紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです!   作:ライドウ

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□ 庭園迷宮完全攻略戦・第2層”廃屋敷”

side:レミリア

 

完全攻略の完了した”庭園”を通り、廃屋敷に突入する。

数人の狼女たちと突入し、”廃屋敷”に現れる魔物は動く鎧……リビングアーマー程度なので、ほどなくして廊下は完全制圧が完了する。

けれど、湧いて出て来たリビングアーマーたちを全滅させても、メイドたちや狼女たちが閉じ込められているであろう部屋のドアの施錠が解除される様子はなかった。

 

試しに美鈴(メイリン)に蹴飛ばしてもらったり、咲夜(サクヤ)に扉の鍵をピッキングしてもらったのだけれど……前者の場合は扉には強固な反射の防御魔術陣が張られており、危うく美鈴(メイリン)が大ダメージで動けなくなりかけた。後者の場合は、咲夜(サクヤ)が自作したピッキングツールが根元からポキッと折れてしまい、咲夜(サクヤ)は少し悲しそうな表情を浮かべていた。

 

どうしたものかと考えていると、狼女の一人が開いている部屋を見つけて来た。

その部屋は遊戯室であり、長年使われていないからか埃を被り、床や壁には穴が開き、吸血鬼の私とフランからしても不気味さを感じる一室ではあったけれど、そんな遊戯室のビリヤード台の上に、一つの手紙が置かれていた。

その手紙は、パメラ・スカーレットの筆記ではなく……また使われている紙も状態保存の魔術が施されているけれど、随分と古いモノだ。たしか、この紙は”パピルス”とかいうものだったはず。

そんな手紙を手に取り、サラサラと文字に目を通す。

 

「……古代文字、かしら。」

「少なくとも見たことない文字だね。」

 

私と、フランの言葉に美鈴(メイリン)咲夜(サクヤ)が手紙を見ようと覗き込んで、パチェもその古代文字が気になるのか投影魔術からパチェの姿が浮かんでいた。

 

「……誰か、この文字分かる?」

「ごめんなさい、レミリアお嬢様……私では分からないです。」

『私も分からないわ。どういう文字なのかしら?」

 

一応、美鈴(メイリン)とパチェに聞いてみるけれど、二人とも申し訳なさそうな表情を浮かべ首を横に振った。けれど、咲夜(サクヤ)だけは未だにマジマジと古代紙に書かれている文字を見ていた。

 

咲夜(サクヤ)?どうかしたの?」

「えっと……ちょっと待ってくださいね。」

 

私とフランは顔を合わせてから首をかしげるが、咲夜(サクヤ)はずいぶん真剣な表情だ。

 

「……やっぱりそうだ。これ、私とアンナ姉さんたちのいた()()()()()()()ですよ、それもかなり古いタイプのモノです」

「えっ、咲夜(サクヤ)この文字がなんて書いてあるかわかるの!?」

 

思わず咲夜(サクヤ)に詰め寄ると、咲夜(サクヤ)は目を丸くしながら驚き、けれど縦に頷いた。

けれど、それを聞いて不可解な疑問が浮かび上がる。どうして、古い紅魔館(こうまかん)の遊戯室に、それも迷宮化していて、庭園迷宮からしか来ることのできない、この場所に、教会の暗号文字が書かれた紙が置いてあるのかと言う疑問が。これもパメラ・スカーレットの策謀の一つなのだろうか……?それとも、パメラ・スカーレットに与する教会の裏切り者?もしくは、本当に教会の勢力がここにいる?疑問は尽きない、しかし、答えを導き出すには情報が少ない。ここは一度、咲夜(サクヤ)になんて書いてあるのか解読してもらうほうがいいだろう。

 

「多分、アンナ姉さんたちならすぐわかるんですけれど……ちょっと待っててくださいね。」

 

咲夜(さくや)が紙を手に取り、メモ帳まで取り出して解読を始めていた。

……どうやら咲夜(サクヤ)もギリギリ覚えているかどうからしく、ときどき「これなんだっけ?」と言う子声が聞こえてくる。

 

『レミィ、少しいいかしら。」

「パチェ? どうかしたの?」

『実は……』

 

 

 

 

咲夜(サクヤ)が遊戯室で、美鈴(メイリン)に護衛されながら解読に集中している中、私、フラン、そして数人の狼女たちでこの”廃屋敷”の”庭園迷宮奥地に相当する部分”を探すことになった。

パチェの予想では、ここにも”庭園迷宮奥地に相当する部分”が発生している可能性が高いらしい。なんでも、私たちが庭園の攻略を完了し、廃屋敷の攻略に向けて休んでいる最中、パチュリーが小悪魔ちゃんを庭園奥地に送り込んで得た情報が元だ。

 

「フラン、どうかしら?」

「うーん、今のところ怪しい所は見つからないかもー。お姉さまもそうでしょう?」

「ええ。」

 

武器だけ構えて、ゆっくり廃屋敷を探索しているが、パチュリーの言う”庭園迷宮奥地に相当する部分”は一向にみつからない。まあ、パチュリーも「可能性があるわ」と言っていただけだから、おそらくパチュリーも見つからないのは分かっているかもしれない。

 

「……ねえ、お姉さま。」

 

探索中、フランが私に話しかけてくる。

 

「なにかしらフラン。」

「この廃屋敷って、建て替える前の古い紅魔館(こうまかん)……なんだよね?」

 

突入前のパチェの事前情報……まあ、途中で私が無理やり本題に入らせたけれども……ともかく、パチェの話によれば、私たちの先祖に当たるスカーレット家の当主の一人が、庭園迷宮に細工を施し、庭園迷宮第2層を形成……そこに、今の紅魔館(こうまかん)になる前の紅魔館(こうまかん)を空間ごと、疑似世界として創り出したらしい。

 

「パチュリーの話なら、その通りよ。それがどうしたの?」

「……いや、じゃあ一体いつ建て替えたのかなぁって。」

 

ふと、フランが立ち止まり数少ない窓の外を見る。窓の外は重苦しい曇り空が広がっていて、太陽の光は漏れ出していない。夜と間違えそうな天気だ。

それにしても、フランは何が言いたいのだろう。

 

「ちょっと前の、完全攻略戦を始まる前の話だと、紅魔館(こうまかん)はお姉さまが生まれる4251年前からお手入れがされなくなって……その少しあと、第2階層(ここ)は4123年前に作られたじゃない?」

「ええ、そのどちらも紀元前……それも結構古い時代、神代って呼ばれてる時代ね。」

「……ちょっと違和感があるんだよね。」

 

フランは腕を組んでうーんとうなりだす。可愛らしい様子だけれど、私は首をかしげるしかなかった。

話のつじつまが、と言うのなら、私は自然であるとは考えるが……いや、フランは私より、魔法や・魔術面に賢い子だ。おそらく、そちらの方面で、何かしらの引っかかりを覚えているのだろう。

 

ともかく、フランの話を聞いて私も考えてみる。

紅魔館(こうまかん)が建てられた時代はともかく、ハンターグリーン家、ミッドナイトブルー家との二つの吸血鬼族とのにらみ合いが始まり、私が生まれる4251年前にはこの紅魔館(こうまかん)は手入れがされなくなっていた、それから4123年前、庭園迷宮に第2層が作られ、この古い紅魔館(こうまかん)は世界ごと……ん?

 

「……たしかに、よく考えてみると……いろいろ、違和感があるわね。」

「お姉さまも気づいた?」

 

もし、話の過程をいろいろと整えるのなら、この”庭園迷宮”と言う存在が、ノイズになる。

でも、今はそれをあれこれ考えている暇はないだろう。

 

「……パチェ、今の話、聞いていたかしら?」

『ええ、ばっちり聞いていたわ。考えるのは私に任せて、レミィたちは探索の続きをお願い。』

「そう言う事よフラン。今は探索を続けましょう?」

「……それもそうねお姉さま。」

 

難しいことは、今はパチェに任せて”廃屋敷”の探索を続けるのであった。

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