紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです!   作:ライドウ

1 / 161
☆ 1~3ページ

 

転生1日目

 

日記にさっそく書き込むけれど、私はついさっき・・・うん、ついさっき、コンクリートブロックが頭に大量に落ちてきて押しつぶされた。と思ったときには、ロリータ調のふわふわドレスを着た背中にクリスタルのような羽の生えてる女の子になっていた。

転生・・・と言うより、私の場合は憑依?に近いのかもしれない。けれど、体の主導権も意識も、ほとんどが前世の私のままで、記憶なんかもこの身体の記憶の方があいまいだ。

けれど、確実に言えることは私は転生、または憑依?した。と言うこと、多分・・・前世の体は即死だろうからあまり気にする必要はないだろう。

 

この日記を書いている途中で思い出したのだけど、私はあの後とある人・・・いや、吸血鬼の女の子に拾われた(さらわれた)。その吸血鬼の女の子との出会いは、何と言うか衝撃的で・・・私が洞窟内で「これからどうしよう」と考えているときに、洞窟の入り口からダイナミックエントリーをしてきたのだ。(この時に気付いたのだけれど、お昼から考え始めていたらいつの間にか夜になっていたみたいだ。)

そのダイナミックな入り方に驚いた私は、冷静にその吸血鬼の女の子を観察していた。薄いピンク色のナイトドレス(パジャマドレス)に、青白いウェーブのかかったセミロングの銀髪と、ナイトキャップに、「いたたっ」と言いながら立ち上がってこっちを見た眼は真紅の瞳。何より目立ったのが、背中の蝙蝠の羽だ。思わず、レミリア・スカーレットだ!と叫びそうになるぐらい。だけど、原作・・・正確には”東方紅魔郷”と比べて随分と小さい。入学したばかりの小学生ぐらいの身長だ。幸い怪我らしい怪我は見当たらず、ちょっと肌をこすらせた程度のようだが・・・彼女、レミリア(仮称)も私に驚いて、ポカーンとした表情でお互いをしばらく見つめ合い始める。

しばらくお互いに見つめ合い続けていたのだが・・・しばらくたって気まずくなり、私が「大丈夫ですか?」と聞くと、レミリア(仮称)は嬉しそうに口をUの字にし、私に抱き着く。思わず、悲鳴を上げた次の瞬間にはレミリア(仮称)に抱き上げられた。(このとき、私はかなり幼いのにどこにそんなパワーが!?と驚いていた。)そしてそのまま、洞窟から連れ去られた行き先は、なんと紅魔館(こうまかん)。思わず目を丸くし、レミリアの父親と思われる人物の前まで連れていかれ、二度も目を丸くした。

いきなりなことに私がオロオロしていると、レミリアが「この妖精を私の専属メイドにしていい!?」と父親に聞いた。その父親は、思わず頭を抱えてしばらく考えたのちに「きちんとお世話するなら」と言われた。私はペットかなにか!?

 

それで、そのレミリア父の後ろ隣に控えていた執事に一、二言いうと・・・執事はレミリアから私を取り上げてどこかに案内され、いつの間にかメイド服を着せられていた。

なってしまったものは仕方ないし、下手に怒りを買ってすぐに死ぬのも嫌だったために、渋々妖精メイドとして仕事することになる。幸い、一人暮らしをしていたおかげで家事や、仕事をしていた関係で敬語にはなれている。それに、意外といい清掃道具がそろっていたのでパパパッと掃除を始めてみた。

 

ちなみに、執事さんが言うに普通のメイドなら3時間かかる清掃や整頓を1時間で終わらせていたらしい。

聞かされた時、思わず執事さんに「時計の故障では?」と動揺しながら聞いてしまったことは反省している。

 

 

転生2日目(木曜日、日中:雨、夜中:曇り・おそらく三日月)

 

転生?憑依?まあどっちでもいいけれど、この姿になって2日目だ。昨日は、どこで寝ればいいのか執事さんから聞いていたところをレミリアお嬢様に強襲され、そのまま抱き枕として私も眠ることになった。お嬢様は私のことがとても気に入っているらしく、どこに行くにしても私が一緒ではないと今にも泣きだしそうな顔になってしまっている。その顔を見ていると、思わず抱きしめて、涙をハンカチで拭くのだが・・・もしや、母親に飢えているのだろうか。

 

その後、執事さんとレミリア父に抱き枕から救助され、レミリア父の書斎に連れていかれて、レミリアお嬢様の専属メイド兼この紅魔館(こうまかん)のメイド長に任命された。その際に、レミリアち・・・スカーレット卿からもう一人の娘を紹介された。金髪で、レミリアお嬢様と同じ真紅の瞳、ナイトキャップ。そして、ひときわ目を引き付ける、枯れた枝からぶら下がる色鮮やかな宝石の羽。スカーレット卿からの紹介で、フランドールと聞かされた時には驚かされたが、キュッとスカーレット卿のズボンのすそを掴んでいたのは可愛らしい様子だ。

 

そして、スカーレット卿の話では、すでにレミリアお嬢様とフランドールお嬢様の母親は・・・何と言うか、死んでしまったようだ。死因は、流血のし過ぎ・・・なんでもフランお嬢様が産まれる時、難産だったらしく・・・それで出血多量で死亡したのだろう。あくまで憶測でしかないが、スカーレット卿は「フランを産むとき、血を流しすぎた」と言っていたので間違いではないだろう。そしてそれが、2年前のお話。つまり、レミリアお嬢様は現在7歳、対するフランお嬢様は2歳と言うことだろう・・・原作開始までかなりの年数、この屋敷で働くみたいだ。

話を戻すと、スカーレット卿が、見ず知らずの妖精である私にそんな話をしたのかと言うと、スカーレット卿はできるだけ早めに不夜城(ふやじょう)に帰らなければならないらしい・・・この2年間はなんとか誤魔化せていたらしいが、さすがに限界。その為、私にレミリアお嬢様とフランお嬢様の護衛と子育てをお願いしたいみたいだ。

・・・その話を聞いて、私はなおさら引けなくなり「見習いでいいのであれば誠心誠意、お嬢様方をお守りいたします」と答えた。

 

 

転生3日目(金曜日、日中:曇り、夜中:晴・半月)

 

さて、昨日の夜の間に、お嬢様方と一緒にスカーレット卿とお世話になった執事さんを見送り、レミリアお嬢様とフランお嬢様、そして私の3人だけとなった紅魔館(こうまかん)の家事を始める。お嬢様方がお休みになっている間に館全体の清掃をすませ、執事さんに教えてもらったレシピで、(お嬢様方にとっての)朝食の下準備を進め、ついでにクッキーを焼いて、洗濯物を乾かしておく。そして、家事が終わった私は一人・・・静かに中庭に出て能力を確認したみた。

私の能力の名前は空間を操る程度の能力。つまるところを言えば、狭い部屋を広くしたりといろいろ便利な能力であることが分かった。試しに、メイド服の前掛けにあるポケットに能力を使い、そこに大きくて絶対に入らなそうな石を何個か入れてみたら、その複数個の石はすんなりとはいってしまい、まさかと思って、うねりから石を発射するイメージをすると、思い通りに石が剛速球で発射された。何もない場所に撃って幸いだったのだが、当たれば間違いなく、”痛い”ですむ威力ではなかった。

試しに、某俺様系黄金暴君のように様々な武器を無尽蔵に発射できるのかな、とウキウキしながら、「ゲー〇・オブ・バ〇ロン!」とやってみたのだけれども、残念ながら黄金のうねりが現れるだけで武器は発射されなかった。それでおかしいと思い、石を大量にポケットに入れて、同じようにやってみると、今度は石が発射され始める。しばらく試して、自分の能力の制限を理解することができたのだが、これがまた面倒くさい。

 

その1 私の空間を操る程度の能力は、条件付きだけれど空間を操れること。

かなり難しいのだが、中庭から紅魔館(こうまかん)のキッチンへとつなげるドアをイメージすると、何もない空間にドアのような形のうねりが現れ、私がそこを通るといつの間にか、私は中庭から紅魔館(こうまかん)のキッチンに移動していた。

まさかと思い、キッチンを広げるイメージをすると、そのままキッチンが体育館のように大きくなり、元に戻るようイメージすると、キッチンの大きさが元に戻った。慌てて、キッチンから中庭に移動し、同じように中庭が広がるようにイメージしたが・・・さすがにそれは発動しなかった。

中庭が広がらないことにホッとしつつ、とあることを試すためにキッチンにあるフォークを手に収めるイメージをする・・・が、何も起きず。逆に視界内にあるベースボールぐらいの小石を手に収めるようにイメージすると、うねりからとても形のいいベースボールぐらいの小石が出てきて掴んでいた。

 

その2 うねり内空間は何も入っておらず、空間を利用した攻撃をする際は、うねり内空間の中に武器となるモノをため込む必要があること。

空中に現れるうねりは一応、攻撃にも防御にも使えることは分かったのだけれど・・・そのためには内部に武器になりそうなものをため込む必要がある。

たとえるなら、非常事態に備えて、非常食や非常水をため込むようなものだろうか。しかも、その非常時は大変多く起きるものだろう。レミリアお嬢様とフランお嬢様は吸血鬼ですし・・・ヴァンパイアハンターとか絶対来る。

痛いのも殺すのも、まだ抵抗こそあれど・・・それでも、レミリアお嬢様とフランお嬢様を守らなくてはいけない。あまり戦いたくはないけれど!!

 

その3 収納数は無限大。

試しに、視界内にあるちょうどよさげ・・・ベースボールぐらいの大きさの小石をすべて広い、ポケットに入れてみたのだが一向にあふれる気配はなく、それどころかふざけて入れた3m位の岩も入ってしまった。

ま、まあ・・・そのおかげで、私は荷物持ちにはちょうどいいということが分かったから気にしないでおくことにしよう。それと、ふざけて入れた3m位の岩は元の位置に戻しておいた。ベースボールぐらいの石は、念のために定期的に貯めておくけど。

 

上記の三つが、私の持つ空間を操る程度の能力の制限、そして使い方だ。閉鎖空間を自由に操り、視界に映っているものを引き寄せ、うねりから武器を発射したり逆にしまったり、そしてその収容数もほぼ無限。

そのかわり、視界内しか自由にできないという制限と、移動には移動する先を鮮明にイメージする必要があるので、正直言ってそこだけはかなり使い勝手が悪いと感じた。

と、能力の確認をしたところで・・・その時の空はすっかり夕方となっており、私は急いで洗濯物をしまって、クッキーの味見をして、お嬢様方が起きる準備を進める。

人手が欲しくなるような状態だったけれど、なぜか楽しく感じたのは、自分でもよくわからない。よく分からないけれど、私はレミリアお嬢様とフランお嬢様の笑顔を見るのが、とてもうれしい。

この小説について

  • 待ってました!
  • 投稿が遅い!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。