戦姫絶唱シンフォギア コドクの神が求めるモノ   作:@sora@

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XDUの新シナリオのPV見ました…気になる…実は作者、アニメ設定でこの作品の設定を作りこんだ後にXDUをインストールしてしまったので、色々齟齬が発生しそうでXDUのシナリオを見ることに二の足を踏んでいます。あと、せっかくならじっくり楽しみながら見たいけどシンプルに時間が作れない…


第26話

「……」

 

フィーネと言う女との接触後、ナナシは二課本部内の一室で、黙ったまま考え事をしていた。

 

「どうした?何か悩み事か?」

 

すると、そこへ奏が入ってきてナナシに声を掛けてきた。

 

「…ああ、今響の友達が慎次から説明を受けている。仕方が無いといえ、響は友達の前でシンフォギアを纏ったらしいからな。この後の展開を考えていた」

 

「なるほどね…あんたは響の友達と話をしなくていいのか?」

 

「そうだな…」

 

 

『あなたなんかが、未来に近づかないでください!!』

 

 

ナナシの脳裏に、以前の響の言葉が過った。

 

「…今回はやめておく。変に拗れさせても悪いし、何か話すにしてもメディカルチェックが終わった響から許可を取ってからだな」

 

「そうか?あんたなら、上手くその友達を納得させられるんじゃないか?」

 

「最近、失敗ばかりだったからな。響とは奏のお陰で(・・・・・)良好な関係を築けたし、ようやく、翼との関係を元に戻せた(・・・・・)かもしれないのに、今行ったらまた失敗しそうな気がする。まあ、もし響とその友達の関係が崩れるようなことになったら、どうにかして誤魔化してみせるさ」

 

「…ナナシ。あんた、それ本気で言ってるのか?」

 

「え?…やっぱり、“紛い物”の俺には無理だと思う?」

 

「…なあ、ナナシ。病院で翼と話した時、翼はあんたにどんな感情を向けていたんだ?」

 

「…?ああ、今回は何とか許して貰えたみたいだから、二課の皆と同じように(・・・・・・・・・・)優しい気持ちを向けて貰えるようになったよ…って何で頭を抱えているんだよ奏?」

 

 

『俺はさ、人の感情の動きが何となく分かるんだ』

 

 

(『何となく』ってのは、嬉しいとか、悲しいとか大雑把にしか分からないだけじゃなくて、感情の大きさも曖昧ってことなのか?)

 

奏は過去のナナシの発言を思い出しながら、溜息を吐いてナナシに話しかけた。

 

「はぁ…ナナシ、あんたも少しは変わっていかないといけないな…」

 

「…やっぱり、俺のやり方は間違っているのか?」

 

「『やり方』を変えろって話じゃない。『在り方』を変えろって言ってんだ」

 

「???」

 

「…これは、あんたを都合よく頼ってきたあたし達の責任だね…あんたももう少し、あたし達を頼ってくれよ?」

 

「えっ!?これ以上!!?帰る場所も生き甲斐も知識も経験も何もかも貰ったうえで好き勝手しているのに!?」

 

「…あー、うん。あんたはそういう認識なのか…これは翼やダンナ達とも相談しないとね…」

 

「え?あ、ちょっと待てって!どういうことだ奏!!?」

 

 

 

 

 

「ねぇ、未来、なんというか、つまり、その…」

 

「…お帰り」

 

「あ、うん、ただいま…あの、入っても、いいかな?」

 

「…どうぞ」

 

未来から許可を貰った響は、若干の居心地の悪さを感じつつ部屋に入っていった。

 

二課でメディカルチェックを受けた響は、緒川達から話を聞き終えた未来が待つ寮に帰宅した。未来は部屋の窓際に立っていて、響が帰ってきても背を向けたまま振り返らずに、素っ気ない態度で響の声に答えていた。

 

「…未来、ごめんなさい」

 

「…どうして響が謝ったりするの?」

 

 

『…唐突に謝罪されると、正しく伝わらないから注意しようか。何に対してだ?』

 

 

「っ!!?…未来は、わたしに対して隠し事はしないって言ってくれたのに、わたしは未来に隠し事してた。わたしは…」

 

響は、ナナシの言葉を思い出し、慌てて理由を述べていく。そんな響に対して、未来は…響が全く予想してなかった言葉を口にした。

 

「…実はね、響…多分私、響と一緒に戦ってる男の人と、お話したことがあるんだ」

 

「ふぇ!!?」

 

予想外の未来の告白に、響の口から変な声が漏れる。何故なら響は寮に帰る前に、ナナシとこんな会話をしていたからだ。

 

 

 

『もし響の友達が、今回のことで響と距離を取るようなら…俺とその友達で話をさせて貰えないか?響が良ければ、だけど…』

 

『!?…まずは、わたしが自分で話をしてみます。わたしの想いを、ちゃんと未来に伝えて、謝ってみます。ただ…もし、話を聞いて貰えなかったら…その時は、一緒に来て頂けませんか?兄弟子…』

 

『…分かった。どれだけ力になれるかは、分からないけどな…』

 

 

 

(ナナシさんがわたしに嘘を付いた!?でも何で!?未来が別の人と勘違いしてるだけ!?ナナシさんの場合は嘘だったとしても意味があるはずだけど、そんなの全然分かりません!!?)

 

響が内心でパニックに陥っていると、未来の方から説明があった。

 

「私が、最近響の様子が変なことで悩んで、公園で落ち込んでいた時、相談に乗ってくれた不思議な男の人がいたの。何故か、私はその人の顔とかが思い出せないけど…その人が、別れ際に呟いたの。『陽だまり』に『太陽』なんて、自分の周りの人間は変わった表現を使うって…」

 

(兄弟子ー!!?)

 

響はナナシが嘘を付いた訳ではないことを悟った。まさかナナシも、偶々声を掛けた相手が自分の親友だったとは思わないはずだ。

 

(こ、これは、未来はどう思ってるんだろう?隠し事をして危ないことをしてただけじゃなくて、未来はわたしを心配してたのに、その間わたしは男の人と頻繁に会って仲良くしてたって思われてるのかな!?これは、ナナシさんを連れてくる方が問題になるんじゃ…)

 

響が心の中で慌てている間に、未来はナナシの言葉を思い出していた。

 

 

『どうせ相手の負担になるからって、自分の気持ちを伝えることにブレーキをかけてないか?心配しているって言葉も、ちゃんと遠回しではなく、真っ直ぐにその親友に伝えることはできたか?頼って貰えるのって、案外悪くないものだぞ?少しだけ勇気を出して、あんたもその親友のこと、頼ってみたらどうだ?』

 

 

「…私はね、響…響が私に隠し事をしていたことに怒ってるんじゃないの…ううん、そもそも、怒ってなんかいない」

 

「えっ?」

 

「誰かの役に立ちたいと思ってるのは、いつもの響だから…でも、最近は辛いこと苦しいこと、全部背負い込もうとしていたじゃない?私はそれが堪らなく嫌だった。また響が大きな怪我をするんじゃないかって心配してた」

 

「……」

 

「だけど、あの男の人に話を聞いて貰って、あの人の話を聞いて、それからずっと考えて気が付いたの…それは、響を失いたくない私の我儘だ」

 

 

『あんたはもう少し、自分に優しく…我儘になってもいいんじゃないか?』

 

 

未来は響の方に顔を向ける。そして、響の目を見ながら、意を決したように言葉を放った。

 

「私は、そんな気持ちに気づいたのに、今までと同じように、響と過ごすなんて、できない…」

 

「っ!?」

 

響は、未来の言葉にショックを受けていた。未来が、自分の『陽だまり』が、もう自分と一緒に過ごすことはできないと…その意味を考えて、響は今にも倒れ込んでしまいそうだった。

そんな響を…未来は、思い切り抱きしめた。

 

「っ!?み、未来?」

 

「…私には、何かできることはないの?」

 

「え?」

 

「私、もう迷わない。響にどう思われようと関係ない。響一人に、背負わせたくないんだ…私だって戦いたい」

 

 

「私は…響と一緒にいたいんだ」

 

 

未来は、響を抱きしめて、震えながら、涙を流しながら、言葉を紡いだ。今までの関係を壊してしまうのが嫌で、ずっと抑え込んでいた想いを、真っ直ぐに響に届けた。

 

 

『確かに、あいつらをからかっていた今までの生活は楽しかった。でも、このまま変わらないで、またあいつが、あいつらが無茶して、俺の目の前から消えることの方がずっと怖い。俺はあいつらが歌い続けてくれるのなら、どんなことでもしてみせる。例えあいつらが、俺のことを殺したくなるほど恨んだとしてもだ』

 

 

あの日、ナナシが言った言葉。例え今までの関係を壊してしまっても、守りたいものがあるとナナシは言っていた。それを聞いた未来は、ナナシにこう答えたのだ。

 

 

『あなたはこれまでの全部を変えてしまうんじゃなくて…あなたは、あなたのままで変わっていくべきだと思うんです!』

 

 

ならば、自分も行動すべきだ。今までの関係を壊すことなく、大切な人の傍に居続けるために…

 

未来の気持ちを聞いた響は、そのまましばらく未来に抱きしめられたまま時を過ごした後、ゆっくりとその口を開いた。

 

「師匠に…未来が今日会った大人の人達の、一番偉い人に聞いてみる」

 

「!!」

 

「わたしの親友が、一緒にいられる方法がないか…一緒に戦える方法がないか、聞いてみる。本当に戦うことは、多分できないだろうけど…わたしも、未来と一緒にいたい。もう、未来に隠し事はしたくないんだ」

 

「響…」

 

「ずっと…ずっと何も言わなくて、心配掛けさせて、ごめんね。何度も約束を守れなくて、ごめんね…」

 

 

「一緒にいてくれようとして…想いを伝えてくれて、ありがとう」

 

 

響はそう言って、未来を抱きしめ返した。今まですれ違っていた分を取り戻すように、響は自分の『陽だまり』の温もりを感じていた。未来もまた、そんな響の頭を撫でながら、自分の『太陽』が輝きを取り戻したことに安堵した。

 

 

 

 

 

「ところで響」

 

「ん?何?未来?」

 

しばらく未来を抱きしめていた響が、体を離そうとした時、未来がニッコリした顔で響の両肩に手を置いて言葉を掛けてきた。力加減を間違えたのか、少し強めの力を響は肩に感じた。

 

「私と話をしてくれた男の人はね、こんなことを言っていたんだ。自分にとって、世界よりも大切な人達がいるって」

 

「ああ、わたしも聞いたことある。凄いよね?そんなことを人前で迷うことなく断言できるなんて」

 

「…あの人はね、その後こう続けたんだ。そこに最近、新人の女の子が加わったって」

 

「……ふぇ!!?」

 

未来が言った言葉を、少し間を置いて理解した響が、間の抜けた声を出して顔を赤くする。未来はそんな響の肩に掛けた手の力を強めながら、笑顔のまま言葉を続ける。

 

「あの人はこうも言ってたんだ。真面目な先輩と新人が、頼りになる先輩を取り合って修羅場だって」

 

「えええええええええ!!?!?」

 

「…どういうことか説明してもらっていいカナ?カナ?」

 

「み、みみみ、未来!?未来!!?落ち着いて!!知らない!?それはわたしも知らないぃぃぃ!!?」

 

…こうして響は、ナナシ本人も知らない間に、いつも二課の人間が被害にあっているナナシの洗礼を受けることになった。

 




主人公の感情センサーはそこまで精度が良くありません。場合によっては感じ取った感情の種類すらわからないことがあります。それを主人公は喜怒哀楽の割合や相手の性格から”妄想”して判別しています。イメージはメンタリストが近いですかね?
それでも多少は感情の強弱については感じ取れるのですが、そこは単純に主人公がそっち方面に鈍いだけですw相手の感情を感知できる鈍感系主人公w
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