多くの感想ありがとうございます。例によって頂いた感想が多いので、今回も返信のお礼はこの場でさせていただきます。
それと感想の中に鞭の使用回数の制限について指摘がありましたが、ウマ娘のルールでレースしてるアパオシャは競馬のルールは(騎手を振り落としたらおそらく失格ぐらいしか)知らんので、残り100mで追いつけずに諦めたと思ったと解釈してください。
『黒い神馬が英国を制す!!』
イギリス現地時間6月16日16:00(日本時間17日午前0時)、アスコット競馬場で開催の第201回目ゴールドカップ・英G1芝19ハロン210ヤード(約4010m)を、昨年のJRA年度代表馬アパオシャ(牝4歳・美浦トレセン中島厩舎)が日本馬として初優勝した。騎手は和多流次氏。牝馬の勝利は、1991年のインディアンクイーンから20年ぶり。
英国G1レース制覇は2000年のジュライカップを制したアグネスワールド以来、十一年空いて二頭目となる。
エリザベス女王陛下も臨席するロイヤルアスコット三日目は生憎の雨。第4レースとなるゴールドカップの芝は稍重。
レースはゆったりとしたスタートで始まり、アパオシャの鞍上の和多氏は最後尾から展開を窺う。
和多騎手が仕掛けたのは第二コーナーを過ぎて後半に入ってから。登坂でグングン加速して最終コーナーまでに先頭を奪取。そのまま最終直線を先頭で走り続けて、後続に二馬身差をつけて最初にゴール板を駆けた。
現在のヨーロッパで、最も歴史あるレースを制覇した栄誉は計り知れない。
「アパオシャは初めて走る国と競馬場と思えないぐらい落ち着いていました。まるで僕に、どう走ってどこから仕掛ければ勝てるか教えるように、当たり前のようにレースを走っています。ここ(イギリス)ではアパオシャ先生って呼ばないとダメですね」ジョーク交じりに楽しそうにインタビューを受ける和多騎手。
同馬は父オグリキャップ、母ウミノマチ、母父ミホシンザンの血統。昨年には牝馬ながら歴代三頭目となる無敗クラシック三冠を達成。今年は春の天皇賞を勝利して、今回のゴールドカップでG1は5勝目。通算成績は11戦10勝。
≪日報スポーツ一面記事より抜粋≫
ロイヤルアスコットを見守るスレpart9
52:名も無き競馬ファン ID:GsTNP+Or0
今起きてテレビつけたらどこの局もアパオシャ一色
53:名も無き競馬ファン ID:lVaKFvMU2
朝の駅前で号外出てるし、コンビニからスポーツ新聞が消えてるぞ
54:名も無き競馬ファン ID:FqGQrdZmf
駅の売店もほぼ完売済だった
55:名も無き競馬ファン ID:/mbebMouM
俺新聞関係の仕事してて時間に間に合わせるように朝刊を印刷してた
ようやく後片付け終わって帰って寝られる
56:名も無き競馬ファン ID:3d+NGP8cl
今日は休みの俺勝ち組だ
57:名も無き競馬ファン ID:K6nZdVIbU
>>55
お疲れ
58:名も無き競馬ファン ID:YtTjhjqj6
しかしすげえ馬だな
あのイギリスのG1を初挑戦で勝っちまうなんて
59:名も無き競馬ファン ID:YWKcjKIvd
今年は大地震があって辛いけどヴィクトワールピサのドバイWC勝利もあって
少しは日本も明るくなったかな
60:名も無き競馬ファン ID:jCeiSk0sj
俺は東北に住んでるけど少し元気出たよ
61:名も無き競馬ファン ID:Gn8wBlbL/
俺も仕事は辛いけど馬が頑張ってるんだからちょっとは頑張ろうって気になった
62:名も無き競馬ファン ID:qvsH3F428
馬だけじゃなくリュージも頑張ったし周りの人間もよくやったよ
63:名も無き競馬ファン ID:mI+nIhsvM
まあ相変わらずノーステッキで乗ってるだけだったけどな
64:名も無き競馬ファン ID:hqH2qckY+
アパオシャの後ろの騎手が必死で後を追ってるのに全然差が縮まらないのは変な笑いが出た
二着のフェームアンドグローリーも四冠馬なのによ
65:名も無き競馬ファン ID:Z1WuI7vQI
日本の騎手はみんな知ってるけど初めての海外じゃ舐めプレイしてるように見えて
でも全然追いつけなくて絶望しただろ
66:名も無き競馬ファン ID:Kurz9EhXr
競馬発祥の地の英国で、しかも女王陛下の前で手加減された(実際は違うけど)
あげくに負けた向こうのホースマンのプライドズタボロだよ
67:名も無き競馬ファン ID:Gnx2+gK/y
でも最後の直線で親父譲りの末脚見せてないからやっぱり手加減してたかも
68:名も無き競馬ファン ID:4MEHfs57W
手加減の有無はともかく雨降った洋芝を苦にしない適性はすげえな
下手したら日本よりヨーロッパの方が適性高いのか?
69:名も無き競馬ファン ID:VYsuDpJ+u
アパオシャは元々スピード重視の馬じゃないから案外>>68の言う通りかも
70:名も無き競馬ファン ID:Mr1knqIJC
いや待て待てそれで無敗のクラシック三冠とか意味分からん
71:名も無き競馬ファン ID:RBW1x82Zj
アパオシャについては深く考えたらダメだぞ
アレは神話生物だから理解したらSAN値が減る
72:名も無き競馬ファン ID:hzUqOA20M
普通はグランプリボスみたいに芝に慣れずに5着入賞が限界
あーでもこれは凱旋門賞を期待してしまう
73:名も無き競馬ファン ID:x8o9mZAio
その前にKG6&QEステークスが先だぞ
こっちもハーツクライの3着を超えてほしい
74:名も無き競馬ファン ID:7UAub/XSk
こういう期待感があるから酷い目に遭っても明日を望めるようになるのか
75:名も無き競馬ファン ID:AMvzd7SUg
アパオシャは震災で苦しんでいる今の日本の希望だよ
76:名も無き競馬ファン ID:9CS0nZArP
オグリキャップと親子二代で馬の枠を超えて日本を動かしているな
77:名も無き競馬ファン ID:PXoYNKzU6
アパオシャの馬主の南丸社長は今年のレース賞金の取り分を経費と税金以外は
全額被災者に寄付するってブログや雑誌のインタビューで発表してた
78:名も無き競馬ファン ID:dPW93y9PQ
もうアパオシャと世界一ソフトの社長に足向けて寝られねえ
79:名も無き競馬ファン ID:eD2HzIZLF
誇張抜きでどっちも神様だよ
80:名も無き競馬ファン ID:hya9FWcvp
東北民の俺涙が止まらねえわ
81:名も無き競馬ファン ID:ZCcdiMIVt
>>80
これからも辛いけど助けてくれる奴は居るから頑張れ
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ゴールドカップから一夜が明けたイギリスのホテル。
ホテル内のレストランにて、アパオシャのオーナー南丸と美景夫妻がテーブルに就いて、食事を取っていた。
イギリスに来てから米の食事は御無沙汰でも、最近は三人とも慣れ始めている。
離れたテーブルには中島厩舎の連中もいる。主役の和多の姿は無い。彼は既に朝食を終えて、軽いトレーニングをしている。
「お二人は昨日はよく眠れましたか?」
「いやー興奮してあまり寝ていません」
話を振った南丸も、実はいつもの数分の一ぐらいしか寝ていないと言えば、三人は共に苦笑する。
レストランにいる日本人の気持ちは、みな同じだ。
自分達の馬が異国の地で偉業を成した。その高揚感を持て余して、飲み下せなかった。
それに今日は昼から、昨日のレースの表彰式がある。式ではイギリス女王陛下自らが関係者にトロフィーを手渡すとなれば、緊張しない方がおかしい。
「寝てなくても食事だけはしっかりと摂っておきましょう。今日の会場では、また関係者が群がってきますよ」
南丸の言葉に、晴彦はゲンナリした顔になる。
昨日もアパオシャがレースに勝った後、開催地のイギリスだけでなく、フランスやオーストラリアの馬関係者が南丸たちに群がってきた。
目的はアパオシャの血縁の馬の譲渡の交渉。さらに現役のアパオシャを譲れとは向こうも無理だと分かっているから、引退した場合の繁殖牝馬として買い取りたいとまで言ってきた。
さすがに半分ぐらいはリップサービスだろうが、機会があれば欲しいという雰囲気はあったと思う。
ロイヤルアスコットが終わってもそうした連中との付き合いは終わらない。
後日、イギリス女王主催のお茶会が催される。お茶会と言っても女王自らと少人数がテーブルを共にしてお茶を飲むというより、日本の皇族が主催する園遊会のような数千人規模のパーティーの方が近い。
茶会にはゴールドカップ勝利者のアパオシャの関係者も呼ばれると、王室関係者から聞いている。
全員ではないだろうが、馬主の南丸、生産牧場の晴彦社長夫婦、調教師代理の遼太は招待状が届く可能性が高かった。
そんな場所に行けば必ず馬の取引の話は出てくる。仕事柄、色々なパーティーに出席している南丸はまだいい。
面倒な話を慣れない英語で聞かねばならない苦労を強いられる晴彦夫婦は、両親のように実家で牛を相手にしていた方が余程楽だったと、内心疲れていた。
「日本でも最近は、うちの牧場にマチの子を売ってほしいと電話が毎日かかって来て、乳搾りだっておちおち出来ませんよ」
嫁の愚痴に晴彦も同意した。元々美景牧場の本業は牛の生乳の卸し売り。馬の生産家業は父の代から始めた副業でしかない。
それが今や本業の収入を簡単に超えてしまった。儲かるのは嬉しいが正直言って、あぶく銭を手にしたようで落ち着かない。
怪しい投資話を持ち掛けるような胡散臭い輩も近寄って来て、金がある疎ましさすら感じていた。
しかし危うく借金を返せずに、廃業に追い込まれかけた隣の的場家を見ると、贅沢な悩みとも思えた。
「確かサラブレッドは、生まれたばかりの牡の幼駒が一頭居るだけでしたね」
「ええ、マヤノトップガン産駒のウミノマチ11です。今年に南丸社長に譲った詩子は、今月末に育成牧場に送ります」
「その節は二頭目の馬をお買い上げいただき、ありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそ安値で譲っていただいて、本当に感謝しています」
三人は互いに頭を下げて感謝の意を示す。同じレストランにいるヨーロッパ人には奇妙な仕草に見られていた。
アパオシャの母、ウミノマチが産んだ馬はこれまで六頭居る。
最初の一頭は美景牧場に来る前に産んだ牝。その後、マチは足を滑らせて骨折して肉にされる寸前の所を、秋隆が捨て値で買い取って美景牧場に来た。
その後に美景牧場で一頭牡馬を産み、その馬は地方で今も走っている。
次に2007年に生まれたのが現在イギリスに居るオグリキャップ産駒のアパオシャだ。
2008年は不受胎で出産をせず、09年にはシルバーチャーム産駒の牡馬のクーを産んだ。こちらが昨年競りで4000万円で売れて、現在はアウトシルバーの名で中央に登録されて、メイクデビューに向けて調教を受けている。
そして晴彦が詩子と呼ぶ幼駒が昨年2010年に生まれたアパオシャの妹で、南丸が気に入って庭先取引で買い取った。
最後に今年の4月に生まれたばかりのマヤノトップガン産駒の牡馬が牧場にいる。
「オペラハウス産駒のウミノマチ10。馬の世界では厳密には違いますが、あのテイエムオペラオーの異母妹。私は是非和多君に乗ってもらいたいです」
「うちの黒子とテイエムオペラオー。互いに和多騎手に縁の深い馬の妹になります。親父と一緒に種付けを決めた時は、こんな未来になるとは思ってもいませんでした」
あの時は南丸がアパオシャを良い値で買ってくれて、牧場の経営に少し余裕が出来たから、多少種付け料が高い馬を見繕った程度の気持ちでオペラハウスを選んだだけだった。
しかし、その血が南丸の琴線に触れて、是非とも買い取りたいと商談を受けた。
それでこれまでの付き合いもあり、昨年末に6000万円で売買が成立した。
南丸はもう少し高くても良いと言っていたが、前社長の秋隆はG1レースの時には毎回飛行機のチケットやホテルの手配と支払いなど、色々と世話になった礼も含めて、この値段で良いと契約を済ませた。
実際、他の馬主から1億円出しても良いという商談を持ち掛けられたこともあった。
競りに出した場合、無敗のクラシック三冠牝馬の妹なら、さらに高値が付いた可能性もあった。
それでも目先の金より、南丸との所縁を優先した。たとえ取引額が安くなっても、目の前の人物との縁は切ってはいけない。父親の選択を新社長の晴彦も間違っていないと支持している。
南丸も美景家の気遣いを知っているから、今回の海外遠征に同行した晴彦夫妻の旅費を全て請け負っている。
こうした点から、互いに持ちつ持たれつの関係を長く保ちたいと思っていた。
「さて、一年後の話もいいですが、今は今日の昼に備えて食事を摂りましょう。せっかくの料理が冷めてしまいます」
言われて気付いて、晴彦夫妻も出来立てのイングリッシュブレックファストを腹に納めた。
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吾輩は馬である。今世での初海外レースを勝利して、イギリスに名を響かせた。
現在時刻は昼。昨日のレースの疲れもあって、食事をしながらのんびりと過ごしている。
現地の厩務員は、よく声をかけて顔や首を撫でた。
『お前凄い馬だな。引退したらこの国で余生を過ごさないか』
【夏は過ごしやすいんだろうけど、こっちの野菜は美味しくないから結構だ】
豆や飼葉の味は悪くないんだが飯に出るイギリスの野菜は、日本の品種改良を受けた野菜より味が良くない。それに味噌や醤油が無いと辛いから遠慮する。
何となく否定的な感情を読み取った厩務員は苦笑して冗談だと言って、また自分の仕事に戻った。
それから疲労を回復させるためにモシャモシャと食べて、軽くストレッチをして昼寝をして、また飯を食うの繰り返しだ。
一緒に日本から来たランプの奴は数日前に別の房に移された。そちらで時々ワンワン泣いているから、おそらく帰り支度をするため、検疫用の注射やらなんやらしていると思われる。
俺はまだそういう動きが無いから、もう一戦ぐらいイギリスでやると思われる。となると長距離のグッドウッドカップが有力かな。
もしくはフランスに移動して、エルコンドルパサー先輩みたいに現地のレースで慣らして、凱旋門賞に備えるかだ。名前は憶えていないが幾つかのG2レースに出るかもしれない。
どちらにせよ、今は休息の期間だから教えてもらえるまでは大人しくしておこう。
翌日はオーナーや美景のとっつぁん達が様子を見に来た。彼等はランプの陣営に一足早い別れの挨拶をしている。
「うちのグランプリボスは残念でしたが、アパオシャならきっと次のレース、さらに凱旋門賞も勝てると思います。我々はそれを日本で楽しみにしています」
「ありがとうございます。アパオシャならゴールドカップのように、次のキングジョージ6&クイーンエリザベスSも勝ってくれます。期待していてください」
あー、次のレースはグッドウッドじゃなくてそっちを走るか。
よくよく考えたら遠征の本番は凱旋門賞だから、それに比肩する同距離のレースを走って経験を積むのは道理だな。
先日のゴールドカップは得意な長距離で海外に慣らすためで、これ以上の長距離レースは無用というわけか。
残念と言えばそうだが、レースプラン自体は正しいから納得がいく。
「ゴールドカップに続き、次のKG6&QEステークスもハーツクライの3着を超えて、日本馬初の勝利を手にしてください」
あれ?KG6&QEステークスは、ナリタブライアンが日本初勝利を飾ったんじゃないの?もしかして、まだアイツ生まれていないのか。
なら俺が凱旋門賞と合わせて先に勝っても、文句言われる筋合いは無いな。
さらに数日が経ち、そろそろ疲労も抜けたから軽いトレーニングを再開した。
一旦帰国した和多に代わって遼太が背に乗って、練習コースをひた走る。
うーん、やっぱり和多の方がお互いに癖が分かっているから走りやすかったな。
「あれだけ走ってもう調子が戻ってるんだから、お前はタフネスだな」
【まあね。頑丈で怪我をしないのが俺の強みだから】
「次のレースは大半の馬がG1を勝った強敵ばかりだ。万全で挑もう」
馬房で厩務員達が話しているのを聞いている。KG6&QEステークスに出走登録しているのは、去年の英ダービーと凱旋門賞勝利馬、コロネーションC勝利馬、ドバイシーマとプリンスオブウェールズS勝利馬、など強豪揃い。
しかし、相手が何であれ負けて良い理由にはならない。
さあ、次に備えて勝つぞ。