戦姫絶唱シンフォギア コドクの神が求めるモノ 作:@sora@
第12話
「おい、このご都合主義!!」
「どうしたクリス?そんな大声出して」
「この状況はどういうことだよ!?」
「…?俺言ったよな?弦十郎達と仕事の休憩ついでに甘いもの…高級なあんぱんを食べるから一緒にどうだって。クリスはあんぱん好きだろ?」
「ソッチじゃねーよ!あたしはメンツについて言ってんだよ!」
「だから言ったじゃないか?弦十郎『達』って」
「ッ!だから!何で!フィー…じゃない、了子がいるんだよ!?」
「クリスの顔に『気になっています』って書いてあったから、話し合いの場を用意してみた」
「ッ!?てめえの妄想を押し付けんじゃねーよ!あたしはそんな顔してねー!!」
「…クリス、本当に書いてあるわよ?」
「なっ!?フィー…あーもうメンドクセー!!了子!てめえもこいつに話合わせてんじゃねー!!」
「いや、クリス君、本当に書いてあるんだ。ペンか何かでくっきりと…」
「はあっ!?てめえ、ご都合主義!!あたしの顔に何しやがった!!?」
「昼飯の時、相変わらず顔中ベッタベタに汚していたから拭いてやっただろ?俺手先は器用な方だから出来るかな?って思ってやってみた。案外バレないで書けるもんだな」
「おまっ!?昼飯の時って!?もう三時間くらい経ってるじゃねーか!!何してくれてんだてめえ!!」
「俺と付き合いが長いのもあって、大人達は微笑ましそうにお前の顔見ているだけで誰も指摘しないのが笑えた。響が危うかったな。クリスも『あたし様の顔に何か付いてんのか?』って聞いていただろ?ああ、響はちゃんと何も付いてないって正直に言ったんだから怒るなよ。正確には書いてあっただけだからな」
「ッ!!?……帰る!!」
「まあまあ、あんぱんだけでも食べて行けよ。驚きの一個五百円。マネージャーの仕事で贈答品を探している時、偶然見つけたんだけど、かなりうまいぞ。なかなか手に入らないし」
「………食べる」
「ちょろい」
「ちょせぇっ!!!」
目の前のやり取りに、櫻井了子と風鳴弦十郎は思わず笑みを浮かべる。この部屋の光景は、本来なら訪れることはなかった、奇跡のような出来事なのだ。
「おい大人共!!てめえらこいつと付き合い長いんだから何とかしろ!!」
「…済まない。俺達には無理だな」
「ナナシちゃんに口で勝とうと思わないことね。クリスも身に染みて分かってるでしょ?」
「あーもう!!役に立たねぇ!!」
顔を真っ赤にしながら怒るクリスを眺めながら、了子は少し前のことを思い出していた。そして、今日に至るまでの出来事を振り返り、思わずそっと呟くのだった。
「本当に、どうしてこうなったのかしらね…」
作者は各章の始めにオチをさらけ出すスタイルです。
過程をお楽しみください。
次から無印本編スタートです。