戦姫絶唱シンフォギア コドクの神が求めるモノ   作:@sora@

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第27話

未来に響の現状を説明した翌日

 

響は未来との話し合いが問題なく行えたことを二課の面々に説明し、弦十郎に自分と未来の要望を伝えた。弦十郎はその場で返答することを避けたが、近いうちに必ず返事をすると約束をした。響も、突然の自分の要望がすんなり通るとは思っていなかったので、弦十郎の返事を大人しく待つことにして、改めて二課の面々にお礼を言って回っていった。そして、響はナナシにも結果の報告とお礼を言いに来たのだが…

 

(…響の奴、律儀に俺にもお礼を言いに来たのは良いが…俺の顔を見て恨みがましい表情を浮かべたり、頬を緩めたり、顔を赤くしたり、逆に青ざめたりと何か表情が面白いことになっていたけど、どうしたんだろう?感情も行ったり来たりで取っ散らかっていたし…昨日の戦闘と、友達との話し合いで肉体的にも精神的にも疲れていたのかな?)

 

ナナシが響に問い質す前に、響は要件を言ってそそくさと離れて行ったため、ナナシはその日ずっと頭に疑問符を浮かべていた。

 

 

 

 

 

数日後

 

未来は早朝、一人で学校に向かっていた。響から、自分の要望に対する返答には時間が掛かることは聞いていたし、納得もしたが、どうしても落ち着かずに目を覚ましてしまったのだ。眠っている親友を起こすのも忍びないため、書置きだけして先に登校することにした。

その日の天気は雨で、未来は傘を差して通学路をゆっくり歩いている途中で、ふと視線を向けた路地裏のゴミ箱の陰に、倒れた人影を見つけた。

 

「っ!?大丈夫ですか!?」

 

未来はすぐさま倒れている人物に近づいた。

 

 

 

「うぅ…くっ…はぁ!?」

 

うなされ、呻き声を上げた後、倒れていた人物…雪音クリスは、飛び上がるように目を覚ました。そして周囲を見回し、自分の現在の状況を確かめていると…

 

「良かった。目が覚めたのね。びしょ濡れだったから、着替えさせてもらったわ」

 

…隣に座る未来に声を掛けられた。クリスは自分の体を見て、そこに「小日向」と大きく書かれた体操着があることを確認すると

 

「か、勝手なことを!」

 

そう叫びながら、勢いよく立ち上がった。それを見た未来が、顔を赤くして目を泳がせているのを見て、未来の視線の先に自分も目を向けると…

 

「ッ!?な、何でだ!?」

 

「さ、流石に下着の替えまでは持ってなかったから…」

 

それを聞いてクリスは、座り込んで布団に包まった。

 

「未来ちゃん。どう?お友達の具合は?」

 

「目が覚めたところです。ありがとうおばちゃん」

 

隣の部屋から現れた女性が未来に声を掛ける。未来はその女性…お好み焼き屋『ふらわー』のおばちゃんに返事をしつつ、洗濯物を干す手伝いを始めた。その様子を、クリスは困惑しながら眺めていた。

 

 

 

「…あ、ありがとう」

 

「うん」

 

戻ってきた未来は、クリスの体をタオルで拭っていた。クリスの体中にある痣が目に入っているが、未来は黙ってクリスの体を拭き続けた。

 

「…何にも、聞かないんだな?」

 

「…うん、私はまだ、そういうの苦手みたい…今までの関係を壊したくなくて、抑え込んで…もう少しで一番大切なものを壊してしまうところだったのに…」

 

「それって、誰かと喧嘩したってことなのか?」

 

「…喧嘩、だったのかな?…そうなのかも…でも、最近やっと仲直りすることができたの」

 

「そうか…良かったな」

 

「うん」

 

「喧嘩か…あたしにはよく分からないことだな」

 

「友達と喧嘩したことないの?」

 

「友達いないんだ…」

 

「え?」

 

「地球の裏側でパパとママを殺されたあたしは、ずっと一人で生きてきたからな…友達どころじゃなかった」

 

「そんな…」

 

「たった一人、理解してくれると思った人も、あたしを道具の様に扱うばかりだった…誰もまともに相手してくれなかったのさ…大人は、どいつもこいつもクズ揃いだ…痛いと言っても聞いてくれなかった…止めてと言っても聞いてくれなかった…あたしの話なんか、これっぽっちも聞いてくれなかった!」

 

「…ごめんなさい」

 

「…悪い。あんたに言ってもしょうがない話だったな。忘れろ」

 

「…ありがとう」

 

「あぁ?あたしは何もしてないぞ?」

 

「ううん、本当にありがとう。話を聞かせてくれて、私のことも気遣ってくれて。えっと…」

 

「…クリス、雪音クリスだ」

 

「優しいんだね、クリスは」

 

「ッ!?…そうか?」

 

「私は小日向未来。もしもクリスが良いのなら…私は、クリスの友達になりたい」

 

「ッ!?」

 

未来がそう言って、クリスの手を取ると、クリスは驚いた表情を浮かべた後…未来の手を振り払って背を向けてしまった。

 

「あたしは、お前達に酷いことをしたんだぞ…」

 

「え?」

 

クリスの言葉の意味が分からず、未来が聞き返そうとした。その時…町中に、警報の音が鳴り響いた。

 

 

 

店から出た未来、クリス、おばちゃんの三人の前には、悲鳴を上げながら逃げ惑う人々や、泣きながら親に手を引かれる子供の姿があった。

 

「おい、一体何の騒ぎだ?」

 

「何って、ノイズが現れたのよ!警戒警報知らないの!?」

 

「ッ!!?」

 

ノイズが現れた…クリスにとって、それが意味することは、つまり…

 

「くっ!」

 

「あ!クリス!!」

 

未来の制止の声も聞かず、クリスは逃げ惑う人々の流れに逆らって、ノイズが出現した方向に駆けて行った。

 

 

 

広い道路まで出たクリスはそこで立ち止まり息を整える。その脳裏には、先程見かけた逃げ惑う人々の顔や、泣いている子供の顔が浮かんでいた。

 

「あたしのせいで、関係の無い奴らまで…ッ!!」

 

 

「うわああああああああああああぁぁぁぁ!!!!」

 

 

行き場のない感情がクリスの中で膨らみ、クリスは大声で叫んだ…そして、涙を流しながらその場に膝をついて座り込んだ。

 

「あたしがしたかったのはこんなことじゃない!けど、いつだってあたしのやることは…」

 

クリスの脳裏に、今までの自分の行いが浮かび上がる。自分が吹き飛ばした車の下敷きになるところだった未来、絶唱を放った翼、自分を庇って負傷した響、そして…デュランダルの一撃で体が半分消し飛んだナナシ。

 

「ッ!!いつもいつもいつも!!!…くうぅぅ…」

 

そう言って、涙を流しながら項垂れるクリスを、ノイズの群れが包囲し始めた。

クリスは、泣くのを止めて静かに立ち上がると、その顔に覚悟を表して、ノイズ達を睨みつけた。

 

「あたしはここだ!だから…関係ない奴らのところになんて行くんじゃねえ!!!」

 

そう叫んだクリスに対して、ノイズ達が一斉に襲い掛かる。

 

Killter Ich…ケホッゴホッ!?」

 

ノイズの攻撃を避けながら聖詠を口にしようとしたクリスは、途中で咽てしまい聖詠が途切れる。その隙に、飛行型ノイズがクリスに急接近してきた。

 

「ッ!?」

 

思わず息を飲むクリス。だが、そこに…

 

(フン)ッ!」

 

…クリスの前に飛び出した弦十郎が、震脚でアスファルトを引き剝がし、盾にしてノイズの攻撃を防いだ。

 

()ッ!」

 

そしてアスファルトに正拳突きを叩き込み、ノイズに触れることなくノイズを吹き飛ばした。

 

「ハアアアアァァ!!」

 

掛け声と共に構えを取って、弦十郎はクリスを守るようにノイズの群れと対峙した。

 

「あっ…えっ…?」

 

クリスがそんな弦十郎の行動に、言葉を失い呆然としていると…

 

「な・ん・で!ノイズに対抗手段が無いウチのボスが真っ先に前線に出てんだ!!?」

 

そう叫びながら、遅れてやってきたナナシがノイズの群れを殲滅し始めた。

 

「大人が子供を守る!当然のことだ!!」

 

「分かっているけど!弦十郎がそういう人間って知っているけど!!ったく、SAKIMORIの無茶なところって、絶対弦十郎の影響だからな!!ほらそっち行ったぞ!」

 

ナナシがそう声を掛けると、弦十郎は再度震脚でアスファルトを盾にしてノイズの攻撃を防ぐ。その間にクリスを抱きかかえると、一回の跳躍で三階建て以上の高さがあるビルの屋上に着地した。

 

「大丈夫か?」

 

「……」

 

弦十郎の問いにクリスは答えることなく離れる。そうしている内に、二人の近くに飛行型ノイズが迫る。

 

Killter Ichaival tron

 

今度こそ、クリスは聖詠を唱えてシンフォギアを纏う。そして、迫ってきたノイズを両手のクロスボウで撃ち落とした。

 

「御覧の通りさ!あたしのことはいいから、他の奴らの救助に向かいな!」

 

「だが…」

 

「こいつらはあたしがまとめて相手にしてやるって言ってんだよ!」

 

クリスはそう言うと、弦十郎の返事も聞かずに歌いながらノイズの群れに向かって行った。

そんなクリスを見ながら、悲しそうな目をして弦十郎は呟いた。

 

「…俺は、またあの子を救えないのか」

 

 

 

ナナシは危なげなくノイズを減らしていった…が、ノイズの数が多く、なかなか終わりが見えない。徒手空拳でしか戦えないナナシは、多数の雑魚を相手にするのには向いていなかった。

 

(かと言って、まだ翼を戦線に戻す訳にはいかない。だがこのままだとまた出張って来そうだよなあのSAKIMORI…クッソ、漫画だとこういう時に力に目覚めるもんだろ!主人公なんてガラじゃないけど目覚めろご都合主義パワー!!)

 

そんなことを考えながらも、黙々とノイズを撃破していると…突如、上空から降り注いだ何かが、目の前のノイズの群れを塵へと変えた。

 

「え!?マジで何か覚醒した!?」

 

「何をバカなことを抜かしてやがる、このご都合主義!」

 

「!?」

 

ナナシが上を見上げると、建物の上でクリスがガトリングを構えていた。

 

「おお!白いの…いや、もう白の方が少ないか…赤いの!協力してくれるのか!」

 

「勘違いすんじゃねえ!てめえと馴れ合う気なんてこれっぽっちもねえ!」

 

「お~!これが『ツンデレ』のセリフか!初めてリアルで聞いたな!」

 

「何の話だ!?こいつらはあたしが全部引き受けるから、てめえはどっか…」

 

「ああ、俺はお前の近くに接近してきたノイズを片付けるから、背中は任せろよ!赤いの!」

 

「なっ!?ちげぇよ!てめえはさっさと…」

 

「よっと」

 

話ながらクリスの近づいていたナナシは、クリスの背後に迫っていたノイズを拳で消滅させた。

 

「!!」

 

「ほら、悪いけど数を減らすのは頼んだ。このままだと、そのうち散らばって被害が出る」

 

「ッ!?…ああもう!間違って巻き込まれても知らねえからな!!」

 

「寧ろ俺なんかのために攻撃を躊躇うなよ赤いの!俺の不死身っぷりは知っているだろ?気にせずぶっ放せ!」

 

そう言ってナナシは、走って迫ってくるノイズや、上空から奇襲をかけてくるノイズの対処を開始した。クリスも、とりあえずナナシのことは頭から追い出してノイズへの攻撃を開始した。そうして、二人はものの数分で周囲のノイズを全滅させた。

 

「助かったよ赤いの。俺だと何倍も時間が掛かった」

 

そう言ってナナシはクリスに手を差し出すが、クリスはその手を叩いてナナシに怒鳴りつける。

 

「あたしは、あたしの責任を果たしただけだ!お前と協力したつもりはこれっぽっちも無い!!お前が勝手にあたしの周りをウロチョロしてただけだ!!」

 

「…なら、お互い勝手に戦ったってことで、前回の貸しはまだ返してもらってないってことで良いか?」

 

「ッ!?」

 

「さっきお前にお願いしたいことが決まってな。お前が貸しなんて知らないって言うならそこまでだし、今回のことを共闘だと認めてくれるならそれで貸しは無しでいい」

 

「…何だよ?お前の頼みってのは…」

 

共闘を認めるつもりは無い。だけど貸しなんか知らないと言う気にはなれない。そんな想いから、クリスは不機嫌そうにナナシに問う。

 

「いつか、ちゃんとお前の気持ちを籠めた歌を聴かせて欲しい」

 

「ッ!!?」

 

「何があったか知らないけど、前にあった時よりも良い歌を歌えるようになっているから、今後が楽しみになってな」

 

「ふざけるな!!あたしは…」

 

「歌が大っ嫌い、だったか?せっかく綺麗な歌声なのにもったいない…だから俺も『いつか』って言った。今嫌いでも、この先ずっと嫌いとは限らないだろ?」

 

「そんな訳が!!」

 

「それに、これは俺の妄想だけど…言うほどお前は歌を嫌ってないだろ?お前の言葉が嘘だとは思わないけど、正確じゃない気がする。お前が嫌いなのは本当に歌か?」

 

「ッ!!?」

 

「ま、今日のところは助かったし、このくらいにしておこう。じゃあまたな。赤いの」

 

「…クリスだ!雪音クリス!赤いのなんかじゃねえ!!」

 

「ちゃんと歌を聴かせてくれたら呼ぶことにするよ。じゃあな!」

 

一方的にそう言い残し、ナナシはその場を後にした。

 

「…勝手なことばかり言いやがって…クソ…」

 

 

 

 

 

クリスと別れたナナシは、弦十郎と連絡を取り、ノイズの反応が無くなったことを確認した際、響とその親友がノイズに襲われたことと、無事生還して弦十郎達と事後処理の話をしているという話を聞いた。

 

(…まあ、問題は無くなったらしいけど、一応簡単に挨拶だけでもしておくか)

 

結局今まで会うことのなかった響の親友の顔を見てみたいという気持ちもあり、ナナシは弦十郎達と合流するためにその場所へ向かった。

 

「…あ!兄弟子~!」

 

遠くで響がナナシに気が付き手を振ってきた。近くに弦十郎と緒川もいる。響の親友は弦十郎の陰に隠れてまだ見えない。ナナシは軽く響に手を振り返しながら近づいていき、件の親友の方へ視線を向けて…その見覚えのある顔に一瞬フリーズした。

 

(待て!?待って!!?WAIT!!!?何でここにこの子が!?響の親友!!?何でこんな時ばかりこんな漫画みたいな展開になる!!?)

 

ナナシは混乱しながら、この後の展開について必死に思考を回転させる。

 

(これ俺が知っていてこの子に接触したと思われないか!?そんなことになったらまた響とこの子の関係に罅が!!?…いや、落ち着け。この子への今後の接し方は、後でじっくり考えるとして、とりあえずこの場を乗り切ろう!こんな時のための俺の能力だ!!)

 

ナナシが混乱しながらも頭の中でそう方針を決め、行動を開始する。

 

「未来、この人が…」

 

(おい響、弦十郎、慎次。三人ともちょっと話を合わせろ!!)

 

(((!!?)))

 

突然のナナシからの“念話”に三人は驚き、響は言葉を途切れさせる。その隙にナナシは未来への自己紹介を開始した。

 

「初めまして。私は響さんと同じく、風鳴司令に訓練を付けて頂いている者で、響さん達の活動の補佐をさせて頂いています」

 

「えっと、はい、初めまして?」

 

早口なナナシの紹介を聞いた未来が少し困惑しながら返事をしてきた。

 

(良し!!後は忙しいのを理由にこのまま名乗らずにこの場を離脱して、後で響達に事情を話して口裏を合わせれば…)

 

だが、ナナシは忘れている。こういう時、ナナシが良く知る創作物の中では、こういった隠蔽工作は大体失敗に終わるということを…

 

「えっ!?未来ってナナシさんと以前お話したんじゃないの!!?」

 

「え?」

 

(おい響!?てか何で知っている!!?)

 

ナナシが慌てて響に“念話”で伝えるが、時すでに遅し。

 

「え?この人が、あの時の?でも、あれ?顔も、口調も…でも、あの人の顔もハッキリ分からなかったし、この人が、響に聞いてた…ッ!!?」

 

ナナシは、思わず頭を抱えた。未来の反応から、“認識阻害”が解けてしまったのを察したからだ。

 

「あー…響?」

 

「は、はい!」

 

「…お前達と一緒で、俺のことも一応極秘事項扱いになっているはずだけど…何でこの子は、“認識阻害”が機能停止するぐらい俺についての情報を持っているのかな?」

 

「え、えーっと、それは…」

 

言い淀む響を遮るように、未来がナナシの前まで移動して話しかけてきた。

 

「先日、私の相談に乗って頂いた方で、間違いないでしょうか?」

 

「…ああ、間違いない…ナナシと言う。ボロボロみたいだけど、大丈夫か?」

 

「小日向未来です。はい、大きな怪我は特にありません」

 

「そうか…」

 

「…先日は、どうもありがとうございました。あなたのお陰で、親友に私の想いを伝えることができました」

 

「いや、それはあんたが勇気を出した結果だろ?助けられたのは俺だ。あんたのお陰で、俺は無理に変わらずにあいつらの傍に残ることができた」

 

「あなたの方も、大切な方達と上手くいったなら良かったです。ずっと気になってました」

 

「まあ、俺も恩人のことが気になってはいたから、結果を知ることができて良かったよ…ところで、何で響は俺があんたと話していたことを知っていた?俺、普段からさっきみたいに、知らない人には俺が誰だか分からなくなるようにしているんだけど…」

 

「あなたが最後に呟いてるのを聞いてしまいました。響は私のこと、普段から『陽だまり』って言ってくれてるんです」

 

「お前は普段から親友に何を口走っている妹弟子!?」

 

「兄弟子にだけは言われたくありません!!」

 

ナナシは頭に手を当てて天を仰いだ。先程は響にああ言ったが、明らかに自分の過失だという自覚があった。

 

「それで、以前こちらの緒川さんから話を聞いた日に響と話し合った後、私があなたのことを色々聞き出したんです」

 

「ちょ、ちょっと未来!?」

 

「とても強くて、頼りになって、周りの人のことを良く見ていて、悪戯好きで、たまに厳しいことを言われるけど、それは相手のことを真剣に考えてくれたから出てくる言葉だからで、本当は凄く優しい、自分にお兄さんがいたらこんな感じなのかなって思える、とっても素敵な人だって」

 

「!!?!?」

 

未来が響の言葉を暴露したことで、響は顔を真っ赤に染めて慌てだした。

 

「響、悪戯好き以外は誰のことだ?お前の先輩達や弦十郎達のことが混ざってないか?」

 

「響の話を聞いて、私の相談に乗ってくれた人だという確信に近づきました」

 

「何でだ!?」

 

「あとは、色々と不思議なことができるってことをふんわり教えて貰いました」

 

「そ、そうか…」

 

「実は私、外部協力者として、二課に登録していただくことになりました。響にお願いして、弦十郎さんにお話をしてもらってたんです」

 

「ああ、聞いている。やっぱりその形で落ち着いたか」

 

「はい。今後は話だけでなく、私自身の目で見て、あなたのことを知れたらいいと思っています。ですから、これからよろしくお願いしますね(ニッコリ)」

 

「あ、ああ、よろしく…(何だろう?妙な『圧』を感じる…嫌われてはないと思うけど、この感情は…対抗心?ダメだ。色々複雑で読み切れない…)」

 

こうして、無事?ナナシと未来は邂逅を終えて、響達は寮に戻ることになった。その際、未来が弦十郎にあることを伝えた。

 

「あの、私、避難の途中で友達とはぐれてしまって…雪音クリスと言うんですけど」

 

「っ!?…被害者が出たとの知らせも、受けていない。その友達とも、連絡が取れるようになるだろう。心配ない」

 

「良かった…」

 

そう言って、未来は響を追って寮へと戻っていった。その会話を、近くでナナシは聞いていた。

 

 

 

 

 

「……」

 

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