

 

 

 

クリス達の戦闘をモニターしていたS.O.N.G.本部でも、キャロル達の行方を探ろうとしていた。

 

「侵入者、ロスト。大きな動きが無い限り、ここからでは捕捉できません」

 

「ドクターウェル…隔離情報を公開されていれば、こんな事には…」

 

「ネフィリムの力も健在…厄介だな」

 

「追跡の再開、急げ!!」

 

忙しなく手を動かすオペレーター達の傍で、エルフナインはモニターに映る真っ二つのヤントラ・サルヴァスパの画像を見ていた。

 

「最後のパーツ、ヤントラ・サルヴァスパが失われたことで、チフォージュ・シャトーの完成を阻止できました。なのに、キャロルはまだ…」

 

 

 

 

 

チフォージュ・シャトー、その玉座の間では同じ顔をした少女が二人、言い争いをしていた。

 

「説明してください!ボクが建造に携わったチフォージュ・シャトーは、ボク達のパパの遺志を継ぐためだったはず!世界をバラバラにするなんて聞いてません!!」

 

「いかにも。チフォージュ・シャトーは錬金技術の粋を集めたワールド・デストラクターにして、巨大なフラスコだ」

 

責め立てる様に話すのは、エルフナイン。そんなエルフナインの言葉を受け止め、全く動じることなく冷たい笑みを浮かべて答えるのはキャロルだ。

 

「ボクを騙すつもりで…」

 

「さて、そうと知ってどうする?力のないお前が、オレを止めてみせるのか?」

 

余裕の笑みを浮かべてそう問いかけるキャロル。そんなキャロルに、エルフナインは手を握りしめながら、真っ直ぐにキャロルの目を見て答える。

 

「それでも…それでも、ボクが想い出の向こうのパパを大好きなように、あなたも、パパのことが大好きなはずです」

 

「お前、何を…?」

 

「パパは世界をバラバラにすることなんて望んでいなかった!!望んでないことをボクはあなたにさせたくない!!」

 

バン!!

 

エルフナインの言葉に、キャロルが玉座を叩いて忌々し気にエルフナインを睨む。

 

「想い出を複写されただけの廃棄躯体風情が!!出来損ないの娘が語ることではないと覚えよ!!」

 

キャロルの怒気に、エルフナインはビクリと震えあがった。

 

「…お前をシャトーの建造の任より解く。後はどうとでも好きにするがいい」

 

キャロルの言葉に、エルフナインは顔を伏せた後、キャロルに背を向けて離れていった。その背中を、キャロルはただじっと見つめて…

 

 

『お前、止めて欲しかったんだろう?同じ父親の記憶を持つ、もう一人の自分(エルフナイン)に』

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!!?」

 

閉じていた瞳を見開いて、キャロルが周囲を確認する。キャロルの目の前には、キャロルを抱えてその顔を覗き込むレイアの顔があった。

 

「オレは…堕ちていたのか…」

 

「またしても拒絶反応です。撤退の途中で意識を…」

 

未だ残る頭痛に耐えながら、キャロルは自らの足で立ち上がる。そんなキャロルの脳裏に、痛みと共に言葉が浮かんでくる。

 

『自分の行いが間違っているという痛みから逃れるために、自分の善性を、自分を止めようとする想いをエルフナイン(もう一人の自分)という存在として切り離した。何の迷いもなく、自分の間違った激情のままに行動するため…そして、そんな自分を他でもない、自分自身(エルフナイン)に止めてもらうために…』

 

「ッ!!」

 

痛みと苛立ちから、キャロルは歯を食いしばって頭を押さえる。その様子を、レイアが心配そうに見ていた。

 

「高レベルフォニックゲイナーが複数揃う僥倖に、逸るのは理解できますが…」

 

「杞憂だ」

 

キャロルはレイアにそう言い切って、視線を背後に佇むウェル博士へと向けた。

 

「知っているぞ、ドクターウェル。フロンティア事変関係者の一人…」

 

「僕も知っていますよぉ、キャロル・マールス・ディーンハイム!世界をバラバラにしようと企てる、世界屈指の錬金術師なんですってねぇ!そんなちんちくりんな体に似合わず、大それたことを考えるものだ!」

 

「ッ!!?」

 

まさかのウェル博士の発言に、キャロルが驚きと警戒心を露わにした。

 

「…何故オレのことを知っている?」

 

「それは僕が英雄だからですよぉ!!我が身可愛さの連中が、フロンティア事変も、僕の活躍も!寄って集って無かったことにしてくれて!人ではなく物…回収されたネフィリムの一部として、こんなところに放り込まれて尚!再び返り咲くために情報収集を続けていますからねえ!!真の英雄は、この程度の逆境に屈することなど無いのです!!」

 

絶妙に答えになっていない返答をしながら、ウェル博士は大袈裟な動きをしてポーズを取る。キャロルはそんなウェル博士を胡乱な目で見ながら、その視線をウェル博士の左腕に向けた。

 

「その左腕が…」

 

「イチイバルの砲撃も、腕の力で受け止めたんじゃない。接触の一瞬にネフィリムが喰らって同化!体の一部として推進力を制御したまでの事!」

 

それを聞いたキャロルは、諸々の疑問を頭の片隅に追いやりウェル博士を『使える』と判断した。

 

「面白い男だ。よし、ついて来い」

 

「ここから僕を連れ出すつもりかぁい?だったら騒乱の只中に案内してくれ」

 

「騒乱の只中?」

 

「英雄の立つところだぁ…ん?」

 

キャロルが差し出してきた左手を、一瞬怪訝に思ったウェル博士だが、すぐにキャロルの意図を察して白衣で拭った左手を差し出した。

 

「ネフィリムの左腕…その力の詳細は、追っ手を撒きつつ聞かせてもらおう」

 

協力関係を結ぶ握手をしながら、キャロルが不敵な笑みを浮かべた。

 

「脱出を急がなくてもいいのかい?」

 

「奴らの動きは把握済み。時間稼ぎなぞ…チッ!」

 

だが、言葉の途中でキャロルの笑みが消え去り、忌々し気に舌打ちをする。

 

(あの廃棄躯体め…今頃になって目耳を塞いだか)

 

先程まで届いていたS.O.N.G.の情報が途絶えてしまったために、キャロルにはクリス達の動きが分からなくなってしまった。

 

「どうやら想定外があったみたいだねぇ、レディ?仕方がない、迷える子羊を導くのも英雄の役目!当てが無いならついて来るがいい!」

 

黙り込むキャロルに、ウェル博士が自信満々といった風にそう言って先導し始めた。困惑するキャロルだが、最悪の場合は少々計画を早めてジェムでシャトーに転移すれば良いと考えて、ウェル博士の後に続く。レイアもまた、主の意向に従いその背中を追った。

 

 

 

 

 

『力を使うなと言ってるんじゃない!その使い方を考えろと言っているんだ!』

 

「新しくなったシンフォギアは、キャロルの錬金術に対抗する力だ!使いどころは今を置いて他にねぇ!眠てぇぞおっさん!」

 

『ここが深海の施設だと忘れるなと言っている!』

 

「正論で超常と渡り合えるか!!」

 

キャロル達に逃げられたクリス達は、最寄りにある設備を使って本部と通信を繋げていたのだが、そこで弦十郎とクリスがモニター越しに口論を繰り広げていた。弦十郎の正論に対して、クリスは感情に任せて苛立ちをそのまま言葉にしているようだった。その光景を調と切歌は心配そうに眺めていると、別のモニターに施設のマップデータが表示された。

 

『念の為、各ブロックの隔壁やパージスイッチの確認をお願い』

 

「こ、こんなに一遍に覚えられないデスよ!?」

 

モニターに表示される膨大な情報を前に、切歌が思わず弱音を吐いてしまった。

 

「じゃあ切ちゃん、覚えるのは二人で半分こにしよう」

 

調がそう言って切歌と一緒にモニターを覗き込む。切歌が安堵の笑みを浮かべ、二人がマップデータの情報を頭に入れていると、通信機から藤尭の声が聞こえてきた。

 

『セキュリティシステムに侵入者の痕跡を発見!』

 

「そういう知らせを待っていた!」

 

藤尭の言葉に、クリスは感情のぶつけどころが見つかったとばかりに気合を入れて叫んだ。

 

 

 

 

 

風鳴邸で見事ファラを打倒した翼達は、緒川に呼び集められて一か所に集まっていた。そこには…

 

「これは…先程の!」

 

「ええ、翼さんが退けた、オートスコアラーの残骸です」

 

腹部と両腕が切断された、ボロボロのオートスコアラー。興味深そうに近づく奏を、ナナシが庇うように腕を広げて制した。

 

「この状態で、まだ動くのか!?」

 

奏が驚いたようにそう言うと、ファラの眼球がギョロリと動き、翼へ視線を向けて喋り出した。

 

「いつか、しょぼいだなんて言って…ごめんなさい。剣ちゃんの歌、本当に素晴らしかったわ」

 

「私の、歌…」

 

「何だキス魔人形!ようやく理解したのか!!うんうん、そうだろ!あの時の翼の歌がしょぼいと感じるなんて、そんなことあるはずがないものな!!」

 

「茶化すな、ナナシ」

 

マリアにツッコミを入れられながらウンウンとナナシが頷いていると、突如ファラが狂ったように笑い出した。

 

「アハハハハハハ!まるで体がバッサリ二つになるくらい、素晴らしく呪われた旋律だったわ!」

 

「なっ!!?その程度の感情表現、俺にだって!!」

 

「妙な対抗意識を燃やすんじゃない!!?おいバカやめろ刀を仕舞え!!!」

 

腹を掻っ捌こうとするナナシを奏が必死に止めるのを横目に、翼がファラの言葉の意味を考える。

 

「『呪われた旋律』…確か以前に、キャロルも言っていた…」

 

「答えてもらうわ!!」

 

遂にマリアが、キャロルの計画の核心に迫る問いをファラに投げ掛けた。

 

 

 

 

 

『何処まで行けばいいデスか!?』

 

『いい加減、追いついてもいいのに…』

 

『この道で間違いないんだろうな!?』

 

「ああ。だが向こうも、巧みに追跡を躱して進行している」

 

キャロル達を追跡するクリス達だが、指示通りに進んでいても一向に追いつくことが出来ない。モニターで施設の情報を監視している弦十郎達も、この状況に困惑していた。

 

「まるでこちらの位置や選択ルートを把握しているみたいに…」

 

友里がそう呟いた瞬間、全員が何かに気づいたように息を飲んだ。

 

「まさか、本部へのハッキング!!?」

 

「知らず、毒を仕込まれていたのか!!?」

 

弦十郎達がその可能性に驚愕する中で…エルフナインは、部屋の隅で耳を塞ぎ、目を閉じて蹲っていた。

 

(パパの命題の答えは、まだ出ていない…ここでキャロルを、捕縛することが出来れば…!)

 

 

 

 

 

「次は、こっちだ!!」

 

そう言って、ウェル博士が進んでいた道を引き返して脇道へと入っていった。すると、先程の道の方から防壁が下りてくるような音が響いてきたため、キャロル達はウェル博士が意図して防壁を回避したのだと理解できた。

 

「…貴様、何故この施設の情報を熟知している?オレのことを知っていたことといい、こんな場所に隔離されていた貴様がどうやって情報を得ていた?」

 

ウェル博士の後を歩きながら、キャロルがずっと感じていた疑問を口にする。その問いに、ウェル博士は笑いながら答えた。

 

「フハハハハハ!言ったでしょう?それは僕が英雄だからだ!英雄にはその覇道を支持する信者がいるものです!僕ほどの英雄には、例え海の底だろうと関係なく物資と情報を頻繁に貢献する信者が付き従うのですよぉ!!」

 

ウェル博士の言葉に、キャロルは理解を得つつも疑問を感じていた。状況的に、この男に情報を提供している協力者がいるのは間違いないだろうが、このような男のために極秘裏にこんな場所に赴くような人間が存在するのだろうか?と…そんな疑問がキャロルの表情に表れていたのだろうか、ウェル博士は不愉快そうに言葉を続けた。

 

「まあ残念ながら、あくまでもビジネスライクな関係ですけどね?真の信者とは異なり、僕の天才的な頭脳に魅せられた、偽物の…いや、“紛い物”の信者です」

 

「…………ほう?」

 

ウェル博士の答えを聞いたキャロルは、非常に興味深そうな声を出したかと思うと、ウェル博士の手を掴んでその歩みを止めた。

 

「あぁ?一体何のつもり…っ!?」

 

悪態をつきながら振り返ったウェル博士は、キャロルの顔を見て言葉を詰まらせる。そんなウェル博士に、キャロルは笑顔で…心底楽し気な、邪悪な笑顔でウェル博士の顔を見ながら言った。

 

 

「その話、詳しく聞かせろ」

 




記念すべき100話目の投稿なのにとても不穏な終わり方w
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