俺は「俺TUEEEEE」がしたい   作:味塩

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二十話 オーガとの戦い

稲妻の如く駆け寄り回し蹴りを放つ、頭に直撃したがオーガは多少怯むだけで大きなダメージは入っていない様だ。

 

 

直ぐに巨木の様な腕が振るわれ避ける。

オーガに付いて詳しくは知らないが見た目と蹴った感触からしてタフなパワータイプ、スピードなら俺の方が上。

しかしさっきの感触からして一撃で倒すのは難しい、オーガの生命力を超える連撃を打ち込まなければならないだろう。

 

 

一撃でも喰らえば終わり、俺は覚悟を決めオーガへ迫る。

再度振るわれる剛腕を屈んで避けオーガの横っ腹に一撃、オーガが怯んでいる間にもう一度殴り付ける。

そこから止まらず怒涛の連打を打ち込む。

 

 

「ウオオオオオオ!!!!」

 

 

雄叫びを上げ、ここで勝負を決めんと打ち続ける。連撃の勢いに負けオーガの体が後ろへと下がり始めた。

 

 

我武者羅に一撃一撃必殺の思いを乗せて拳や足を振るう。

 

 

 

 

 

 

どれ程打ち込んだかも分からなくなった時、渾身の右ストレートを決めオーガは苦しみ膝をついた。

 

 

その隙に少し距離を取り両手をオーガに向け、纏っていた雷と新たに生成した雷を両手の前に溜める。

今の状態で出せる最大の技、限界まで集まったエネルギーは激しく光り大きくなり続け

 

 

 

「これで終わりだ!サンダーブレイク‼︎」

 

 

放たれた雷のエネルギー弾は雷鳴を轟かせオーガに直撃、荒ぶる雷がオーガを呑み込む。

魔力は殆ど使ってしまったがその分威力は絶大、撃破は間違いないだろう。

 

 

 

「ハァハァ…こいつが何体も居たらやばいな…」

 

 

大技を使い肩で息をする、木っ端微塵にするつもりで放ったがオーガは白目を剥き口から煙を吐いている。

その事実に驚愕した瞬間ギロリとオーガがこちらを睨んだ。

 

 

「嘘だろ…」

 

 

「ガアァァァァァァァァァ!!!!!」

 

 

オーガは雄叫びを上げその目には怒りが宿る、明確な殺意を持った暴力の化身がこちらに迫る。

 

 

「やば、、!」

 

 

態勢も整って居ない俺は咄嗟に動く事が出来ず、横薙ぎに振るわれたオーガの剛腕を避ける事ができなかった。

 

 

「グハッ!」

 

 

その威力は凄まじく体はバウンドしながら何メートルも飛ばされた。たった一撃くらっただけでガードに使った腕は折れ体からは激痛が走るのみで動けない。

 

 

オーガは焦る事なくゆっくりと近づいて来ている。

俺にトドメを刺す為に。

 

その時、未だに自分が勘違いをしていた事に気が付いた。オーガはイベントのボスでも物語の主人公が成長の為に乗り越えるハードルでもない。

強靭で凶悪な本物の化け物だと。

 

 

(やばい、、、このままじゃ死ぬ)

 

 

油断した、あれだけの技を放てば確実に相手は死ぬと気を緩めてしまった。今の俺なら勝てると驕った。

蓋を開ければ最強の技は通じず一撃で瀕死、俺の心に焦りと絶望感が現れ出した。

 

 

(動け!動けよ!)

 

 

立とうとするも痛みが増すだけ、今の俺では逃げる事も出来ない。だが自分がもう直ぐ殺されるとわかっても恐怖は無かった。

一度は死んだ身、死後を知ってる為怖くは無いが、、、

 

 

「情け、ねぇな、、人のピンチにも間に合わない、、強敵にも、勝てない、、、」

 

「チートあっても、、俺じゃぁ本物になれないのか、、、」

 

 

刻々と迫る死に言葉が漏れる。

物語に出て来る様な強くて、優しくて、カッコいい男に憧れた。どんな強敵でも倒し、数えきれ無い程の大軍でも引く事なく無双する強さが欲しかった。

そして力を貰いこの世界で自分もそうなれると喜んだ。

 

だが駄目だった、俺では何もかも足りない。

危機感や精神力、人のピンチに間に合う運、そして強さも。

 

 

何も成せず死ぬ、馬鹿なガキが調子に乗って自分の力を過信して死ぬだけ。

その事実が悔しかった。

 

 

「最後の、意地ぐらい、見せてやる」

 

 

 

俺は折れていない比較的動く腕を動かしオーガに向ける、激痛に耐え指先に雷を集める。

こんな攻撃大した意味は無いとわかっている、それでもただ殺されるなんて最後は受け入れたく無かった。

 

そしてオーガが目の前まで迫った時、爆発音と共に怒声が響いた。

 

 

 

「どけぇぇぇぇ!!!!」

 

 

 

オーガに突撃するゴルド、不意を突かれたのかオーガはゴルドのタックルに耐えきれず飛ばされる。

 

 

「アキラ!無事、、、じゃねえな、ジーナ!」

 

 

ゴルドはオーガを警戒しながらもこちらに顔を向け、直ぐにジーナを呼ぶ。

 

 

「そんなデカい声出さなくてもわかってるさ」

 

 

ジーナはやや呆れた様に返す。ゴルドは直ぐにオーガに向き直りかけ出した、治療の為の時間を稼ぐつもりなのだろう。

 

 

 

(何で今まで忘れていたんだ)

 

 

 

勝手に死のうとしていた、オーガに最後の攻撃を仕掛けその後は死ぬだろうと諦めていた。

馬鹿なガキの夢を信じてくれた仲間を忘れて。

 

 

 

(本当に俺は駄目な奴だ、俺が本物じゃ無くても仲間は本物なのに)

(ここで投げ出したら俺は自分を一生許せない)

 

 

みっともなからろうが弱かろうが、共に命をかけて戦う仲間を裏切るなと心が叫ぶ。

 

俺の心に再び火が灯った。

 

 

「ッハ、ましな顔になったじゃないか」

 

 

「ジーナ、、」

 

 

「さっさと治して行くよ」

 

 

ジーナは俺の腕を引っ張り折れ曲がった骨を戻す、当然更なる激痛に襲われ声が出るがジーナはきっぱりと言い放つ。

 

 

「我慢しな、アタシにだけ我慢させた罰だ」

 

 

回復魔法の光りが俺を包み込む、その光は直ぐに消えるが痛みは引き動ける様になって居た。

改めてジーナの回復魔法のレベルの高さに驚く、折れていた手も握り開きを繰り返してみたが問題なさそうだ。

 

 

「ありがとうジーナ、助かった」

 

 

「次は期待すんじゃ無いよ」

 

 

そう言うとジーナはオーガへと走り出す。

ジーナに続き俺も走り出した、体は怠いし魔力も残り少ない、殺されかけた今オーガに対する恐怖も大きい。

 

それでもゴルドやジーナと一緒ならあの化け物にだって立ち向かえる。

 

 

(絶対に三人で勝つ、誰一人欠けることなくあいつを倒す!)

 

 

心に灯った小さな火は、大火となり俺に勇気を与えてくれた。

 

 

さぁ第二ラウンドの始まりだ。

 

 

 

 




更新が遅れすみません。
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