紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです!   作:ライドウ

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☆ 92冊目 30~33ページ

 

転生93年と1ヵ月15日目(土曜日、日中:晴、夜中:晴・新月)

 

昨日、グングニルをレミリアお嬢様が拾いになった日から翌日。

今日は特に何もない日だ。しいて言うならば、オリビアちゃんと毛玉メイドたちが話し合った結果、毛玉の何十匹かを毛玉メイドにしようと言うことになったらしい。人型になった原因は分からないけれど、あの日の再現をすればきっと人型になるというオリビアちゃんの提案の元、毛玉が毛玉メイドになった日をそのまま再現することになった。

・・・まあ、上手くはいかず、あの日を再現したのにもかかわらず、毛玉は人型にはならなかった。オリビアちゃんがちょっと悲しそうな顔になりポニーテールの毛玉メイドに慰められていた。どうしてオリビアちゃんが悲しそうな顔をしたのか尋ねると、理由は簡単・・・私やブラウ、そしてルージュの為だったみたいだ。紅魔館(こうまかん)に勤めるメイドは、総勢で8人。対して紅魔館(こうまかん)の大きさは8人がどう頑張ろうと終わらないほどに大きいお屋敷だ。アンナなんてまだ過労死しながら働いてくれている。(今回も死神の女の子はきたのだが、前回のこともあってか大人しく正門からやってきたので、お茶とお菓子をふるまってお客様としてもてなした。アンナは若干睨んでいたけれど、いつの間にか他愛もない会話をして親しげにしている。)

その為、人型になることを希望した30匹の毛玉が、毛玉メイドになれば人手不足も解消されるんじゃないか、とオリビアちゃんは考えてくれたみたいで、やってみて人型にはならなかったため、泣きそうになったという。その気持ちだけでもうれしかったため、オリビアちゃんを抱きしめて慰め、その後の休憩時間をゆっくりと過ごした。

すると、奇跡が起こったのか30匹のうちこの前と同じ4匹が人型になり、少しだけ毛玉メイドの数が増えた。私とオリビアちゃんは頭を抱えそうにはなるが、人手が増えることはうれしい事なので、まずは新しく人型になった毛玉にメイド服を着るように指示し、オリビアちゃんは嬉しそうにその毛玉たちを連れてメイド服が置かれているスペースへと駆け込んでいった。

 

さて、新しく増えた毛玉メイドだが、それぞれブラウとルージュの所の毛玉メイドの増員として送り込んだ。ブラウとルージュは、毛玉メイドが増えた途端は困惑しかけたが、人手が増えたことが分かったみたいで、嬉しそうにその毛玉メイドを受け入れていた。

少しだけ人手が増えただけで、すぐさま作業効率は上がるわけでは・・・上がったんだなぁこれが。元々、毛玉メイドになった毛玉と言うのが、オリビアちゃんのお仕事を自主的に手伝っている毛玉で、ときおりブラウとルージュも手伝いもしている毛玉だったらしい。その為、何をどうすればいいのかは理解しているようで、テキパキとまるで昔から働いていたように完璧にそれぞれ与えられた仕事を片付けていた。これにはブラウもルージュもニッコリで、ルージュに至ってはうれしさのあまりオリビアちゃんの為にホールケーキを作ってしまった。(そのホールケーキは、サボっていたアンナを除いたメイドたちの全員で美味しくいただいた。)

メイド隊の人手が増えたということは、この紅魔館(こうまかん)の当主であるレミリアお嬢様にも報告するべきなので、報告を行うと・・・困惑よりも先に、メイド隊の人手が増えたことを喜ばれ、もうちょっと増員できないかオリビアちゃんに尋ねるぐらいだった。・・・まあ、「原因不明の為、そんなにポンポンと増やすことができないのが難点である」と丁寧な言葉で伝えると、レミリアお嬢様も納得しオリビアちゃんに無茶振りをしたことを謝られた。

 

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転生93年と1ヵ月16日目(日曜日、日中:曇り、夜中:晴・三日月)

 

今日は、ブラウとルージュ、そして美鈴(メイリン)による模擬戦を行う日だ。いろいろなドタバタや人手が足りておらず、休憩時間がかなり少なかったり、予定を開けることができなかったりしていたが、毛玉メイドが4人から8人になったおかげで、こうして行うことができた。

ちなみに、今回の模擬戦を考えたのはレミリアお嬢様だ。建前は、紅魔館(こうまかん)の戦力を把握するためだが、本音はたぶん興味本位だろう。戦う場所は、美鈴(メイリン)の畑から少し離れた空き地。庭園の敷地内ではあるが、芝がキレイに刈られている場所だ。夜中に行うため、ブラウとルージュと美鈴(メイリン)は日中に十分な休息を取り、今日はアンナをこき使ってその日の仕事を終わらせた。アンナが「過労死しながら働かされるとかブラックどころの話じゃないっすー!!」と叫んでいたが・・・アンナの場合は、副メイド長とそこそこメイドとして偉い立場なのでそろそろサボったりせず真面目に働いてほしいためこういう手法を取らせてもらっている。

 

さて、問題の模擬戦だけれど無事に終わった。結果と言えば、全員引き分けという結果で無事に終わっている。三人の戦いは、模擬戦という全力の殺し合いではないというところから見ても激しい戦いであった。私の場合は、何とか目で追えたのだが・・・オリビアちゃんの場合は何が何だかだったみたいで、終始頭の上にハテナマークを浮かべていた。けれど、戦った本人たちいわく強さの順としては、美鈴(メイリン)≧ルージュ≧ブラウの順番らしい。確かに、美鈴(メイリン)とブラウが戦っていた時は、ブラウが少し苦しそうだったような気がする・・・?

そして、レミリアお嬢様は結果に満足はしていなかったものの、3人の実力が知れてその部分は満足だった模様で嬉しそうに羽をパタパタと動かして、3人にこれからも紅魔館(こうまかん)の戦力の要となるように褒めていた。

 

ちなみにだけれど、私が試しに引き撃ち超高速(つぶて)発射戦法で3人と戦ってみた。

最初は優勢だったけれど、弾速と弾道を見切られた途端、一気に間合いを詰められてそのまま私が手を出せなくなり、そのまま死亡判定を出されてしまい、全敗してしまった。模擬戦とはいえ、3人とも怖い顔で来るものだから、泣きそうになった。(総メイド長だから泣かなかったけれど。)あの3人の中で、特に美鈴(メイリン)が怖かった。真顔で高速接近してきて、いつの間にか背後で拳を突き出してるのは怖すぎる・・・。

 

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転生93年と1ヵ月17日目(月曜日、日中:晴、夜中:晴・半月)

 

レミリアお嬢様のお散歩の日には必ず落としモノがある。これは確実で、100%なにか落としモノをレミリアお嬢様はお拾いになる。けれども、今日は珍しくフランお嬢様がレミリアお嬢様のお散歩に同伴することとなった。さすがにお嬢様方を私一人で同伴するわけにもいかずに、アンナを捕まえて同伴させた。

フランお嬢様がお散歩についてくるのは、今回が初めてで私もレミリアお嬢様も最初は驚いていた。すると、フランお嬢様は「たまには紅魔館(こうまかん)の外を見てみたいの、今日はお姉さまと一緒に居たいなーって」と言う言葉に、レミリアお嬢様は即落ち2コマぐらい手のひらをくるりと回転させて、フランお嬢様を抱きしめて甘やかしていた。と言うわけで、今日のお散歩はフランお嬢様とアンナが付いてくることになった。

 

レミリアお嬢様とフランお嬢様が仲良く手をつないで散歩をしていると、案の定レミリアお嬢様は落としモノをお拾いになられた。それも時間差で2つもだ。

最初の一つは、なんてことはない普通のツボ。ちょっとお値段がありそうな装飾が施されたツボだ。それを見つけて、レミリアお嬢様が拾ったとき、フランお嬢様が私に「いつもこんな風に落としモノを拾うの?」とお聞きになられたので、「はい、今日は大人しい方ですけれど。」と返答した。フランお嬢様は、目を三白眼にして呆れていた。レミリアお嬢様は、もちろんその落としモノを遠慮なくもらい、私はそのツボを持ち帰り用の亜空間に放り込んだ。

問題だったのは、二つ目の落としモノだった。この前の金曜日(転生93年と1ヵ月14日目)、レミリアお嬢様が”グングニル”を拾ったのは、この日記を書いた時は新しく、またそれほど大きい出来事だった。何せ、北欧神話の主神”オーディン”が持つ必勝の神器が、落としモノとしてレミリアお嬢様に拾われる事態が起きたのだ。今現在では、危険がないように施したグングニルをレミリアお嬢様の執務室の壁に飾ってある。

そして、話は変わるが、東方紅魔郷(原作)におけるEXステージ(裏ステージ)において登場する、裏ボス”フランドール・スカーレット”には、代名詞とも呼べるほどのスペルカードが存在する。そのスペルカードの名前は”禁忌『()()()()()()()』”・・・そう、北欧神話において、一説によると世界を焼き払う巨人”スルト”が振るう炎の魔剣とも呼ばれている神器の名前を使ったものがある。だから、ここまでくるともう運命のいたずらじゃなくてレミリアお嬢様が運命を弄りまくってるんじゃないかと疑ってしまう。

 

どうして、

(実物を見た訳じゃないけれど間違いなく)本物のレーヴァテインが、

道端の隅の小石のように落ちているんだよッ!!

 

ともかく、レーヴァテインが落としモノとして、レミリアお嬢様に拾われた。けれど、レミリアお嬢様はグングニルがあるからといって、レーヴァテインをフランお嬢様に渡していた。フランお嬢様は最初こそ遠慮したものの、レミリアお嬢様の説得により受け取っていた。

見た目は、何と言うか・・・曲がった時計の針の様な見た目をしているためフランお嬢様は杖のように使っていた。ときおり、レーヴァテインから火が噴き出しはじめて、発火しようとしてびっくりしたのだが、フランお嬢様がレーヴァテインを気に掛けた途端、レーヴァテインは大人しくなっていた。もしかして、このレーヴァテイン、自我あるのだろうか?神器だから否定はできないけれど、だとするとちょっと怖いのだけれど・・・。

 

ちなみにだけれど、お散歩が終わった後はなんてことはない普通の一日だった。

しいて言うなら、死神の女の子を、この紅魔館(こうまかん)でメイドとして雇ったぐらいかな。(本人曰く、アンナの魂を回収しても魂ごと復活するからあきらめた方が早いそうだ・・・。あと、その子は清掃メイド長補佐として雇うことになった。)





次回からしばらくは美鈴の日記になります。

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