俺は「俺TUEEEEE」がしたい   作:味塩

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八話 パーティ

ギルドの受付に採取して来た薬草を渡す、ギルドの職員は手早く確認すると

 

「お疲れ様でした、クエスト達成です」

「こちらが今回の報酬です、それとアキラさんはこれで三度クエスト達成しましたのでGランクからFランクに昇級となります」

 

「こちらが新しいプレートです」

 

ギルド職員がからプレートを受け取りその場を離れる。

初クエスト達成から五日、一昨日のコボルトの調査も今日の薬草採取もどちらも戦闘自体発生せず何事も無く完了した。

 

コボルトの調査に至ってはそれらしき魔物は居らずそれをそのまま報告したら達成となった、低ランクの調査クエストだと偶にあるそうで、依頼者からも居ないに越した事は無いと言われた。

 

報告も終わりギルド内の酒場に向かえばゴルドが酒を飲みながら待っていた。

 

「おう終わったか?」

 

「あぁほらFランクになったぜ」

 

「ならこれからの事話すか」

 

席につきゴルドの話を聞く、新人は基本的にGを超えたら何処かのパーティに入る。ゴルドに師事して貰うのももう終わりになるからそれについての話だろう。

 

「あーそうだな、基本的流れは前に話したが、お前さんの場合はそれに当てはまらねぇ可能性が高い」

 

「どう言う事だ?ゴルドがパーティを紹介してくれるんじゃ無いのか?」

 

「普通ならそうだ、俺やギルドからの紹介かパーティからスカウトが来てればそこに連れて行くんだが、、」

「あー面倒だからはっきり言うぜ、お前さんをパーティに入れようとする奴は居ねえ」

 

 

「え?」

 

「俺にスカウトとか来てないのか?」

 

「来てねえな、多分俺から紹介しようが断られるぜ」

 

 

「まじ?」

 

「まじだ」

 

「俺ってそんなにやばいのか?ユニークスキルだって持ってるのに?」

 

正直引く手数多だと思って居た俺は衝撃を受けた。

 

 

「やばくはねーな、戦闘力もそこらの新人じゃ比べられねえぐらいに強い頭も悪く無えし性格も問題ない、それだけなら正に期待の新人だ」

 

「なら何でなんだ?」

 

「ユニークスキルだ」

 

「ユニークスキル?」

何故ユニークスキルがマイナスに働くのかわからない、俺のスキルは遠近どちらも戦える、命をかけて戦う以上強いスキルを持った仲間は欲しいはず。

 

 

「お前さんのスキルは強いが俺と同じで威力がデカ過ぎる、ついでに音もデカいから魔物が寄ってくるんだよ」

 

「こないだのゴブリンの調査だって普通ならあんな連戦は起きねえ、魔物の群れを討伐する時は各個撃破が定石だが俺達はそれが出来ねぇ」

「スキル使えや立ち待ち魔物が押し寄せて来るからな」

 

魔物は基本的に好戦的な奴が多くそいつらは大きな音に怖がる事は無い、むしろ獲物を求めて近付いて来る可能性が高い、近付き音の発生源が人と知れば襲い掛かって来るだろう。

 

それを考えれば確かに俺のスキルは隠密行動には全く向かず、戦えば周囲の魔物を呼び寄せ狩り尽くすまで連戦が続くかも知れない。

 

 

「まじかよ、、」

頭では理解出来るが納得はしたくない。

衝撃を受けて居る俺を見てゴルドは続ける、

 

「そう言えや何で俺がソロなのか教えてやる約束だったな、俺が『台無しのゴルド』何て呼ばれんのは倒した魔物がボロ雑巾見てえになって素材として使えなくなるからだ」

 

「これもお前さんに当てはまるぜ」

 

 

頭が痛くなって来た、確かに俺は派手に魔物を倒す事に憧れ雷を選んだが綺麗な状態で殺すのには不向きだ。

 

ゴルドの爆発程では無いと思うが俺が魔物を攻撃すれば、肉や皮は焦げるし高威力の技を使ったら素材として何か残るのかさえわからない。場合によっては魔石以外の素材価値が無くなる。

 

 

冒険者の収入源はクエストの報酬と魔物の素材の換金だ。ただ割合で言えば素材の換金の方が圧倒的に高い、危険な魔物の素材となればその入手難易度から価値は高くなる。

この世界では魔物の肉も普通に食べる為、肉の需要も高い。

 

 

冒険者は命をかけて戦っている、それに見合う報酬が無ければ続けられない。

冒険者として稼ぐと考えた場合、俺は魔物引き寄せるわ素材ダメにするでパーティに誘って貰える訳が無かった。

 

 

 

この世界はとことん思惑通りに進まないな。

 

 

「じゃぁ俺はどうすれば良いんだ?」

 

「お前さんにある道は二つだな、一つはソロで冒険者をやってく事、二つ目は冒険者を辞めて兵士になる事だ」

 

「ここまで来て辞めるのかよ!」

 

「そんな珍しい話じゃねえぞ、冒険者より兵士に向いてる奴は割と多い。それに兵士になった場合はお前さんは優遇されるぜ」

「あいつらは魔物を殺す事が一番重要だからな、遠距離から強力なスキルで攻撃出来る奴は大歓迎だろうよ」

 

 

「ゴルドは兵士にならなかったのか?」

 

「俺のスキルは兵士見てえな集団戦には合わねえし俺の性格にも合わねえからな」

 

兵士、そう言えば最初に会った兵士もそんな事を言ってたな。

でも違うんだよな。

異世界まで来たんだ、この世界では出来る事よりもやりたい事を優先したい。その為にこの力を選んだ、理想通りじゃ無くても俺は冒険者になりたい。

 

「ソロだとどうなるんだ?」

 

「ソロか?ソロでやってくなら俺が教えてやるよ」

 

そう答えるゴルドは何処か嬉しそうであった。

 

「ソロなら基本的には討伐クエストを臨時パーティで受けるか、ランクを下げたクエストを一人で行くかだな」

 

「臨時ならパーティ組めるのか?」

 

「臨時パーティつっても同じ様な訳ありの連中ばかりだが運が良ければ組めるぜ」

 

「まぁ直ぐに決める必要は無えさ、ソロで冒険者やっても生きてさえいりゃ兵士にはいつでもなれるからな」

 

生きてさえ居ればか、討伐目標が格下でも外に出る以上は危険は避けられないし、臨時パーティにも不安が残る。

 

 

 

 

 

 

その後はゆっくり考えたいと言い解散した、ゴルドからは決まったら教えろとだけ。

 

荒屋で一人考える、兵士を選ぶ気は無いがどうすれば良いのかがわからない。

 

ゴルドの様にソロでやってくか?

 

この世界に来た当初で有れば「ソロ冒険者とかカッコいいじゃん!」とか思いそうだが現実を知った今では危険過ぎて無理だ、危険なだけで金は大して稼げないのも辛い。

 

生活環境を上げる為にも金は必要だし、子供っぽいが俺はやっぱりこの世界で強くなってカッコいい男になりたい。どうすれば良いのか、、、

 

 

難しい、元の世界でもあったがやりたい事と出来る事の相違。思考だけがぐるぐる回るが名案は思い付かない。

漫画や小説ならここで美少女戦闘奴隷との出会いがあるがこの世界に奴隷制度は無い。

 

美少女達で構成されたパーティが夢だったが、俺では普通のパーティにも入れて貰えない。

 

俺は考え続けるが段々と不満も溜まって来た

 

「この能力強いだろ、雷扱えるんだぜ?それが期待の新人どころか地雷扱いかよ!」

「ゴルドだってあれだけ強いのに二つ名が台無しはないだろ」

 

言い出したら更に不満を感じるが必死に自分を落ち着かせる、選んだのは自分だしこの力を貰った事を後悔はしたくない。

 

 

冷静に考えれば俺は不満を感じているだけなのだと気付いた、冒険者を諦められない以上兵士になる道は無い。

ゴルドに教えて貰いながらソロでやってくしか無いのだ。

 

そこで遂に名案を思い付く。

 

「ゴルドとパーティ組めば良く無いか?」

 

シンプルだ、まず思い付きそうな案だがゴルドと組めばソロでやる必要は無い。

俺はゴルドと固定パーティを組む前提で考えを進める。

 

「俺もゴルドも戦うデメリット同じだし一人より余程安全だよな」

 

「ゴルドの話じゃ討伐クエストだけでも稼げないけど食えない訳じゃ無いっぽいし」

 

「俺とゴルドが組んだら素材収益は終わる、ならもうそっちは捨ててばんばん討伐クエスト受けるとか」

 

「俺がもっと強くなれば受けれるクエストのランクも報酬も上がるし、ゴルドとの連携技とかも面白いかも知れない」

 

完全に皮算用だが不満に頭悩ませるよりは良い様な気がして居た。ゴルドに断られたら全て水の泡だが頭は冴え思考は進む。

 

「いっそ討伐メインの最強パーティを作るのもありだな!」

「金はなくてもどんな魔物も倒す最強のパーティ、悪くない、寧ろこれこそ俺の目指すべき場所な気がして来た!」

 

パーティとしては二人じゃ少ないが同じ様な奴が居るかも知れない、居ないかも知れないけどその時はその時だ。

さらば存在しない美少女達、俺はこれからおっさんにパーティを申し込む。

 

善は急げ、暴走とも言える思考のまま俺は荒屋を飛び出した。

辺りはもう暗くなって居るがこの時間ならゴルドはギルドの酒場で飲んでいる筈、俺は急いでギルドに向かった。

 

 

ギルドの酒場に着けば案の定ゴルドが酒を飲んでいる、こちらに気付いて少し驚くゴルドに駆け寄る。

 

「何だ?どうかしたのか」

 

「ゴルド!俺とパーティを組もうぜ!」

 

 

 

 

 

 

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