→序盤三章と異なり、四章からは三話構成だったり四話構成だったり七話構成だったりします
・その都合で、ここからオリジナル側の世界観が少しずつ濃くなります
→「いつものマリオ」との差別化を目的とする二次創作のため、どうかご理解くださいませ
Q つまり?
A ここからが本当のマリオファンタジーだ!!!
魔物は、笑えなかった。
本能を咎められ、作戦から外され、軍の居場所を奪われた。
魔物には理解できなかった。
破壊。
殺戮。
略奪。
それこそが、魔の本質だ。
なのに──なぜ臆病者の奴が、なぜよそ者の奴が、なぜ古株なだけの奴が。
重用され、より上の地位を与えられ、幹部として在るのだ。
どれもこれも、まともに壊せぬ殺せぬ奪えぬ無能者だろうが。
「────」
故に魔物は誓ったのだ。
その身こそが魔物であることを、証明してやる────と。
────
色々あったが、とりあえず星石獣を追い払った後について語ろう。
まずキノ康とボム勝は自分達が拠点としている街に戻っていき、他の冒険者もそれぞれの地域に戻っていった。
きちんと星石獣から街を護り、水属性の魔石を掘りまくって稼いでいったわけだから、みんないい顔をして別れることができた。
また、キノ康に関してはマリオ達とは別の線でピーチ姫やキノコ王国に帰る手段を探っているとのことだったので、機会があればまた会うかもしれない。
当然街や街に訪れた商人達も、冒険者達が持ち帰った魔石により期待していた経済効果を得られることになった。
だから当面の間、この街は取引や物流が盛んになることだろう。
冒険者達が持ち帰り売り払った魔石そのものを別の街に運んだり、その利益で物々交換したり、といった具合にだ。
そういうわけで、しばらくは交易商人やそういった荷物を運ぶ運び屋の往来が多くなるだろう。
一方でマリオ達。
星石獣の上に現れたルドラの件で少々思うところこそあったが、結果的に目的の星石を入手。
これでまた一つ話が進んだ。
とはいえ結局星石そのものについてわかったことは殆どなく、星石獣狩りが終わった後もドワーフの穴蔵亭を拠点にギルドの仕事をこなしつつも情報収集に徹していた。
色々あったが、マリオブラザーズの目的は変わらない。
異世界トリップに巻き込まれたピーチ姫を探し出し、そして共にキノコ王国に帰ること。
星石集めとは、そのために役に立つかもしれないから集めているというだけなのだ。
「おい、その情報マジか」
「ああマジだ。クッパの居場所が見つかったぜ」
◆
クッパ。
キノコ王国のピーチ姫をしつこく攫って行く、カメの帝王。
奴がピーチ姫を攫って行くたびにマリオ達がクッパ城に乗り込んでピーチ姫を救出する流れは何度も繰り返されており、すでに定番化している。
その関係で、マリオブラザーズとクッパは永遠のライバルであり互いのことをよく知っているのだ。
「この街から少し離れたところにある火山……そこにクッパの奴がいるってわけか?」
「ああ。近隣住民の目撃情報曰く、火山の頂上に突然城が出来ていたって話だ」
「……それさ、俺達やあいつが異世界トリップした時に巻き込まれたクッパ城がそのまま火山に乗っているだけじゃね?」
「まぁそんな気はする」
今回の異世界トリップは、マリオブラザーズだけでなくクッパ軍団も巻き込まれている。
だからギルドの仕事やら星石集めやらの合間にクリボーやらサンボやらに遭遇するのだ。
そりゃもちろん、クッパもこの異世界のどこかにいるとは思っていた。
「けどそんなことより……ピーチ姫、いると思う?」
「十中八九。いつものようにクッパ城のどこかに幽閉されていてもおかしくない」
「クッパの奴はピーチ姫に執着しているからな。……もしクッパ城にはいなくても、奴ならピーチ姫を探してはいる筈だ。何か手がかりが見つかるかもな」
「どのみち行かない手はない。星石集めはいったんお預けだな」
そういうわけで、今回は四つ目の星石を探すわけではなく。
火山にいるクッパ城に乗り込むことになったのである。
「さすがに今回ばかりは魔王軍は関係ないかな?」
「どうだろな。星石を狙うだけが奴らの目的じゃないだろうし、何かはあると思っておいた方がいいかもね」
◆
「がっはっはー、貴様ら有り金を全部おいていけ──」
「はんまーほーむらん」
「──っぇ?!」
「そのまま吹っ飛んでった…………なんだったんだろ今の」
火山地帯に入り込むと、早速魔物の襲撃を受けた。
が、すぐハンマーで吹っ飛ばした。
見た感じギルドの依頼書などで見かけるオークの一種っぽいが、吹っ飛ばした今となってはどうでもいいか。
「それにしても飲んでてよかったな○ーラードリンク。やっぱり暑いわこの火山」
「どっちかっていうとどっかで聞いたことがあるドリンクがある事実に驚きだわ」
「もしかするとこれも、キノコ王国とは違う世界からトリップしてきたりして」
「そこまでいくとめちゃくちゃだぞ……」
それはそれとして、火山の中をどんどこ進む。
今回で話が大きく進むかもしれないと思うと、どうにも落ち着かないのだ。
「っ?! 何だ今の轟音?!」
そんな中、突然轟音が鳴り響いてきた。
「あっちだ! あっちの方からだぜブラザー!」
「あっちって……クッパ城か!」
轟音のする方を見やる。
そこには火山の上に乗っかっているクッパ城があり、そしてその周りを大量の魔物が囲んでいた。
「ありゃ、もしかして魔王軍か?」
「何かはあると思ったが、まさかここまでがっつり来るとは思わなかったわ」
「けどこりゃまずいな……もしクッパ城の中にピーチ姫がいたとしたら────」
当然ながらクッパ城の方も激しく抵抗し、飛び回る魔王軍に向けて大砲をぶっ放したりパタパタの軍勢が飛び回ったりしている。
その有様は、もう立派な戦場のそれであった。
「いや、むしろこれはチャンスだぜルイージ」
「ブラザー?」
◆
「……っと。思った通り裏口方面は警備が手薄だ。回り道した甲斐があったぜ」
「道中でなぜか異世界トリップしたハナチャンを踏みつけてしまって追いかけられた件について一言」
「ゆうな」
「わっか」
「何言っているのかわからなさすぎだろ……」
警備が薄い裏口からクッパ城に乗り込む。
遠くから見てわかる程度にはクッパ軍団は魔王軍との戦いで苦戦しており、だからマリオ達に気づく警備はかなり少ない。
故に、悠々自適にクッパ城の敷地に乗り込み、誰にも会うことなく城の中にまで入ることができた。
「あ」
「あ」
「お前ら──!」
「マリオブラザーズか──!」
とはいえもちろん完全ステルスができるわけもなく、ノコノコとカメックのコンビに見つかる。
「ちくしょう、こんなときに────! カメックさん、即興連携だ! 僕が突撃するから炎の魔法をお願いします」
「キキッ! 任された!」
ノコノコがコウラとなって突撃し、カメックの魔法で炎を纏うようになる。
「キキキッ! いくらマリオブラザーズでも、炎のコウラには対応できまい! 踏みつけもファイアボールも無駄じゃあ!」
「それはどうかな?」
それに対し、マリオがハンマーを振るう。
「キッ?! ハンマーだと? だがそれで我が炎の魔法は──」
「こんなこともあろうかと水属性に換装済みだ! 今の俺のハンマーは、炎に対して効果は抜群なんだよ!」
そう。
例の星石獣狩りでしれっと稼いだ水属性の魔石を使い、ハンマーを水属性のシロモノに強化しておいたのだ。
街の武器屋のおっちゃんの仕事により、鋼色のハンマーにはうっすらと青白い光沢がきらめいている。
それこそが水属性の魔力であり、マリオのハンマーは炎属性の攻撃を打ち消す力を得たのである。
「キーィ?!」
「ぐぅ──?!」
そういうわけで炎を纏うコウラをハンマーで撃ち返し、そのままカメックを撃破する。
その際の衝撃でノコノコも気絶したので、完全勝利である。
「やれやれ俺が出るまでもなかったか」
「まぁ流石にこの辺りはな。とはいえいちいち相手してらんねぇ、さっさとクッパのところに──」
そしてそのままクッパ城の上層へ向かう。
「ワガハイの城にネズミが入り込んだと思えば、キサマらか。マリオ、ルイージ」
「っ?!」
「っ?!」
殺気を感じ、二人してすぐ振り返る。
そこには、巨大なカメの王がいた。
もはや見慣れたライバルであり、カメ帝国の中で絶大な力を有する大魔王。
クッパ大魔王が、そこにいた。
「クッパ──!」
「さっそくお出ましか」
「やはりキサマらもこの世界に来ておったのだな」
「おうさ」
なんとなくあれでくたばるような奴ではないと確信していたが、こうして再開するとなぜか安堵を覚えてしまう。
とはいえ、そういっていられるような仲ではないので、すぐ戦えるように構える。
「キノコ王国に帰る手段──それと、一緒に巻き込まれたピーチ姫を探している。なんか知ってることないか、クッパ?」
「ふん、それをキサマらに話す義理はない」
「まぁ、そうだろうな」
「ならいつものように、力づくで聞き出してやるよ」
まずは、あの時の続きからだ。