今回がいよいよ最終話となります
『さようなら。ありがとう、アパオシャ』
昨年、有馬記念を8馬身の圧勝で有終の美を飾った、アパオシャ(牝6歳、元美浦・中島厩舎所属)の引退式が、2013年1月26日(土)18:00より東京競馬場で執り行われた。
通算成績20戦19勝2着1回、うちG1を13勝。既に競走馬登録は抹消済。今後は北海道の生産牧場で繁殖牝馬となる。場所は非公開。
レースの終わった東京競馬場に集う10万人が見守る寒空の夕闇の中、無二の名牝馬アパオシャの引退式が始まった。
かつてアパオシャ自身に勝利の証として贈られた、凱旋門賞と天皇賞・春の馬服を纏う二頭の誘導馬の後ろを、英国ゴールドカップ勝利の馬服を纏うアパオシャが悠然と歩く。
唯一無二の名馬の姿を記憶と映像に残すファン達。スタンド前のターフヴィジョンには、これまでのアパオシャとライバル達との数々の名勝負がダイジェストで流れる。
馬主の南丸氏をはじめ、関係者のスピーチ内容は様々ながら、各人のアパオシャへの想いはいずれも劣らない。スピーチの最後には、アパオシャ自身も何か伝えようとマイクで語り掛けるハプニングも見られた。
アパオシャとの最期の写真撮影には、これまで彼女に関わった50人を超える関係者が一堂に集まり、別れを惜しんだ。その中には英国女王の名代として、オリンピック銀メダリストのイギリス王族夫妻も参列した。
式が無事に終わった後、唐突にアパオシャがデビューより背を任せた和多騎手の襟を噛み、彼に騎乗するように催促した。
照明に照らされる中、共に戦ってきた人馬の正真正銘のラストランが始まった。
鞍も鐙も無い裸馬のまま、手綱だけを握る危険な夜の走行。周囲は危ぶんだものの、誰も彼等を止められない。
人馬が短い時間の中で、何を考えていたのか余人の知る所ではない。共に命を預け合う馬と騎手の間には何者も入る事は許されない。
再びゴールに戻って来た一人と馬は、とうとう堪え切れずに涙を流した。もう二度と共に駆ける事は無い。どちらもそれを分かっていたこそ、悲しみの涙を流したのだろう。
今年から繁殖牝馬となるアパオシャの初年度の交配相手は未だ情報が無い。しかし競馬界は最強牝馬の初仔に大きな期待を寄せている。
≪週刊ダービー特別号より≫
2013年の競馬を見守るスレpart8
747:名無しの競馬民 ID:mcTgks89M
ああやっぱり夢じゃなかったか
748:名無しの競馬民 ID:z4vPB8qlL
なんの話だよ
749:名無しの競馬民 ID:KXWNJoutG
昨日のアパオシャの引退式だろ
750:名無しの競馬民 ID:mcTgks89M
正解
昨日東京競馬場に一日居続けて最後の姿を見て来たよ
今テレビのニュースで取り上げられているのを見ている
751:名無しの競馬民 ID:gJue+Xaz7
よう同朋
752:名無しの競馬民 ID:9fIXGl1nx
公式発表で10万人集まったらしいな
753:名無しの競馬民 ID:9xDWjM+98
重賞も無い土曜日に並のG1より人居たのかよ
754:名無しの競馬民 ID:gJue+Xaz7
二度と現れない神馬を生で見られる最期の機会を逃せるかよ
755:名無しの競馬民 ID:k9Xwm7Llk
牝馬の無敗クラシック三冠で海外G1五勝を含むG1を十三勝
20戦して連対率は100%
これ地味?にシンザンの19戦連対率100%の記録を更新してるんだよ
756:名無しの競馬民 ID:a+yGRlf4X
曾孫がガチで『シンザンを超えろ』を実行した模様
757:名無しの競馬民 ID:ugXQjPuA0
今まで夢を見ててそこから覚めたような気分だ
なんというかオグリキャップから続く夢の続きだったのかなって思う
758:名無しの競馬民 ID:Y628P7Ck7
>>757 言わんとする事は分かる
夢つーかディープインパクト以上に冗談みたいな存在だった
759:名無しの競馬民 ID:34Z0mpxK8
最初はオグリの娘だからちょっと応援していた程度でも
段々とどこまで行けるか楽しみになってたな
760:名無しの競馬民 ID:AhBvtIoiX
俺はクラシック三冠出るって知って無謀だろって思った
それが蓋を開けたら無敗の三冠だろ?
アパオシャの強さ云々より、どんだけ同期の牡馬は不甲斐無いんだって呆れたぞ
761:名無しの競馬民 ID:NBzImrp8z
2010年は完全にアパオシャとアパパネのAPコンビの年だった
結局この同年三冠牝馬の二頭が最後まで対決しなかったのは残念でならない
762:名無しの競馬民 ID:DpNxPh4BR
アパオシャが牡馬路線ばかり走るからしょうがねえよ
距離適性もアパパネはマイラーでイマイチ被らないし
763:名無しの競馬民 ID:y8ZcpuU9O
アパオシャは適性距離2000~4000mとかアホみたいに範囲広いくせに
デビューと二戦目以降は2000m以下を絶対に走らなかったからな
もう神様が二頭を対決させる気が無かったと諦めた
764:名無しの競馬民 ID:yl++0cE3F
今更だが2007年生まれの牡馬はただただ運が悪かったとしか言えない
ここ数年のG1成績見るとむしろ牡馬達強いよ
ヴィクトワールピサ:ドバイワールドカップ
ローズキングダム:3歳でジャパンカップ
ヒルノダムール:仏フォア賞 凱旋門賞4着
ルーラーシップ:香港クイーンエリザベス2世C
エイシンフラッシュ:馬体詐欺
牝馬のカレンチャン:スプリンターズS 高松宮記念
765:名無しの競馬民 ID:22B/BFKs7
アパオシャと同じように海外レースに強い世代だったのかねえ
766:名無しの競馬民 ID:Ua/x4i3u2
エイシンフラッシュの馬体詐欺はよぉ
おかげで何度単勝吹っ飛ばした事か
767:名無しの競馬民 ID:e4ZddnPS7
ふっ(笑)エイシンフラッシュはナイスネイチャの後継者
ド本命と組み合わせてワイドで買っておくのが正しい馬券の買い方だぞ
768:名無しの競馬民 ID:mYLYAXWF5
唯一アパオシャに敗北を刻んだピサの評価がめっちゃ高いのが複雑
直接対決の戦績1勝5敗なのに
769:名無しの競馬民 ID:n6kljvZwr
日本初のドバイ王者でも牝馬に負けまくって12年の初年度種付け料500万は結構強気の設定
770:名無しの競馬民 ID:ieGtMysqm
2007年生まれもボチボチ引退した牡馬も多くなったし
今年はオルフェーヴルの年かな
771:名無しの競馬民 ID:0yOei+Uyi
そのオルフェーヴルはもうすぐフェブラリーステークスか
いきなりダート走らせるなんて陣営は血迷ったのかと思ったぞ
772:名無しの競馬民 ID:IxjUYL06d
ダート世界一決定戦のアメリカBCクラシック挑戦したいから
トライアルのフェブラリーステークス出るのは筋だが無謀だろ
773:名無しの競馬民 ID:n93n18jPk
凱旋門賞勝ったから調子に乗ってる……のかなあ?
いやまあ世界一のレース勝ったんだから調子乗っても良いけどikezは振り落とすなよ
774:名無しの競馬民 ID:WooloAJ8r
重馬場のロンシャンで優勝するんだからダートも勝てるって理屈は分かるし
実際先週のG2東海ステークス勝ったからダートも走れるのは証明したが
正直芝のBCターフの方がまだ実績ある分だけ勝つ見込みが高いよ
775:名無しの競馬民 ID:PrdfMON5Z
アパオシャの後追いを嫌ったのかねえ
直接対決はもう無理だから世界最強を名乗るにはアメリカの本場ダートで地元勢を蹴散らすのが分かりやすい
776:名無しの競馬民 ID:KhkMfQ+/D
>>773凱旋門賞勝ったら速攻でikezを振り落としにかかったからな
あれはもう芸の一つだ
777:名無しの競馬民 ID:fD2LvSf39
オルフェは3歳三冠、宝塚記念、凱旋門賞、ジャパンカップの六冠
あと国内で一つ二つ勝てば十分だと思うが
778:名無しの競馬民 ID:ulhFmzDWx
アパオシャの十三冠の壁が高すぎて価値が低く見えるのが悪い
779:名無しの競馬民 ID:5PHfSuHEt
>>778の言う通り、数を増やすか3個分ぐらい賄うデカイ勲章がいるわ
780:名無しの競馬民 ID:6J72JKMW0
傍から見ている分には面白いからもっとやれと応援しよう
781:名無しの競馬民 ID:NQd8wK5Rz
確かに競馬はこじんまりと勝ちを稼ぐより夢を追っかけた方がファンは盛り上がる
782:名無しの競馬民 ID:exGE+rZeX
現実はクソな事が多いしレースの時ぐらいは夢を見たい
783:名無しの競馬民 ID:jrq/2CC2n
今年の競馬はどうなるかな~
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吾輩は馬である。もう誰とも競走をしない、一頭の畜生である。
引退式を終えて暫く経ってから、四年近く過ごした中島厩舎を離れた。
生まれてから一番長く過ごした土地を離れるのを寂しいと感じる。
トレセンの馬達とも、涙のお別れをした。余震も年々減り続けている。おそらくそれなりに慣れた馬達なら、もう俺が面倒を見る必要は無いだろう。
妹分のトフィも俺と同様、近いうちに引退と聞いた。
実妹のティンはまだこれからが本番。色々と危なっかしい奴だが和多が背に乗ってくれるなら、きっとクラシック~シニアも頑張って走り続けてくれると思う。
厩舎のリーダーの後任はアロマカフェに任せた。後はボチボチ時間をかけて頑張ってもらうしかない。いつまでも俺頼みは情けないしな。
中島厩舎の同じ飯を食った馬達も、最後は納得して見送ってくれた。あまり頼りになり過ぎるリーダーだと、馬達の自立心が育たないのが今回の失敗かも。
あまり構い過ぎるのも失敗の元。時には突き放して自立させるのも必要だ。そのさじ加減を前もって知っておけたのは、レース以外での収穫だろう。
これからの仕事が頭をよぎり、北に走り続けるトラックの中で悶々と過ごした。
約一日の移動で身体が鈍ってしまった。外は相変わらずの雪景色。冬だからしょうがないが、2月の北海道を長距離運転するのは大変だ。
それでもようやく見慣れた景色が目に入り、少しホッとしている。
トラックが止まった場所は懐かしの我が家……か?ちょっと雰囲気が違う。
荷台から降りて、牧場を見渡して違和感の正体に気付いた。日本ダービーが終わって一時帰郷した時と違い、厩舎が大きくなっていた。
それにあちらこちらに監視カメラや警報器が設置されている。さらに警備員っぽい人がトラックの運転手に身分証を求めて聞き取りをしている。
2年以上離れている間にやけに物々しい雰囲気になっている。しかし母屋は変わっておらず、玄関には見慣れた人達が寒い中で出迎えてくれた。
「よう戻った黒子。長い間、本当に頑張ったのう」
秋隆の爺様を始め、婆様、とっつぁんにお袋さんも俺を温かく迎えてくれた。
「しばらくはゆっくり過ごすっしょ。今は体を休めて、それからお婿さんに会いに行かんとね」
もう逃げられそうにないか。俺も母のようにバンバン子を作る時が来てしまった。
畜生として生を受けながら、今まで自由に生き過ぎたのかもしれない。これからが畜生道の本番になりそうだ。
爺様ととっつぁんに連れて行かれた新築の厩舎は、中島厩舎より過ごしやすそうに見える。
既に居る大きな住民達に挨拶して、懐かしい顔を見つけた。
【また世話になるよ、母よ】
俺をこの世に産み落とした母に顔を擦り合わせる。そして母のパンパンに大きくなった腹に目を落とす。
そうか、腹にまた弟か妹がいるのか。春には賑やかになるね。――――俺も来年こうなると思うと鬱になるぞ。
ところで俺の繁殖相手はどんな奴だろう。ヴィクトワールピサはなんか嫌だ。
「そうそう、お前は春にまたイギリスに行くそうだ。あっちにお前の相手がいると南丸社長が言っていた」
「イギリスにはお前が会った事の無い弟のネコ太郎が居る。もしかしたら向こうで会えるかもしれん」
ふーん弟がイギリスに?まあ、どこでもいいさ。
「お前の繁殖相手はフランケルというイギリスの馬だべ」
「最初は日本の馬と子を作る予定だったが、ヨーロッパ最強馬と日欧最強馬の子を見たいと、イギリスの女王様が色々勧めて話が纏まったと聞いている。種馬の馬主をしている中東の王族と女王が直接交渉したとか言ってたな」
相変わらずあの女王様はアクティブな人だ。むしろお見合いおばさんと化している?お気に入りの孫に良い相手を紹介したいとか思ってハッスルしたのかな。
察するに俺のオーナーや日本の関係者は、相当胃の痛い思いをしたに違いない。
しかしその女王様も前半生は戦争と先祖の負の遺産に、後半生は身内の不祥事に振り回されっぱなし。
【結局、人も家畜も自分以外の誰かに振り回される哀れな存在なのかねえ】
そう思えば存外、畜生道も過ごしやすいように思えてきた。
尤もそれは『同病相憐れみ、同憂相救う』の精神なだけなのかもしれないが。
「おっと立ち話も終いにするべ。今日は御馳走用意したから、晩飯を楽しみにしとけ」
いいねえ、じゃあ頼むよ。
新しい寝床を用意してもらって、今は旅の疲れを癒すとしよう。
【明日は明日の風が吹くってか。ボチボチ慣れていこう】
~~~完~~~
読者の皆様。これまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。今話で本当に馬としてのアパオシャの物語はおしまいです。あとはwiki風の話、人物と馬の紹介および、アパオシャをどう思っているのか、一言添えるおまけ話を書こうと思います。wiki話にはアパオシャの子供たちの父親と簡単な勝ち鞍を載せておきます。
その後はいよいよ、馬生を経たアパオシャをウマ娘化した再構築話を短いですが書こうかなと思います。それではこれからも気長にお付き合いください。