オグリの娘 ~畜生ダービー~   作:ウヅキ

24 / 71
第24話 栄光の頂

 

 

 吾輩は競走馬である。雨にも負けず、風にも負けず、ただ生きるために走り続ける。

 前世での先輩、今世での父親だったオグリキャップ先輩の死は、半月かかって受け入れて飲み下した。

 美景牧場に帰ってから暫くは気分が沈んでいたが、妹の無邪気な姿を見ていたら自然と癒されて、元の調子を取り戻せた。

 さらに隣家のフタバちゃんが毎日のように遊びに来ては、トウモロコシや野菜をくれるから元気が出た。

 辛い時は動物や子供と戯れるのが特効薬だよ。

 よくよく考えたら、この世界の馬の魂が前世のウマ娘に生まれ変わっている可能性だって結構あるんだ。

 父親の方のオグリキャップも、≪あっち≫の世界でスターウマ娘オグリキャップ先輩に宿っていると思えば、因果が逆になっているのに目を瞑れば納得出来るし気が楽になる。

 これから来世で先輩も楽しくやっていると思えば、辛いとは思わなくなった。

 

 そうして涼しい北海道で7~8月を過ごしてから、おなじみの美浦トレセンに戻って来た。9月になっても関東の残暑は厳しく、毎日汗だくでトレーニングを続けている。

 トレセンに戻ってからは、最初は休みで鈍った体を絞るようなメニューを課せられていた。しかし、ほんの一週間もしたらレース用のメニューに戻っていた。

 どうやら休みの間にマメに体を動かして、必要以上に太らなかったからダイエットは十分と判断されたようだ。

 スイーツを食べ過ぎて太り気味になって、泣きながら体重を絞っていた後輩のクイーンちゃんと同じ轍は踏まないぞ。

 最近のトレーニングは登坂走行をメインに、プールトレーニングも加えたスタミナ重視のメニューをこなしている。

 それと、芝のコースを二周近く走らされた。あのコースは一周が大体1マイルだから、およそ3000メートルになる。

 

 つまり次のレースは、いよいよクラシック三冠の最後『菊花賞』というわけだ。

 途中で一回ぐらいレースを走ると思ったが、直行とは思い切った事をする。

 現状、無敗のまま二冠を達成したから、寄り道して負けて無敗が途切れることを嫌ったのかな。

 それか菊花賞以前に3000メートルのレースは無いから、距離が合わずに練習にならんと判断したか。

 どちらにせよ、俺は人から走れと言われたら、走って勝つだけ。レース以外で難しく考えても仕方がない。

 

 隣の房で草をたらふく食っているトフィも毎日トレーニングを頑張っている。次に妹分が出るのは時期的に秋華賞。桜花賞、オークスは、アパパネとサンテミリオンに負けているから今度こそ勝ってほしい。

 あと、どうも俺と一緒に菊花賞を走る馬がこの厩舎にもう一頭居るようだ。

 厩舎の連中からはアロマカフェと呼ばれている。名前で何となくカフェさんの子供か縁者だろうと思う。でも、この世界じゃカフェさんは牡でほぼ無関係で、子供は沢山いる。同じレースを走るライバルに手心なんて一切加えるつもりはない。

 俺は自らの生存権を手放すつもりは微塵も無い。相手が誰であろうとレースに勝って生きるだけだ。

 

 その後、トフィは負けて帰って来た。負けた相手はまたアパパネらしい。前世の記憶を辿ると、アパパネというウマ娘がトリプルティアラを達成した知識はあった。どうやらこの世界でも偉業自体はある程度共通するんだろう。

 しかし俺はどうなるかな。同期だったナリタブライアンやゴルシー達は今のところ居ない。結構年下のエイシンフラッシュちゃんが馬として同期にいる時点で、俺の記憶や知識はいまいちアテにならん。

 結局のところ、人に生殺与奪権を握られた俺は、ひたすらレースを走り続けて相手が誰だろうと勝つしかない。分かっているのはそれだけだ。

 

 

 トフィが帰ってから数日後、俺とアロマカフェは毎度おなじみのトラックに乗せられて、美浦トレセンを出発した。

 菊花賞は阪神レース場だから、去年の暮れ以来だな。いや、俺の菊花賞の時は京都レース場が大規模改修工事中だったから、代地の宝塚でレースをしたか。

 となると、もしかしたら京都レース場を走るかもしれない。何気にあそこは三度目の春天皇賞でしか走った事が無い。あまり経験が無いから気を付けないといかん。

 それにレース場がどちらになっても関西は遠い。移動の疲れを出来るだけ残さないように、少しでも食べて寝ないと。

 

【ねーちゃん、まだつかないの?】

 

【まだだ。結構長いから、今のうちに寝ておけ】

 

【ひまー。ここうるさいし、したがガタガタゆれるからやー】

 

【今更降りられないんだから、水飲んで飯食って寝ろ】

 

 まったく、何で一緒のレースを走る奴の面倒まで俺が見ないといかんのだ。同じ厩舎でトラックを二台用意するのは無駄な経費かもしれんが、今回はG1なんだから少しぐらい馬の待遇を良くしろっての。

 あーあ、トレセン学園から新幹線を使って移動してたのが懐かしいよ。

 

 結局トラックから降ろされたのは夜中だった。そのままレース場の馬房に入れられて、軽くストレッチして疲労を抜いて飯食って寝た。明日はいよいよ最後のクラシックG1だ。

 

 

 翌日。まだ午前中でも、馬房の中にまで観客の熱気が伝わってくる。この前の日本ダービーに劣らないレースになりそうだ。

 出走時間が刻一刻と迫り、小雨が降り始めた頃。そろそろ付き合いの長くなった相棒が顔を見せた。

 

「いよいよだぞアパオシャ。今日勝てば、お前はシンボリルドルフやディープインパクトと並ぶ。いや、もっと凄い馬としてみんなの記憶に残る。ここまで来たんだ、絶対に勝とう」

 

【おう、まかせろ。……そうか、俺がリルさんやディープインパクトと同じ場所に立つのか】

 

 かつて日本ウマ娘で初めて無敗でクラシック三冠を達成したシンボリルドルフさん。それから長らく時を経て現れた、同じく無敗のクラシック三冠ウマ娘、史上最強のディープインパクトが立った場所に足を踏み入れる。何とも奇妙な想いが心から滲み出てくる。

 クラシック三冠に特別な関心は無い。しかし、すぐ傍まで手が届くというならその限りじゃない。

 前世では二つしか獲れなかった。でもナリタブライアンの居ない今なら全てを獲れる。勝つ機があれば迷わず勝つ。

 

「ははっ、いつになく気合が入っているな。俺はお前に会えて良かったよ」

 

 おいおい、こんな時に湿っぽい話は無しだぞ。そういうのはレースが終わってからにしろ。

 俺が鼻で小突いたら、和多は意図を何となく察して謝る。

 

 鞍を装着して小雨の降るパドックを歩き、レース場へと連れて行かれる。

 俺以外のレースに出る牡馬達は日本ダービーの時のように発情していない。あの時は春だったから、そういう時期だったのかな。

 どの道、色仕掛けなんてそう何度も使いたい手じゃないし、今回は俺に有利な距離のレースだから必要無い。雨が降っているのはちょっと余計だけど。

 

 和多を乗せて準備運動の返し馬をして、芝の具合を確かめておく。

 雨こそ降っていても、降り出したばかりで芝はまだ水をそこまで吸っていない。これなら悪くても稍重ぐらいだろう。脚を取られる心配は無い。

 周囲を見渡せば、スタンドには雨が降っていようがお構いなしに何万もの観客が詰めかけている。

 しかもよく見ると幾つもの横断幕には、俺の名がデカデカと書かれていたり『英雄オグリキャップの娘』とか『神馬の再来』などなど謳い文句が書いてある。

 こういう所は前世とあまり変わらないな。逆に負けた時はどうなるか怖さもあるから、あまり歓迎したくない空気だ。

 

 ウォーミングアップが終わったら、いよいよ向こう正面に置かれたスタートゲートの前で開始の時を待つ。

 やはり今日は畜生共の視線は弱い。パドックを周回していた時に、頻繁に冷水をぶっかけて発情を無理矢理抑えていたのが効果的だったか。

 代わりに騎手の方の視線を強く感じる。あの猛とかいう騎手も、時折こちらの様子を窺っている。

 今日はおそらく過去最大のマークを受ける。皐月賞の時みたいに奇襲で『逃げ』をしても、勝ちを捨ててでも俺達を潰しに来る事だって警戒しないといけない。

 一度目のグッドウッドカップの時を思い出す。あれも相当に腹の立つ思いをした。

 あの時は上の奴等がレースを走るウマ娘の自由意思を踏みにじってでも俺を勝たせなかった。今回のように走るのが人に飼われる畜生共なら、上の騎手達か馬主は余計にやりかねないな。

 となると位置取りが勝敗を左右する。―――――よし、方針は決まった。

 

 スタンドからファンファーレの音色がスタート地点のここまで届く。

 いよいよか。一度大きく息を吸い、大きく吐き出す。

 その後、作業員に促されて、9番のゲートに押し込められた。

 順々に押し込められた馬達の苛立ちや興奮が手に取るように分かる。手はもう前脚になっているけど。

 

 轟音と共にゲートが開き、レースが始まる。

 俺はあまり慌てずに他の馬達を前に行かせて、ゆっくりとスタート直後の一回目の坂を登る。

 他の馬達がこちらを気にしつつもどんどん前に行き、先頭が最初のコーナーに差し掛かる。俺は最後尾に追いやられた。

 

「いいのかアパオシャ?」

 

 いいんだよ和多。下手に馬群の中にいたら、囲まれて内ラチに押し込められて動きを封じられている。

 それに3000メートルは長い。あいつらはまだ誰も、この長丁場を経験していない。どう走るか知らないんだ。

 さあ、泣いて喜べ小僧共。前世で世界中の長距離G1を十三勝して、数十年間にわたって世界最強の座を譲らなかったステイヤーが、長距離戦とは如何なるものか、みっちりと教育してやるよ。

 

 ゆっくりと下り坂を降りてコーナーを回り、歓声を上げるスタンド正面を通る。まだ800メートルだ。

 ここで一頭だけ焦れたのか作戦なのか知らないが、後ろを引き離して先頭に立つ馬がいる。いいね、こういう奴がいると焦れる奴が増える。それも二番手に五馬身も離しての先頭なら尚更都合がいい。

 先頭の14番が三つ目のコーナーに差し掛かり、より一層馬達が焦れ始めている。上の騎手達は負けん気を出して競り合おうとする馬達を落ち着かせて、ペースを上げないように苦心している。

 自分で考えて走れるウマ娘と違って、頭と脚が分かれていると苦労するよな。

 今回は3000mの長丁場に加えて騎手が後ろの俺をマークしつつ、出来るだけスタミナ配分に気を遣っているのに、馬の方はそんなことお構いなしに前に行きたがる奴が多い。

 しかも今は前に自由に走っている奴が居て、牝の俺を意識して速く走ろうとしているのに、走らせてもらえないと思えば余計にイラつく。

 苛立ちがどこに向かうかは自ずと分かるよな?

 長距離は焦れて自分のペースを見失った奴から負けていく。ペースを作るのは何も前だけじゃない。後ろに居てもやりようはある。

 

 先頭の14番が第四のコーナーに差し掛かったところで、三番手に居た奴が加速して一気に先頭との距離を詰める。

 これを皮切りに、半数が俺へのマークを外してペースを上げて、馬群に隙間が生まれる。

 現在は大体レースの中間点を過ぎたぐらい。先行する馬のペースと自分の馬のストレスの兼ね合いを考えて、見切るにはやむを得ない頃合いと思ったな。

 

「そうか、お前はこれを狙っていたのか」

 

 馬と騎手が互いを信頼するか、考えが一致していないと無理だ。その点、俺は相当に騎手に恵まれているよ。

 コーナーを回り切り、向こう正面の直線に入った。よし、ここからが本番だぞ。

 

 後方で俺を警戒していた一団の隙を突き、控えていた脚を一気に動かして、壁を作られる前に大外の直線から馬達を纏めて抜いた。

 前半はかなりペースを押さえて走っていたから、スタミナは十分過ぎるほどに余っているぞ。

 そのままスパートを維持したまま二度目の淀の坂を一足飛びに駆け登り、坂で速度が落ちている連中を尻目に、第五コーナー手前でスっと身体をコース内側に滑り込ませた。

 向こう正面を最後尾から、一気に四番手まで順位を上げる。

 『淀の坂はゆっくり上がって、ゆっくり下りる』セオリーガン無視の俺の動きに、スタンドから興奮の声が上がるのが聞こえた。

 セオリーが存在するからこそ、裏をかくのが有効なんだよ。

 

 後は残り800メートルから、下り坂のコーナーを出来るだけ膨らまないように速度を調整して走り、ジリジリと前に詰めていく。あと600メートル。

 少しずつペースを上げて、前にプレッシャーを与える。

 前半ペースを押さえてスタミナが十分残っている俺と違って、先行した前の三頭はそろそろバテ始めている。あれなら残り100メートル地点で捉えられる。

 あとは出し抜かれたと思った後ろが急いで追いかけてくるまで、このペースを維持して走る。

 

 残り400mハロン棒を過ぎる。最終コーナーを過ぎて最後の直線に入り、そろそろ後ろが追い付いてきた。

 ここで残りのスタミナを使って、ダービー同様の頭を低くしたナリタブライアンの走りで、さらに加速する。

 後続は俺がもう限界と思ったところで、思惑が外れて動揺する。

 人間予想を外されると、結構メンタルに来るよな?それも、ただでさえ終盤の一番苦しい時にされると余計に。指揮者がそうなったら、馬も追いつく気が一瞬でも衰える。レース中じゃその一瞬は致命的だ。

 

 後ろの動揺を無視して直線をひた走り、くたばりかけの三頭を抜いて、予測より少し早い残り150メートルで先頭に立った。

 あとは息を乱さず、着実に距離を食らい、最後まで油断せずに天が裂けるほどの大歓声に包まれたゴールを駆け抜けた。

 ゆっくりと脚の力を抜いて、コーナーまで軽めのウイニングランを決める。

 背に乗せた和多は喜びに震えながら俺の首や顔を何度も撫でる。

 

「お前は本当に凄いよ!聞こえているかこの声を!全部お前を称える声だアパオシャ!最強だって、皆が認めたんだ!」

 

 はいはい分かってるって。今回は地の利があったから、日本ダービーに比べたら結構楽だったんだぞ。

 ――――でも三冠か。G1レースを勝った気持ち良さはあっても、思ったほど高揚感は無い。ウマ娘から畜生になって意識が変質したからかな。あるいはナリタブライアンやキュプロクス級のライバルが居ないから、張り合いを感じないのか。アパパネ相手なら、また違ったんだろうが。

 とはいえ、喜んでいる相棒を白けさせても仕方がない。後はきっちり表彰式を済ませてレースを締めようか。

 

 

      □□□□□□□□□□

 

 

『まだ伸びるっ!まだ伸びるぞっ!アパオシャが後ろのビッグウィークを引き離す!残り150メートルでコスモラピュタ、ビートブラック、カミダノミを抜き去り、先頭に立つ!≪変幻自在≫の脚色は衰えない!』

 

『アパオシャの独走状態だ!日本競馬始まって以来、クラシック三冠の頂に牝馬が駆け上がる!歴史的偉業がすぐそこまで来ています!』

 

『来た、来たー!!アパオシャが!牝馬が!2007年に生まれた七千頭を超える三歳馬の頂点に立った瞬間です!あの≪皇帝≫シンボリルドルフ、あの≪英雄≫ディープインパクトが成し遂げた偉業に、また一頭が名を連ねました!和多とアパオシャが菊花賞を勝ちました!!無敗の三冠達成ーー!!』

 

『新馬戦から数えて7戦7勝無敗!場内からは先日牝馬三冠を戴いた≪アパパネ≫に続く、もう一頭の≪若き女王≫の誕生を祝して、万雷の拍手と声援が送られます。決着タイムは3分06秒7、平年よりややスローペースでした』

 

『スターホースの父オグリキャップ、母は未勝利馬のウミノマチ。美景牧場で生まれて、輓馬や牛と共に過ごしたアパオシャ。弱冠22歳で皐月賞を始めとしたG1を七勝した和多流次騎手のコンビが、今ゆっくりとウイニングランをこなし、応援してくれたファンに応えています』

 

『着順は一着アパオシャ、五馬身差をつけて二着ビッグウィーク、三着にビートブラック、四着レーヴドリアン、五着はコスモラピュタです』

 

『アパオシャは不運にも今年七月に逝去した、父オグリキャップの墓前に菊の花を添えました』

 

 

 

 

 

 

 ≪京都に神馬の再来が降り立った≫

 

 

 2010年10月24日15時45分、京都競馬場に詰めかけた15万人が≪神≫を見た。

 

 小雨の降る第71回G1菊花賞はスローペースで始まった。ゆっくりと流れる馬群の最後尾には1番人気単勝1.3倍のアパオシャが陣取り、若き女王の貫禄を見せつける。

 レースが動いたのはスタンド正面の直線終わり。17番コスモラピュタが二番手カミダノミを大きく引き離して先頭を駆けたのをきっかけに、焦れた半数の馬達がペースを上げた。

 アパオシャが動いたのはその少し後。向こう正面に入った瞬間大外からスパートをかけて、淀の坂を物ともせず一気に順位を上げる。

 そのまま四番手の好位置を維持したままコーナーを回って、最終直線は父オグリキャップを彷彿とさせる低姿勢で再加速。追い縋る川田騎手のビッグウィークを突き放し、先行する三頭を苦も無く置き去りにして、64年ぶりの牝馬による歴史的勝利を手にした。

 

 クラシック三冠全てのレースを異なる脚質で勝ち続ける、捉えどころのない様は≪変幻自在≫と称するに値する。

 徹頭徹尾、冷徹なまでにレースを支配し続けて勝つべくして勝つ様は、父オグリキャップとは対極的な強さを感じさせる。

 あるいは類稀なる強馬は母方の曽祖父≪神馬≫シンザンの再来を思わせた。

 ともかく、最も強い馬が勝つと言われ続けた菊花賞に、これほど相応しい馬は他に存在しないだろう。

 

 日本の競馬史上7頭目のクラシック三冠馬、無敗のまま達成はシンボリルドルフ、ディープインパクトに続き三頭目。

 牝馬によるクラシック三冠達成は史上初。先日アパパネが牝馬三冠を達成したのと合わせて、同年に二頭の三冠馬が生まれたのも史上初。

 さらに特筆すべき項目がアパオシャにはある。父オグリキャップ、母ウミノマチ、母父ミホシンザンは全て内国産馬。これは三冠馬の中では、牡牝合わせてアパオシャただ一頭。

 アパオシャは日本競馬の歴史そのものの結晶とすら言って良い。

 

 鞍上の和多騎手も勝利後は安堵の笑みを浮かべる。インタビュー時は余裕すらあり、始終上機嫌だった。

 

「調整は完璧。これほどの状態に仕上げてくれた中島先生には感謝しかありません。レース前から、今日もいけると手応えを感じていました。本当にアパオシャは強い馬で、自ら考えて最も勝ちやすいように走っています。僕はただ乗っているだけで、どうしようもなく困った時だけ力を貸すだけです。でもそんなレースは今まで一度しか無かったですが」

 

 気まぐれとも取られる変幻自在の相棒に絶対の信頼を置いて、全てを任せられる騎手は希少である。

 

 そしてファン達の関心は、今年最強コンビが次の目標を何に見定めるか。八冠を目指して新たな歴史を刻む、あるいは世界に飛び出していくのか。

 唯一無二の黒馬がどこを目指すのか、一刻たりとも目が離せない。

 

 

感想の中に、競走馬のアパオシャが再度ウマ娘化したら、どうなるかという意見がありました。ちょっと興味を持ったので、本編終了後の外伝で書いてみるのも面白そうだと思いました。おそらく日本語→英語→日本語の再翻訳のように、オリジナルと違うウマ娘になると思いますが、読みたいですか?

  • 面白そうだから読みたい
  • 興味無いから要らない
  • パクパクですわ(お好きにどうぞ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。