マリオファンタジー   作:上代わちき

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六章について

・前回でも申し上げた通り、六章は「スーパーペーパーマリオ」を題材としたシナリオです。
→そのため「スーパーペーパーマリオ」のネタバレが激しい展開であることを、改めて申し上げます。ご高覧の際はご注意ください。
→また「スーパーペーパーマリオ」のストーリーを知っていることが前提のシナリオなので、こちらも改めて申し上げます。



Q つまり?
A 「スーパーペーパーマリオ」をプレイしよう! まじで面白いから!


六章プロローグ

 

 

 

 

 

 

 

 シン・クッパ城の端っこにあるマリオブラザーズの家。

 今宵のこの家には、シチューの良い匂いが充満していた。

 

「めっちゃいい匂いだ。こりゃうまいシチューだぞー」

 

 

 

 

 今日はシン・クッパ城の城下町に訪れた行商人と交渉し、かぼちゃを安く買うことができたのだ。

 そのかぼちゃを、別件で入手して保管していたミルクやらバターやらどこかしらの小麦やらと一緒に暖炉の鍋に投入。

 後はじっくりぐつぐつ煮込めば、暖かいかぼちゃのシチューが出来上がるというものだ。

 

 

「戻ったぞブラザー」

「おーう。どうだったー?」

「気持ちよかった。夕方の草原を見ながらの風呂っていいもんだ」

「だろ? 作った甲斐があったってもんだ」

 

 

 

 

 家のすぐそばの庭に作った風呂でさっぱりしてきたルイージが戻ってきた。

 丁度煮込み具合もいい感じなので、早速二人して食べることにした。

 

 

「うめ、うめ」

「おかわりもあるぜ。大量に煮込んだからな」

「ありがたい。かぼちゃの暖かい甘みが身に染みるぜ……」

 

 とても、とても美味しくて暖かい晩飯だった。

 自分で作ったというのが大きいのだろうか。

 

 

 

 

「ふー。食った食った。我ながらうまいシチューだった」

「すっかり料理上手になったなブラザー。俺も精進しないとなぁ」

「お、こりゃ明日の料理が楽しみだ。期待してるぜルイージ」

「おう、なんとか期待に応えて見せるぜ」

 

 

 食べ終えたら、後は寝るだけだから自由時間だ。

 そういうわけで、今日は二人してスイッチでパーティゲームをしていくことにした。

 所謂サイコロを振ってお金とかを稼いでいく系統のアレだ。

 

 

 

 

 

「相変わらずのんきな奴らだな、マリオ、ルイージ」

「何しに来たのクッパ」

 

 とかなんとか考えていたらなんかクッパがやってきた。

 暇なのだろうか。

 

 

 

 

「ふん、実はついさっきまで難民キャンプの視察をしてきてな」

「それとこれに何の関係があるのさ?」

「関係ならあるぞ。ワガハイ直々に難民達の生活を視察した結果──」

「結果?」

「──とても! 疲れた!!! ……故に遊びに来たのだ!」

「俺達の家は休憩所か何かか」

 

 

 そういうわけで仕方なく、クッパも交えた三人でパーティゲームをすることにした。

 ……なんで歴戦の宿敵と一緒に遊んでるんだろうな。今更だけど。

 

 

 

 

 

 

 しばらくパーティゲームでド派手に盛り上がり、数回遊んで落ち着いた頃。

 クッパはおもむろに地図を取り出して部屋のテーブルに広げだした。

 なんだなんだと問い詰めてみれば、六つ目の星石の場所がわかったというではないか。

 

 

 

「今回はここで作戦会議か? 前回は城でやったのに?」

「以前と比べて難民が増えたのでな……今はあそこの一部を難民用キャンプとして開放している。故にこっちの方が色々と都合がいいのだ」

「なるほろ」

 

 

 前回は雰囲気が大事だからと言わんばかりに城でしていたのに、と思わなくもないが。

 まぁ多分クッパの方でも色々あったのだろうと思い、その言葉は飲み込んだ。

 

 

 

 

「では本題だ。これから六つ目のスターピースの回収をしてもらうわけだが──その前に、キサマらには運び屋の真似事をしてもらう」

「運び屋? 何を運ぶってんだ?」

「鍵だ。……六つ目のスターピースが眠る遺跡の扉を開くための、な」

 

 クッパが一つの木箱を取り出す。

 その中に、今回運ぶ鍵が入っていた。

 

 

 

「っ! これ、イセカイ・デアールに頼まれた時と同じ鍵……! おいクッパ、これどこから出て来たんだ?」

「この前キサマらが壊した勇者の塔からだ。あそこに囚われていたドッスンの内の一体が見つけてきたのだ。……手柄を逃したな?」

「お前からの心証を良くするために仕事してるわけじゃねぇよ。……けど、そうか。やっぱりあん時も勇者の塔がらみで、だから星石があったんだ」

 

 二つ目の星石を入手した時を思い出す。

 あの時は途中で遺跡を護るゴーレムに襲われて、かなりの苦戦を強いられたのだ。

 

 だが、今回はそういうことはなさそうだ。

 

 

 

「塔のがれきを解析したカメック達曰く、もう思念の類はいないと思っていい。……もちろん、今回の遺跡を護っているだろうゴーレムも機能停止している筈だ」

「てことは、わりかし簡単に六つ目が手に入るかな?」

「そうとも限らん。……この地図を見ろ」

 

 クッパが広げた地図を見やる。

 雪山地帯を差すところに、目印が記されている。

 もしかしなくても、ここが遺跡の場所だろう。

 

 

 

 

 

「今回は距離が距離だから小型船を貸し出すつもりだ。恐縮せよ」

「そいつはありがたいが……どこが問題よ? 正直寒そうだなぁとは思うが」

「聞いて驚け。……ありものをそのまま引っ張ってきた欠陥品だから寒さに弱いのだ!」

「まじの欠陥品じゃねぇか!」

「ってことは、途中から歩きか」

 

 その遺跡までの道のりは、砂漠荒野の時よりも厳しい。

 途中で街が一つあるから、ひとまずはそこを目指すこととなるだろう。

 

 

 

 

「そういうことだ。現状これ以上の乗り物は使い物にならんからな、我慢してくれ。……戦艦も色々整備が必要だし」

「ったく。なんでよりにもよってこんなとこに……」

「時期が違えば、緑の丘が美しい高原地帯であり、涼しいだけの快適な旅になるだろうが……。今は雪が溶けるのを待つ時間がないのでな、諦めろ」

「……まぁ、ここまで情報を集めてくれたことには感謝するわ」

 

 

 その街で一泊して疲れを癒してから遺跡に向かい、星石を入手したらまた街に戻ってまた一泊する形となるだろうか。

 今回は少し長旅になりそうだ。

 

 

 

 

 

「けど肝心の情報がまだだぜ。魔王軍の情報はないのか?」

「生憎だが、ない。……純粋に前回よりも遠いところというのも大きいが、やはり寒冷地帯というのが致命的だ。偵察もままならん」

「仕方ないか。まぁ、明日現地に行ったときに対応しよう。こういうのは場当たり的にやっちまった方が案外なんとかなるもんだ」

「まぁそうっちゃそうだが……今回は、どうなることかなぁ」

 

 そして、間違いなく魔王軍の介入があるだろうことを考えると。

 簡単に配送仕事が終わるとは、とても思えなかった。

 

 

 

 

 

 

 




ちなみに六章はプロローグ含めて七話構成です。
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