戦姫絶唱シンフォギア コドクの神が求めるモノ 作:@sora@
「ごめんなさい!」
カリオストロとの激闘に勝利したクリスとマリアは、シミュレーションルームの制御室でエルフナインに深々と頭を下げられていた。
「対消滅の際に生じる反動のせいで、ギアのメンテナンスになってしまって…」
「気にしないの。寧ろ急ごしらえで良くやってくれたわ。ありがとう」
「お陰で、抱え込まなくていい蟠りもスッキリ出来たしな」
二人の言葉にエルフナインはホッと息を吐いて安堵した。
「反動汚染の除去を急ぎます!」
「頼もしいチビッコだ」
「クリスさんだって…」
「あぁ?あたしは大きいぞ?」
頭を撫でられたエルフナインがやや不服そうに反論したが、クリスは笑ってそう言い返した。比較対象がエルフナインでなければクリスも充分に小柄であるため、そんな二人のやり取りに周囲の大人達は和んでしまっていた。
だが、そんな和やかな空気とは対照的に、シミュレーションルームの中では険しい表情で特訓をする翼と調の姿があった。
「呼吸を合わせろ!月読!!」
翼が合図と共に、シミュレーターで再現されて襲い掛かってくるアルカノイズを蹴り飛ばす。調は飛んできたアルカノイズに対応しようとするが…
「っ!?速い!!?」
ドカッ!!
「うわあああ!!」
…タイミングを合わせることが出来ず、そのままアルカノイズにぶつかって倒れ込んでしまった。
「大丈夫か?」
「切ちゃんとなら…合わせられるのに…」
「調君は、翼のリードでも合わせられずか…」
二人の訓練の様子を見ていた弦十郎は、思わずそう愚痴を呟いてしまった。現在、装者達は様々な組み合わせでユニゾンによる連携を試みているのだが、調は切歌以外の仲間とは上手く連携が取れずに難航していた。
「…似ているな」
「ああ、そうだな」
弦十郎達と一緒に二人の訓練を見ていたナナシの呟きに、奏が苦笑しながら同意していた。マリアとクリス、エルフナインはナナシ達のやり取りが良く分からず首を傾げ、弦十郎達は察しが付くのか同じように苦笑していた。
そんなやり取りをしている内に、調は立ち上がって一人でアルカノイズを殲滅してしまった。しかし特訓の趣旨を考えるならそれでは意味が無い。
「こんな課題、続けていても…っ!?」
調がぼやいていると、突然目の前につむじ風が発生して中から人が現れた。そこにいたのは…
「緒川、さん…?」
「微力ながら、お手伝い致しますよ」
「そのワザマエは、飛騨忍軍の流れを汲んでいる!力を合わせなければ、影さえ捉えられないぞ!!」
翼の言葉に調が気を引き締める。すると、離れて響と特訓をしていた切歌が調に声を掛けてきた。
「調!無限軌道で市中引き回しデスよ!!」
「うん!」
笑顔で中々に物騒なセリフを放つ切歌に、調もまた笑顔で頷いた。
「出来れば、お手柔らかに…」
苦笑しながら構えを取る緒川。調はそんな緒川に歌を奏でながらアームドギアで攻撃を仕掛けたが、その全てが軽やかな動きで避けられていく。焦った調は空中に跳躍して大技を放つ。緒川はそれを見て何故か動きを停止させた。
「隙だらけ!」
直撃を確信した調だったが、攻撃が当たる直前に緒川の姿がブレたかと思うと、一瞬にして調は緒川の姿を見失ってしまった。
「嘘!!?」
「僕はここに」
緒川はいつの間にか調の背後にある街灯の上に立っていた。余裕の笑みを浮かべる緒川に、調は我武者羅に攻撃を繰り出そうとして…
ダダダダダンッ!!
「「「っ!!?」」」
…突然の発砲音に調と翼が驚いて動きを止め、緒川は驚きながら自分に迫る弾丸を回避して地面に降り立った。弾丸が飛来した方向を見ると、そこにはマシンガンを片手に構えるナナシがいた。
「ナナシ!!?」
「先生!!?」
「慎次を相手にするのはお前ら二人だと厳しいからな。俺も加勢に来た!」
「これはお二人のユニゾンの特訓なのですが…」
「まあまあ、そう固い事言うなって。俺が二人の連携をサポートすればコツを掴めるかもしれないだろ?安心しろ、前回寄って集って俺をミンチにした恨みを返そうって気持ちは三割程度しかないから!」
「恨みがあることは認めるんですね!?」
「あっははは!という訳でくたばれオラァ!!」
再びナナシがマシンガンを発砲し始める。緒川は高速で動いて弾丸を避けるが、ナナシもまた緒川には及ばないが素早い動きで追いかける。連携のサポートと言ったはずだが、二人の高速戦闘を翼と調は目で追うのが精一杯だ。
緒川が弾丸を掻い潜ってクナイを手にナナシへと迫る。ナナシはそれに対してマシンガンを…何故か突然肩に担ぐように背後へ銃口を向け、迫る緒川を無視して何もない場所に発砲し始めた。
「えっ!?」
「何を…?」
ナナシの奇行に翼達が困惑していると…クナイを構えた緒川の姿が突然掻き消えた。そしてナナシが発砲した何も無い場所にボブンと煙が発生してそこから緒川が姿を現した。
「「えええっ!!?」」
「慎二と広い場所で戦闘する場合、こいつの基本戦術は超絶高度な『追いかけっこ』と『隠れん坊』の組み合わせだ!一瞬でも姿を見失った後にわざわざ堂々と姿を現したら大体偽物だから注意!」
「やはりナナシさんに隠形は通じませんか…」
「忍の真髄は自分の心を制して相手の心を揺さぶる『感情のコントロール』…だが完全に制御している以上、どれだけ抑え込んで隠そうとしても『消滅』することだけは無い!誰もいない所に感情があればすぐに分かる!」
「惜しいですねぇ。その能力、何よりも心の強さ…ナナシさんには間違いなく忍としての才能があるのに…」
「あはははは!自分の心を抑え込むってのがどうしようもなく性に合わなくてな!俺は人を理解したいし人に俺のことを知ってほしい。だからこそ自分の心に生じた想いは隠さずひけらかしたいのさ!だけど、慎二から教わった相手の心を揺さぶる戦法は凄い参考になったよ!そう、慎二こそ俺が他人の尊厳を踏みにじる戦法を生み出した全ての元凶!!」
「流石にその論法は承服致しかねますよ!!?」
そんな会話をしながら縦横無尽に立ち位置を変え得物を変えて緒川とナナシが戦う光景を調達が困惑しながら眺めていると…不意にナナシから“念話”が繋がった。
(お前らも呆けていないで俺が引き付けている間に協力して慎次を攻撃しろよ!調、やることはこの前弦十郎にやった事と同じだよ。あの時と違うのはメンツが切歌と響から俺と翼に変わっただけだ。またご褒美は用意してやるから気楽に試してみろ!)
(っ!!?)
ナナシの言葉に調の顔が強張る。『だけ』とナナシは言うが、調にとって切歌がいない現状は前回とまるで異なる。あの時は三人で協力したと言うより、『響と協力する切歌』のサポートをしていたというのが調の認識だ。
(そう、切ちゃんはやれてる。誰と組んでも…だけど私は、切ちゃんでなきゃ…)
確かに前回と状況は似ている。それでも調には、我武者羅に緒川の影に攻撃を放つことしか出来なかった。
「連携だ、月読!動きを封じるために…」
「だったら面で制圧!逃がさない!!」
焦る調は翼の言葉を遮って、一人で大量の丸鋸を緒川に向けて放った。
「駄目デス、調!寧ろ逃がさないと…」
調の行動に切歌が慌てて制止の声をかけるが、時既に遅く…
「っ!!」
「あっ…」
スパン! スパン!
…調の丸鋸が、緒川とナナシの胴体を真っ二つに切断してしまった。
「どえらい事故デス…」
あまりの事態に、切歌が言葉を失っていると…真っ二つになった緒川の体がボフンと煙に包まれ、スーツの上着だけを羽織った丸太へと変貌した。
「思わず空蝉を使ってしまいました」
背後から聞こえた声に調が振り返ると、無傷の緒川が笑みを浮かべて立っていた。
「力はあります。後はその使い方です」
「っ……せ、先生!」
緒川の無事に安堵でへたり込みそうになる調だったが、自分が両断してしまったもう一人の事を思い出して駆け出す。そのタイミングでシミュレーションが終了して響と切歌、制御室にいたマリア達も近づいてきた。
「調ちゃん!」
「調!大丈夫デスか!?」
「わ、私は平気…でも、先生が…」
「おー、見事なまでに真っ二つだな?ザババの刃に体切られたのは二度目だ。良かったな、調。切歌とお揃い…いや、切歌越えだぞ!」
「うわあああん!ゴメンナサイデスよぉおおおお!!」
半分になった体で笑いながら語るナナシの言葉に、切歌も過去の行いを思い出して頭を抱えて謝罪した。
「まあ、気にし過ぎる必要は無いぞ?俺はこんな体質だから笑って許してやる。だけど、さっき慎次が言った通りだ。大事なのは力の使い方…間違うとどんなことが起こるか、これで良く分かっただろう?」
「っ!!」
ナナシが体を張って教えてくれた可能性に、調は言葉を失って今度こそへたり込んでしまった。
「まあこれだけ綺麗に切られたならすぐにくっつくだろう。悪いけど、そこら辺に転がっている俺の下半身を…あれ?」
ナナシが辺りを見回すが、何処にも自分の半身が見当たらない。不可思議な事態に全員が部屋の中を探すと…ナナシの半身を抱えて運ぶガリィの姿があった。
「マスター!貴重なサンプルを入手しました!これでサブマスターの大事な部分をジックリタップリ観察出来ますよぉおおお!!」
「おい待てコラァ!!俺の下半身で何するつもりだ!!?ってかマジで待てって!?“ダメージの無効化”だと麻痺が残る!“高速再生”だと露出狂になるぅううう!!」
ズルズルズルズルッ!!
「「「わあああああああ!!?」」」
「「「その状況で元気に動きまわるなぁあああ!!?」」」
床に生成した氷の上を滑って逃げるガリィをナナシが上半身だけで高速で這って追いかける。割と大惨事なはずなのにどうしようとなくコメディな雰囲気が漂っていた。
だがそんな茶化された空気の中でも、調はへたり込んだまま顔を俯かせていた。
(あれは…いつかの私だ)
調の様子を見てそのように感じた翼は、ガリィを壁のオブジェにして取り戻した下半身で歩いて近づいてくるナナシへとつい視線を送ってしまった。ナナシは沈んだ調にヤレヤレ仕方がないと言った風を装いながらとても良い笑顔で近づいていき…
「先生…放っておいてくれませんか…」
…静かな、しかし明確な拒絶の言葉によって、ナナシの動きはピタリと止められてしまった。
「ごめんなさい…でも、今はどうしても…一人で考えたくて…」
「あっ!?待つデスよ調ぇ!!?」
調が逃げるようにシミュレーションルームから出て行ってしまい、その後を慌てて切歌が追いかけて行った。
「……」
「あー…ナナシ、大丈夫?」
「はぁ~…元々、嫌われてナンボなスタンスだから仕方ないけど、遂に会話すら拒否されるようになってきたか…」
「別にあの子はあなたを嫌っているわけじゃ…ただ自分の力で頑張りたいだけでしょう?あなたは少し構い過ぎなのよ。もうちょっと様子見してあげたら?」
「あのなぁ、確かに頑張る事は良いことだよ?だけどそれはメリハリを付けられてこそだ。デフォルトで頑張ってるお前らが更に頑張ろうとしているのなんて不安要素でしかないわ!端から他人に甘えるって考えが抜け落ちてるお前らにはこっちが無理矢理甘やかすくらいが丁度良いんだよ!あー甘やかしたい!!デロデロに甘やかしたい!!!どいつもこいつも我儘言えば叶えてもらえるのが当たり前と思うくらい徹底的に堕落させたいぃいいい!!!!」
「何碌でもない願望を叫んでいるの!?あの子達は私とマムで甘やかすからあなたは引っ込んでいなさい!!」
「甘えるのも甘やかすのもド下手な母親共がナマ言ってんじゃねえ!!何が誘惑対策の支援物資だ!?素直に頑張ってる娘達へのプレゼントって言えば良いだろ!!?お前も偶には母親の膝に顔押し付けて頭撫でて貰いながら日頃の鬱憤でも聞いてもらえよ豆腐メンタルがぁ!!!」
「なっ!?そ、そんな情けない姿、マムに見せられる訳ないでしょ!!?」
「なーにが情けない姿は見せられないだ!空元気で何の根拠もない大丈夫の言葉を繰り返す方がよっぽど情けないわ!!弱さをひけらかす強さを身に付けろ!偶に膝枕を所望するエルフナインの事を少しは見習え!!」
「わあああああ何でバラしちゃうんですかぁああああ!!?!?」
「別に口止めもされていなかったし何一つ恥じる必要は無いからだ!あとはまだ遠慮が多くて頻度を抑えているみたいだけど毎日でも全然構わないぞ!」
『……』
ナナシとマリアが言い争い、エルフナインが流れ弾を受けている様子を残された面々が何とも言えない顔で見ていると、翼がそんな奏達の様子に首を傾げた。
「皆、どうかしたのか?」
「いや…」
「あいつらの会話…」
「ああ…全く、あの男は相変わらずお人好しなのだな」
「そうじゃなくてですね…」
「うん?」
「前半、完全に子供の教育方針で言い争う夫婦の会話にしか聞こえなかったな?」
「!!?!?」
その後、調達とナナシ以外の面々は指令室に集まってミーティングをすることになった。
ナナシがいないのは、エルフナインの件を巡って絶賛キャロルと喧嘩中だからである。
『何を好き勝手にエルフナインを誑かしているのだ貴様はぁあああ!!!』
『羨ましかったら自分から提案してみせろやゴラァアアア!!!』
『なっ!?だ、誰が貴様の膝枕など羨むものか!!?』
『えっ?そっち?てっきりエルフナインから膝枕をお願いされることへのヤキモチかと…』
『!!?』
『あ〜…お前も父親が恋しいのは同じか。興味があるならお前も試して…』
『世界ごと吹き飛べぇえええ!!!!』
『ちょっ!?その威力はヤバ…ぎゃあああああ!!?』
ドゴォオオオン!!!
…本部が一瞬大きく揺れ動くが、誰も動じることなくそのまま話を進めていった。
「これで、各装者のユニゾンパターンを試したことになりますが…」
「調さんだけが、連携によるフォニックゲインの引き上げに失敗しています」
「思わぬ落し穴だったな…」
普段からユニゾンを使い熟す調と切歌ならば、他の装者達ともスムーズに連携が取れると弦十郎達は考えていたが、まさか調が家族同然のマリアとさえユニゾンに失敗するなど誰も予想出来なかった。
想定外の問題にそれぞれが頭を悩ませていると、本部に何処かから通信が届いた。
「司令、内閣府からの入電です」
「繋いでくれ」
弦十郎の指示で通信を繋ぐと、モニターに八紘が映し出された。
「八紘兄貴、何かあったのか?」
『ああ、神社本庁を通じて情報の提供だ』
「神社本庁といえば…」
「各地のレイライン観測の件かもしれない」
このタイミングでわざわざ八紘が直接連絡してくる情報だ。それほど重要な事が発覚したということだろう。
『曰く、神出ずる門の伝承…』
「神…パヴァリア光明結社が求める力…」
『詳細については、直接聞いてほしい。必要な資料は送付しておく』
最低限の情報だけ伝えて八紘は通信を切ってしまった。
「どうしますか、司令?」
友里の問い掛けに、訓練記録の映像に映った落ち込む調の顔を見ながら弦十郎は答えた。
「気分転換も、必要かもしれんな」
そして、装者達はマリアの運転する車でその情報提供者の元へ向かうことになった。クリスの持つタブレットにエルフナインがテレビ通話を繋ぎ、目的地についての補足情報を伝えてくる。
「埼玉県の…『ツキ神社』?そこに何かあるの?」
『多くの神社はレイライン上にあり、その神社も例外ではありません。更に、神出ずる門の伝承があるとすれば…』
「つまり、指し手の筋を探ることで、逆転の一手を打とうとしている訳ね?」
マリア達が真剣な顔でこれからの予定を確認していると、後部座席から何やらガサゴソと音が聞こえてきた。クリスが振り返ると、切歌がポテトチップの袋を開けて上機嫌におやつタイムを満喫していた。
「つーか特訓直後だってのに元気だな?」
「いや~デスよぉ~。褒め殺すつもりデスか~?」
「どういう理屈でそうなる!?」
相変わらずお気楽な様子の切歌の隣では、調が物憂げな顔で外の景色を眺めながら自分達がレセプターチルドレンとして集められた時の事を思い出していた。
『これ…何て読むデスか?』
不安でただ言われるままに所持品の整理をすることしか出来なかった自分に初めて話しかけてくれたのが切歌だった。
『つくよみ、しらべ…だって…』
『しらべ…ヤジロベーみたいでイカすデス!』
『本当の名前は思い出せなくて…ここの人達が、持っていた物から名付けてくれた』
調の持っていた手提げ鞄は、名前の記載されていた部分に血痕が付着して読めなくなっており、鞄に付けられていたお守りには薄れた文字で『調』と書かれていた。
『アタシの誕生日も、ここに来た日にされたデス!似た者同士、仲良くするデス!』
あの日の切歌も、今と同じように陽気な声で自分に笑いかけてくれた。
「どうしたデスか、調?」
調が想い出に浸っていると、切歌が心配して話しかけてきた。
「ノコギリじゃないから車酔いデスか?」
「ううん…何でもない」
調は力の無い笑みで切歌にそう答えた。その様子を、バイクで並走する翼が思案顔で見つめ、翼の後ろに乗る奏も困ったような笑みで見ていた。
(やれやれ…ん?そういやナナシは?一緒に本部から出てきたよな?)
ヘルメットと風切り音があるため“念話”を使って奏が全員に語り掛ける。だが車にはスペースは無いし他に追従する車やバイク、人影は見当たらない。別ルートで向かっているのかと全員が思い始めたところで…
(呼んだか~?)
バン!!
…車の後部座席の窓にビタンと人の手が張り付いた。それを見た全員が数秒硬直して…車内に悲鳴が響いて車が少々蛇行してしまった。
(ご、ご、ご都合主義!?てめえ一体何処にへばり付いてんだおい!!?)
(車の下。上とか側面だと“認識阻害”使っても人影に気づかれた時点で怪奇現象になっちゃうだろ?ここなら事故って横転しない限りバレない)
(今まさに事故起こしそうになったわよ!!この状況で心臓に悪い真似はやめてよね!?)
(シクシク、皆が俺のことを邪険にする…話しかけるなって念押しされるし、ナチュラルに姿が見えなくても出発されるし…)
(わあああごめんなさい兄弟子!?違うんです!!?)
(これはそういうことじゃ無くてデスね!?あの、その…)
(バカ!乗せられんじゃねえ!どうせ自分から能力使ってコッソリ離れただけだ!!)
(そもそも五人乗りの車を用意したのも、ドアを開け閉めして私達が車に乗るのを誘導したのもあなただったはずよ!?別の手段で移動していると思っても仕方がないでしょう!!)
車内が一気に騒がしくなり、暗く沈んでいた調さえ驚きに目を丸くしている。翼達は万が一にもマリアが再び蛇行して衝突しないよう車の後方に避難しながら、まるでヤモリのように車の側面と下を行き来するナナシに呆れた視線を向けていた。
(あいつ、直接的な会話を拒否されたから…)
(徹底的に空気を茶化していくつもりだな?)
ちょっと主人公をふざけさせ過ぎかな~と作者自身思っていますが、なるべくネタ部分を削りたくはないので、せめて質を高める努力はしていこうと思っていますw