戦姫絶唱シンフォギア コドクの神が求めるモノ   作:@sora@

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上手く区切れなかったので、ちょっと短めです。
投稿を始めた頃はこれくらいの文字数だったはずなのに、最近は油断すると一話で一万文字を超えそうになるw


第121話

S.O.N.G.本部では、巨大な竜から逃げるナナシ達を援護するため駆けつけたマリア達の様子がモニターに表示されていた。

 

「マリアちゃん達の参戦…プロトタイプのLiNKERで何処まで耐えられるかしら?」

 

「効果が切れる前に隙を見て仲間と共に戦線を離脱出来れば良いのですが…」

 

「ウェル博士のチップに記録されたLiNKER製造のレシピ…その解析はボク達の役目なのに…」

 

了子、ナスターシャ教授、エルフナインが険しい表情でモニターを見つめる。LiNKERの解析が進んでおらず、効果時間の短いプロトタイプで三人を戦線に送ることになってしまったことを三人は悔やんでいた。

 

「フン、後悔をしている暇があったら頭を働かせたらどうだ?」

 

そんな三人に、特に葛藤した様子の無いキャロルが端末を操作しながらそう声を掛けた。

 

「あんなデカブツにやられるようなら、オレはあのアンノウンに後れを取ることなど無かった。くだらない後悔をしながらただ眺めているくらいなら、少しでも真理に迫るために解析を進めろ」

 

「キャロル…はい!ボク達は、ボク達に出来ることをしましょう!」

 

「新人ちゃんに慰められていたら世話無いわね…やってやろうじゃない!」

 

「あの子達の家族である私が、嘆いている暇はありませんね!」

 

キャロルの言葉で我に返った三人は、マリア達の様子を確認しつつデータの解析を進める。キャロルもまたデータ解析を進めつつ、何かを思いついたのかニヤリと悪い笑みを浮かべた。

 

「それに、いざとなればオレが戦線に出て全て蹴散らしてしまえば良い。あのアンノウンに借りを作れるチャンスと考えれば、多少くらい力を貸してやっても…」

 

「遂にサブマスターの想いを受け取る覚悟が出来たんですね!?マスター!!」

 

「派手に祝福!!」

 

「お祝いの準備を致しませんと!!」

 

「パーティーだゾ!!」

 

「なっ!!?何を訳の分からないことを言っている!!?」

 

突然のオートスコアラー達の言葉に、キャロルの余裕が剥がれ落ちて慌てふためく。

 

「え?だってマスターが戦闘するってことは、サブマスターの過去を受け取るんですよね?それなら対価としてマスターの未来を捧げないと!錬金術師が等価交換を破ってはいけませんよ!!」

 

「バカか!?使うのは自分の想い出に決まっているだろう!!?でなければ借りを作れないではないか!!」

 

「え~?…仕方ありませんねぇ、それならサブマスターからのご命令通り、『クソガキが自分の想い出を使って戦闘をするつもりなら、迷わず消費出来るトラウマレベルの想い出を作ってやるつもりだから協力してくれ!』というご命令を遂行するしかありません!」

 

「なっ!!?」

 

「いや~、マスターにそんなことをするのはとても心苦しいのですけど、命令だから仕方ないんですよ~♪ですが、マスターの輝かしい想い出を守るためにも、これまでの悪戯がお遊戯に思えるくらいエッグイ悪戯になると思うのでマスター、頑張ってくださいね?」

 

「ふ、ふざ、ふざけるな!!何だその横暴は!?何故オレの行動を制限されなければならない!!?」

 

「いえいえ、制限なんてしていませんよ?ご自身の想い出を使うならばご自由に。これは私達とサブマスターがマスターの大切な想い出を消耗させないために考えた、我々の自分勝手な我儘です」

 

「ッ!!?何処までも、あの男に毒されおってからに!!!」

 

「Exactly!!ぜーんぶサブマスターが悪いんですから、諦めて選んでください!サブマスターと共に未来を歩むのか!二度とお外を歩けなくなるような目に遭ってサブマスターに責任を取ってもらうのかを!!」

 

「貴様らは一体オレに何をするつもりだ!!?!?」

 

キャロル達のやり取りに全員が苦笑する中で、奏が一人罅割れたギアペンダントを握り締めてモニターを見つめていた。そんな奏に弦十郎が近づき、その頭に手をポンと乗せる。

 

「っ!?ダ、ダンナ…?」

 

「信じよう、俺達の仲間を」

 

「…ああ」

 

弦十郎の言葉に奏は頷き、マリア達の戦いを静かに見守った。

 

 

 

 

 

巨大な竜と対峙したマリア達は、背後の仲間達を庇うようにアームドギアを構える。

 

「皆、大丈夫?」

 

「ええ!」

 

「後は私達に…」

 

「任せるデス!」

 

その様子を崖の上から見下ろしていたカリオストロ、プレラーティはポツリと呟いた。

 

「本当にS.O.N.G.の連中だったのね?あの怪しいマスク集団…」

 

「正直、S.O.N.G.を騙った第三勢力を疑っていたワケダ…」

 

内心で二人の言葉に共感しながら、サンジェルマンはマリア達を見据えて言葉を紡ぐ。

 

「出てきたな、シンフォギア」

 

「ようやく会えたわね?パヴァリア光明結社!今度は何を企んでいるの!!」

 

「革命よ。紡ぐべき人の歴史の奪還こそが、積年の本懐!」

 

「Gyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」

 

サンジェルマンの言葉と同時に、竜がマリア達へと襲い掛かってきた。マリアは一人飛び出して短剣で竜を流れるように切り付けるが、短剣の刃は竜の肌を全く傷つけることが出来なかった。

 

「ああっ!?」

 

「攻撃が効いてないデス!?」

 

「来るぞ!回避!!」

 

マリアの攻撃を物ともせず突っ込んでくる竜を、切歌、調、ナナシはエージェント達を二人ずつ抱えて回避する。

 

「やぁだ、ちょこまかとぉ!」

 

「だったらこれで動きを封じるワケダ」

 

プレラーティが水晶をばら撒き、アルカノイズの群れを召喚する。それを見たマリアは付近のアルカノイズを切り裂きながらナナシ達に“念話”で指示を出した。

 

(調、切歌、抱えている仲間をナナシに預けてこっちを手伝って!ナナシ、“障壁”で皆の保護をお願い!守りが万全なら私達も戦いやすい!)

 

(分かった!)

 

(合点デス!)

 

(了解!隙が出来たら一気に本部へ向かうから全員準備しておけ!)

 

((((((了解!!))))))

 

“念話”によって素早く意思疎通をしたナナシ達は、突然のアルカノイズ出現にも慌てず行動する。マリア達はアルカノイズと戦闘を開始、ナナシと友里達は“障壁”を使って安全確保を果たす。連携の取れた動きにサンジェルマン達は驚きの表情を浮かべた。

 

「ふざけた格好をしていても、統率はしっかりしているワケダ」

 

「案外、あのマスクが何か特別な物だったり?」

 

「だが、その程度のことで状況は覆らない。『ヨナルデパズトーリ』の真価すら発揮させられないようでは…」

 

アルカノイズを次々と打倒していくマリア、切歌、調の三人。だが、いつの間にか竜…ヨナルデパズトーリの巨体が何処にも見当たらなくなっていた。

 

(マリア、下だ!)

 

(ッ!?)

 

ナナシから“念話”で警告が届く。それとほぼ同時にマリアがいる周囲の地面が大きく罅割れていき、地面からヨナルデパズトーリが飛び出してきた。一瞬早く跳躍して回避したマリアだが、大量の土砂やアルカノイズを巻き込みながらヨナルデパズトーリがマリアへと迫る。

 

「マリア!!」

 

それを見た調と切歌はマリアを援護するためヨナルデパズトーリに攻撃を放つ。調は二つのヨーヨー型鋸を合体、巨大化させて放ち、切歌は巨大化させた鎌を振るって二つの刃を放つ。マリアを喰らいつこうとするヨナルデパズトーリだが、スレスレで回避したマリアはヨナルデパズトーリの牙を踏み出しにして跳躍する。そこに調と切歌のフォニックゲインが籠められた攻撃が直撃して大爆発が起こった。ヨナルデパズトーリの頭部が爆発で発生した煙で見えなくなる。

 

「決まった!」

 

「などと思っているワケダ」

 

藤尭が思わず口にした言葉に答えるように、プレラーティが余裕の笑みでそう呟く。煙が徐々に晴れていくと、そこには無傷のヨナルデパズトーリの姿があった。

 

「効いてない!?」

 

「ノイズと同じ、位相差何とかデスか!?」

 

「だとしら、シンフォギアの攻撃で調律出来てないのはおかしい!!」

 

自分達の渾身の一撃で全くの無傷という結果に切歌と調が狼狽える。

 

「ダメージを減衰させているのなら、それを上回る一撃で!!」

 

そんな二人に変わって、マリアが強力な一撃を繰り出そうとした。その時…

 

 

 

(ストップだ。マリア、調、切歌、一度変わってくれ)

 

 

 

…“障壁”を解除したナナシが、ゆっくりと歩みを進めてヨナルデパズトーリに近づき始めた。

 

(ナナシ!?見たでしょう!?あいつには生半な攻撃は通用しない!ここは私達のフォニックゲインを高めた一撃で…)

 

(当然、それでも問題ないとは思うが…強靭な体を持つ埒外の化け物…俺の『奥義』を試すのに、こいつは実に都合が良いんだ)

 

(え…?)

 

(『奥義』、デスか…?)

 

何やら自信ありげに笑うナナシが“念話”でそう伝えながら、顔と胴体に複数存在する瞳でナナシを見つめるヨナルデパズトーリに臆することなく近づいていく。

 

(お前らが危ないと判断したら助けに介入してくれれば良い。それまではギアの出力を下げてLiNKERの消耗を抑えながら後ろの藤尭達を守っていてくれ)

 

(…分かったわ。ここはあなたを信じて任せる。調、切歌、一度下がるわよ!)

 

(合点デス!)

 

(先生、頑張って!!)

 

ナナシの笑みから、何らかの秘策があると判断したマリアが切歌達と共に藤尭達の所まで下がって“血晶”を使い“障壁”を展開させる。

 

「何をするつもりなワケダ?」

 

「どうする、サンジェルマン?あーしらで奇襲を仕掛けて後ろの奴らを人質にでもする?」

 

「…いや、一先ず様子見しましょう。正体不明のイレギュラーが手の内を見せるつもりなら、実験の観察も併せてヨナルデパズトーリを試金石とするのが丁度良いはず」

 

「それが合理的なワケダ。何せあのヨナルデパズトーリは…」

 

どうやらサンジェルマン達もナナシとヨナルデパズトーリの戦いを静観することにしたようだ。両陣営に見守られながらナナシはヨナルデパズトーリの前に佇み、ニヤリと笑みを浮かべると“念話”でマリア達に宣言する。

 

 

 

(さあ、お披露目といこうか!俺の編み出した『奥義』………“化詐誣詑”を!!)

 

「「「へ!!?」」」

 




ああ…遂に既存の言葉を少し変えた程度ではなく、ガッツリ考え込んだ技名を投稿してしまった…

読みが分かれば主人公が何をするのかワンチャン分かるかもしれないけど、何故それが奥義になるのかは分からない、そんな奥義です。割と後出しの設定なので予測は難しいかもしれません。

次回はっきりするので感想などで聞かれた場合はコメントを控えさせていただきます。
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