紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです! 作:ライドウ
side:アストレア
私は、生まれつきの怪物だった。
父は、人間……私が育った村の木こりだった。無口で体の大きい父は、村一番の力持ちではあったけれど……優しい性格に反して、強面な容姿でいつも怖がられていた。
そんな、父に助けられて惚れ、強かにいい雰囲気にして父と婚約し同時に私を身ごもった母は、後にわかった事だけれど、スカーレット家の血をかなり薄くではあるがひいていた吸血鬼だった。
そんな私は……とりあえず旅に出ることにして、村を出た。
日向を歩くのは、父方の人間としての血を色濃く持っていたからか、気だるいぐらいですんでいた。いろんな町や村を歩き……噂に聞いた”迷いの森”を歩いている時に、ちょうど散歩をしていたレミリア様と、メイド長に出くわした。
そして、流れるままに話は進み……私は、
ともかく、この怪力のせいで力加減が上手くいかず、さらには私自身が極端なまでに不器用という事もあり、それをメイド長に雇われる時に相談したのだ。
それで、私は警備隊……
メイドと言う形での雇用なのに警備兵と言う複雑な立場になった私だが、けれど警備隊の仕事は私にとっての天職だったのである。
まず、私の怪力を悩むことなく必要とする業務が非常に多かった。戦闘もしかり、農園の仕事も、そして庭の手入れもそうだ。
それに休み時間や、休みの日なんかは
……さらに言えば、警備隊の部下となった狼女のみんなもいい人ばかりだ。
無口で、愛想が悪いかもしれない私によく話しかけてくれるし、私が一言二言で言葉を終わらせても、彼女たちはどういうわけか伝えたいことを全て聞き届けてくれる。
なんて、私が考えていると、部屋に置かれた蓄音機が動き出した。
『……ハァ、ハァ。お、お前は……は、
(……? 随分と余裕がないように見える。もしかして、レミリア様がパメラ・スカーレットの思い通りになってないのかな?)
『……それも、スカーレットの血を引く
(…………。 間違いなく、誤解しているな。 レミリア様の話では、私の母は
『あの、あの黒い妖精と言い……お前と言いッ! どうしてレミリアはこんな子ばっかりッ!! あんな子になるように産んだ覚えなどないのにッ!!』
蓄音機から、随分イライラした悲鳴が聞こえてくる。間違いなく、ヒステリックになっている。それにしても、黒い妖精……私が知っている中で黒い妖精はノワールさんや普通の妖精メイドたちを含めて、該当者が多すぎる……。何とか、該当者を見つけようとしたけれど……すぐにやめて、私は拳を構えた。目の前に、筋骨隆々の魚頭の変態が現れたからだ。
『ふふっ、うふふふふふっ!あぁ、そうよ私……大丈夫、消してしまえばあの人の不貞などなかったことになる!それに、レミリアも考え直してくれるわ……うふふ、あはははははっ!』
「……狂人、ドン引き。」
『やれっ、インスマス!!』
「ギョギョォオーーーーーーーーーッ!!」
「……
「なめるなッ」
ヒュッと拳を振るい、風切り音を響かせる。
直後、私の拳はインスマスのみぞおちに刺さり、
「ギョゲェ!?」
汚い悲鳴を上げて、インスマスは私を閉じ込めていた部屋のドアにぶつかり、シミとなった。残念ながら今の攻撃で扉は開かなかったようだ。
「……頑丈で、残念。」
自力で脱出できたのなら、どれほどよかったのか……。
自分でも直接扉を壊そうとしたりしたけれど、びくともしなかったという事は……何かそう言う、頭を使わないと出られないという事だろう。
まあ……
「暇つぶしは、まだまだ来る。」
「ギョギョーーーーッ!!」
「ギョアーーーーッ!」
「ぎょっ……ぎょぎょぎょ!?」
魔術陣が連続して現れ、
どうやら、パメラ・スカーレットは、そこまでして私を徹底的に亡き者にしたいらしい。
でも、この程度の相手は……私にとって遊び相手にもならない相手だ。
「精々……足掻いて。」
「ギョゥーー!?」
「ギョギィー!?」
「ぎょーーー!?」
ニヤリとレミリア様に教わった笑顔を作って見せると、