多くの感想ありがとうございます。カドラン賞を見たファン達の反応等は過激になりそうなので、省略させていただきます。この作品は事実を幾らか含んではいますが、あくまでフィクションとして誇張している部分も多いのを忘れないでください。
正直申すとこうした反則行為のペナルティの軽重が詳しく分からないので(まして外国レースの処分ですから)、鞭を当てた騎手と囲った馬の騎手達が処分を受けたとだけお伝えします。処分を受けた騎手を雇った馬主にはフランス人だけでなくアイルランドやドイツ国籍もいました。理由は黙して語らず。
そして日本人は元より女王陛下を筆頭としたイギリス人、地元フランスのダリアのオールドファンからも総スカンを食らったと記しておきます。イタリア系関西人騎手と共に、あるフランス人騎手の日本騎手免許取得時期が早まったかもしれません。
10月21日の東京競馬場は、朝から多くの来場者が訪れている。
今日はここでは重賞レースは行われず、OPクラスのブラジルカップがメインを務める、緩やかな日曜日だった。
客の年齢層は様々。若い男女、小さな子供を連れたファミリー、中年以上の男性集団、老夫婦もそれなりに見かける。
ここが休日のショッピングモールと言われても、案外信じてしまう客層だった。
元来競馬とは賭博である。特に日本の競馬は上流階級の社交場の側面のあったイギリスに比べて、一攫千金を求めた男達がワラワラ集まり、血走った目で金を賭けた馬の名を張り上げる品の無い鉄火場で、女子供の来るような場所ではなかったと言われている。
そうした賭博からの最初の転換期は≪幻の馬≫トキノミノルのダービーだった。
戦後間もない日本競馬で、デビューしてから連戦連勝。ついには無敗のまま皐月賞と日本ダービーを制した。
このまま菊花賞を勝ち、1941年のセントライト以来の三冠馬かと思われた矢先、彼は病に倒れてダービーの半月後に世を去った。
デビュー以降10戦10勝、名馬トキノミノルの死は著名人に大きな影響を与え、新聞には追悼文が掲載された。
その圧倒的な強さと、あまりにも早い悲劇的な最期が競馬を知らない大衆の心に強く焼き付き、以後≪幻の馬≫として長く人々の記憶に残った。
≪幻の馬≫トキノミノルの死から約20年後、地方競馬からある馬が中央に移籍した事で、後に第一次競馬ブームと呼ばれる日本競馬隆盛の時期が到来した。
ブームの立役者となった馬の名は≪ハイセイコー≫。大井競馬場から移籍後は、弥生賞を始めとした中央レースを連勝。さらに現在のクラシックG1皐月賞を勝利した事で、競馬に興味のない人々からも絶大な人気を獲得した、日本で最初のアイドルホースである。
日本ダービー以降は惜敗も多かったが、負けてもなお人気は衰えず、白い目で見られていた賭博の競馬を娯楽へ変えた功労馬として、競馬の殿堂の顕彰馬にも選定された。
競走馬を引退しても、人々から忘れられる事は無かった。種牡馬に会いに行くという、観光スタイルが成立したのもハイセイコーの功績である。
多くの人が『時代を象徴する存在』としてハイセイコーの事を語る『記録より記憶を残した馬』だった。
さらに時代は進み、三冠馬メジロラモーヌ、ミスターシービー、シンボリルドルフ等名馬が活躍した時代を経て、いよいよ第二次競馬ブームが到来する。
1980年代から90年までは、華やかなバブルの時代に合わせて活気があり、ギャンブルにもそれなりに大らかな時代だった。
そこに二代目アイドルホースと称された地方出身のオグリキャップを中心とした、数々の名馬の活躍と名勝負により、競馬は単なるギャンブル、良くて娯楽、ではなく大衆のスポーツという認識が生まれ、漫画やゲームを媒体にして女性や幼年層にも競馬が浸透した。
競馬がギャンブルから大衆スポーツに転換した顕著な例は1990年の日本ダービーかもしれない。
当時のダービー勝利馬はアイネスフウジン。騎手は当時37歳の公私ともに絶不調の中にあった男だった。
彼は私生活では飲酒運転の事故、騎手としては肉体的に衰えが見える歳。
おまけにスーパークリークに騎乗して、JRA史上最年少クラシック制覇を成した新鋭の天才騎手として猛裕が持て囃されていた時代。
そんな苦境に立たされていた中での、人生初のダービー制覇はスタンドの観客達に凄まじい衝撃を与えた。
馬ではなく、騎手を讃えて名をコールする19万人の観衆。馬券を当てた者、外した者、初心者もベテランも、男も女も、東京競馬場に集った全ての観客が勝利した騎手の名を叫んでいた。
今なお語り継がれる伝説のコールこそが、時代を彩る当時の競馬ブームの象徴だった。
1990年の日本ダービーから半ば伝統と化した勝利騎手の名をコールする習慣で、ひとつ面白いエピソードがある。
マルコ・デニーロという、今も日本で活躍するイタリア人騎手がいる。
彼は2003年の皐月賞をネオユニヴァースで制して日本G1を初勝利した。続いて6月の日本ダービーも同馬に騎乗して、外国人騎手として初めて日本ダービーを制覇した。
この時、東京競馬場の観客から惜しみない『マルコ』コールを贈られた。
ともすればブーイングすら覚悟していた中で、勝利者を国籍と人種で差別しない日本人からの称賛に、彼は歓喜の涙を流した。
それ以降もデニーロは毎年日本で騎手を続け、昨年は東日本大震災直後のドバイワールドカップでヴィクトワールピサに騎乗して、見事優勝を果たした。
なお、この時騎乗したヴィクトワールピサは、彼が騎乗したネオユニヴァースの息子である。
こうして競馬は鉄火場の賭博からスポーツへと変遷が進み、ブームの中心役だったオグリキャップの1990年有馬記念ラストランで、一つの区切りとなった。
その後も、名優メジロマックイーン、皇帝シンボリルドルフの子トウカイテイオー、三冠馬ナリタブライアンなどが競馬を盛り上げた後は、仏サンクルー大賞馬エルコンドルパサーを最後に、ブームも一旦収束した。
21世紀に入ってからは競馬界は停滞期を迎え、高知競馬場のハルウララ、近代日本競馬の結晶とまで呼ばれたディープインパクト等、世間的に有名な馬を核とした小規模なブームが何度か到来しては、落ち着きを見せた。
ここから停滞していた競馬界に、大きな流れが生まれたのが2010年。
きっかけは第二次ブームを牽引したスターホース、オグリキャップ最後の子であるアパオシャの登場だろう。
牝馬ながら数多くの有力牡馬を下し、日本競馬初のクラシック三冠馬の頂に牝馬が駆け上がった。
同期の牝馬三冠アパパネと共に、同年に牝馬の三冠馬が二頭も誕生するなど、日本競馬史に二つと無い世代だった。
折しも翌年の2011年は東日本大震災により、日本そのものが大いに沈んだ年だった。その日本を少しでも勇気付けるため、日本の馬達は世界に飛び出て、数々の栄誉を持ち帰った。
ヴィクトワールピサ、アパオシャ、ヒルノダムール。2012年にはルーラーシップとオルフェーヴルも加わった。
世界を舞台に活躍した彼等の走りで、日本と日本競馬界は活力を得て、再び競馬場には馬達のレースを楽しみにするファン達が溢れるようになった。
アパオシャのファンとして、女性が競馬を好むようになったのも、競馬場への来場者が増えた大きな要因だろう。
このまま数年後も流行が続けば、数十年後には第三次競馬ブームと呼ばれる時代となるに違いない。
こうしたブームの中にある東京競馬場の、とある小さなレースが注目を集めていた。
第2レースの2歳未勝利戦。芝・左回り1800メートル。
単なる前座の、それも重賞を開催しない日のレースにしては観客の注目度が高い。
勝利を欲する10頭の若馬たちがターフに集い、所定の時間になれば第二コーナー付近のスタートゲートに押し込まれた。
ゲートが開き、馬達がターフに駆け出す。
まだ拙い走りの馬達の中から、4番ゼッケンを着けた一頭の牝馬が元気よく先頭に躍り出た。
そのまま第二コーナーを回り、周りの馬など知らないとばかりに、向こう正面を我が物顔で走り続ける。
傍から見れば単なる大暴走と思うだろう。
しかし黒地に赤の玉霰の勝負服を着た騎手はきちんと手綱を握り、ほんの少しだけ馬の走りを抑制している。
長い直線も終わり、第三コーナー、第四コーナーと相変わらずペースは落ちない。
そして最終直線に一番乗り。この頃にはスタミナがすり減って脚色が衰え始めていた。
後続も次々とコーナーを回り、我慢し続けた末脚を利かせて直線を駆ける。
先頭を奪取せんと迫る9頭に対して、4番の牝馬の脚は既にフラフラ。走っているのか歩いているのか見分けがつかない。
それでも馬は走るのを止めない。スタンドから必死で声援を送る観客に応えたかのように、彼女は残りカスのスタミナを総動員して、50m先のゴール板にヨタヨタながらその身を一番最初に届かせた。
後ろから次々と追い抜いていく馬達の元気な姿を見たら、どっちが勝者か分かったものではない。
しかし彼女の背に乗る騎手は苦笑しつつも、彼女を褒めて首筋を荒く撫でる。
はっきり言えば無様なレースだ。まだまだ粗削り、稚拙でレースをまるで分っていない。
スタミナが枯渇してレースで歩くなど、競走馬のする事じゃないと批評家は言うだろう。
今回勝てたのはたまたま後続がペースを乱さないように、いつもよりスローペースにし過ぎて追いつけなかっただけ。運が良かったから勝った。
無駄な走りをせずに勝つべくして勝つ、≪世紀末覇王≫と評された兄。あらゆる勝ち方を知る≪太陽の女帝≫と畏れられる姉に比べて、何とも幼い馬だ。
だがそれがどこか楽しい。自分がこの子にレースを教えて、一端の馬に育てる喜びを味わえる。
「先は長いがこれからも頼むぞ、ヴィンティン」
騎手の和多流次は、二度目のレースで初勝利を飾ったヤンチャ娘を労った。
2012年10月21日 第2競走 2歳未勝利戦 東京競馬場 左回り・1800m 天候:晴 芝:良
着順 馬番 着差
1着 ヴィンティン 4
2着 テンシンランマン 2 クビ
3着 フェートグラント 5 1/2
4着 マイネルジェイド 9 2
5着 ダイワブレディ 10 1.1/2
勝ちタイム1分50秒2
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2012年のクラシック世代を見守るスレpart154
195:名無しの競馬民
いやー今年のクラシックも見ごたえある世代だったわ
196:名無しの競馬民
ゴールドシップの勝ち方には痺れたね
あれこそ横綱相撲だ
197:名無しの競馬民
京都競馬場の淀の坂をしんがりから捲る
またもミスターシービーの後継が出るとは
198:名無しの競馬民
二年前のアパオシャといい最近は捲り馬が強い
199:名無しの競馬民
直線で舌出しながら走っててかわいかったwww
200:名無しの競馬民
輪乗りでも舌出してたから癖だろうがG1でやんなよ
201:名無しの競馬民
馬体と毛並みといい爺さんのメジロマックイーンにそっくりだわ
202:名無しの競馬民
家田がグイグイ押しても全然前に行かないズブズブの馬でこれだけ強いとかさあ
203:名無しの競馬民
日本ダービーは負けて二冠は惜しかったが
これで凱旋門賞馬オルフェーヴルとゴールドシップのジャパンカップ黄金対決が熱くなる
それかアパオシャとゴールドシップの有馬記念だな
204:名無しの競馬民
さすがに三年連続で三冠馬が出る事は無くても強くて面白い馬が出て盛り上がるね
凱旋門賞を勝った後にikezを振り落としたオルフェには笑わせてもらったよ
205:名無しの競馬民
おいおい牝馬三冠のジェンティルドンナを忘れんなよ
父ディープと娘の親子二代三冠馬なんてフィクションみたいなことやってるんだぞ
206:名無しの競馬民
貴婦人はエリザベス女王杯で古馬と初対決か
今年の最強牝馬は先輩達の洗礼を跳ね除けられるかな
207:名無しの競馬民
今年度牝馬三冠と世界最強の女帝の激突は萌えるわ
208:名無しの競馬民
まさかアパオシャがエリ女を走るとは思わなかった
>>204フランスの実況者も爆笑してたからな
209:名無しの競馬民
あんまり得意じゃない日本の中距離でどこまで走れるか分かんねえけど一応アパオシャも牝馬だし
鼻の傷はもう治っているから一安心だ
210:名無しの競馬民
牝馬の11冠が牝馬限定G1に初挑戦!
クラシック三冠馬と牝馬三冠馬がエリザベス女王杯で激突!!
211:名無しの競馬民
>>210
字面にすると何言ってんのか全然分からん
212:名無しの競馬民
牡馬ばかりと走ってたから初の同性だけのレースが不安になる
213:名無しの競馬民
ヴィルシーナはとことん運が無え
天敵ジェンティルドンナだけでなくもっとヤバい馬と戦わないといけないなんて
214:名無しの競馬民
牝馬3歳G1全部2着に、エリ女も3着なら善戦ガールになってしまうな
215:名無しの競馬民
馬主の大魔神さんが怒りで本物の大魔神に!?
216:名無しの競馬民
もしかしたらアパオシャが遠征疲れで不調かもしれないし(汗)
217:名無しの競馬民
ヴィクトリアマイル馬のホエールキャプチャもいるからヴィルシーナには厳しい
218:名無しの競馬民
逆に言えばそれ以外の参戦馬の半分は下位クラスだから
今名前の出た四頭以外はお呼びじゃない
219:名無しの競馬民
スノーフェアリーが三連覇を狙いに来てないからまだマシ
220:名無しの競馬民
オークス馬のエリンコートを忘れてるが最近全然だから賑やかし要員か
221:名無しの競馬民
ジャパンカップは混戦模様
エリザベス女王杯はアパオシャ、ドンナ、ヴィルシーナのワイド馬券が鉄板だな
222:名無しの競馬民
今年のエリ女は銀行ですね
美味しくいただきます
223:名無しの競馬民
そういえばジェンティルドンナの陣営はギリギリまで
エリ女かジャパンCのどちらにするか迷ったらしい
224:名無しの競馬民
そりゃなーJC出たら凱旋門賞馬のオルフェ筆頭に日本の有力古馬と海外の強豪
ドンナも並じゃないが3歳牝馬にはつらい
225:名無しの競馬民
かと言ってエリ女は正真正銘の世界の女帝だし究極の二択
226:名無しの競馬民
だからドンナ陣営は強敵ばかりのJCより
下位メンバーばかりで女帝とサシでやり合えるエリ女を選んだってわけね
女帝も短い距離は得意とは言えないから勝つ目はそこそこある
227:名無しの競馬民
最強古馬との初対決はファンの俺らも嬉しいぜよ
228:名無しの競馬民
京都が女傑同士のタイマン勝負で炎上するぜ
250:名無しの競馬民
うーす、みんな菊花賞は現地で見た~?
今日は関西まで行けないから東京競馬場で競馬飯を満喫してきたぞ
251:名無しの競馬民
おーす、勝ったとは言わないのか
252:名無しの競馬民
負けてやけ食いでもしたんだろww
253:名無しの競馬民
今日の府中は重賞やってないからあんまり面白くなかっただろ
254:名無しの競馬民
>>251-252少しプラスで終わって昼飯代ぐらいは出たよ
>>253
ところがそうでもなくて良さそうな馬がちょっと居た
255:名無しの競馬民
ほう>>254は続けてくれ
256:名無しの競馬民
一番おおっ!と思ったのが未勝利戦のヴィンティンだった
あの血筋でツインターボは笑うわ
257:名無しの競馬民
どの馬か全然分からんが大逃げ馬なのは分かった
258:名無しの競馬民
ツインターボだと勝ったのか負けたのかすら分からんぞ
259:名無しの競馬民
ヴィンティンって2歳牝の?勝った?
260:名無しの競馬民
勝ったぞ
残り100mで逆噴射しても辛うじて逃げ切った
261:名無しの競馬民
知ってるのか>>259
262:名無しの競馬民
アパオシャの半妹だよ
オペラハウス産駒でオペラオーの妹でもある
263:名無しの競馬民
ふぁーー!!マジで勝ち上がったのか
264:名無しの競馬民
デビュー戦は負けたのは知ってたけど、2戦目で勝ち?
265:名無しの競馬民
そうだぞ
今日は牡牝混合の1800芝だった
266:名無しの競馬民
兄のアウトシルバーも中央ダート2勝してるからあの一家は超強いわ
267:名無しの競馬民
変幻自在脚の姉とバカ逃げの妹とか話題に事欠かんな
268:名無しの競馬民
1800mの大逃げでスタミナ持たないなら姉と違って短距離~マイルが適性かな
269:名無しの競馬民
母父ミホシンザンと父オペラハウスの配合ならスタミナ型と思うがまだ分からないか
270:名無しの競馬民
姉は今年引退だから次の主役として頑張って欲しいよ
271:名無しの競馬民
めざせ阪神ジュベナイルフィリーズ勝利